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根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋*; 中島 一雄*; 東條 匡志*
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09
使用済み燃料プールの冷却水損失事故に対応するためには、事故時に想定される空気中または空気と水蒸気の混合した雰囲気中でのジルコニウム被覆管の高温酸化挙動の把握が重要である。本研究では空気と水蒸気の混合した雰囲気中でのジルカロイ2及び4の酸化試験を行い、混合比の影響について600Cから1100Cの温度域での評価を行った。その結果、ジルカロイ2は900Cから1000C、ジルカロイ4は800Cから1000Cの範囲で、空気と水蒸気の混合雰囲気中での酸化速度が乾燥空気中や水蒸気中よりも速くなった。この傾向は酸化層に割れが入った、酸化過程の後半において、より顕著に見られた。この結果は、使用済み燃料プール事故解析を目的とした酸化モデルの構築においては、空気と水蒸気の混合雰囲気中での酸化挙動の考慮が重要であることを示していると考えられる。
根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋; 近藤 啓悦; 中島 一雄*; 金沢 徹*; 東條 匡志*
Journal of Nuclear Materials, 488, p.22 - 32, 2017/05
被引用回数:2 パーセンタイル:19.65(Materials Science, Multidisciplinary)これまでにジルカロイ2被覆管の熱天秤による空気中酸化試験を行ったが、本研究ではそのデータに基づいて使用済み燃料プール(SFP)事故時の被覆管の酸化挙動の解析に適用可能な酸化モデルの構築を行った。その検証にあたり長尺被覆管の酸化試験に関して当該酸化モデルを適用した数値流体解析を行った。酸化試験はSFP事故を模擬した空気流量条件中で高温の温度勾配を付与して実施した。構築した酸化モデルを適用した解析は酸化試験での被覆管表面の酸化皮膜及び多孔質な酸化層の成長をよく再現し、酸化モデルの妥当性が確認できた。本研究の試験条件の範囲では空気流量条件の酸化挙動への影響は明らかには見られなかった。
根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋; 中島 一雄*; 東條 匡志*
材料と環境, 66(5), p.180 - 187, 2017/05
使用済み燃料プール(SFP)の冷却不全または冷却水損失による重大事故が発生した場合、使用済み燃料被覆管は空気中に露出し、崩壊熱による温度上昇が起こる。そのため空気中での被覆管の高温酸化の研究を行うことがSFPの安全性評価のために重要である。本研究では、燃料被覆管材料であるジルカロイ2(Zry2)およびジルカロイ4(Zry4)を用いて、温度および空気の流量を変化させた条件における熱天秤による酸化試験を行った。熱天秤の試験では試験温度の上昇に伴い酸化速度が上昇する傾向が見られたが、使用済み燃料ラック内でSFP事故時に想定される空気の流量範囲では、Zry2の場合は950C以下、Zry4の場合は1050C以下で明らかな流量の影響は見られなかった。一方、それ以上の温度では、流量が高い場合に酸化速度が顕著に速くなる傾向が見られ、その傾向は温度が高いほど顕著に現れた。空気中における酸化過程の詳細検討のため、酸化試験後、酸化層の詳細観察を行い、重量変化データとの比較を行った。その結果、重量変化は表面酸化膜の割れ以前の過程では、試料表面での緻密な酸化膜の成長に依存し、表面酸化膜の割れ以降の過程では、酸化膜の割れの下層での多孔質な酸化層の成長に依存することが明らかになった。
根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋; 中島 一雄*; 東條 匡志*; 後藤 大輔*
腐食防食協会第62回材料と環境討論会講演集(CD-ROM), p.23 - 24, 2015/11
使用済み燃料プール(SFP)における冷却材喪失事故時の安全性向上に関する研究として、燃料破損につながる燃料被覆管の高温空気中での酸化挙動を把握するために、被覆管の短尺試料の均熱条件での酸化試験と長尺試料にSFPの水位低下時を模擬した温度分布を与えた条件での酸化試験を実施し、燃料被覆管の酸化挙動に及ぼす温度勾配及び予備酸化皮膜の影響に関する知見を得た。
太治 輝昭*; 堀口 茜*; 池田 彬郎*; 中島 千尋*; 坂田 洋一*; 吉原 亮平; 野澤 樹; 長谷 純宏; 鳴海 一成
JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 72, 2011/01
本研究では、自然界で高い塩耐性を示す植物の耐性メカニズムを遺伝学的に明らかにするため、耐塩性 Zu-0及びに近縁の塩生植物の種子にさまざまな線量のイオンビームを照射し、本葉の展開率と稔性を指標に変異誘導に最適な線量を検討した。その結果、 Zu-0については50Gy、については25Gyが変異誘導に最適な線量であることが明らかとなった。
磯部 光孝*; 東井 和夫*; 松下 啓行*; 後藤 和幸*; 鈴木 千尋*; 永岡 賢一*; 中島 徳嘉*; 山本 聡*; 村上 定義*; 清水 昭博*; et al.
