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論文

Role of AtPol$$zeta$$, AtRev1 and AtPol$$eta$$ in $$gamma$$-ray-induced mutagenesis

中川 繭*; 高橋 真哉*; 鳴海 一成; 坂本 綾子

Plant Signaling & Behavior (Internet), 6(5), p.728 - 731, 2011/05

Ionizing radiations have been applied to plants as useful mutagens, but its molecular mechanism(s) for mutagenesis is less understood. The AtPol$$zeta$$, AtRev1 and AtPol$$eta$$ are Arabidopsis translesion synthesis (TLS)-type polymerases involved in the UV-induced mutagenesis. To investigate a role(s) of TLS-type DNA polymerases in radiation-induced mutagenesis, we analyzed the mutation frequency in AtPol$$zeta$$-, AtRev1- or AtPol$$eta$$-knockout plants, ${it rev3-1}$, ${it rev1-1}$ and ${it polh-1}$, respectively. The mutation frequency in ${it rev3-1}$ was little changed, whereas the frequency in ${it rev1-1}$ greatly decreased and in ${it polh-1}$ slightly increased compared to that of wild type. Abasic (apurinic/apyrimidinic; AP) site, induced by radiations or generated during DNA repair process, leads to incorporation of any kinds of nucleotides at the opposite strand. The 7,8-dihydro-8-oxo-2'-deoxyguanosine (8-oxo-dG), induced by radiation through the formation of reactive oxygen species, makes pairs with cytosine and adenines. Therefore, AtRev1 possibly inserts dC opposite AP-site or 8-oxo-dG, which results in G to T transversions.

論文

Double loss-of-function mutation in ${it EARLY FLOWERING 3}$ and ${it CRYPTOCHROME 2}$ genes delays flowering under continuous light but accelerates it under long days and short days; An Important role for ${it Arabidopsis}$ CRY2 to accelerate flowering time in continuous light

Nefissi, R.*; 夏井 悠*; 宮田 佳奈*; 小田 篤*; 長谷 純宏; 中川 繭*; Ghorbel, A.*; 溝口 剛*

Journal of Experimental Botany, 62(8), p.2731 - 2744, 2011/02

 被引用回数:18 パーセンタイル:49.43(Plant Sciences)

光周反応は季節による日長の変化に対する適応機構の1つであり、概日時計はこの機構において重要な役割を果たす。本研究では、${it elf3-1}$変異体の種子をイオンビームで変異誘発し、ELF3非存在下で連続光条件下では花成が遅延するが長日又は短日光条件下では遅延しない7系統の抑圧変異を同定した。その内${it sel20}$変異は青色光受容体CRY2の新しいアリルであることがわかった。${it elf3; sel20}$二重変異体における花成の遅延及び${it FT}$遺伝子の発現量低下は連続光条件下で顕著であったが、長日又は短日光条件下では見られなかった。この結果は、${it elf3; sel20}$二重変異体の花成遅延は暗黒期が存在することによって影響されることを示している。この結果は、CRY2が連続光条件下において、長日及び短日光条件下よりも花成の促進にさらに重要な役割を果たすことを示唆する。

論文

Role of AtPol$$zeta$$, AtRev1 and AtPol$$eta$$ in UV light-induced mutagenesis in Arabidopsis$$^{1[W]}$$

中川 繭*; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成; 坂本 綾子

Plant Physiology, 155(1), p.414 - 420, 2011/01

 被引用回数:15 パーセンタイル:43.37(Plant Sciences)

損傷乗り越え複製(TLS)は、特殊なDNAポリメラーゼによって損傷DNAをバイパスすることによって複製障害を回避する機構である。われわれは高等植物における損傷乗り越え複製機構の役割を調べるため、TLS型DNAポリメラーゼを欠失させたシロイヌナズナの変異株における紫外線誘発突然変異頻度を解析した。AtPol$$zeta$$及びAtRev1を欠失させた植物では突然変異頻度は低下したことから、これらのポリメラーゼは突然変異を起こしやすいことがわかった。これに対し、AtPol$$eta$$を欠失した植物では突然変異頻度が上昇したことから、AtPol$$eta$$は突然変異を起こしにくいことがわかった。AtPol$$zeta$$とAtRev1の2重変異ではAtRev1の単独変異とほぼ同等の変異頻度であったのに対し、AtPol$$zeta$$とAtPol$$eta$$の2重変異では、AtPol$$eta$$で見られた高い変異頻度がほぼ失われた。このことから、AtPol$$zeta$$ and AtRev1は同一の経路で働くのに対し、AtPol$$eta$$はこれらとは別の経路で働くことが示唆された。

