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論文

内陸部における侵食速度の指標に関する検討; 環流丘陵を伴う旧河谷を用いた研究

安江 健一; 高取 亮一*; 谷川 晋一*; 二ノ宮 淳*; 棚瀬 充史*; 古澤 明*; 田力 正好*

地質学雑誌, 120(12), p.435 - 445, 2014/12

侵食は、日本における高レベル放射性廃棄物の地層処分の実現可能性を考える上で、重要な自然現象の一つである。本研究では、侵食速度の指標として、環流丘陵を伴う旧河谷に着目した。この旧河谷は、分布が乏しい流域があるものの、日本列島の各地に分布し、様々な比高を持つことから、侵食速度を算出する際の有効な指標になると考えられる。この旧河谷を用いた事例研究を、熊野川(十津川)の中流域において行った結果、旧河床堆積物を覆う角礫層は最終間氷期以前の堆積物と考えられ、離水年代は12.5万年前かそれより古いと考えられる。この離水年代と旧河床堆積物の現河床からの比高から算出した下刻速度は、約0.9m/kyかそれより遅い可能性がある。より確度の高い侵食速度の算出には、環流旧河谷に分布する旧河床堆積物や斜面堆積物などを対象とした年代測定が今後の課題である。

論文

Spatial variations in $$^{3}$$He/$$^{4}$$He ratios along a high strain rate zone, central Japan

梅田 浩司; 草野 友宏; 二ノ宮 淳*; 浅森 浩一; 中島 淳一*

Journal of Asian Earth Sciences, 73, p.95 - 102, 2013/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:12.3(Geosciences, Multidisciplinary)

新潟平野から神戸に至る幅約100km長さ約500kmの領域は、その周辺の地域に比べて1桁以上、地殻歪速度が大きい顕著な変動帯(新潟・神戸歪集中帯)であることが知られている。歪集中帯での地震波速度構造や比抵抗構造解析の結果、この地域の下部地殻又は上部地殻には不均質構造が認められる。この地域の地下水中に含まれるヘリウム同位体比を測定した結果、北部では太平洋プレートから南部ではフィリピン海プレートから脱水した流体がこれらの不均質構造に関与することが明らかになった。また、1995年兵庫県南部地震、2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震等の震源域では顕著に高いヘリウム同位体比が観測された。

論文

新潟-神戸ひずみ集中帯におけるヘリウム同位体比分布

二ノ宮 淳; 梅田 浩司; 浅森 浩一

月刊地球, 35(6), p.297 - 304, 2013/06

活断層・活褶曲・活傾動等の隆起・沈降・水平変動を含む第四紀の地殻変動(活構造)に関する研究は、従来、地形学,地質学及び地球物理学の領域で進められてきた。本研究では、活構造とヘリウム同位体比との関連性を明らかにするため、新潟-神戸ひずみ集中帯及びその周辺において、既存のヘリウム同位体比データのコンパイルを行うとともに、新たにデータを加え、その空間分布の特徴を明らかにした。その結果、火山活動や地殻変動の活発な地域と高いヘリウム同位体比($$^{3}$$He/$$^{4}$$He比)が認められる地域には、よい整合性が認められた。このことから地中ガスのヘリウム同位体比は、地殻変動の活動性を評価するための有効な指標であると示唆される。また、この指標を用いることにより、従来行われてきた地形・地質学的アプローチに基づく地殻変動の活動性評価の信頼性の向上を図ることが可能となる。

報告書

日本列島における環流旧河谷分布データベースの作成

高取 亮一; 安江 健一; 谷川 晋一*; 二ノ宮 淳*; 棚瀬 充史*

JAEA-Data/Code 2012-028, 15 Pages, 2013/03

JAEA-Data-Code-2012-028.pdf:34.12MB
JAEA-Data-Code-2012-028-appendix(CD-ROM).zip:0.52MB

日本原子力研究開発機構では、河成段丘の発達に乏しい内陸山地部における第四紀後期の隆起量を推定するために、山地部を流下する穿入蛇行河川において蛇行切断により取り残された旧河谷地形(環流旧河谷)を用いた隆起速度の推定手法の研究開発を進めている。本報告は、その基礎資料とする目的で、日本列島全域を対象とした2万5千分の1地形図の判読によって約1,000箇所に及ぶ環流旧河谷地形を抽出し、GISで利用可能なデータベースを作成したものである。データベース作成に際しては、環流旧河谷の位置,開析程度,比高,基盤地質などについて整理を行った。抽出の結果、日本列島全域に渡って環流旧河谷の分布が認められ、従来隆起速度が未知の山地部において、同一の地域・水系においてさまざまな比高を持つ環流旧河谷が分布することを確認した。また、現河床からの比高が高い環流旧河谷ほど離水時河床面の開析が進んでいる傾向が認められ、開析が進んでいる環流旧河谷ほど離水時期が古い可能性が示唆される。