Nuclear Fusion, 46(10), p.S918 - S925, 2006/10
被引用回数:30 パーセンタイル:69.47(Physics, Fluids & Plasmas)将来の核融合炉におけるアルファ粒子等の高速イオンによるMHD不安定性の励起とそれに伴うアルファ粒子の異常損失の危惧から、近年、高速粒子モード(EPM)やTAEモードといったMHD不安定性と高速イオンとの相互作用、並びにその結果生ずる高速イオン輸送・損失に関する研究が重要視されるようになってきている。核融合科学研究所のCompact Helical System(CHS)では、シンチレータを利用した高速イオンプローブ,高速中性粒子分析器、並びに多チャンネルHalpha光計測システム等を駆使して上記を研究対象とした実験を進めている。最近の研究から、中性粒子ビーム(NB)加熱プラズマにおいて発生するバースト的EPMモード(m/n=3/2)により、入射エネルギー近傍のエネルギーを持つ高速イオンのみが大半径方向外側へ排出されていることがわかった。磁場揺動レベルが最大に達した頃に高速イオンの排出が始まり、磁場揺動の周波数は、排出が始まると同時にダウンシフトを示す。高速イオン排出が収まるのとほぼ同時に磁場揺動も収まり、これらの観測結果は、このモードは入射エネルギー近傍の高速ビームイオンによりいわば共鳴的に励起されていることを示唆している。また、TAEモードについては、2機のNBを低密度プラズマに接線co-入射した場合に、顕著な高速イオンの排出が確認された。
松永 剛; 東井 和夫*; 鈴木 千尋*; 清水 昭博*; 武智 学; 中島 徳嘉*; 福山 淳*
no journal, ,
アルヴェン固有モードの減衰機構解明の目的で、CHS装置において電極を用いて外部磁場摂動をプラズマに印加しそのプラズマ応答より、アルヴェン固有モードの固有周波数と減衰率を実験的に得た。これまでCHS装置における低温プラズマでは、連続減衰が支配的であると思われたが、今回電子温度を変化させたところ、の範囲で減衰率が大きくなることから、放射減衰の可能性があるとの結論を得た。これら実験の詳細と結果を口頭発表にて報告する。
根本 義之; 小川 千尋; 加治 芳行; 中島 一雄*; 東條 匡志*; 後藤 大輔*
no journal, ,
使用済み燃料プール(SFP)水位低下時の事象解析を目的とした重大事故解析コードの高度化においては、高温の被覆管材料の空気中での酸化挙動のモデル化及びコードへの取り込みが必要である。そのためわれわれは、長尺の被覆管にSFP水位低下時を模擬した温度分布を与えた条件での酸化試験と、被覆管の小型サンプルの酸化試験を並行して実施し、その結果の比較から、酸化モデルの構築及び実炉のSFP条件への適用性検討を行うこととした。本報では、二つの酸化試験の結果及び今後の試験計画等について報告する。
根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋; 中島 一雄*; 東條 匡志*; 金沢 徹*; 後藤 大輔*
no journal, ,
使用済み燃料プール(SFP)における冷却材喪失事故時の安全性向上に関する研究として、燃料破損につながる燃料被覆管の高温空気中での酸化挙動を把握するために、被覆管の短尺試料の均熱条件での酸化試験と長尺試料にSFPの水位低下時を模擬した温度分布を与えた条件での酸化試験を実施し、燃料被覆管の酸化挙動に及ぼす温度及び空気の流量の影響に関する知見を得た。
根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋; 中島 一雄*; 東條 匡志*
no journal, ,
使用済み燃料プール(SFP)における水位低下及び冷却水損失事故時の安全性向上のための対策技術等の評価のためには、燃料破損につながる燃料被覆管の空気中での高温酸化挙動を把握し、その酸化モデルを解析コードに組込み、精度の高い事故解析を可能にすることが必要である。本研究では、燃料被覆管材料のジルカロイ2を用いて温度及び空気の流量を変化させた条件における酸化試験を行い、酸化モデルの構築を行った。また長尺被覆管の空気中での酸化試験を行い、その試験をモデル化した数値流体力学(CFD)解析を行った。その際、構築した酸化モデルを用いた解析を行い、試験結果と解析結果の比較を行う事により、酸化モデルについて検討を行った。講演ではこの他研究の全体計画についても紹介する。
根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋*; 中島 一雄*; 金沢 徹*; 東條 匡志*
no journal, ,
使用済燃料プール(SFP)の事故解析には、被覆管の当該事故条件での酸化モデルの構築が必要である。本研究では、長尺被覆管の温度が空気中で徐々に上昇する事故条件での酸化試験結果と、これまでに構築した空気中酸化モデルによる解析結果について比較を行い、酸化モデルの妥当性及び改良について検討した。
根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋*; 中島 一雄*; 東條 匡志*
no journal, ,
使用済燃料プール(SFP)における冷却水喪失事故を想定した安全性向上研究として、燃料破損につながる燃料被覆管の高温での酸化挙動を把握することは重要である。SFP過酷事故時の燃料プール内の雰囲気は、空気と水蒸気の混合した雰囲気となる場合があると予測される。これまでにわれわれは、日本製の被覆管材料を用いた乾燥空気中での酸化試験を実施し、酸化モデルを提案してきた。しかし、空気と水蒸気が混合した環境での知見は十分でないことから、日本製のZry4を用いてSFP過酷事故を想定した雰囲気の流量条件での酸化試験を行い、SFP過酷事故条件での被覆管材料の酸化挙動に及ぼす温度及び雰囲気中の空気と水蒸気の混合比の影響について検討を行った。