論文

Isolation and characterization of suppressors of the ${it early flowering 3}$ in ${it Arabidopsis thaliana}$

夏井 悠*; Nefissi, R.*; 宮田 佳奈*; 小田 篤*; 長谷 純宏; 中川 繭*; 溝口 剛*

Plant Biotechnology, 27(5), p.463 - 468, 2010/12

 被引用回数:4 パーセンタイル:15.29(Biotechnology & Applied Microbiology)

EARLY FLOWERING 3(ELF3)は植物のサーカディアンリズムの維持に重要な役割を担うタンパクである。本研究では、EFL3によって制御される花成の分子機構を理解するため、${it elf3-101}$変異体の抑圧変異の単離を試みた。${it sel106}$及び${it sel105}$の2つの抑圧変異について詳しく調査した。遺伝子マッピング,発現解析及び塩基配列から${it sel106}$及び${it sel105}$はそれぞれ${it gi}$${it fca}$の新しいアリルであることがわかった。花成因子${it FLOWERING LOCUS T}$の制御に関して、${it elf3}$${it gi}$並びに${it elf3}$${it fca}$間の遺伝的関係についても調査した。単離した6つの${it elf3}$の抑圧変異は、花成因子の発現並びに開花時期に基づいて少なくとも4つのサブグループに分けられた。この分類方法は、未同定の抑圧変異の解析に有用である。

論文

A UVB-hypersensitive mutant in ${it Arabidopsis thaliana}$ is defective in the DNA damage response

坂本 綾子; Lan, V. T. T.*; Puripunyavanich, V.*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 鹿園 直哉; 中川 繭*; 鳴海 一成; 田中 淳

Plant Journal, 60(3), p.509 - 517, 2009/07

 被引用回数:20 パーセンタイル:50.47(Plant Sciences)

細胞分裂周期の進行は、内的又は外的なさまざまな要因によって常にストレスを受けており、それによってDNA複製の中断や染色体の分配異常などが引き起こされることが知られている。細胞周期チェックポイントとは、こうした異常事態の際に細胞周期の進行を停止し、適切な処理が行われるまで次のステップに移行しないようにするための機構である。われわれは、シロイヌナズナの紫外線感受性変異株のスクリーニングの過程で、${it suv2}$ (sensitive to UV 2)変異株を単離した。${it suv2}$変異株は、さまざまなDNA変異原やヒドロキシウレアに対して感受性を示し、その表現系は損傷チェックポイントにかかわるAtATRの欠損株に非常によく似ていた。さらに、SUV2蛋白質はGCN4型のコイルドコイルドメインを持つ蛋白質をコードしており、N末側にはPI3K様プロテインキナーゼのターゲット配列が2か所存在していた。そこで、SUV2蛋白質同士どうしの相互作用を酵母two-hybridの系で解析したところ、${it suv2}$は2量体を形成することが明らかになった。以上の結果から、われわれは${it suv2}$がATRの活性を制御するATRIPのシロイヌナズナにおけるホモログであると結論づけ、AtATRIPと命名した。

