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中野 寛子; 上原 聡明; 武内 伴照; 柴田 裕司; 中村 仁一; 松井 義典; 土谷 邦彦
JAEA-Technology 2015-049, 61 Pages, 2016/03
日本原子力研究開発機構では、原子力施設でシビアアクシデントが発生した際に、プラント状態を監視するため、過酷環境下でも高解像度で監視できる耐放射線性カメラ、炉内の情報を伝送するための無線伝送システムならびに計測線等の高度化に向けた要素技術の基盤整備を進めている。計測線の高度化開発の一環として、高温型MIケーブルの信頼性およびそれらを構成するシース材料の特性を調べるため、PWR及びBWR条件の炉内環境を模擬できる炉外高温高圧水ループ試験装置を整備した。本装置は、圧力容器(オートクレーブ)、水質調整タンク、送水ポンプ、高圧定量ポンプ、予熱器、熱交換器および純水精製装置などから構成されている。本報告書は、炉外高温高圧水ループ試験装置の製作にあたって構成する機器の基本設計及び当該装置を用いた性能試験結果についてまとめたものである。
中村 誠; 飛田 健次; Gulden, W.*; 渡邊 和仁*; 染谷 洋二; 谷川 尚; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 松宮 壽人*; 石井 響子*; et al.
Fusion Engineering and Design, 89(9-10), p.2028 - 2032, 2014/10
被引用回数:13 パーセンタイル:70.4(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所事故を受けて、日本国内の核融合研究コミュニティにおいて、核融合炉の安全性に対する関心が高まっている。そこで幅広いアプローチ原型炉設計活動(BA-DDA)では、核融合炉の安全性研究に着手した。本論文は、BA-DDAで行っている核融合原型炉安全性研究の進展について報告するものである。まず本研究での安全確保の考え方を明確化し、事故時の放射性物質放出に対する敷地境界での公衆被ばく線量の目標値を設定した。次に、核融合原型炉が内包する放射性物質とエネルギーの量の評価を行った。ここでの原型炉は、我が国で開発しているブランケット工学技術(水冷却、固体ペブル増殖ブランケット)に基づくものとする。さらに、マスター・ロジック・ダイアグラム法と機能FMEA法を用いて原型炉で考えられる事故シナリオの分析を行った。分析したシナリオのうち、とりわけ重要な事故事象を選定した。
中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; Gulden, W.*; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 渡邊 和仁*; 松宮 壽人*; 石井 響子*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 9, p.1405139_1 - 1405139_11, 2014/10
水冷却核融合原型炉の安全性研究における重要側面について報告する。水冷却原型炉の内的ハザード(つまり放射性物質のインベントリ、これらを可動化するエネルギー、事故の起因事象と事故シナリオ)の分析を行った。第一壁/ブランケット冷却ループのエンタルピー、崩壊熱、ベリリウム-水蒸気反応で発生しうる化学反応エネルギーにとりわけ留意する必要があることを指摘した。第一壁/ブランケット冷却ループの真空容器外破断を定量的に解析した。この事象に対する核融合炉建屋の健全性について議論した。
武内 伴照; 柴田 晃; 永田 寛; 木村 伸明; 大塚 紀彰; 斎藤 隆; 中村 仁一; 松井 義典; 土谷 邦彦
Proceedings of 3rd Asian Symposium on Material Testing Reactors (ASMTR 2013), p.52 - 58, 2013/11