論文

Manifestations of upwelling mantle flow on the Earth's surface

浅森 浩一; 梅田 浩司; 二ノ宮 淳*; 根木 健之

The Earth's Core; Structure, Properties and Dynamics, p.79 - 94, 2011/07

東北日本の背弧側に位置する朝日山地は左沢-長井断層の活動に伴う逆断層地塊であり、第四紀に1400m以上の著しい隆起が生じたと推定されている。しかしながら、これらの活断層の近傍よりも10km以上西方に山地の稜線が続いており、この隆起を単純な逆断層運動及び地塊傾動によって説明することはできない。本研究では朝日山地の隆起のメカニズムを解明するため、地磁気・地電流法による地殻からマントル最上部までの比抵抗構造及び山地周辺における温泉ガスの希ガス同位体の特徴を明らかにした。その結果、山地の稜線の直下における下部地殻からマントル最上部にかけて顕著な低比抵抗体が存在すること、温泉ガスのヘリウム同位体比が東北日本における活火山の火山ガスと同程度であることから、朝日山地の直下には溶融体が存在し、その熱による局所的な非弾性変形によって山地が隆起していることが示唆された。従来より、山地の隆起のタイプは、(1)褶曲断層山脈型、(2)逆断層地塊型、(3)横ずれ断層地塊型、(4)曲隆山地型に区分されているが、日本列島のような島弧では、火成活動に伴う非弾性型の山地が存在することが新たに明らかになった。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(平成20年度)

草野 友宏; 浅森 浩一; 黒澤 英樹; 谷川 晋一; 二ノ宮 淳; 根木 健之; 花室 孝広; 安江 健一; 山田 国見; 石丸 恒存; et al.

JAEA-Research 2009-072, 72 Pages, 2010/03

JAEA-Research-2009-072.pdf:11.27MB

我が国は変動帯に位置しており、安定大陸に位置する欧米諸国に比べて、地震や火山活動などが活発である。地層処分においては、まず安定な地質環境を選んだうえで、そこに適切な多重バリアシステムを構築することが、安全確保の基本的な考え方である。このため、地質環境の長期安定性に関する研究においては、地層処分の場としての地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある地震・断層活動,火山活動,隆起・侵食,気候・海水準変動などの天然現象に着目して、それらの有無や程度が文献から明らかでない場合に適用する調査技術や、それらが地質環境に及ぼす影響を評価するための調査技術・解析手法にかかわる研究開発を進めている。平成20年度は、以下の項目について調査・研究を行った。地震・断層活動については、断層の発達履歴や活動性に関する調査技術の整備,断層帯における影響評価モデルの開発に関する事例調査を実施した。火山・地熱活動については、第四紀の火山・地熱活動(特に低温領域の熱履歴)や地下深部のマグマ・高温流体などの基礎的な探査技術の適用性を検討した。隆起・侵食/気候・海水準変動については、古地形・古気候を復元する調査技術の整備や地形変化をシミュレートする技術の開発を行った。地質環境の長期安定性にかかわる総合評価研究については、地殻変動及び気候変動などを考慮した地下水流動解析手法の開発を進めた。

報告書

水素ガス原位置測定による断層破砕帯調査手法の検討

黒澤 英樹; 石丸 恒存; 島田 耕史; 丹羽 正和; 小坂 英輝*; 斉藤 聡*; 二ノ宮 淳

JAEA-Research 2009-043, 144 Pages, 2010/01

JAEA-Research-2009-043-01.pdf:8.09MB
JAEA-Research-2009-043-02.pdf:46.22MB

地震・断層活動は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性を考慮するうえで重要な自然現象の一つである。最近、断層の活動性評価や、断層活動に伴う破断,変形などの影響範囲の把握を目的とした地球化学的調査手法の一つとして、市販の携帯型水素ガス濃度検知器を使って測定する手法が考案された。本研究では、この手法の実用化を図るため、検知器の設置方法や、大気中の水蒸気や測定孔の掘削に伴う擾乱などが測定値に与える影響について検討した。さらに、断層破砕帯における事例研究として、山崎断層帯を対象に広域的な水素ガスの原位置測定を行った。その結果、山崎断層帯沿い及びその延長上にある微小地震密集域に位置する破砕帯や割れ目から高濃度の水素ガスの放出が検知され、一方で、それらから大きく離れた位置にある破砕帯や割れ目からは高濃度の水素ガスの継続的な放出は認められなかった。以上から、本研究で用いた水素ガスの濃度測定法は、地中から放出される水素ガス濃度の原位置測定を広範囲かつ短期間で実施するのに有効な手法であることが確認された。

