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後藤 実; 島川 聡司; 中尾 安幸*
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(7), p.965 - 969, 2011/07
被引用回数:16 パーセンタイル:75.9(Nuclear Science & Technology)過去にIAEAにおいてHTTRの臨界近接試験の国際ベンチマーク計算が行われ、その多くは過剰反応度を過大評価した。原子力機構のベンチマーク計算も、他の場合と同様に過剰反応度を過大評価する結果となった。その後、幾何形状モデルの見直しや当時最新の核データライブラリJENDL-3.3の利用により原子力機構の計算結果は改善されたが、過大評価の問題は残った。一方、異なる核データライブラリを用いたHTTRの炉心計算の比較により、ライブラリ間の熱領域における炭素の中性子捕獲断面積のわずかな違いが、計算結果に有意な違いをもたらすことが見いだした。この断面積の値はミリバーンのオーダーで小さいため、原子炉の核計算分野における関心は低く、JEND, ENDF/B、又はJEFFといったメジャーな核データライブラリでさえ、その値は長い間見直されてこなかった。われわれは、HTTRの炉心計算の精度向上の観点から、この断面積を最新の測定値に基づき見直すこと、及び従来に比べて10%程度大きな値に見直すことを提案した。2010年5月、JENDLの最新版JENDL-4.0が原子力機構より公開され、熱領域の炭素の中性子捕獲断面積が最新の測定値に基づき、従来に比べて9%大きな値に見直された。HTTRの臨界近接試験の計算に及ぼす影響を調べた結果、JENDL-3.3を用いた場合に比べて実効増倍率を0.4%-0.9%小さく評価し、その結果、従来の過剰反応度を過大評価する問題を解決できた。
後藤 実; 塩沢 周策; 藤本 望; 中川 繁昭; 中尾 安幸*
Nuclear Engineering and Design, 240(10), p.2994 - 2998, 2010/10
被引用回数:1 パーセンタイル:10.01(Nuclear Science & Technology)ブロック型高温ガス炉(HTGR)では、通常運転時の燃料温度を制限値以下に保つために、燃焼期間に渡り炉心への制御棒の挿入深さをできるだけ浅く保って炉心の出力分布の歪みを防ぐ必要がある。そのための方法として、軽水炉(LWR)の場合と同様に可燃性毒物(BP)を用いた反応度制御方法がある。ただし、実炉のデータを用いたHTGRにおけるBPの設計方法の検証は、検証に必要なHTGRの燃焼特性データが未だ取得されていないため、行われていない。ブロック型HTGRである高温工学試験研究炉(HTTR)の燃焼度が燃焼中期に達したことにより、反応度制御におけるBPの効果を示す燃焼特性データの取得が可能となった。そこで、ブロック型高温ガス炉であるHTTRのBPの設計手法を検証するために、その燃焼特性データとして制御棒位置の燃焼に伴う変化に着目し、運転時の制御棒の炉心への挿入深さが設計通りに燃焼期間に渡り浅く保たれているか否かを調べた。その結果、制御棒の挿入深さは設計通りに浅く保たれていることを確認し、HTTRで開発したBPの設計手法の妥当性が検証された。
中川 繁昭; 高松 邦吉; 後藤 実; 武田 哲明*; 中尾 安幸*
Proceedings of 4th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/09
高温ガス炉において最も厳しい事故として選定される減圧事故のような事故条件における固有の安全特性を実証するため、HTTRを用いた1次冷却材流量喪失試験を計画している。本試験においては、すべてのガス循環機を停止するとともに、すべての制御棒の位置を試験開始時の位置に保持する。流量の喪失直後に炉心温度が上昇するので、原子炉出力は負の反応度フィードバック効果により、流量が減少するにつれて減少し、原子炉は未臨界となる流量が喪失し未臨界となった以降の原子炉挙動は、炉心温度変化及びXe濃度の変化による反応度の収支により支配される。HTTRを用いた1次冷却材流量喪失試験は減圧事故を模擬するものであり、試験により得られたデータは、将来の高温ガス炉の安全解析に適用される計算コードの検証や高精度化に役立つものである。
中尾 安幸*; 中島 秀紀*; 大田 正男*; 古川 和男
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(1), p.76 - 78, 1978/01
被引用回数:1溶融塩冷却DD核融合炉ブランケットの核特性に関して、液体金属冷却およびガス冷却固体ブランケット構想と比較しつつ解析を行った。少しも核加熱および遮蔽の点から見て、すでに提案されていたNaよりは優れ、固体ブランケットと同程度と思われる。したがって、溶融塩利用を一層検討してみる価値があると考える。
