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下岡 隆; 小栗 英知; 滑川 裕矢*; 富澤 哲男; 奥村 義和; 長谷川 和男
JAERI-Tech 2002-038, 30 Pages, 2002/03
日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構が共同で推進する大強度陽子加速器計画では、核破砕反応によって発生する二次粒子を用いて多様な分野の研究を展開するため、既存の加速器を大幅に上回るビーム出力1MWという性能を目指している。これに必要なビームを生成するイオン源には、ビーム電流60mA、デューティー2.5%以上が必要とされる。また、シンクロトロンへの入射効率を上げるため、ビームの種類は負水素イオンが必須となる。原研では、核融合炉で使用する大型負イオン源開発で培われた技術をベースに大強度陽子加速器用体積生成型負イオン源の設計・製作を行い、ビーム試験を進めてきた。その結果、セシウム添加状態において負イオンビーム電流72 mA、規格化RMSエミッタンス0.15mm.mrad の負イオンビーム引き出しに成功した。また、運転ガス流量がパルスビーム電流波形に大きく影響し、16SCCM程度で良好なパルス平坦度が得られることがわかった。これらの開発により要求性能を充分満たすイオン源を実現した。
小栗 英知; 奥村 義和; 長谷川 和男; 滑川 裕矢*; 下岡 隆*
Review of Scientific Instruments, 73(2), p.1021 - 1023, 2002/02
被引用回数:17 パーセンタイル:64.52(Instruments & Instrumentation)原研では素粒子原子核研究、物質生命科学研究及び核変換技術開発を目的としたビームパワー1MWの大強度陽子加速器施設の建設を計画している。本計画で使用する負イオン源では、ビーム強度60mA以上、規格化エミッタンス0.15pimm.mradのビーム引出が要求されている。そのため体積生成型負イオン源を設計・製作し、目標達成に必要な実験データの収集を行った。イオン源のソースプラズマはタングステンフィラメントを用いたアーク放電にて生成する。ビーム強度を上げるために、アークチェンバー中にセシウム蒸気を導入する。ビーム引き出し系は3枚の電極で構成され、ビーム孔の寸法は8mmである。今までのところ、ビームエネルギー70keV、デューティー5%の条件下でアーク放電電力30kWに対しビーム電流40mAのビーム引き出しに成功している。セシウムを導入するとビーム強度はアーク放電電力に比例して増加することが分かったので、今後、さらに大出力のアーク電源を用いてビーム試験を行う予定である。