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論文

複数ピークからなるESRスペクトルのピーク分離解析

菊地 正博; 永田 夏樹*; 菰田 聖一*; 亀谷 宏美*; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

食品照射, 50(1), p.13 - 19, 2015/10

照射食品に誘導されたフリーラジカルの不対電子の緩和時間は、ラジカル相互作用の指標となる。連続波(CW-)ESRを用いる場合、1本線のピークに対してはLund法のシミュレーションで緩和時間を計算できる。複数ピークからなるCW-ESRスペクトルにおいて緩和時間を求めるため、ピーク分離法を検討した。緩和時間はパルスESRで直接測定可能である。CW-ESRで複数ピークとなるスペクトルに対して、そのままLund法のシミュレーションを適用して、照射アミノ酸の緩和時間を求めたところ、パルスESRの測定結果とは全く異なっていた。複数ピークをもつ照射アミノ酸のスペクトルに対してGaussianピークとしてフィッティング後、それぞれのピークに対してLund法を適用して求めた緩和時間T$$_{2}$$はパルスESRで測定された値とよく一致していた。CW-ESRによる測定で複数ピークをもつESRスペクトルが得られた場合、ピーク分離後にLund法を適用する解析法は緩和時間を求める際に有効と考えられる。パルスESRで複数ピークが同じg値をもつ時、CW-ESRでラジカル構造を踏まえたピーク分離を行うと簡単に緩和時間を求められると考えられる。

論文

加工食品を対象としたアルキルシクロブタノン法(EN1785)の性能評価

堤 智昭*; 足立 利華*; 高附 巧*; 根井 大介*; 亀谷 宏美*; 等々力 節子*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 松田 りえ子*; 手島 玲子*

食品照射, 49(1), p.9 - 15, 2014/12

2-アルキルシクロブタノン(ACB)法は、食品中の脂質から放射線照射(以下、照射)に特異的に生じる2-ドデシルシクロブタノン(DCB)と2-テトラデシルシクロブタノン(TCB)を検知指標として、照射の有無を判定する定性試験法である。本研究では、我々が既に報告しているACB法の単一試験室における性能評価法を用いて、汎用されているACB法であるヨーロッパ標準分析法(EN1785)の液卵, カマンベールチーズ, ソーセージ、及びウナギ白焼き対する適用性を評価した。未照射の各食品から抽出した脂肪を陰性試料にDCB及びTCBを0.05$$mu$$g/g lipid添加した脂肪を陽性試料とした。各食品について4個の陰性試料、及び16個の陽性試料を分析し、本法の検知性能を評価した。本法は各食品の陰性及び陽性試料を全て正しく判定でき、これらの食品への適用が妥当であると判断できた。次に妥当性評価した本法の検知性能を確認するため、未照射及び$$gamma$$線照射(0.5-4kGy)した上記と同種の食品を本法により分析した。その結果、全ての試料について照射の有無を正しく判定することができ、実用されている線量で照射された食品に対して十分な検知性能を有していた。

論文

Electron-spin relaxation times of irradiated fructose measured with pulsed ESR

菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 85, 2014/03

In this study, the relaxation times of radiation-induced radicals in fructose crystals were directly measured using pulsed ESR to reveal the strength of interaction with the neighboring dipoles. ESR spectra of the irradiated fructose by CW ESR were essentially same at tested dose levels. While, ESR spectra by pulsed ESR were drastically different according to dose levels. Furthermore, relative heights of side peaks increased as the increasing of dose levels. It is suggested that CW ESR can measure all of the unpaired electrons, while pulsed ESR can detect the interactions based upon neighboring unpaired electrons as the electron-spin echo swept in magnetic field. The relationship between the dose level and the relaxation times showed T$$_{2}$$ of the side peaks were longer than those of the main peaks in fructose, indicating that radicals of the side peaks interact less with neighboring dipoles than do those of the main peak.