中川 繁昭; 高松 邦吉; 武田 哲明; 伊与久 達夫; 中尾 安幸*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、高温ガス炉である高温工学試験研究炉を用いた安全性実証試験として1次冷却材流量喪失試験を計画している。低出力から段階的に実施する試験について予測解析を実施し、原子炉出力の挙動を明らかにするとともに、高温ガス炉設計の信頼性を向上させる試験の意義を示した。
中川 繁昭; 高松 邦吉; 後藤 実; 武田 哲明; 中尾 安幸*
no journal, ,
高温工学試験研究炉(HTTR)は、熱出力30MW,原子炉出口冷却材温度850C/950Cのヘリウム冷却・黒鉛減速の高温ガス炉である。HTTRを用いた安全性実証試験としての流量喪失試験は、高温ガス炉の設計基準事故の中で最も厳しい減圧事故を模擬した試験として実施し、高温ガス炉の固有の安全性を実証するとともに、解析技術を高度化(解析コードを高精度化)することを目的としている。流量喪失試験においては、ヘリウム循環機の全数を停止して1次冷却材の強制循環を停止させるが、試験中には冷却材純化設備の運転のため、炉心に最大で定格流量の0.5%程度のわずかな冷却材の流れが生じる可能性がある。このわずかな冷却材の流れに対する試験時の原子炉出力の挙動について解析し、原子炉動特性に対する影響を調べた。解析結果、純化設備の運転による流量が大きいほど炉心除熱に寄与し、炉心の温度低下に伴う反応度フィードバック効果の反応度の添加が大きくなるので、再臨界後の出力ピークの出現時刻は早くなり(最短で7.5h後)、静定出力は高くなる(最大550kWで静定する)ことが明らかとなった。
安元 孝志*; 後藤 実; 島川 聡司; 中川 繁昭; 関 靖圭; 松浦 秀明*; 中尾 安幸*
no journal, ,
HTTR炉心計算結果の実験値に対する過大評価は依然として残っており、核データライブラリの選択は重要な検討項目である。高温ガス炉の核特性解析手法の高精度化に資することを目的として、核データライブラリの違いがHTTRの炉心計算(未燃焼30カラム全炉心、300K)に及ぼす影響の評価,検討を行ってきた。その結果、JENDL-3.3を用いた炉心計算は、ENDF/B-6.8及びJEFF-3.1を用いた場合に比べて良い結果を与えることがわかった。本研究では、セル計算を行い、ENDF/Bの最新版である7.0とJENDL-4(暫定版)の評価を含めた核データライブラリの違いが核反応の過程に与える影響の調査、及び核データライブラリ間での差異の原因となる核種を同定した。ENDF/B-7.0及びJEFF-3.1については、JENDL-3.3との差異はおもに黒鉛及びU238データの違いに起因し、ENDF/B-6.8については黒鉛データの違いに起因することがわかった。JENDL-4(暫定版)を用いた場合、JENDL-3.3からの黒鉛データの改訂により、熱中性子利用率が小さくなり、増倍率はJENDL-3.3を用いた場合に比べて小さくなった。したがって、JENDL-4の利用により、従来のHTTR炉心計算結果の実験値に対する過大評価を改善できることがわかった。
安元 孝志*; 松浦 秀明*; 島川 聡司; 中尾 安幸*; 河内 昌平*; 中屋 裕行*; 後藤 実; 中川 繁昭
no journal, ,
初期のDT核融合炉では大量のトリチウムが必要である。初期核融合炉用トリチウム生産法として現在想定されているのはCANDU炉やDD核融合を利用したものである。前者は重水素の捕獲断面積の小ささにより1基では十分なトリチウム生産量の確保が難しく、後者はDD核融合炉の成立性の問題があり、初期装荷トリチウム燃料をどのように確保するかは未だ明確には定まっていない。本研究で着目する高温ガス炉は国内をはじめとして米国,中国などで研究開発が進んでいる。国内では日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターに設置された高温工学試験研究炉HTTR(熱出力30MW)が稼働中で、中国では発電用実証炉HTR-PM(熱出力2502MW)が着工予定である。本研究では、大きな中性子照射領域を持つ高温ガス炉内の低エネルギー中性子(熱中性子)を利用した、リチウムの中性子照射によるトリチウム生産を連続エネルギーモンテカルロ燃焼計算コードMVP-BURNを使って計算し、高温ガス炉を用いた初期核融合に用いるトリチウム生産の有効性と実現可能性について検討した。
安元 孝志*; 松浦 秀明*; 島川 聡司; 中尾 安幸*; 河内 昌平*; 中屋 裕行*; 後藤 実; 中川 繁昭; 西川 正史*
no journal, ,
初期のDT核融合炉では大量のトリチウムが必要である。本研究では、新たな初期装荷トリチウム燃料の生産法として、高温ガス炉内の熱中性子を利用した生産法を連続エネルギーモンテカルロ燃焼計算コードMVP-BURNを用いて計算し、高温ガス炉を用いたトリチウム生産法の有効性と実現可能性について検討した。