論文

Functional analysis of the low-fidelity DNA polymerase AtREV1

高橋 真哉*; 中川 繭; 田中 淳; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*; 坂本 綾子

JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 58, 2008/11

植物の紫外線耐性機構の研究過程で、YファミリーDNAポリメラーゼをコードしている新規遺伝子${it AtREV1}$を同定した。YファミリーDNAポリメラーゼは複製忠実度が低く、さまざまなDNA損傷をバイパスすると考えられている。${it AtREV1}$遺伝子欠損植物は、紫外線やDNA架橋剤に感受性を示す。${it AtREV1}$遺伝子産物であるAtREV1タンパク質の生化学的な機能を解析するために、組換え大腸菌を用いてAtREV1タンパク質を発現・精製し、精製したタンパク質を用いてデオキシヌクレオチド転移活性を調べた。その結果、AtREV1タンパク質は複製忠実度が低く、鋳型の塩基にかかわらず、dCMPを好んで挿入することがわかった。また、APサイトの相補鎖には塩基を挿入できるが、紫外線損傷塩基の相補鎖には塩基を挿入できなかった。AtREV1タンパク質の低い複製忠実度が突然変異を引き起こすかどうかを調べるために、野生株と${it AtREV1}$遺伝子欠損株の突然変異頻度を測定した。その結果、AtREV1タンパク質が紫外線あるいは$$gamma$$線で生じるDNA損傷の誤複製を起こすことで、突然変異誘発を促進していることがわかった。

論文

Characterization of enhancers and suppressors of circadian clock mutant ${it elf3}$ in Arabidopsis

Nefissi, R.*; 宮田 佳奈*; 新沼 協*; 小田 篤*; 長谷 純宏; 中川 繭; 溝口 剛*

JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 77, 2008/11

シロイヌナズナの${it EARLY FLOWERING 3}$ (${it elf3}$)遺伝子は、植物形態,開花時間,概日リズムなど多様のプロセスを制御している。${it elf3}$変異株は短日光周期と長日光周期の両方において野生株よりも早期に開花する。また、淡緑色の葉,伸長した胚軸と葉柄といった、光信号の受容あるいは伝達の欠損に関連した表現型を示す。このことからELF3タンパク質は機能性タンパク質であることが示唆されている。ELF3タンパク質の詳細な役割を理解するために、イオンビーム照射による突然変異誘導によって、${it elf3}$変異株のエンハンサーとサプレッサーの遺伝学的な選抜を試みた。その結果、7つのエンハンサー系統と1つのサプレッサー系統を得た。現在、これらの遺伝子マッピングを行っている。ELF3タンパク質の安定性あるいは活性を制御する新規因子の同定によって、植物の適切な発生を制御するうえでの概日リズムの役割を明らかにできるであろう。

論文

${it Arabidopsis thaliana}$ Y-family DNA polymerase $$eta$$ catalyses translesion synthesis and interacts functionally with PCNA2

Anderson, H.*; Vonarx, E.*; Pastushok, L.*; 中川 繭; 片渕 淳*; Gruz, P.*; Rubbo, A.*; Grice, D.*; Osmond, M.*; 坂本 綾子; et al.

Plant Journal, 55(6), p.895 - 908, 2008/09

 被引用回数:43 パーセンタイル:72.55(Plant Sciences)

We assessed the roles of ${it Arabidopsis thaliana}$ ${it POLH, PCNA1}$ and ${it PCNA2}$ in TLS mediated UV resistance. ${it Arabidopsis}$ ${it POLH}$ defective mutants sensitized growth of roots and whole plants to UV radiation indicating AtPol$$eta$$ contributes to UV resistance. ${it POLH}$ alone did not complement the UV sensitivity conferred by deletion of yeast ${it RAD30}$, although AtPol$$eta$$ exhibited cyclobutane dimer bypass activity and interacted with yeast PCNA in vitro. Co-expression of ${it POLH}$ and ${it PCNA2}$, but not ${it PCNA1}$, restored normal UV resistance and mutation kinetics in the ${it rad30}$ mutant. A single residue difference at site 201, which lies adjacent to the lysine ubiquitylated in PCNA, appeared responsible for the inability of PCNA1 to function with AtPol$$eta$$ in UV treated yeast. PCNA interacting protein boxes and an ubiquitin-binding motif in AtPol$$eta$$ were found to be required for restoration of UV resistance in the ${it rad30}$ mutant by ${it POLH}$ and ${it PCNA2}$. These observations indicate AtPol$$eta$$ can catalyse TLS past UV induced DNA damage, and link the biological activity of AtPol$$eta$$ in UV irradiated cells to PCNA2 and PCNA-and ubiquitin-binding motifs in AtPol$$eta$$.