論文

放射線照射食品に誘導されるラジカルのPulse-ESRとCW-ESRによる緩和時間の検討

岸田 敬吾*; 川村 翔栄*; 亀谷 宏美*; 中村 秀夫*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

Radioisotopes, 63(3), p.131 - 137, 2014/03

放射線照射食品に誘導されるラジカルをPulse-ESRとCW-ESRで計測し、緩和時間(T$$_{1}$$, T$$_{2}$$)の計測を行った。緩和時間はPulse-ESRにより直接求めたが、CW-ESRでは計測した信号パラメーターより間接的に算出した。照射強力粉及び照射黒コショウのPulse-ESR信号の観測に成功した。照射食品のT$$_{1}$$, T$$_{2}$$はCW-ESR法により算出できるが、値が若干小さくなる傾向があることがわかった。これは食品中の含有する蛋白質のような成分によりESR信号が与える算出のためのパラメーターが影響を受けるからである。

論文

Electron-spin relaxation phenomena in irradiated saccharides detected by pulsed electron paramagnetic resonance spectroscopy

菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

Radiation Physics and Chemistry, 81(10), p.1639 - 1645, 2012/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.14(Chemistry, Physical)

本研究ではX-バンドEPR分光法を用いて$$gamma$$線照射された糖類におけるラジカル緩和時間を測定した。パルスEPR装置を用いて1kGyから100kGy照射した果糖の磁場掃引信号を測定すると、線量によって3から4個のピークが得られた。一方、非照射検体ではパルスエコー信号が観測できなかった。それぞれの照射検体からのサイドピークの緩和時間($$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$)は、メインピークで測定された緩和時間より長かった。このことはサイドピークを示すラジカルが周辺環境と相互作用が少ないことを示している。数種の照射糖類の緩和時間測定から、緩和時間$$T$$$$_{2}$$は線量増加につれて減少するが、緩和時間$$T$$$$_{1}$$は照射に影響されないと考えられた。CW-EPRではメインピークに比べてサイドピークが小さいが、パルスEPRで測定すると、1kGyの試料でもサイドピークは明確に測定され、100kGyではメインピークと同じ程度の信号強度として測定された。このことは、$$gamma$$線照射によって誘起されたラジカルペアが極近傍に優先的に残存していることを示唆しており、ラジカル生成過程と関係があると考えられる。したがって、パルスEPRは照射誘起ラジカルの選択的な測定に優位性があるかも知れない。

論文

Pulse-ESRとCW-ESRによる照射黒コショウ中のラジカルの緩和時間解析

亀谷 宏美*; 菊地 正博; 等々力 節子*; 古田 雅一*; 小林 泰彦; 原 英之*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*

食品照射, 47(1), p.6 - 10, 2012/09

本研究では、パルスESRと連続波(CW)ESRを用いて照射黒コショウ中のフリーラジカルを測定し相互比較を行った。まず、照射黒コショウを検体としてパルスESRでの測定条件を検討し、初めてエコー観測に成功した。そこで、黒コショウ中のラジカルの緩和時間(T$$_{1}$$, T$$_{2}$$)をパルスESRで測定すると、T$$_{1}$$は線量依存性を示さなかったが、T$$_{2}$$は照射につれて増加した。一方、CW-ESRで測定したシグナル飽和挙動の理論解析からもT$$_{1}$$とT$$_{2}$$を計算した。その結果、パルスESRとCW-ESRで求めたT$$_{1}$$とT$$_{2}$$の値に一致は見られなかったが、線量増加したときの数値の変化の傾向は同じであった。パルスESRで測定されるT$$_{2}$$の値は線量依存性が非常に強かった。今後、実用線量で照射された試料で検討を行うことで、新たな照射検知に応用できる可能性がある。

論文

Relaxation behaviors of free radicals from $$gamma$$-irradiated black pepper using pulsed EPR spectroscopy

亀谷 宏美*; 菊地 正博; 原 英之*; 古田 雅一*; 等々力 節子*; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*; 下山 雄平

Applied Magnetic Resonance, 42(2), p.153 - 159, 2012/03

 被引用回数:5 パーセンタイル:30.75(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)

