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丸山 結*; 森山 清史; 中村 秀夫; 平野 雅司; 中島 研吾*
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(1), p.12 - 21, 2003/01
被引用回数:6 パーセンタイル:41.75(Nuclear Science & Technology)デブリと下部ヘッドとの境界におけるギャップを満たす水のデブリ冷却効果を、実炉規模の定常計算に基づいて概略的に評価した。本計算では、狭隘流路における限界熱流束及び内部発熱流体の自然対流熱伝達に関する相関式を用い、ギャップ幅に依存する下部プレナム内冷却可能最大デブリ堆積深さを算出した。計算結果は、TMI-2事故の条件下では1mmから2mmの幅を有するギャップによりデブリを冷却可能なこと、より多量のデブリを冷却するためにはギャップ幅の大幅な増大が必要であることを示唆した。定常計算と併せて、過渡挙動の重要性を明確にするため、ギャップの成長及びギャップ内浸水に関するモデルを構築し、低レイノルズ数型二方程式モデルに分類されるYinらの乱流自然対流モデルとともにCAMPコードに組み込んだ。乱流モデルはUCLAで実施された内部発熱流体自然対流実験の解析により検証し、容器壁面における局所熱伝達係数の分布を精度良く予測することを確認した。ギャップ冷却に関するモデルの検証は、原研で実施した、水で満たした半球容器に溶融アルミナを注いだ圧力容器内デブリ冷却性実験の解析を通して行った。構築したギャップ冷却モデルを用いることにより、CAMPコードが容器壁の温度履歴を再現可能であることを明らかにした。
丸山 結; 森山 清史; 中村 秀夫; 橋本 和一郎; 平野 雅司; 中島 研吾*
Proceedings of RASPLAV Seminar 2000 (CD-ROM), 8 Pages, 2000/11
シビアアクシデント時圧力容器下部プレナム内溶融炉心熱流動解析コードCAMPの検証を行った。本コードは、内部発熱流体の自然対流と下部ヘッドへの熱負荷、下部ヘッドと溶融炉心固化物間の隙間形成と隙間への冷却水の浸入をモデル化している。半球容器内でフレオンを電磁加熱したUCLA実験の解析では、流体の温度、容器壁面熱伝達係数等を良く予測した。半球スライス容器内で溶融塩を容器側壁から加熱したRASPLAV-salt実験では、熱伝達特性を定性的に再現した。原研で実施した半球体系の圧力容器内溶融炉心冷却性実験の解析を行い、隙間への冷却水浸入モデルを用いることにより実験で測定された容器壁の温度履歴を再現できることを示した。また、狭隘流路内限界熱流束及び内部発熱流体自然対流熱伝達に関する相関式を用い、隙間への冷却水浸入のみでは、大量の溶融炉心の冷却が困難であることを明らかにした。
井尻 裕二; 澤田 淳; 坂本 和彦*; 亘 真吾; K.E.Web*; 中島 研吾*; 野邊 潤*
JNC TN8400 99-092, 91 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分における天然バリアの性能評価においては、我が国の岩盤を亀裂中の流れが支配的な亀裂性岩盤と岩石基質内の流れが支配的な多孔質岩盤に分類し、それぞれに対して亀裂ネットワークモデルを用いた核種移行評価手法と不均質連続体モデルを用いた核種移行評価手法を開発した。本書は、後者の多孔質岩盤モデルによる核種移行評価手法とその評価結果について報告するものである。多孔質岩盤モデルに関しては、東濃鉱山の新第三紀堆積岩で測定されたデータに基づいて不均質連続体モデルを構築し、核種移行解析を実施した結果、Se-79やCs-135が支配的な核種となることがわかった。多孔質岩盤モデルに対するパラメータの感度を評価するために1次元均質モデルを用いて感度解析を実施した結果、有効間隙率が解析結果に及ぼす影響は小さいのに対し、透水係数が結果に及ぼす影響は大きいことがわかった。また、岩種では泥質岩・凝灰質岩よりも砂質岩の方が、地下水では降水系地下水よりも海水系地下水の方が分配係数が小さく核種移行率が大きくなることがわかった。さらに、亀裂だけでなく岩石基質中の流れも有意な亀裂性岩盤と多孔質岩盤の特性を併せ持つ一部の新第三紀堆積岩に対して亀裂性岩盤モデルと多孔質岩盤モデルの重ね合わせにより評価を実施した結果、多孔質岩盤モデルよりも亀裂性岩盤モデルの方が保守的に評価されることがわかった。本書で得られた結果は、東濃鉱山の深度数10mから200m以浅のボーリング孔で得られたデータに基づいた結果であるため、実際の処分深度500mでは岩盤の透水性はさらに低くなり、核種移行率もさらに低減されると考えられる。
