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岩元 洋介; 佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 岩瀬 広*; 嶋 達志*; 中村 尚司*
EPJ Web of Conferences, 153, p.08019_1 - 08019_3, 2017/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.03(Nuclear Science & Technology)100-400MeVの準単色中性子照射場の開発のため、大阪大学核物理研究センター(RCNP)の100mトンネルにおいて、Li(p,n)反応から生成する中性子及び中性子場に混在する目的外放射線の線のエネルギースペクトルを測定した。飛行時間法を用いて3MeV以上の中性子エネルギースペクトルを測定し、放射線線量モニターDARWINの自動アンフォールディング機能を用いて0.1MeV以上の線エネルギースペクトルを測定した。中性子スペクトルについて、3MeV以上の中性子収量に対するピーク成分である単色中性子収量の比は0.38-0.48であった。また、入射陽子エネルギー200MeV以上において、崩壊に伴う70MeV程度の高エネルギー線を実測した。246MeVLi(p,n)反応について、70MeV近傍における中性子収量と線収量は同程度であった。一方、全エネルギー領域の中性子線量に対する線線量の比は0.014と、線の全体の線量に対する寄与は小さいことがわかった。
Theis, C.*; Carbonez, P.*; Feldbaumer, E.*; Forkel-Wirth, D.*; Jaegerhofer, L.*; Pangallo, M.*; Perrin, D.*; Urscheler, C.*; Roesler, S.*; Vincke, H.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 153, p.08018_1 - 08018_5, 2017/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.03(Nuclear Science & Technology)欧州原子核研究機構(CERN)の放射線モニタとして、中性子、陽子、線等の様々な放射線に対して有感な空気入り電離箱PTW-34031(PMI)が使用されている。PMIの各放射線に対する応答関数の計算では、CERNが開発を支援している放射線輸送計算コードFLUKAが用いられている。本研究では、このうち高エネルギー中性子に対するPMIの応答関数の精度検証のため、大阪大学核物理研究センター(RCNP)のLi(p,n)反応を利用した準単色中性子照射場において、100-392MeVの準単色中性子に対するPMIの応答関数を測定した。その結果、200MeV以下の準単色中性子照射において、中性子エネルギースペクトルの測定値を線源としたFLUKAによる応答関数の計算値と実験値はよく一致しすることがわかった。一方、250及び392MeVの場合、中性子場にLi(p,n)反応から生成するの崩壊に伴う線が混在するため、中性子のみを線源とした計算値は実験値を過小評価することがわかった。
松本 哲郎*; 増田 明彦*; 西山 潤*; 岩瀬 広*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; 八島 浩*; 嶋 達志*; et al.
EPJ Web of Conferences, 153, p.08016_1 - 08016_3, 2017/09
被引用回数:1 パーセンタイル:61.21(Nuclear Science & Technology)200MeV以上の準単色中性子に対するコンクリート及び鉄遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルをボナー球スペクトルメータ(BSS)を用いて測定した。246及び389MeVの陽子-Li反応を用いて準単色中性子を生成し、コンクリート及び鉄遮蔽体の厚さを、それぞれ25-300cm及び10-100cmとした。100-387MeVのエネルギーを持つ準単色中性子を用いて実測したBSSの応答関数とアンフォールディングコードMAXEDを用いて、遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルを導出した。その際、放射線輸送計算コードMCNPXを用いてBSSと遮蔽体の間の中性子多重散乱の効果を評価し、中性子エネルギースペクトルの補正を行った。その結果、エネルギースペクトルの実験値からコンクリート及び鉄遮蔽体の厚さに対する線量当量の変化を得ることができた。また、244MeVの中性子をコンクリートへ入射した場合、50cm以下の厚さにおいて線量当量に対する中性子多重散乱の影響が大きいことがわかった。