LWRの炉計装システムは、原子炉運転中から炉停止中の状況を監視できるシステムとなっていた。しかしながら、そのシステムは、福島第一原子力発電所で起きたシビアアクシデント時では電源喪失のため作動せず、事故後の対応が遅れた。このため、炉心損傷事故が起きても測定できる原子炉計装システムの開発が必要不可欠となった。本研究は、JMTRに蓄積された照射技術を活用し、測定技術を含めた監視システムの開発を行っている。本報告では固体電解質型の水素濃度センサー、ヒーターを備えている熱電対型の水位計、自己出力型のSPGD線検出器及びCCDカメラによる原子炉の情報の定量化のためのチェレンコフ光の画像解析システムの4つの計装システムの開発について紹介する。開発後は、JMTRで炉内確認テストを実施し、放射環境下での特性も調べる予定である。
柴田 晃; 三浦 邦明*; 武内 伴照; 大塚 紀彰; 中村 仁一; 土谷 邦彦
JAEA-Technology 2013-024, 21 Pages, 2013/10
東京電力福島第一原子力発電所の事故においては、全電源喪失により、原子炉圧力容器内水位及び使用済燃料プールの水位が測定できなくなり、事故対策及び事故後の状況の把握に大きな困難をもたらした。このため、全電源喪失時にも、小電力で作動可能な信頼性の高い水位計の開発を行った。既存の水位計を調査し、小電力作動する信頼性の高い水位計の設計と試作を行った。また、試作した水位計を用いて、性能評価試験を行い、常温から95Cの水温範囲において20mmの精度で水位を測定できることを確認した。この結果、新型水位計を使用済燃料プールや過酷事象時の原子炉圧力容器の水位計として使用する見通しを得た。
柴田 晃; 木村 伸明; 谷本 政隆; 中村 仁一; 斎藤 隆; 土谷 邦彦
JAEA-Conf 2012-002, p.56 - 60, 2012/12
JMTRの再稼働に向けて、技術的価値の高い照射データの取得及び原子炉の安全管理における信頼性の向上のために新規炉内計装を開発することが必要不可欠である。本発表では、腐食電位(ECP)センサー,新型水位計及びチェレンコフ光炉内観察システムの開発について発表する。
武内 伴照; 柴田 晃; 永田 寛; 三浦 邦明*; 佐野 忠史*; 木村 伸明; 大塚 紀彰; 斎藤 隆; 中村 仁一; 土谷 邦彦
Proceedings of 5th International Symposium on Material Testing Reactors (ISMTR-5) (Internet), 8 Pages, 2012/10
既存軽水炉において、炉内計装システムは原子炉運転及び停止状況を把握するために必要不可欠である。しかし、福島第一原子力発電所における過酷事故時、これらのシステムは十分には機能しなかった。このため、JMTRにおける炉内計測技術及び照射実績をもとに、過酷事故の進展を未然に防ぐための原子炉計装システムの開発に着手した。対象は、発熱を利用した水位計、自己出力型線検出器、水素濃度計、及びチェレンコフ光を利用した炉内情報の可視化・定量化システムである。これらの計装機器の設計や目標仕様及び開発状況や炉外・炉内性能実証試験の概要について述べる。
柴田 晃; 北岸 茂; 木村 伸明; 斎藤 隆; 中村 仁一; 近江 正男; 出雲 寛互; 土谷 邦彦
JAEA-Conf 2011-003, p.185 - 188, 2012/03
JMTR再稼働における照射技術開発の一環として、燃材料の照射試験において高精度なデータを得るため、腐食電位(ECP)センサー及び差動トランス(LVDT)式ガス圧計の開発を行っている。ECPセンサは高温高圧水条件にて構造材料の腐食電位を決定するためのセンサーであり、LVDT式ガス圧計は中性子照射下における燃料要素のガス圧を測定するためのセンサーである。本開発ではECPセンサーにおいては、センサーのセラミック及び金属の接合部について応力集中を避けるため形状の最適化を行った。一方、LVDT式ガス圧計においては、高温高圧かつ高照射下環境にて、高精度かつ安定した測定を行うためにLVDTのコイル材をMIケーブルと変更する改良を行った。この結果、ECPセンサーにおいては炉外試験において、接合材の破損なく安定した出力を得ることができるとともに、LVDT式ガス圧計についてはMIケーブルに変更しても、安定かつフルスケールで1.8%という正確さを示した。