EPR分光法を用いて$$gamma$$線照射された黒コショウ中のフリーラジカルの緩和挙動を解析した。$$gamma$$線照射によって典型的な2本線のピークが検出された。緩和時間($$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$)はパルスEPRで観察された。われわれは$$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$$$gamma$$線照射線量レベルによって変化し、これらの値は$$gamma$$線照射処理の線量に依存性を示すことを見いだした。具体的には、$$T$$$$_{1}$$は30$$mu$$s(1kGy)から36$$mu$$s(100kGy)に増加し、$$T$$$$_{2}$$は277ns(1kGy)から437ns(100kGy)に増加した。これはラジカル間の相互作用が化学結合の切断により減少したためであると考えている。われわれは、パルスEPR法でセルロースラジカルを含む$$gamma$$線照射誘導ラジカルを初めて測定した。

論文

照射食品に誘導されるラジカルの減衰挙動

貝森 良彦; 坂本 侑輝*; 菊地 正博; 亀谷 宏美*; 中村 秀夫*; 下山 雄平; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

食品照射, 46(1), p.13 - 18, 2011/09

In order to determine radical decay behaviors of $$gamma$$-irradiated food, we analyzed radicals in the food using ESR. We detected the ESR signal of specimens just several minutes after irradiation. The singlet signal intensity at $$g$$ = 2.0, originated from organic free radicals was increased as followed by the increasing radiation dose. Singlet signal intensity that increased by $$gamma$$-irradiation was decreased with time. The phenomena of decay of the ESR singlet signal showed two phase that are rapid decay and slow decay. It was suggested that those two phase decay is due to at least the two radical species. Also we concluded that after three hours of radiation treatment long life radical as ESR signal intensity was detected in irradiated specimens; black pepper, green coffee bean and ginseng, showed the same decay phenomena. But the signal intensity of irradiated black pepper was three times larger than that of irradiated green coffee bean and irradiated ginseng.

論文

Electron spin relaxation behaviors of radicals induced in $$gamma$$-irradiated food

鵜飼 光子*; 亀谷 宏美*; 中村 秀夫*; 菊地 正博; 小林 泰彦

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 84, 2011/01

Irradiation of food by various electromagnetic waves or rays of elementary particles is gaining wide applications since irradiation eliminates pathogen and reduces food borne illness. Ukai et al. have reported radiation response of the irradiated foods using ESR. In order to determine the relaxation behaviors of radicals in irradiated foods, we measured progressive saturation behavior (PSB) in nutmeg. The typical ESR spectra show ESR spectra obtained before irradiation consisted of three signal components. As radiation dosage increased, the sharp intense signal (P1) intensity became higher. By PSB we could evaluate relaxation times of T1 and T2. Irradiation induced radicals of nutmeg yielded relaxation times, T1 in the $$mu$$sec and T2 in nsec ranges, respectively. Upon the irradiation, T1 shortened, and T2 lengthened.

論文

照射ニンニクの電子スピン共鳴法,光刺激ルミネッセンス法,熱ルミネッセンス法による検知

亀谷 宏美*; 齊藤 希巳江*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*; 等々力 節子*

日本食品科学工学会誌, 57(11), p.472 - 478, 2010/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.73(Food Science & Technology)

電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance: ESR)法,光刺激ルミネッセンス(Photo Stimulated Luminescence: PSL)法及び熱ルミネッセンス(Thermo luminescence: TL)法が照射ニンニクの検知に利用可能か否かについて検討した。線源は$$^{60}$$Co、線量は50$$sim$$180Gyとした。ESRスペクトルは、外皮の分析において$$g$$=2.00の1本線信号が観測され、信号強度は線量とともに増大した。照射処理したニンニクのPSL発光積算値は、非照射試料の値と比較して増加した。照射ニンニクのTLの発光極大温度は180$$sim$$220$$^{circ}$$C、非照射ニンニクは約300$$^{circ}$$Cとなり照射ニンニクを判別することができた。また、TL比は積分温度範囲が150$$sim$$250$$^{circ}$$Cのとき、照射ニンニクと非照射ニンニクが明確に区別された。以上のことから、ESR, PSL, TL法は照射ニンニクの判別に適用できる可能性が示唆された。特に、TL法は照射ニンニクの検知に実用的に有用であると結論した。