Mares, V.*; Trinkl, S.*; 岩元 洋介; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 嶋 達志*; 中村 尚司*
EPJ Web of Conferences, 153, p.08020_1 - 08020_3, 2017/09
被引用回数:5 パーセンタイル:93.93(Nuclear Science & Technology)大阪大学RCNPの準単色中性子場において、広いエネルギー範囲に対応したHe比例計数管付属の改良型ボナー球スペクトロメータ(ERBSS)の応答特性を検証した。実験では、100及び300MeVの陽子ビームによるLi(p,n)Be反応で生成される96及び293MeVの準単色中性子のうち、0度と25度方向に生成する中性子を100m飛行時間(TOF)トンネルへ導き、ターゲットから35mの位置で中性子測定を行った。ERBSSによる波高データからアンフォールディングコードMSANDBを用いて、熱領域から数百MeVのエネルギースペクトルを導出した。また、同じ場所における液体有機シンチレータとTOF法を用いた測定により、3MeV以上の中性子エネルギースペクトルを導出した。その結果、ERBSSによる結果は、中性子エネルギー5MeV以上において、TOFによる中性子エネルギースペクトルとよく一致し、両手法で得られたエネルギースペクトルに基づく周辺線量当量H(10)の値はよく一致した。
増田 明彦*; 松本 哲郎*; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 中根 佳弘; 西山 潤*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 849, p.94 - 101, 2017/03
被引用回数:1 パーセンタイル:10.62(Instruments & Instrumentation)大阪大学核物理研究センターRCNPの陽子-リチウム核反応を用いた高エネルギー準単色中性子場は、放射線測定器の特性試験や校正などに利用されている。この中性子場のエネルギースペクトルは、0度方向に放出される中性子によるピーク部とそれ以外の角度に放出される連続部からなる。このうち、各試験で対象とするエネルギーはピーク部であるが、われわれは、これまでに0度と他角度方向に設置した検出器応答から、連続部の寄与を差し引く二角度差分法を開発してきた。本研究では、高密度ポリエチレン(HDPE)減速材付属のボナー球検出器に対する本手法の適用性を、96-387MeVの準単色中性子を用いて調査した。その結果、様々な大きさのHDPEに対して本手法は適応可能であることを検証できた。一方で、小型のHDPEは、中性子場のコリメータ,壁等による低エネルギー散乱中性子に感度を有するため、二角度差分法の他に、検出器の設置角度毎に低エネルギー散乱中性子に対する検出器応答の補正が必要である等、本中性子場を利用するユーザーに対する有益な指針を示すことができた。
岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 荒木 祥平*; 八島 浩*; 佐藤 達彦; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 中尾 徳晶*; 嶋 達志*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 804, p.50 - 58, 2015/12
被引用回数:23 パーセンタイル:87.12(Instruments & Instrumentation)大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、80, 100及び296MeVの陽子に対する準単色中性子のエネルギースペクトルを飛行時間法により測定した。中性子スペクトルは準単色中性子ピーク部と連続部からなり、ピーク収量は陽子エネルギー80389MeVにおいて、0.91.110(個/sr/C)の範囲であり、全体の収量に対するピーク収量の比は、0.380.48であった。この準単色中性子場を用いて、ビーム軸上(0度)に設置した中性子モニターのピーク部に対する周辺線量当量(応答)を測定するため、全体の応答から、0度と25度のスペクトルの連続部の応答が等しくなる定数kを決定し、この定数で規格化された25度に設置した連続部からなる中性子モニターの応答を差し引く手法を提案した。定数kは、陽子エネルギー80389MeVの範囲において、0.741.02であった。以上により、これまでの実験の成果と合わせて、RCNPで80389MeVの陽子をLiターゲットに入射させて生成する準単色中性子場の特性を示すデータを得ることができた。
助川 篤彦; 飯田 浩正*; 糸賀 俊朗*; 奥村 啓介; 甲斐 哲也; 今野 力; 中島 宏; 中村 尚司*; 伴 秀一*; 八島 浩*; et al.
