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新井 和邦*; 二ノ宮 晃*; 石郷岡 猛*; 高野 克敏*; 中嶋 秀夫; Michael, P.*; Vieira, R.*; Martovetsky, N.*; Sborchia, C.*; Alekseev, A.*; et al.
Cryogenics, 44(1), p.15 - 27, 2004/01
被引用回数:3 パーセンタイル:15.51(Thermodynamics)ITER計画のもとで中心ソレノイド・モデル・コイルの試験を行い、コイルで発生するAE信号を直流運転時に測定した。その結果、コイルで発生するAE信号は、超伝導導体で発生する交流損失と関係があることが明らかになった。このことは、コイルの繰り返し通電時の撚線の動き及び素線間接触の剥がれにより交流損失が発生し、それらの動きをAE信号として測定したことを示している。また、AE信号はコイルのバランス電圧で見られる電圧スパイクとも関係があり、機械的攪乱が存在していることが明らかとなった。このことから、CSモデル・コイルにおいては、機械的攪乱の発生場所はAE信号及び電圧スパイクの情報を用いることで求めることが可能である。
二ノ宮 晃*; 新井 和昭*; 高野 克敏*; 津川 一仁*; 石郷岡 猛*; 海保 勝之*; 中嶋 秀夫; 奥野 清; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.425 - 433, 2003/08
ITER計画の一つであるCSモデル・コイルとTFインサート・コイル試験は2001年9月から約一ヶ月かけて実施された。このTFインサート・コイルはトロイダル磁場発生用の9ターンのコイルであり、ロシア・エフレモフ研究所にて開発された。試験において内部から発生するAE信号を受動的に計測する手法を用いて、TFインサート・コイルの機械的擾乱量の推移とコイルの安定性を評価する。計測手法はAE信号のエネルギー強度,イベント数と電圧,電流などの他の計測信号とを同時に測定してコイルの機械的な安定性について検討した。その結果、TFインサートのAE特性は、明確なトレーニング現象を示すことが明らかになった。このことにより、同コイルの機械的な安定性は高いことが示された。
二ノ宮 晃*; 新井 和昭*; 高野 克敏*; 津川 一仁*; 石郷岡 猛*; 海保 勝之*; 中嶋 秀夫; 奥野 清; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.425 - 433, 2003/08
国際熱核融合実験炉(ITER)では大型超伝導コイル・システムの安定な運転が、その成功の鍵を握ると言っても過言ではない。このため、アコースティックエミッション(AE)技術を用いて超伝導コイルの状態を常時監視し、コイル内部の状態を推定することが重要となる。このような観点から、平成12年から14年に渡り実施されたCSモデル・コイル及びNbAlインサート・コイルを含めた三つのインサ-ト・コイルの通電試験では、AE信号の頻度,強度等を長時間にわたり計測し解析を行った。その結果、AE信号のエンベロープ波形の記録・解析で状態推定が行えること、及び、一定間隔毎に一定量のデータを記録する方法により、長時間に渡って超伝導コイルの状態監視が可能であることが示された。また、AE計測結果からは、これら開発されたコイルが安定した状態で運転されていると判断され、超伝導コイルの技術開発成果を裏付ける結果を得た。
加藤 崇; 辻 博史; 安藤 俊就; 高橋 良和; 中嶋 秀夫; 杉本 誠; 礒野 高明; 小泉 徳潔; 河野 勝己; 押切 雅幸*; et al.