三浦 邦明*; 柴田 晃; 中村 仁一; 小笠原 俊彦*; 斎藤 隆; 土谷 邦彦
JAEA-Conf 2011-003, p.193 - 195, 2012/03
福島第一原子力発電所事故において、使用済み燃料プールの水位を容易に測定することができなかったことは、事故を深刻化させた要因の一つである。一般的に、原子炉の炉内水位計には差圧式水位計が用いられているが、スリーマイル事故以降、異なる作動方式の水位計の必要性が指摘されていた。これを受け、BICOTHタイプ及びTRICOTHタイプの差動熱電対を利用した水位計は開発されたが、形状や必要電力の問題から一般の原子炉では採用されなかった。本研究では、熱電対とヒーターを用いた新型水位計を開発し、その性能試験結果により、正確に水位を測定可能であることを明らかにした。
石田 卓也; 谷本 政隆; 柴田 晃; 北岸 茂; 斎藤 隆; 近江 正男; 中村 仁一; 土谷 邦彦
JAEA-Testing 2011-001, 44 Pages, 2011/06
照射試験炉センターでは、材料試験炉(JMTR)の改修・再稼動後において技術的価値の高い照射データを提供するため、新たな照射試験法の開発を行っている。照射試験に必要なキャプセルを開発するため、キャプセル組立て、照射試料の材料試験や材料検査・分析などが行える施設を整備した。施設整備にあたっては、大洗研究開発センター内にある既設建屋の有効活用の観点から、現在、管理区域が解除され、実験装置,事務用品などの保管に使用されていたRI利用開発棟を改修し、上記目的のための施設整備を行った。改修後、照射試験開発棟と命名し、利用目的に基づいて8つの実験室を整備し、実験装置の設置を開始した。現在、照射試験開発棟における基本的管理要領を設定し、運用を行っている。本報告書は、RI利用開発棟の改修工事及び実験室内の実験装置の整備と操作方法及び照射試験開発棟における基本的管理要領についてまとめたものである。
谷本 政隆; 青山 征司; 北岸 茂; 柴田 晃; 斎藤 隆; 中村 仁一; 土谷 邦彦
Proceedings of 1st Asian Symposium on Material Testing Reactors (ASMTR 2011), p.62 - 70, 2011/02
再稼働後のJMTRは産業利用(LWRの長期化対応,次世代炉の開発等)の拡大が期待されている。広範囲に渡る利用者の需要への対応、高度な技術や新しい照射技術を開発している。本論文では、JMTRでの照射試験に用いられる計測機器である多対式熱電対,ガス圧計,SPND及びSPGDの開発の現状について述べるとともに、これら計測機器の国際標準化への働きかけについて論じている。
棚井 憲治; 菊池 広人; 中村 邦彦*; 田中 幸久*; 廣永 道彦*
JAEA-Research 2010-025, 186 Pages, 2010/08
低レベル放射性廃棄物処分, TRU廃棄物並びに高レベル放射性廃棄物の地層処分では、施設の構成要素の一つとしてベントナイト系材料が用いられる。ベントナイト系材料に求められている特性としては、低透水性,膨潤性などがあり、ほとんどの場合、室内試験結果により評価されている。ところが、乾燥密度などの指標が同一でも、ベントナイトの室内試験結果には幅があるため、施工時の特性評価には不確実性が存在する。さらに施工時の不確実性は、長期的な特性評価の不確実性を増大させる可能性がある。一方、ベントナイトの室内試験法の中には規格化又は標準化されていないものがあり、そのことが、室内試験によるベントナイトの特性評価の不確実性の原因の一つである可能性がある。そのため、標準的なベントナイトの室内試験法の設定が望まれている。そこで、本研究では、ベントナイト系材料の試験で得られる物性値の不確実性の要因分析を実施し、試験における問題点や留意事項を取りまとめた。
飛田 健次; 西尾 敏*; 榎枝 幹男; 中村 博文; 林 巧; 朝倉 伸幸; 宇藤 裕康; 谷川 博康; 西谷 健夫; 礒野 高明; et al.