論文

Isolation of novel gain- and loss-of-function alleles of the circadian clock gene ${it LATE ELONGATED HYPOCOTYL}$ (${it LHY}$) in ${it Arabidopsis}$

小田 篤*; Reeves, P. H.*; 田島 武臣*; 中川 繭; 鎌田 博*; Coupland, G.*; 溝口 剛*

Plant Biotechnology, 24(5), p.457 - 465, 2007/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:7.47(Biotechnology & Applied Microbiology)

シロイヌナズナでは、二つのmyb関連タンパク質LATE ELONGATED HYPOCOTYL (LHY)とCIRCADIAN CLOCK ASSOCIATED 1 (CCA1)が概日リズムの調節において、重要な役割をしている。シロイヌナズナにおいて、日長依存的な花成と胚軸の伸長は概日時計によって制御されている。われわれは、長日条件下での胚軸と花成遅延の表現型を指標に、シロイヌナズナの概日時計因子LHYの機能欠損型アリル(lhy-14)と機能獲得型アリル(lhy-2)を新規に単離した。lhy-2は機能欠損型LHYアリルであるlhy-12の形質を抑圧する変異体として単離された。lhy-12とlhy-2におけるLHYの機能喪失と獲得はLHY mRNAの異常なスプライシングによって引き起こされることがわかった。

論文

Dance of plants with circadian clock

新沼 協*; 中川 繭; Calvino, M.*; 溝口 剛*

Plant Biotechnology, 24(1), p.87 - 97, 2007/03

 被引用回数:12 パーセンタイル:13.66(Biotechnology & Applied Microbiology)

概日リズムは生物が持つ約24時間周期の内因性のリズムである。シロイヌナズナの分子遺伝学的研究により、概日リズムの制御を受ける光周期依存型花成経路で主要な役割を果たす因子が、多数同定されている。しかし、花成以外で概日時計の制御下にある生理応答の分子機構に関する知見はあまり多くない。本論文では、これまでに考えられてきた概日リズム機構のモデルをまとめ、さらに概日時計による植物器官運動に関する研究の最近の進展について概説した。具体的には、(1)シロイヌナズナにおける概日時計モデルの確立の歴史,(2)シロイヌナズナの概日時計システムの修正モデル,(3)概日時計によって制御される器官運動における分子メカニズムの最近の知見,(4)トマトを用いた最新の時計生物学のモデル系と全体的な考察を示した。

論文

Natural variation of polyglutamine repeats of a circadian clock gene ${it ELF3}$ in ${it Arabidopsis}$

田島 武臣*; 小田 篤*; 中川 繭; 鎌田 博*; 溝口 剛*

Plant Biotechnology, 24(2), p.237 - 240, 2007/03

 被引用回数:18 パーセンタイル:43.16(Biotechnology & Applied Microbiology)

シロイヌナズナのEARLY FLOWERING 3(ELF3)は、概日リズム制御系,日長依存的な花成,胚軸の長さ,光反応において重要な機能を果たしている因子である。その機能欠損変異体は、恒明条件下においてリズム性を消失する。しかし、ELF3タンパク質は、既知のモチーフやドメインを持たず、生化学的な機能については、あまりわかっていない。今回われわれは、地球上のさまざまな地域に生息する60種類の野生型シロイヌナズナにおいて、ELF3遺伝子内のグルタミン反復配列数にNatural variationが存在することを見いだし、グルタミンの反復配列と、概日リズムの二つのパラメーターである長さと幅が有為な相関を示すことを見いだした。このことから、ELF3のグルタミンの反復配列が、概日リズム制御におけるELF3の機能に影響するかもしれないことが示唆された。

口頭

植物の損傷乗り越え複製関連因子の解析

中川 繭; 坂本 綾子; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成

no journal, , 

REV3相同遺伝子AtREV3をシロイヌナズナのUV感受性変異体の原因遺伝子として単離した。AtREV3は植物で初めて報告されたTLS関連因子であり、欠損変異体rev3-1は生存に影響を示さないが、DNA複製に関与することが推測され、$$gamma$$線やMMCに対して感受性を示したが、酵母のRev3欠損変異体が感受性であるMMSにはほとんど感受性を示さなかった。また、光修復の活発な高等植物はUV-B照射後24hで非照射の植物体とDNA損傷量の区別がつかなくなるが、光修復の存在下でもrev3-1変異体はDNA複製が抑制されていた。これらのことから、AtREV3はDNA損傷に対して、TLS以外に働きを持つ可能性が示唆された。さらにREV1の相同遺伝子AtREV1の変異体rev1をシロイヌナズナから単離したところ、UV-B, $$gamma$$線に対して弱い感受性を示した。これらの相同因子がシロイヌナズナでもTLSとして働いているかを探るために、植物においても誤りがちなTLSが突然変異を誘発するという仮定の下、塩基置換型復帰変異を検出する遺伝子マーカーを導入した野生型及びrev3変異体にUV-Cを照射し、突然変異率を調べた。その結果、rev3変異体は野生型に比べ突然変異率の減少を示した。したがって、REV3は高等植物においてもTLSに関与している可能性が示唆された。