Fusion Engineering and Design, 56-57, p.59 - 70, 2001/10
被引用回数:17 パーセンタイル:74.89(Nuclear Science & Technology)ITER中心ソレノイド・モデル・コイルは、1992年より設計・製作を開始し、1999年に完成した。2000年2月末に原研に建設されたコイル試験装置への据え付けが終了し、3月より第1回のコイル実験が開始され、8月末に終了した。本実験により、コイルの定格性能である磁場13Tを達成したとともに、コイルに課せられた設計性能が十分に満足されていることを実証することができた。本論文は、上記実験結果につき、直流通電、急速励磁通電、1万回サイクル試験結果としてまとめる。また、性能評価として、分流開始温度特性、安定性特性、クエンチ特性についても言及する。
二ノ宮 晃*; 新井 和昭*; 高野 克敏*; 中嶋 秀夫; Michael, P.*; Martovetsky, N.*; 高橋 良和; 加藤 崇; 石郷岡 猛*; 海保 勝之*; et al.
低温工学, 36(6), p.344 - 353, 2001/06
原研は、中心ソレノイド・モデル・コイルを用いた国際共同試験により、国際熱核融合炉(ITER: International Thermonuclear Experimental Reactor)の超伝導コイルに要求される特性(13T,46kA)の実証に成功した。本論文では、この実証試験で測定したAE信号を解析し、励磁過程及びトレーニング過程においてコイル各部に発生したAE信号相互の関係を明らかにした。また、10,000回の繰り返し通電試験を行った際に発生したAE特性の推移について検討し、3000から4000サイクルの間に他の領域には明らかに異なる特性を見いだし、コイルまたはコイル近傍でAE特性を変化させる事象が発生した可能性を示し、AE計測によるコイル健全性診断が可能であるという結論を得た。
辻 博史; 奥野 清*; Thome, R.*; Salpietro, E.*; Egorov, S. A.*; Martovetsky, N.*; Ricci, M.*; Zanino, R.*; Zahn, G.*; Martinez, A.*; et al.
Nuclear Fusion, 41(5), p.645 - 651, 2001/05
被引用回数:55 パーセンタイル:83.06(Physics, Fluids & Plasmas)ITERを構成する3群の超伝導コイルでは、中心ソレノイド・コイルが最も高い磁場13Tを0.4T/s以上の速度で急速励起するパルス動作が要求される点で、最も技術的難度の高いコイルである。そこで中心ソレノイド・コイル工学設計の妥当性を確認し、併せてコイルの製作技術を開発する目的で、中心ソレノイド・モデル・コイルの開発が進められてきた。約8年をかけて完成したモデル・コイルの実験がこの程、国際共同作業として原研で実施され、技術開発目標をすべて満足する実験成果と貴重な技術データが得られた。
瓜生 芳久*; 二ノ宮 晃*; 神田 芳之*; 石郷岡 猛*; 高橋 良和; 小泉 徳潔; 西 正孝; 辻 博史
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 5(2, Part1), p.469 - 472, 1995/06
核融合装置のような大型かつ複雑な超電導マグネット・システムを監視する場合、クエンチ等の異常状態に対して敏速に対処する必要がある。著者らは、多くの計測データから得られた情報を一括処理し、超電導マグネット・システムの運転状態を的確に判断するために一手法としてファジィ理論を用いた超電導マグネット・システムの監視を提案している。これは、時々刻々と変化する多くのデータをファジィ理論を用いて推論し、超電導マグネットの状態を危険度という数値で表わしていくものである。ITERの縮小導体サンプルの実験結果を用いて、この理論を実証した。
安藤 伸一郎*; 石郷岡 猛*; 二ノ宮 晃*; 高橋 良和; 小泉 徳潔; 辻 博史
電気学会論文誌,A, 115(3), p.233 - 238, 1995/02
核融合炉で必要とされる超電導マグネットは、40~60kAという大電流導体が用いられる。この導体は、直径約1mmの素線を約千本束ねた撚線構造である。このような導体において、導体内の電流分布の不均一性が、問題となっている。この問題に対して、実験と解析の両面から取り組んだ。その結果、自己インダクタンスのばらつきと結合係数の関係により、偏流状況が大きく変化することを基礎的解析により確認したので、これを報告する。また、回路方程式から各素線の分担電流を誘導し、実測値と比較し、両者が比較的よく一致することを示した。