放射線遮蔽ハンドブック; 基礎編, p.299 - 356, 2015/03
日本原子力学会 「遮蔽ハンドブック」研究専門委員会により、放射線遮蔽に関する研究の最新知見を放射線遮蔽ハンドブック基礎編にまとめた。その中で、著者は、第8章放射化の執筆責任者として原子力施設・加速器施設の放射化のメカニズム、放射化計算コードの概要、低放射化のための考え方等について解説した。これと併せて、第9章遮蔽材については、線遮蔽材としてタングステン、中性子用遮蔽材としてポリエチレンと水素含有材料について解説した。
岩元 洋介; 八島 浩*; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 岩瀬 広*; 中村 尚司*; 嶋 達志*; 民井 淳*; 畑中 吉治*
IAEA-TECDOC-1743, Annex (CD-ROM), p.177 - 188, 2014/07
発表者等は、大阪大学核物理研究センター(RCNP)のサイクロトロン施設において、中高エネルギー範囲(100400MeV)のLi(p,n)反応を用いた準単色中性子照射場の開発と、中性子ビームを用いた断面積測定及び遮蔽実験を行った。準単色中性子のピーク強度は、入射陽子エネルギーによらず110個/sr/Cで、全中性子強度に対するピーク成分の比は0.40.5であることを明らかにした。また、開発した準単色中性子ビームを用いて、ビスマスの放射化断面積測定,中性子弾性散乱断面積測定及び遮蔽実験等を行い、それぞれ精度良い実験データを取得することに成功した。このように、RCNPの中性子照射場は、中高エネルギー範囲の中性子入射に対する核データ測定、遮蔽実験等に適している。
岩元 洋介; 萩原 雅之*; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 佐藤 大樹; 松本 哲郎*; 増田 明彦*; Pioch, C.*; Mares, V.*; 嶋 達志*; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.657 - 660, 2014/04
100MeVを超える高エネルギー準単色中性子照射場を開発するために、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、137, 200, 246, 389MeVのLi(p,n)反応から生成する、0から30の間の7角度における中性子エネルギースペクトルを、有機液体シンチレータNE213と飛行時間法を用いて測定した。0における中性子エネルギースペクトルは、単色成分と連続成分からなり、全体成分に対する単色成分の比率は0.40.5であった。また、角度が大きくなるにつれて、連続成分のスペクトル形状が大きく変化することがわかった。さらに、この照射場を利用し、放射線モニタの校正を行うにあたっては、連続成分の寄与を小さくするために、0と約22に放射線モニタを設置し、その応答の差をとる手法が最も良いことがわかった。
松本 哲郎*; 増田 明彦*; 西山 潤*; 原野 英樹*; 岩瀬 広*; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 中根 佳弘; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.332 - 336, 2014/04
高エネルギー加速器施設における合理的な遮へい設計のためには、広い中性子エネルギー領域に渡った遮へい体透過後の中性子スペクトルに関する知見が必要がある。本研究では、減速型中性子検出器であるボナー球スペクトロメータ(BSS)を用いて、コンクリート及び鉄遮へい体を透過した中性子のエネルギースペクトルを数100MeVから熱領域まで測定した。測定では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において開発した246MeV及び389MeV準単色中性子ビームを、厚さ10cmから100cmの鉄、及び25cmから300cmのコンクリートに入射し、その後方で中性子を検出した。本研究で使用したBSSは、熱中性子に感度があるHe比例計数菅及び直径3から9.5インチのポリエチレン減速材に加え、高エネルギー中性子にも感度を持たせるため鉛と銅からなる減速層を追加している。中性子エネルギーは、アンフォールディング法に基づくMAXEDコードにより導出した。アンフォールディングの際の初期スペクトルには、有機シンチレータで測定したデータを採用した。これにより、核破砕反応による高エネルギー中性子成分から熱平衡ピークまでを含む幅広い中性子スペクトルを決定することができた。
萩原 雅之*; 岩瀬 広*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 松本 哲郎*; 増田 明彦*; 八島 浩*; 中根 佳弘; 中島 宏; 坂本 幸夫; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.327 - 331, 2014/04
高エネルギー加速器施設における合理的な遮へい設計のためには、遮へい体に対する中性子の減衰を実験データに基づき精度良く評価する必要がある。本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において開発した数百MeV領域の準単色中性子源を用いて、厚さ10cmから200cmのコンクリート及び鉄遮へい体後方での中性子エネルギースペクトルを、直径及び厚さが25.4cmの大型有機シンチレータを用いて測定した。中性子エネルギースペクトルの高エネルギー部分は飛行時間法を、中低エネルギー部分(下限エネルギー数MeV)はアンフォールディング法を用いてそれぞれ導出した。大型有機シンチレータを採用したことにより、エネルギー依存性の良い波高データの取得が可能となり、アンフォールディング法のエネルギー分解能を向上させることができた。得られた中性子スペクトル及び中性子減弱曲線を、粒子・重イオン輸送コードPHITSの計算値と比較した。その結果、両者は極めてよく一致することがわかった。この知見は、コンクリート及び鉄に対する高エネルギー中性子の減弱係数の評価にとって非常に有益である。
中根 佳弘; 萩原 雅之*; 岩元 洋介; 岩瀬 広*; 佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 八島 浩*; 松本 哲郎*; 増田 明彦*; 布宮 智也*; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.704 - 708, 2014/04