論文

Release of mantle helium and its tectonic implications

梅田 浩司; 二ノ宮 淳; 浅森 浩一

Helium; Characteristics, Compounds, and Applications, 28 Pages, 2010/00

不活性の単原子ガスであるヘリウムは、その大きさや質量が小さいため、地殻内の拡散性(diffusibility)や浸透性(permeability)に優れている。そのため、マントル起源のヘリウムは、地殻中のマントル起源物質の存在を知るうえで重要な化学的指標の一つと考えられる。本報では、飯豊山地や鳥取県西部地震震源域の地下水の溶存ガスに含まれるヘリウム同位体比の特徴やその原因に関するこれまでの研究事例をレビューするとともに、北米プレートとユーラシアプレートの境界にあたる糸魚川-静岡構造線での観測結果を報告する。また、地下水中の溶存ガスを用いた地球化学的アプローチが地下深部のマグマや震源断層の検出に有効な手法であることを紹介する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(平成19年度)

草野 友宏; 野原 壯; 梅田 浩司; 石丸 恒存; 花室 孝広; 齋藤 龍郎; 安江 健一; 丹羽 正和; 島田 耕史; 山田 国見; et al.

JAEA-Research 2009-022, 47 Pages, 2009/09

JAEA-Research-2009-022.pdf:48.94MB

我が国は変動帯に位置しており、安定大陸に位置する欧米諸国に比べて、地震や火山活動等が活発である。地層処分においては、まず安定な地質環境を選んだうえで、そこに適切な多重バリアシステムを構築することが、安全確保の基本的な考え方である。このため、地質環境の長期安定性に関する研究においては、地層処分の場としての地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある地震・断層活動,火山活動,隆起・侵食,気候・海水準変動等の天然現象に着目して、それらの有無や程度が文献から明らかでない場合に適用する調査技術や、それらが地質環境に及ぼす影響を評価するための調査技術・解析手法にかかわる研究開発を進めている。平成19年度においては、我が国の地質環境において地層処分システムの成立性に重大な影響を及ぼす現象の存在や、過去の変動の履歴を確認するための調査技術として、以下の項目について調査・研究を行った。地震・断層活動については、破砕帯の分布,活動履歴,活動性の調査技術の整備を行った。火山活動については、熱履歴や地下深部のマグマ・高温流体などを調査する技術の開発を行った。隆起・侵食/気候・海水準変動については、河成段丘を用いた隆起速度を調査する技術,地形変化をモデル化する技術,地殻変動や気候変動を考慮した地下水流動解析手法などの開発を行った。

論文

Helium isotopes as a tool for detecting concealed active faults

梅田 浩司; 二ノ宮 淳

Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 10(8), p.Q08010_1 - Q08010_10, 2009/08

伏在活断層や低活動性で変動地形の明瞭でない活断層,未成熟な活断層等、いわゆる未知の活断層と呼ばれる断層を概要調査等によって確認することは、地層処分の安全性を確保する点から重要な課題である。これらの調査技術は、近年の変動地形学や地球物理学の進歩によって高い確度で識別されることが予想されるが、さらなる信頼性の向上を図るため、これまで研究事例が少なかった地球化学的アプローチによる活断層の検出手法について検討を行い、有効である可能性が示された。