中島 研吾*; 松本 昌昭*; 丸山 健太郎*
JNC TJ8410 99-007, 85 Pages, 1999/03
複数の廃棄体が存在する処分場領域内の核種の移行は、それぞれの廃棄体からの核種放出による濃度干渉の影響を考慮した場合、抑制されることが期待される。また、その濃度干渉による抑制効果は、廃棄体が埋設されている処分坑道の方向と地下水の流れ方向の関係によって変動するものと考えられる。このような濃度干渉の影響の程度を把握することは、この影響を保守的観点から考慮していない現状のニアフィールド核種移行評価モデルの保守性の程度を把握する上で重要である。本件では、数十本程度の処分坑道が存在する処分場領域を想定し、処分坑道の方向と地下水流れ方向の関係をパラメータとして、処分場領域内での濃度干渉効果について3次元地下水浸透流・物質移動解析コード(TR3D)により計算を行い、分散効果を把握した。また、3次元有限要素法核種移行解析コード(MIGR96)を用いて、核種の収着・崩壊、並びに人工バリアからの核種放出と周辺岩盤中の核種濃度の相互干渉の影響も加味したより詳細な濃度干渉効果の影響計算を廃棄体10本レベルにて実施し、濃度干渉効果の影響を確認した。
中島 研吾*
JNC TJ1400 99-016, 24 Pages, 1999/02
連続体モデルを用いたニアフィールド多孔質岩盤中の水理/核種移行評価は以下のような手順によって実施されている:・三次元飽和・不飽和浸透流解析コード「TAGSAC」により三次元不均質多孔質岩盤中の地下水流れを解く・核種移行経路抽出コード「TR3D」により流れ場の中から流線に沿った核種移行経路とその経路上の情報を抽出する・一次元核種移行解析コード「CRYSTAL」により抽出した各経路での核種移行を解析する 本研究では,一連の核種移行評価体系を整備・統合化し,各解析コード間でのデータ受け渡しを自動化するとともに,不均質場や移行経路等の可視化のためのプリ・ポスト環境の整備を実施した。また,第2次取りまとめに向けた多孔質岩盤中の核種移行計算を実施した。
中島 研吾*
JNC TJ1400 99-015, 154 Pages, 1999/02
連続体モデルを用いたニアフィールド多孔質岩盤中の水理/核種移行評価は以下のような手順によって実施されている:・三次元飽和・不飽和浸透流解析コード「TAGSAC」により三次元不均質多孔質岩盤中の地下水流れを解く・核種移行経路抽出コード「TR3D」により流れ場の中から流線に沿った核種移行経路とその経路上の情報を抽出する・一次元核種移行解析コード「CRYSTAL」により抽出した各経路での核種移行を解析する 本研究では,一連の核種移行評価体系を整備・統合化し,各解析コード間でのデータ受け渡しを自動化するとともに,不均質場や移行経路等の可視化のためのプリ・ポスト環境の整備を実施した。また,第2次取りまとめに向けた多孔質岩盤中の核種移行計算を実施した。
大久保 博生*; 中島 研吾*; 松本 昌昭*
JNC TJ1400 2005-015, 388 Pages, 1999/02
本研究では、以下の検討を行った。(1)不均質媒体中での核種及び水理の移行現象を中心とした解析対象シナリオの検討。(2)不均質媒体中の核種移行、コロイド影響、水理の各解析・評価手法に関する研究。(3)(1)で抽出されたシナリオに基づき、(2)で検討された先進的な評価モデルの適用も視野に入れた包括的な性能評価スキームの検討。その結果、性能評価スキームの高度化のために今後検討すべき研究課題が明らかにされた。
丸山 結; 五十嵐 実; 中村 尚彦; 日高 昭秀; 橋本 和一郎; 杉本 純; 中島 研吾*
JAERI-memo 08-127, p.233 - 238, 1996/06