口頭

シロイヌナズナAtREV3は突然変異を誘発する

中川 繭; 坂本 綾子; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成

no journal, , 

植物は紫外線(UV)や化学物質などの変異原に曝されると、遺伝情報を担うDNA上に損傷を受け、それによって生長が阻害される。このDNA損傷による悪影響を回避するため、植物はDNA修復機構などのさまざまな防御機構を発達させてきている。一方、酵母や動物細胞では損傷の未修復にもかかわらずDNAを複製し、成長を可能にするための機構として損傷乗り越え複製(TLS)が存在することが知られている。TLSはしばしば誤った塩基を取り込む傾向があり、これによってDNA損傷が突然変異として固定される。われわれは酵母のTLSに関与するDNAポリメラーゼζ(REV3, REV7)及びREV1の相同遺伝子AtREV3, AtREV7, AtREV1をシロイヌナズナから単離した。rev変異体はUV-Bのほか、$$gamma$$線やDNA架橋剤MMCなどの変異原に対しても感受性を示した。AtREV3がシロイヌナズナでも誤りがちなTLSに働いているかどうかを探るために、塩基置換型復帰変異を検出する遺伝子マーカーとして、ナンセンスコドンとなる点変異を導入したuidA遺伝子を野生型及びrev3変異体に導入し、紫外線誘発突然変異率に差異があるかどうか調べた。その結果、rev3変異体は野生型に比べ突然変異率の減少が見られたことから、AtREV3が誤りがちなTLSに関与している可能性が示唆された。さらに、dCMPトランスフェラーゼ活性を示すAtREV1欠損変異体における突然変異誘発率についても解析を進めている。

口頭

Functional analysis of DNA polymerase zeta and REV1 protein in Arabidopsis

坂本 綾子; 中川 繭; 高橋 真哉*; 田中 淳

no journal, , 

Translesion synthesis (TLS) is one of the cellular processes to overcome the lethal effect of unrepaired DNA damage. During screening for genes accounting for the UV-resistance in Arabidopsis, we first identified AtREV3 that encodes a catalytic subunit of DNA polymerase zeta (Pol z). Pol z is thought to bypass damaged DNA in an error-prone manner. We subsequently identified AtREV7, a regulatory subunit of Pol z, and AtREV1 that is thought to cooperate with Pol z in bypassing of apurine/apyrimidine (AP) sites. Disruption of any of AtREV3, AtREV7, or AtREV1 made the plants more sensitive to UVB than the wild type, suggesting that these REV proteins are required for plants to tolerate to the UV-induced damage. We further analyzed the UV-induced mutation frequency in rev3 and rev1. We found that the disruption of AtREV3 or AtREV1 reduced the mutation frequency to 1/4 of the level of the wild type. These results are consistent with an idea of that the Pol z and AtREV1 are involved in the UV-induced mutation in Arabidopsis. However, by using the bacterially expressed protein, although we detected AtREV1 inserted a dCMP at the opposite of the AP site in vitro, AtREV1 failed to bypass UV-induced damage as reported in other organisms. Thus, the mechanism by which the REV1 functions remains to be clarified.

口頭

Does Arabidopsis have translesion syntheses ?