J-PARCのような高エネルギー加速器施設における放射線安全管理において、高エネルギー中性子による被ばく線量評価は極めて重要であることから、高エネルギー領域中性子に対する中性子線量当量モニタの測定精度を詳しく調べることが重要である。本研究では、J-PARC施設の放射線安全管理のために開発した高エネルギー対応中性子モニタを含む、4種類の高エネルギー帯域中性子モニタと、おもに20MeV以下の中性子場において広く用いられている3種類の市販の中性子モニタのエネルギー応答特性を、大阪大学RCNPの134-387MeV準単色中性子場を用いて測定し、測定結果の比較を行うとともに、場の中性子スペクトルと線量換算係数から求めた場の線量率との比較を行った。その結果、高エネルギー帯域モニタによる測定結果は場の線量率を再現若しくはわずかに上回ったのに対し、従来型モニタでは高エネルギー帯域モニタの10-30%程度の線量率となり、場の線量を過小評価する結果となった。
松田 規宏; 春日井 好己; 松村 宏*; 岩瀬 広*; 豊田 晃弘*; 八島 浩*; 関本 俊*; 大石 晃嗣*; 坂本 幸夫*; 中島 宏; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.337 - 340, 2014/04
フェルミ国立加速器施設のNuMI (Neutrinos at the Main Injector)は、ニュートリノ混合・振動事象を調査するため大強度のニュートリノを生成しており、崩壊領域の末端には加速陽子や二次粒子のビームダンプとしてハドロンアブソーバーが設置されている。ビームダンプの遮蔽性能を評価するため、放射化検出器による反応率測定をアブソーバーの背面で実施した。検出器の誘導放射能は、ゲルマニウム検出器を用いたスペクトル解析により測定した。反応率の2次元分布には2種類のピークが確認され、1つは両側に強いピーク、もう1つは上方に弱いピークであった。これらのピークは、アブソーバーの隙間を通ってきたストリーミングによるものであった。
岩元 洋介; 萩原 雅之*; 松本 哲郎*; 増田 明彦*; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 嶋 達志*; 民井 淳*; 中村 尚司*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 690, p.10 - 16, 2012/10
被引用回数:4 パーセンタイル:31.96(Instruments & Instrumentation)粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの中性子生成に関する精度検証のために、137, 200MeVの陽子-炭素核反応により、最前方方向(0から25の間の6点)に放出される中性子生成二重微分断面積を飛行時間法を用いて測定した。また、評価済み核データJENDL/HE-2007, ENDF/B-VII及び物理モデルBertini-GEM, ISOBAR-GEMを用いて、実験と同じ条件で中性子生成二重微分断面積を導出した。その結果、137MeV陽子入射に関して、JENDL/HE-2007を用いた計算結果は、物理モデルでは再現できないC(p,n)Nに起因するピーク構造を含めて、実験値をよく再現することがわかった。200MeV陽子入射に関しては、JENDL/HE-2007を用いた計算結果は、JENDL/HE-2007の評価手法が陽子エネルギー150MeVを境界にして異なるために、実験値を大きく過小評価することがわかった。得られた実験値は、炭素の評価済み核データの修正及びモンテカルロ輸送計算の物理モデル改良に対して有益となる。
春日井 好己; 松田 規宏; 坂本 幸夫; 中島 宏; 八島 浩*; 松村 宏*; 岩瀬 広*; 平山 英夫*; Mokhov, N.*; Leveling, A.*; et al.
Reactor Dosimetry; 14th International Symposium (ASTM STP 1550), p.675 - 689, 2012/08
JASMINと名付けられた共同研究プロジェクトのもとで、フェルミ国立研究所の反陽子ターゲットステーションを遮蔽集合体として使用した遮蔽実験を行っている。実験では、箔放射化法を用いた測定を行い、新たに開発したフィッティング法によって、遮蔽体中の高エネルギー中性子スペクトル(1-100MeV)を決定した。この手法では、中性子スペクトルの形を、簡単な関数で表した。得られた結果を、アンフォールディング法及び理論計算から導出した中性子スペクトルと比較することにより、この手法の妥当性を確認した。最後に、仮定したスペクトル関数中のフィッティング変数が放射化法で得られた反応率に対して、簡単な関係を持つことを示した。これにより、複雑な計算を行わずに、反応率データから簡単に高エネルギー中性子スペクトルを導出できることがわかった。
増田 明彦*; 松本 哲郎*; 原野 英樹*; 西山 潤*; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 中村 尚司*; et al.
IEEE Transactions on Nuclear Science, 59(1), p.161 - 166, 2012/02
被引用回数:12 パーセンタイル:66.54(Engineering, Electrical & Electronic)大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、Li(p,n)反応によって得られる245MeV及び388MeVの準単色中性子を用いて、ボナー球スペクトロメータの高エネルギー中性子に対する応答測定を行った。使用したボナー球スペクトロメータは、ポリエチレン,鉛,銅の6種類の減速材の組合せと球形He比例計数管で構成されている。高エネルギー中性子に対する応答は、準単色場の低エネルギー成分の影響を差し引いて求められる。その解析手法と解析結果、モンテカルロシミュレーション計算コードによる応答関数の検証について発表する。
佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; Shurshakov, V. A.*; Yarmanova, E. N.*; Nikolaev, I. V.*; 岩瀬 宏*; Sihver, L.*; Mancusi, D.*; 遠藤 章; 松田 規宏; et al.