河内 昌平*; 中屋 裕行*; 島川 聡司; 松浦 秀明*; 安元 孝志*; 中尾 安幸*; 後藤 実; 中川 繁昭
no journal, ,
高温ガス炉で採用されている被覆燃料粒子の燃料核の部分に、UO燃料の代わりにマイナーアクチニド(MA)や核分裂生成物(FP)を装荷し、それらを核変換処理する研究が米国等で進められている。本研究では、長寿命核分裂生成物(LLFP)に着目し、それらを高温ガス炉に装荷した場合の炉心特性や核変換効率を計算し、高温ガス炉を用いたLLFPの核変換処理の有効性を検討した。
松浦 秀明*; 安元 孝志*; 島川 聡司; 河内 昌平*; 中屋 裕行*; 中尾 安幸*; 後藤 実; 中川 繁昭; 西川 正史*
no journal, ,
連続エネルギーモンテカルロ燃焼計算コードMVP-BURNを用いた炉心燃焼計算により、高温ガス炉を用いた核融合炉用トリチウム生産について検討した。その結果、高温ガス炉を用いることで、核融合炉導入シナリオの改善につながる量のトリチウム生産を実現できる可能性が示された。
松浦 秀明*; 河内 昌平*; 中屋 裕行*; 安元 孝志*; 中尾 安幸*; 島川 聡司; 後藤 実; 中川 繁昭; 西川 正史*
no journal, ,
連続エネルギーモンテカルロ燃焼計算コードMVP-BURNを用いた炉心燃焼計算により、高温ガス炉の核融合炉用トリチウム生産炉としての特徴と性能を調べた。高温ガス炉を用いることで、核融合炉導入時のシナリオ構築に貢献可能なトリチウム生産を実現できる可能性が示される。同手法に対する技術的検討・開発課題について議論を行う。
河内 昌平*; 松浦 秀明*; 中屋 裕行*; 中尾 安幸*; 島川 聡司; 後藤 実; 中川 繁昭; 西川 正史*
no journal, ,
高温ガス炉に従来のBC制御棒に代わりLi制御棒を利用する場合について、制御棒反応度価値とトリチウム生成量の燃焼変化を、連続エネルギーモンテカルロ燃焼計算コードMVP-BURNを用いた炉心計算を行って調べた。炉心外側にLi制御棒を装荷することで、余剰反応度を適切に抑えるとともに、トリチウム生産性能を従来の検討結果に比べて20%程度増加させることができた。
島川 聡司; 後藤 実; 中川 繁昭; 中屋 裕行*; 松浦 秀明*; 中尾 安幸*
no journal, ,
放射性廃棄物処分にかかわる負担軽減のために、大量の長半減期核分裂生成物(LLFP)を核変換する方法を提案し、核変換効率,炉心積載量,照射用ターゲットに関する検討をもとに、高温ガス炉の核変換特性について報告する。
後藤 実; 中川 繁昭; 島川 聡司; 松浦 秀明*; 中尾 安幸*; 西川 正史*; 中屋 裕行*
no journal, ,
高温ガス炉は、その広い照射領域にトリチウム増殖材であるLi微小球を装荷することで、基本設計をほとんど変えることなく、大量のトリチウムを製造できる可能性があり、初期核融合炉用トリチウム燃料の供給源としての利用が提案されている。しかしながら、これまでに高温ガス炉を用いたトリチウム製造の実績はなく、システムの課題に関する検討もほとんど行われていない。そこで、想定した高温ガス炉を用いたトリチウム製造システムについて、工学的な観点から解決すべき課題を摘出するとともに、課題がある場合は解決できる見込みを示し、システムの実現性を検討した。高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料製造技術や燃料取扱技術を用いること等により課題の解決が見込まれ、解決不可能な課題はないと考えられることから、工学的な観点からはシステムの実現性に問題はない。
中屋 裕行*; 松浦 秀明*; 中尾 安幸*; 西川 正史*; 後藤 実; 島川 聡司; 中川 繁昭
no journal, ,
高温ガス炉を用いたトリチウムの製造性能を、GTHTR300を10モジュール用いた場合について評価した。評価は、燃料交換期間及び1バッチあたりの運転期間をパラメータにして行った。トリチウムの製造量は、連続エネルギーモンテカルロコードMVP-BURNによるGTHTR300の炉心燃焼計算を行って算出した。その結果、燃料交換期間30日、1バッチあたりの運転期間240日の条件で、核融合炉1基に必要トリチウム燃料23kgを、1.7年で製造できる結果を得た。
久保 光太郎*; 松浦 秀明*; 中屋 裕行*; 川本 靖子*; 中尾 安幸*; 島川 聡司; 後藤 実; 中川 繁昭
no journal, ,
高温ガス炉を用いた長寿命核分裂生成物(LLFP)とマイナーアクチニド(MA)の核変換性能を評価した。評価は、GTHTR300の炉心にTc-99及びMAをそれぞれ2t及び50kg装荷した場合の核変換量を解析して行った。MAの組成は12年間冷却したPWR使用済み燃料の組成と同じにした。解析はMVP-BURNによる燃料ブロック体系の燃焼計算により行った。その結果、GTHTR300の1年間の運転によるLLFPの核変換量は18kg、MAは10kgと評価した。