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川北 史朗*; 今泉 充*; 岐部 公一*; 大島 武; 伊藤 久義; 依田 真一*; 中村 友哉*; 中須賀 真一*
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.61 - 64, 2006/10
次世代の高効率薄膜太陽電池として有望なCu(In,Ga)Se(CIGS)太陽電池の宇宙実証を行った。CIGS太陽電池は地上での照射試験及び宇宙実証試験衛星つばさ(MDS-1)での宇宙実証の結果、非常に優れた耐放射線性を有することが判明している。今回は、宇宙に大量に存在する低エネルギー電子線や陽子線の遮蔽に用いるカバーガラスを取り付けないCIGS太陽電池を用いて実証を行った。カバーガラス無しCIGS太陽電池は人工衛星「ナノマイクロサットXI-V」に搭載され2005年の10月27日にLEO(Low Earth Orbit)軌道に打ち上げられた。250日間の運用期間中、CIGS太陽電池の発電特性の劣化は全く観測されなかった。軌道での太陽電池の温度及び放射線(電子線・陽子線)量を考慮して解析をしたところ、放射線により発電特性は劣化するが、同時に温度による特性回復が起こるため結果として劣化が生じないと結論できた。