Cosmic Research, 49(4), p.319 - 324, 2011/08
被引用回数:11 パーセンタイル:60.36(Engineering, Aerospace)重イオン輸送計算コードは、宇宙船の遮へい効果を評価するために不可欠なツールである。そこで、われわれは、200GeVまでの粒子・重イオンの3次元空間における挙動を模擬できるシミュレーションコードPHITSを開発している。このPHITSを用いて、国際宇宙ステーション・ロシアサービスモジュール内における放射線環境を評価した。その結果、宇宙飛行士の寝室外壁に設置した水タオルは、線量を効果的に減衰することが明らかとなった。発表では、この評価結果も含め、PHITSの宇宙開発への適用例を紹介する。
松田 規宏; 春日井 好己; 坂本 幸夫; 中島 宏; 松村 宏*; 岩瀬 広*; 木下 哲一*; 平山 英夫*; 八島 浩*; Mokhov, N.*; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 59(2), p.2055 - 2058, 2011/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)遮蔽設計において、中性子のスペクトル形状及びその強度を推定することは大変重要である。フェルミ国立加速器研究所の反陽子生成ターゲットステーションで得られた遮蔽実験データから、フィッティング及びアンフォールディング法の2つの方法で高エネルギー中性子のスペクトル形状の推定を行った。フィッティング法では、中性子スペクトルが容易に得られ、かつ遮蔽材料の核データと比較しても妥当であった。アンフォールディング法で得られたスペクトル形状は、核データとは整合のとれない結果となった。2つの方法で推定した中性子スペクトルの形状に対して、PHITSコードによる計算結果で検証を行った。
岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 糸賀 俊朗*; 佐藤 達彦; 中根 佳弘; 中島 宏; 坂本 幸夫; et al.
Proceedings of 10th Meeting of the Task Force on Shielding Aspects of Accelerators, Targets and Irradiation Facilities (SATIF-10), p.53 - 61, 2011/03
大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、1cm厚さのリチウムターゲットへの陽子照射で得られる138, 243, 387MeVの準単色中性子を用いて、10cmから100cm厚さの鉄及び25cmから200cm厚さのコンクリートの遮蔽体に対して遮蔽実験を行い、透過後の中性子エネルギースペクトルを測定した。スペクトル測定には、直径及び厚さがともに12.7cm及び25.4cmの2種類の液体有機シンチレータNE213とボナーボール中性子スペクトルメータを用いた。また、NE213の応答関数と検出効率も測定した。ピーク部の中性子スペクトルの導出には飛行時間法(TOF)を用い、連続部の中性子スペクトルの導出にはアンフォールディング法を適用した。さらに、中性子源の0度から30度方向の中性子エネルギースペクトルもTOF法で測定した。138MeVの準単色中性子入射における遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルの実験値は、PHITSによる計算結果をよく再現した。
佐藤 大樹; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 佐波 俊哉*; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 坂本 幸夫; 中根 佳弘; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.20 - 23, 2011/02
大阪大学核物理研究センター(RCNP)の準単色中性子場において、約100MeV以上の中間エネルギー領域での中性子弾性散乱断面積の測定手法を開発した。Li(p,n)反応を用い生成した準単色中性子ビームは、コリメータを通して約10m下流の散乱サンプルに導かれる。サンプルに入射した中性子は、原子核との相互作用により散乱され、散乱角度ごとに設置された液体有機シンチレータにより検出される。この際、シンチレータに到達するまでの飛行時間(TOF)を測定することにより、弾性散乱イベントと非弾性散乱イベントを弁別する。弾性散乱イベントと近いTOFを示す低励起準位からの非弾性散乱イベントは、核反応計算コードTALYSを用いて補正した。134MeV中性子の炭素原子核に対する弾性散乱断面積における補正量は10%以下であった。得られた実験データを反跳陽子法により取得されたデータと比較したところ、両者はよく一致した。このことから、本研究で開発した測定手法により、複雑な測定系と強力なビーム強度を必要とする反跳陽子法と同程度の精度で、中間エネルギー領域の中性子弾性散乱断面積を導出できることがわかった。