論文

照射マンゴー中に誘導されるラジカルの緩和挙動と線量依存性

亀谷 宏美*; 垣田 大介*; 貝森 良彦*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*; 下山 雄平

Radioisotopes, 59(10), p.607 - 614, 2010/10

日本では温湯浸漬処理されたマンゴーが輸入されている。近年、照射輸入マンゴーはアメリカでは広く利用されている。本研究は照射マンゴーに誘導されるラジカルのESR法による分析について報告する。$$gamma$$線照射されたマンゴーの果肉及び果皮には$$g$$=2.004に強い1本線の信号が観測された。これは有機フリーラジカル由来と考えられた。果肉及び果皮において12kGy以上の照射処理によりセルロース由来の照射誘導ラジカルが現れた。一本線信号の緩和時間(T$$_{1}$$とT$$_{2}$$)を計算した。T$$_{1}$$はほぼ一定であったが、T$$_{2}$$は線量の増加とともに変化した。T$$_{1}$$及びT$$_{2}$$の相乗平均を検討したところ、線量依存性が確認された。

論文

放射線照射によるニンニクの萌芽発根抑制効果

小林 泰彦; 菊地 正博; 等々力 節子*; 齊藤 希巳江*; 桂 洋子*; 亀谷 宏美*; 市川 まりこ*; 飯塚 友子*; 千葉 悦子*; 鵜飼 光子*

食品照射, 45(1-2), p.26 - 33, 2010/09

収穫から約2か月後の青森県産ニンニクに30Gy以上の$$gamma$$線を照射することによってほぼ完全に萌芽と発根を抑制できることがわかった。現在行われている低温倉庫でのCA貯蔵と高温処理の組合せよりも、低コストでニンニクの品質保持と周年供給が可能になるかもしれない。照射時期が1か月遅くなると萌芽抑制の効果は若干低下した。照射後の貯蔵温度による影響も考えられる。我が国で照射によるニンニク芽止め処理を実用化するには、生産地での収穫から出荷までの貯蔵環境を模擬しつつ、現在行われている周年供給のための長期貯蔵法と、品質及びコストの両面で比較検討する必要がある。

論文

Detection method for irradiated garlic using ESR

鵜飼 光子*; 亀谷 宏美*; 中村 秀夫*; 等々力 節子*; 菊地 正博; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 小林 泰彦

JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 85, 2009/12

電子スピン共鳴(ESR)法によって照射ニンニク中のフリーラジカルを検出した。ニンニクの典型的なESRスペクトルは${it g}$=2.0の一本線であった。シグナルは有機フリーラジカルに起因している。$$gamma$$線照射によって、新しいシグナルが検出された。照射効果を分析するために、われわれは照射ニンニクのESR検知法を提案する。

口頭

放射線照射によるニンニクの発芽抑制効果

小林 泰彦; 菊地 正博; 等々力 節子*; 齊藤 希巳江*; 桂 洋子*; 亀谷 宏美*; 市川 まりこ*; 飯塚 友子*; 千葉 悦子*; 鵜飼 光子*

no journal, , 

収穫から約2か月後の青森県産ニンニクに30Gy以上の$$gamma$$線を照射することによってほぼ完全に萌芽と発根を抑制できることがわかった。現在行われている低温倉庫でのCA貯蔵と高温処理の組合せよりも、低コストでニンニクの品質保持と周年供給が可能になるかもしれない。照射時期が1か月遅くなると萌芽抑制の効果は若干低下した。照射後の貯蔵温度による影響も考えられる。我が国で照射によるニンニク芽止め処理を実用化するには、生産地での収穫から出荷までの貯蔵環境を模擬しつつ、現在行われている周年供給のための長期貯蔵法と、品質及びコストの両面で比較検討する必要がある。