中川 繭; 坂本 綾子; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成

no journal, , 

Plants are exposed to the various environmental stress including UV-B and chemical agents, which damage DNA. To tolerate to the DNA damage, plants have developed many mechanisms to repair or to avoid them. Yeast and mammals have a mechanism named translesion synthesis (TLS), in which DNA damage is bypassed by the action of specific DNA polymerases, thereby allowing DNA replication to be completed. However, TLS often generates mutations as a result of incorrect replication (error-prone TLS). We identified ${it AtREV3}$ and ${it AtREV1}$ genes, which are the homologs of components of error-prone TLS in Arabidopsis. To determine whether ${it AtREV3}$ and ${it AtREV1}$ function as the component of the error-prone TLS, We further analyzed the UV-induced mutation frequency in ${it rev3}$ and ${it rev1}$ mutants. We found that the disruption of ${it AtREV3}$ or ${it AtREV1}$ reduced the mutation frequency to 1/4 of the level of the wild type, indicating that ${it AtREV3}$ and ${it AtREV1}$ act in the error-prone TLS in Arabidopsis.

口頭

シロイヌナズナREV3, REV1欠損変異体における突然変異頻度の解析

中川 繭; 坂本 綾子; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成

no journal, , 

われわれはシロイヌナズナのUV感受性変異体の原因遺伝子として、損傷乗り越え複製(TLS)型DNAポリメラーゼ$$zeta$$のサブユニットであるREV3の相同遺伝子AtREV3を単離した(Sakamoto et al. 2003)。さらにdCMPトランスフェラーゼ活性を示すREV1のシロイヌナズナの相同遺伝子AtREV1を単離した(Takahashi et al. 2005)。これらのREV相同遺伝子の欠損は植物体の生存には影響しないが、DNA複製に関与することが推測され、UVのほか、$$gamma$$線やDNA架橋剤MMCなどの変異原に対して感受性を示した。本研究では、ナンセンスコドンとなる点変異を導入したuidA遺伝子をリポーターとして用いて、塩基置換型復帰変異を指標にUV誘発変異頻度の解析を行った。rev3, rev1欠損植物体のUV照射及び$$gamma$$線照射による突然変異の頻度は、ともに野生型に比べ著しい減少を示した。この結果から、AtREV3及びAtREV1の欠損植物体では、正常なTLSが機能しないため、UV, $$gamma$$線感受性になっているという可能性が示唆された。

口頭

高等植物におけるDNA損傷乗り越え複製機構と紫外線感受性

坂本 綾子; 高橋 真哉*; 中川 繭; 田中 淳; 清水 喜久雄*; 鳴海 一成

no journal, , 

太陽光を利用して固着生活を営む高等植物にとって、日光に含まれる紫外線の有害な影響は無視できない問題である。紫外線によるDNA損傷から遺伝情報を守るため、多くの高等植物は光回復機構を持ち、きわめて効率的に紫外線損傷の除去を行っていることが知られている。近年、これに加え、光非依存的な修復機構や損傷トレランス機構が存在することが明らかになってきた。今回、われわれはシロイヌナズナの損傷トレランス機構にかかわる${it AtREV3}$, ${it AtREV1}$遺伝子の解析について報告する。${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$遺伝子は、損傷乗り越え複製を行うDNAポリメラーゼをコードしており、紫外線やさまざまな変異原によって損傷したDNAを鋳型として複製を行うことにより、DNA損傷による細胞増殖の停止を忌避する作用があることが予想されている。実際、${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$遺伝子欠損株は紫外線,$$gamma$$線、及びクロスリンク試薬に対して高い感受性を示した。また、大腸菌中で産生させたAtREV1タンパク質は脱塩基部位を持つDNAを鋳型として逆鎖のプライマー末端にdCMPを挿入する活性を示した。一方、損傷乗り越え複製活性に付随して生じる突然変異頻度を測定する目的で、体細胞における紫外線誘発突然変異を検出したところ、${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$の欠損株では突然変異頻度が大きく低下した。以上の結果から、高等植物では、${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$遺伝子産物が紫外線や放射線などによって損傷したDNAを複製することにより、植物の生長阻害を回避すると同時に突然変異を引き起こしていることが示唆された。