JAEA-Research 2010-019, 194 Pages, 2010/08
発電実証だけでなく、最終的には経済性までを一段階で見通しうる核融合原型炉SlimCSの概念設計の成果を報告する。核融合の開発では、これまで、1990年に提案されたSSTR(Steady State Tokamak Reactor)が標準的な原型炉概念とされてきたが、本研究はSSTRより軽量化を図るため小規模な中心ソレノイドを採用して炉全体の小型化と低アスペクト比化を図り、高ベータ及び高楕円度(グリーンワルド密度限界を高めうる)を持つ炉心プラズマにより高出力密度を目指した。主要パラメータは、プラズマ主半径5.5m,アスペクト比2.6,楕円度2.0,規格化ベータ値4.3,核融合出力2.95GW,平均中性子壁負荷3MW/mとした。この炉概念の技術的成立性を、プラズマ物理,炉構造,ブランケット,超伝導コイル,保守及び建屋の観点から検討した。
谷川 尚; 星野 毅; 河村 繕範; 中道 勝; 落合 謙太郎; 秋場 真人; 安堂 正己; 榎枝 幹男; 江里 幸一郎; 林 君夫; et al.
Nuclear Fusion, 49(5), p.055021_1 - 055021_6, 2009/05
被引用回数:22 パーセンタイル:63.33(Physics, Fluids & Plasmas)原子力機構が開発を進めている、固体増殖水冷却方式のテストブランケットモジュールについて、特に増殖材料に関する最新の研究成果を報告する。増殖材料の化学的安定性の向上を目的とし、LiO添加型のLiTiOの開発に成功した。増殖材微小球の充填体の熱機械挙動については、実験的にデータを取得し、各物性値を体系的に整理しモデル化した。テストブランケットモジュール内に設置可能な核計測手法として放射化箔法を提案し、基礎試験において実機への適用性を確認した。水冷却方式において重要なトリチウムの透過については、開発した透過低減皮膜の効果を実験によって確認するとともに、得られたデータを元にして運転条件における透過量を評価した。これらの成果に基づき、テストブランケットモジュールの設計が進められている。
星野 毅; 土谷 邦彦; 林 君夫; 中村 和*; 照沼 仁*; 蓼沼 克嘉*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1107 - 1110, 2009/04
被引用回数:9 パーセンタイル:53.48(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉ブランケットで用いた使用済みのトリチウム増殖材用リチウムセラミックス微小球からリチウム資源を回収・再利用する技術を開発することは、希少資源としてのLiの有効利用の観点から重要なことである。本研究では、各種Liセラミックス(LiTiO, CaO添加LiTiO, LiSiO及びLiO)の溶解特性及びキレート剤担持吸着剤を用いた不純物除去特性を調べた。Liセラミックスを過酸化水素水又は硝酸を溶媒として超音波溶解し、その溶液を吸着剤に浸した結果、ほとんどのリチウムが溶液中に存在し、かつ溶液中のCoは97%以上の除去ができることがわかった。本試験により、使用済LiセラミックスからLiを回収する一連のプロセスの開発に見通しを得た。
飛田 健次; 西尾 敏; 谷川 博康; 榎枝 幹男; 礒野 高明; 中村 博文; 鶴 大悟; 鈴木 哲; 林 孝夫; 土谷 邦彦; et al.
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.888 - 892, 2009/04
被引用回数:25 パーセンタイル:83.37(Materials Science, Multidisciplinary)SlimCSは、20202030年代に見通しうる技術を想定して設計された小型の核融合原型炉概念である。高ベータ領域での運転を可能にするため、交換ブランケットと固定ブランケットの間にセクター規模の寸法を持つ導体シェルを挟み込む点が炉構造上の特徴である。ブランケット構造材料は低放射化フェライト鋼、冷却材はPWR条件の加圧水を第一案とした。ITER-TBMの日本案との連続性を考慮し、増殖材はLiTiO、増倍材はBeTi又はBeとした。超伝導コイルは急速急冷法によるNbAlとし、最大磁場16テスラを超える設計とした。これらの機器のほか、導体シェル,ダイバータについてその構造と材料について報告する。
林 君夫; 中川 哲也; 小野瀬 庄二; 石田 卓也; 小高 英男; 勝山 幸三; 北島 敏雄; 高橋 孝三; 土谷 邦彦; 中道 勝; et al.