WINDFLOWコードは、圧縮性粘性流体を対象とした3次元熱流動解析コードである。本コードでは、三角形及び四角形セルにより流路断面を分割できるハイブリッド格子を採用している。WINDFLOWを配管信頼性実証試験(WIND)計画で実施した配管内熱流動試験の解析に適用した。本実験では、アルゴンガスを温度勾配を持つ水平配管内に1.0~7.1Ne/秒の体積流量で供給し、気体の温度分布を測定した。解析の結果、自然対流に起因する配管断面2次流れの形成が予測された。また配管壁近傍において急峻な温度勾配が形成され得ることが判明した。実験との比較では、軸方向温度分布に関しては差異が見られたが、半径方向温度分布については、定性的に実験結果を再現することができた。今後、乱流モデル、配管構造材内熱伝導モデル等を加える計画である。
丸山 結; 五十嵐 実*; 中村 尚彦; 日高 昭秀; 橋本 和一郎; 杉本 純; 中島 研吾*
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.997 - 1008, 1996/00
軽水炉のシビアアクシデント時には、炉心から放出されるFPの多くはエアロゾルの形態で炉冷却系配管を移行する。エアロゾル挙動は配管内流体の熱流動挙動に強く依存することから、原研では配管信頼性実証試験(WIND)計画の配管内エアロゾル挙動試験の一部として配管内熱流動試験を実施するとともに、配管内3次元熱流動解析コードWINDFLOWの開発を進めている。WINDFLOWと熱流動試験の試験後解析に適用した。1000~300Cの軸方向温度勾配を有する配管内に供給する気体(Ar)流量が異なる全解析ケースで自然対流に起因する2次流れの形成が予測された。また、2次流れと気相内熱伝導の影響により、試験配管出口近傍の配管天井部において急峻な温度勾配が形成され得ることが確認できた。気相内温度分布の実験と解析の比較から、WINDFLOWは径方向の気相温度分布と定性的に再現すること、軸方向の温度低下を過小評価することが明らかとなった。
日高 昭秀; 丸山 結; 橋本 和一郎; 吉野 丈人*; 中島 研吾*; 杉本 純
Transactions of the American Nuclear Society, 75, p.398 - 399, 1996/00
原研では、配管信頼性実証試験(WIND計画)におけるCsIエアロゾル挙動試験の解析を、原研が開発中の3次元熱流動解析コードWINDFLOW及びFPエアロゾル挙動解析コードARTを用いて実施している。CsIの主な沈着機構はガスの温度勾配に依存する熱泳動または凝縮であることから、配管内のCsI挙動を精度良く予測するためには、配管断面内の詳細な熱流動条件を考慮する必要がある。そこで、熱流動計算結果をエアロゾル挙動計算に適切に反映できるようにインターフェイスを整備し、両コードを適切に結合した。インターフェイスを使用した一貫計算は、配管断面内の平均的な熱流動条件を用いる従来の手法と比べて、試験結果をより精度良く再現することを確認した。今後は、配管に沈着したFPエアロゾルの崩壊熱が熱流動に及ぼす影響も考慮できるようにインタ-フェイスを改良し、両コードの結合を深化させる。
伊藤 武彦*; 中島 研吾*; 角田 弘和*
PNC TJ1222 95-003, 23 Pages, 1995/02
ニアフィールドの核種移行解析においては緩衝材中及び緩衝材周辺の岩盤中の核種移行プロセスを組み合わせたモデルが使用され、コードの開発にあたっては様々な数値解析/離散化手法が使用される。従って、これらの性質を充分に把握したうえで解析コードを使用することは解析結果の評価の信頼性の観点から非常に重要である。しかしながら、これまで核種移行解析に使用されてきた解析モデル/コードの適用範囲、安定性については充分な検討が加えられていないのが現状であった。本研究では、ニアフィールドの核種移行解析コードReleaseとMeshnoteについて、解析条件を決定する様々な物性値をパラメータとして変化させることによって、解の精度および安定性に及ぼす影響について評価した。Releaseコードについては安定した解を得ることのできるタイムステップの上限を、分割数、拡散係数、分配係数から求める式を導出し、より複雑な崩壊系列に対してもこの式が有用であることを確認した。また、分割数の影響による解の精度についても検討を加え、分割数の違いによる解の精度差は解析条件によらずほぼ一定であるとの結果を得た。Meshnoteコードについても、分割数の影響による解の精度について検討を加えたが、分割数の違いによる解の精度差は解析条件によらずほぼ一定であるとの結果を得た。本解析により、ニアフィールド核種移行コードRelease、Meshnoteを使用するに当たっての適切な「分割数」「タイムステップ」を与える指針を得ることが可能になった。