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吉見 卓*; 角舘 聡; 多田 栄介; 辻 光一*; 宮川 信一*; 久保 智美*
日本ロボット学会誌, 19(6), p.766 - 774, 2001/09
ITERでは、ビークルマニピュレータを用いたブランケットの保守が提案されている。ビークルマニピュレータは基本的に教示再生制御方式で動作するが、扱う対象物が大重量であることから、マニピュレータがブランケットを把持している状態とそうでない状態の手先部のたわみ量が大きく異なり、マニピュレータがブランケットの重量を受け取ったり離す瞬間に手先位置が大きく移動して、従来の制御方式をそのまま適用するのは困難である。本稿では、マニピュレータがブランケットを把持した状態とそうでない状態で各々教示操作を行うことにより作業モデルを生成し、両者を組み合わせて、作業に伴う負荷のスムーズな移行が行える、大重量物を扱うマニピュレータのための制御システムを開発した。さらに、実規模ブランケット遠隔保守ビークルマニピュレータに適用し、実験でその有効性を確認した。
武田 信和; 角舘 聡; 柴沼 清; 辻 光一*; 久保 智美*; 丸山 賢祐*; 近藤 光昇*
no journal, ,
ITERでは、DT反応によって生じる中性子が構造物を放射化するため、真空容器内は高線環境下にある。したがって、真空容器内機器の保守は遠隔装置によって実施する必要がある。ITER工学設計活動においては、保守時に真空容器のトロイダル方向にレールを展開し、その上をモノレール車両と類似したビークルがブランケット交換用のマニピュレータを搭載して走行する、というシステムがブランケット遠隔保守装置として検討され、実規模モデルによりその実現性が確認された。その後、ITERのコスト低減のためのコンパクト化に伴い、ブランケット遠隔保守装置の寸法も縮小されたが、交換するブランケットの形状や重量は変更がないため、ブランケット交換時における真空容器内の他機器との干渉が問題となった。この干渉問題の解決と、より一層のコスト低減を追求するという観点から、遠隔保守装置の合理化を実施した。本件では、(1)レール断面形状の小型化,(2)ビークル走行機構の単純化,(3)回転機構用歯車の小径化、の3点に着目して合理化設計を行い、ビークル/マニピュレータの総重量を11tonから8tonに約30%低減できた。
油谷 篤志; 武田 信和; 角舘 聡; 久保 智美*; 杉本 健*; 中平 昌隆*; Tesini, A.*
no journal, ,
ITERのブランケットなどの真空容器内機器は、DT反応により線環境下に置かれるため、保守交換を遠隔機器によって行う必要がある。ブランケット遠隔保守に用いるシステムの調達は日本が担当しており、原子力機構は調達仕様決定のために研究開発を継続してきた。ブランケット交換では、大重量(40kN)のブランケットを真空容器のキー構造に勘合させて、高精度(0.5mm以下)に最終的な位置決めをする必要がある。このため、カメラ計測による誤差10mm以下の位置決めと、勘合過程で発生する過大な反力を抑制する力制御の組合せによって、最終的な位置決め精度を達成した。本報告は、その手法と試験結果について報告を行う。