JAEA-Technology 2008-010, 68 Pages, 2008/03
原子力機構では、国際熱核融合実験炉(ITER)に装荷するテストブランケット・モジュール(TBM)を用いて、核融合炉用増殖ブランケットの炉内機能試験を実施することを計画している。本報告書は、炉内機能試験の準備として材料試験炉(JMTR)で照射試験を行った照射キャプセルの解体プロセスの概念検討及び基本設計について述べるものである。本設計においては、照射キャプセルはバンドソー(帯のこぎり)で切断され、放出されたトリチウムは、パージガス系によって安全に回収され、固化されて放射性廃棄物となる。さらに、事故時にトリチウムが解体装置外へ放出される可能性があることに対する安全対策として、解体装置を覆うインナーボックスを採用することにより、通常のトリチウム透過性材料を用いた既存のホットセル(ベータ・セル)を、大きな改造を行うことなく使用できる見通しを得た。以上により、トリチウムを含有する照射済みJMTRキャプセルについて、本解体プロセスが実現可能であることを示した。
飛田 健次; 西尾 敏; 佐藤 正泰; 櫻井 真治; 林 孝夫; 芝間 祐介; 礒野 高明; 榎枝 幹男; 中村 博文; 佐藤 聡; et al.
Nuclear Fusion, 47(8), p.892 - 899, 2007/08
被引用回数:55 パーセンタイル:86.05(Physics, Fluids & Plasmas)コンパクトな核融合原型炉概念SlimCSについて報告する。この原型炉は通常のトカマク炉と比べると小規模な中心ソレノイドコイル(CS)を採用している点に特徴がある。通常、CSの主要な役割はポロイダル磁束の供給とされるが、これをプラズマ形状制御とみなすことでCSの大幅な小型化が可能であり、これによりトロイダルコイルの軽量化しいては炉本体重量の低減が期待できる。さらに、CSの小型化はプラズマの低アスペクト比(=2.6)化を可能にし、高楕円度,大プラズマ電流化,高ベータ化など炉心プラズマの高出力密度を実現するうえで望ましい条件が整う。この結果、SlimCSはARIES-RSのような先進トカマク炉概念と同規模の炉寸法でありながら、比較的無理のない炉心プラズマ条件でほぼ同等の核融合出力を発生するメリットを持つ。
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
飛田 健次; 西尾 敏; 佐藤 正泰; 櫻井 真治; 林 孝夫; 芝間 祐介; 礒野 高明; 榎枝 幹男; 中村 博文; 佐藤 聡; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/10
コンパクトな原型炉を実現するための新概念を提案する。原型炉で見通しうる保守的な設計パラメータでありながら、経済的実用炉の設計例ARIES-RS, CRESTと同規模にコンパクトな原型炉が実現できる可能性を示した。本研究で提案する炉SlimCSは、主半径5.5m、アスペクト比2.6、最大磁場16.4T、核融合出力2.95GWの原型炉であり、規格ベータ値2、規格化密度0.4のときにゼロ電気出力、規格ベータ値4.3,規格化密度1.1の定格運転では1GW程度の正味電気出力を発生する。この概念の特徴は、小規模な中心ソレノイド(CS)を設置することによって形状制御等の炉心プラズマにかかわる技術的困難を回避しつつ、トロイダル磁場コイルをできる限り中心軸に近づけて設置し、プラズマを低アスペクト比化したことである。これによりトロイダル磁場コイルの蓄積エネルギーが大幅に減少し、トロイダル磁場コイルの物量、ひいては炉本体の建設コストの削減に寄与しうる。また、低アスペクト比のため高楕円度及び高ベータ限界が期待され、このようなコンパクトな原型炉が構想可能になる。