口頭

照射食品におけるラジカル緩和時間の直接測定

菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 等々力 節子*; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

no journal, , 

食品照射技術の普及のためには、照射の有無が適切に表示され、消費者の食品選択の自由が保証されることが必要であり、そのために検知法が重要となる。ESR検知法では、検知可能期間の長短は照射誘導ラジカルの残存期間に依存する。ラジカルの安定性は不対電子の相互作用の程度に関係していると考えられるため、ラジカルの緩和時間(T$$_{1}$$, T$$_{2}$$)をパルスESR装置で直接測定する方法を開発して、緩和時間と吸収線量の関係について検討した。その結果、照射糖類で測定された緩和時間T$$_{1}$$は線量が変化してもほぼ一定だったが、緩和時間T$$_{2}$$は線量が増えるにつれて減少した。一方、照射食品中の不対電子の緩和時間T$$_{1}$$は線量に関係なくほぼ一定であり、緩和時間T$$_{2}$$は線量増加とともに増加する傾向があった。この緩和時間の線量応答変化は、照射誘起ラジカルの残存密度と分子安定化のコンフォメーション変化が関係している可能性がある。

口頭

黒胡椒のESR検知法における粉砕粒度の影響

貝森 良彦; 菊地 正博; 亀谷 宏美*; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

no journal, , 

電子スピン共鳴(ESR)法は照射により誘導されるラジカルを検出できるため照射食品検知法として利用されているが、少量の照射食品が含有されている場合などは検知が難しい。このような食品を検知するためには測定条件を最適化して検出感度を上げることが重要である。本研究では、試料の粉砕粒度がESR信号強度に及ぼす影響について検討した。実験は粉砕ラジカルの影響を除くためあらかじめ粉砕しておき、照射後、ふるいを用いて3段階の粒度に分類した。メイン信号は粒度が小さいほど信号増加し、サイド信号も同様の傾向を示した。今回の実験結果から試料を細かく粉砕し、粒度を揃えることにより信号強度が強くなることがわかった。これまでわれわれは黒胡椒を粉砕後、粒度を揃えずにESR測定を行いメイン信号強度で判別していたが、その信号は非照射試料でも観測されるので信号強度を正確に測定する必要がある。サイド信号は粉砕処理単独では観測されない信号であるため信号の有無で判別可能である。今回、粒度を揃えた微粉末を用いることで従来よりサイド信号の検出感度を上げることに成功した。

口頭

電子スピン共鳴法による放射線照射した乾燥果実及び貝の検知

高附 巧*; 堤 智昭*; 松田 りえ子*; 岡野 和史*; 亀谷 宏美*; 等々力 節子*; 菊地 正博; 後藤 浩文*; 関口 正之*; 原 英之*; et al.

no journal, , 

照射食品の検知法として熱ルミネッセンス法とアルキルシクロブタノン法が通知されている。しかし、乾燥果実及び貝では、鉱物や脂肪の採取が困難なため、他の原理に基づく検知法として電子スピン共鳴(ESR)法をこれらの試料に対して検討した。糖結晶及び貝殻に生成したラジカルは比較的安定であるため、これらを含む乾燥果実及び貝がESR法の対象となる。本研究では種々の乾燥果実及び貝を対象に、試料数を増やして本法の検知性能について検証した。乾燥果実は糖結晶を多く含む部位、貝は粉砕した貝殻を測定部位とし、乾燥させた後、ESR測定した。照射の判定はESRのスペクトル形状から求めたg値又は線幅により行った。g値及び線幅が示した範囲内であった場合、照射と判定すると、乾燥果実3種及び貝2種では、照射に由来するラジカルのピークが認められ、すべて照射と判定された。この方法で未照射試料は、すべて未照射と判定された。6か月間保存した試料でも照射の判定は正しく行え、ラジカルの減衰に伴う誤判定は生じなかった。以上の結果より、本法で乾燥果実及び貝における照射の有無の判定が照射後6か月までは可能と考えられた。