口頭

シロイヌナズナ${it AtRad26}$遺伝子は損傷チェックポイントに関与する

坂本 綾子; 中川 繭; 佐藤 勝也; 鳴海 一成

no journal, , 

細胞分裂周期の進行は、さまざまな内的または外的な要因によってストレスを受けており、それによってDNA複製の中断や染色体の分配異常などといった異常が生じる。細胞周期チェックポイントは、こうした異常事態の際に細胞周期の進行を停止し、適切な処理が行われるまで次のステップに移行しないようにする機構である。われわれは、シロイヌナズナの紫外線感受性変異株のスクリーニングの過程で、${it suv2}$ (${it s}$ensitive to ${it UV}$ 2)変異株を単離した。${it suv2}$変異株は、さまざまなDNA損傷処理や細胞周期阻害剤に対して感受性を示し、その表現系は損傷チェックポイントにかかわる${it AtATR}$の欠損株に非常によく似ていた。SUV2蛋白質はコイルドコイルドメインを持つ蛋白質をコードしており、N末側にはPI3K様プロテインキナーゼのターゲット配列が存在していた。また、野生型、${it atr}$、及び${it suv2}$株をDNA変異原や細胞周期阻害剤で処理し、細胞周期の指標である${it CYCB1;1:GUS}$遺伝子の発現を観察したところ、野生型に比べて${it atr}$及び${it suv2}$では、$$gamma$$線照射後のG2/M期におけるチェックポイント反応が弱くなっていた。以上の結果から、われわれは${it SUV2}$${it ATR}$の活性を制御する${it ATRIP/Rad26}$のシロイヌナズナにおけるホモログであると結論づけ、${it AtRad26}$と命名した。

口頭

Translesion synthesis and mutagenesis in higher plants

坂本 綾子; 中川 繭; 高橋 真哉*; 清水 喜久雄*; 田中 淳; 鳴海 一成

no journal, , 

To survive under the challenging circumstances, plants equip themselves with damage tolerance mechanisms, such as translesion synthesis (TLS). During our attempt to isolate novel genes accounting for the UV-resistance, we found several genes that seem to be involved in TLS. These are ${it AtREV3}$, ${it AtREV7}$, ${it AtREV1}$ and ${it AtPOLH}$. All these disruptants were more sensitive to UV exposure than wild-type plant although the levels of sensitivity were different each other. To obtain further information about plant TLS mechanisms, we analyzed bacterially expressed AtREV1 protein ${it in vitro}$. The recombinant AtREV1 protein inserted a dCMP at the opposite of AP site, but never inserted a nucleotide opposite of CPD nor 6-4 photoproducts. We also measured the UV-induced mutation frequencies in ${it AtREV3}$-, ${it AtREV1}$- or ${it AtPOLH}$-disrupted plants. The disruption of ${it AtREV3}$ or ${it AtREV1}$ reduced the reversion frequency to 1/4 of the level of wild type, while the disruption of ${it AtPOLH}$ enhanced the frequency more than twice. These results suggest that UV-induced damage is processed by two competitive pathways in Arabidopsis: a more mutagenic pathway with AtREV3 and AtREV1 and a less mutagenic pathway with AtPOLH.

口頭

シロイヌナズナの損傷乗り越え欠損の突然変異頻度に及ぼす影響

中川 繭; 高橋 真哉*; 坂本 綾子; 田中 淳; 鳴海 一成

no journal, , 

われわれはこれまでにTLS型ポリメラーゼのシロイヌナズナ相同遺伝子${it AtREV3}$, ${it AtREV1}$, ${it AtPOLH}$の欠損植物体が、通常の栽培条件では野生型と生育に差を示さないが、UVや$$gamma$$線などの変異原に感受性を示すことを報告してきた。本研究では、これらの変異体における突然変異頻度の変化を指標に、REV3とREV1による誤りがちなTLS、又はPOLHによる誤りの少ないTLSが植物でも機能しているかどうかの検証を試みた。UV照射によって誘発された突然変異の頻度は、${it rev3}$${it rev1}$では野生型に比べ著しく減少し、${it polh}$では上昇した。この結果から、TLS型ポリメラーゼ相同遺伝子が欠損した植物体では、正常なTLSが機能しないためにUVに感受性になっていることが示唆された。一方、$$gamma$$線照射によって誘発された突然変異の頻度は、${it rev3}$${it rev1}$では野生型に比べ減少したが、$$gamma$$線に感受性を示さない${it polh}$は野生型とあまり差が見られなかった。以上の結果から、植物においてもTLSがDNA損傷による生長阻害の防御機構において重要な役割を果たしていることが推測された。

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