口頭

照射食品誘導ラジカルの緩和挙動

川村 翔栄*; 岸田 敬吾*; 亀谷 宏美*; 菊地 正博; 中村 秀夫*; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

no journal, , 

照射誘導ラジカルを直接計測できる電子スピン共鳴(ESR)法では、ラジカル種が異なる場合、ラジカルの緩和挙動が変化し緩和時間に違いが生じる。したがって、照射食品中のラジカルの緩和時間を求めることにより、ラジカルの性状を捉えることができる。本研究では照射小麦粉(強力粉)と照射黒コショウを試料とし、パルスESRを用いて緩和時間を計測した。同時に、連続波ESRによって算出される緩和時間も求め、両者を比較検討した。その結果、照射黒コショウと照射強力粉の磁場掃引エコースペクトルが観測でき、緩和時間も測定できた。しかし、Lund法を用いて連続波ESR測定から求めた緩和時間は、パルスESRで直接測定した値と必ずしも一致しないことがわかった。パルスESRを用いて計測した照射食品のラジカル緩和時間は、照射糖類のそれとほぼ等しく、炭素由来のラジカルに起因する可能性が示唆された。

口頭

電子線や$$gamma$$線を照射した食品に誘導されるラジカルの緩和時間による解析

岸田 敬吾*; 川村 翔栄*; 亀谷 宏美*; 菊地 正博; 中村 秀夫*; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

no journal, , 

電子スピン共鳴分光法(ESR)は、照射により食品に誘導されるラジカルをESR信号として直接測定できることから、照射食品検知法として大変有用である。従来、照射食品のESR計測は連続波ESR(CW-ESR)が用いられ、ラジカルの緩和時間(T$$_{1}$$,T$$_{2}$$)はLundらの解析ソフトを用いて間接的に算出している。この解析ソフトはsinglet信号から得られるパラメーターを用いているので、複雑な信号では厳密なパラメーターを得られないと予想される。Pulse-ESR計測を用いると緩和時間は直接求められるが、食品の分析例はほとんどない。そこで、本研究では照射食品のPulse-ESR計測を詳細に検討し、緩和時間を求めた。同時にCW-ESR計測を行い、ラジカルの緩和時間を算出し、得られた緩和時間を比較検討することにより、照射食品に誘導されるラジカルの解析を行った。Pulse-ESR測定において、照射黒コショウ及び照射強力粉でecho信号の観測に成功し緩和時間を求めることができた。黒コショウのCW-ESR測定による緩和時間の算出値はPulse-ESR測定で得られた値よりも低い傾向にあった。照射強力粉では、CW-ESR測定で算出された緩和時間はPulse-ESR測定で得られた値とほぼ等しくなった。

口頭

照射大豆に誘導されるラジカルの緩和時間による解析

岸田 敬吾*; 山本 久美子*; 菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 小林 泰彦; 等々力 節子*; 中村 秀夫*; 鵜飼 光子*

no journal, , 

本研究ではESRによる照射食品検知法の対象になっていない照射大豆において、ESR計測が検知に導入できるかどうか検討するため、照射によって食品に誘導されるラジカルの解析を緩和時間から検討した。5kGy, 10kGy, 30kGy照射した大豆皮でESR測定に成功し、メイン(M)信号とサイド(S1, S2)信号を得た。大豆実では信号の観測ができなかった。M信号は照射量に依存して信号強度が変化し、照射依存性を示したことから、CW-ESRによるM信号の計測は照射大豆の照射処理の検知に応用できることが示唆された。Pulse-ESR測定により直接求めたM信号の緩和時間は吸収線量が上がるにつれてT$$_{1}$$・T$$_{2}$$ともに増加する傾向にあり、照射依存性を示した。Lundらの方法では照射セルロース由来のラジカル信号の挙動を基に算出している。大豆はタンパク質や油脂も含むので、含有成分の影響があると推察した。以上のことから、照射大豆のESR法による計測では、皮を計測試料として用いることで、照射食品検知法として導入できる可能性があると考えた。

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