論文

Heat source for an amagmatic hydrothermal system, Noto Peninsula, Central Japan

梅田 浩司; 二ノ宮 淳; 根木 健之

Journal of Geophysical Research, 114(B1), p.B01202_1 - B01202_10, 2009/01

地層処分システムの長期的な安全性を検討するうえで考慮すべき天然現象として、最近注目されている非火山性温泉の熱源を解明するため、能登半島(和倉温泉: 95度)を事例に、温泉ガスの希ガス同位体分析及び三次元比抵抗構造解析を行った。その結果、三次元比抵抗構造によると、地下2$$sim$$3kmまでは、中新世の堆積岩と考えられる低比抵抗帯がそれ以深は、基盤岩(花崗岩)と考えられる高比抵抗帯が存在する。また、温泉ガスのヘリウム同位体比は、大気の値と同程度あるいはそれより低い値を示す。一方、最近発生したM6.5以上の内陸地震の震源域では、大気の2倍以上の値を示した。以上のことから能登半島の非火山性温泉は、高いU, Th, Kを含む花崗岩の崩壊熱によって温められた天水起源の地下水が、活構造帯等に規制され地表まで上昇した可能性があると考えられる。

論文

High $$^{3}$$He emanations from the source regions of recent large earthquakes, Central Japan

梅田 浩司; 二ノ宮 淳; McCrank, G. F.*

Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 9(12), p.Q12003_1 - Q12003_7, 2008/12

 被引用回数:16 パーセンタイル:39.45(Geochemistry & Geophysics)

活断層からCO$$_{2}$$, H$$_{2}$$O, H$$_{2}$$, Rn, He等の揮発性物質が放出されているという観測事例が多く報告されている。このうち、不活性ガスであるHeは、地殻中での化学反応を生じにくいことから、地下深部の化学的な情報を得るための重要な指標の一つである。これまでにも1984年長野県西部地震の前後に遊離ガス中のヘリウム同位体比($$^{3}$$He/$$^{4}$$He比)が増加したことやSan Andreas断層ではマントル・ヘリウムが断層に沿って上昇していることが指摘されている。本研究では、新潟平野の活断層や最近の巨大内陸地震震源域において、温泉ガスのヘリウム同位体比の測定を行った。その結果、これらの地域では高いヘリウム同位体比が認められることから、遊離ガスや地下水に含まれるヘリウム同位体比は、変動地形学的根拠に乏しい活断層を検出するための有効な地球化学的指標であることが示唆される。

論文

Helium isotope variations along the Niigata-Kobe Tectonic Zone, Central Japan

梅田 浩司; 二ノ宮 淳; 島田 耕史; 中島 淳一*

Lithosphere; Geochemistry, Geology and Geophysics, p.141 - 169, 2008/10

近年のGPS網の整備により新潟平野から神戸に至る幅約100km,長さ約500kmの領域は、その周辺の地域に比べて1桁以上、地殻歪速度が大きい顕著な変動帯であることが明らかになった(新潟-神戸歪集中帯)。その後の地震波速度構造や比抵抗構造等の解析からこの地域の下部地殻あるいは上部マントルには何らかの流体の存在が示唆された。今回、当該地域の温泉ガスのヘリウム同位体比の測定を行った結果、歪集中帯の北部は太平洋プレートの、南部はフィリピン海プレートの沈み込みに伴って脱水した流体が地殻内の不均質性に関与していることが明らかになった。また、一連の調査を通じて、温泉ガスのヘリウム同位体比は、未知の活断層を同定するための重要な化学的指標になり得ることが示唆された。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(平成18年度)

野原 壯; 梅田 浩司; 笹尾 英嗣; 花室 孝広; 齋藤 龍郎; 安江 健一; 丹羽 正和; 眞島 英壽*; 島田 耕史; 山田 国見; et al.

JAEA-Research 2008-062, 61 Pages, 2008/07

JAEA-Research-2008-062.pdf:39.02MB

我が国は変動帯に位置しており、安定大陸にある欧米諸国に比べて、地震や火山活動等が活発である。地質環境の長期安定性に関する研究においては、地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある天然現象に着目して、それらの特徴を明らかにするとともに、それらが地質環境に及ぼす影響を評価するための調査技術・手法にかかわる研究開発を進めている。平成18年度においては、地層処分システムの成立性に重大な影響を及ぼす現象の存在や、過去の変動の履歴をあらかじめ確認するための調査技術として、以下の項目について調査・研究を行った。活断層・地震活動については、活断層の分布と活動履歴(移動,伸張,変形帯の発達過程)の調査技術に関する既存情報の整備を行い、火山活動については、第四紀の火山・地熱活動(特に低温領域の熱履歴)や地下深部のマグマ・高温流体等の基礎的な探査技術の抽出を行った。隆起・侵食/気候・海水準変動については、地形変化モデルの概念モデルの作成等を行った。

論文

Helium isotopes as geochemical indicators of a serpentinized fore-arc mantle wedge

梅田 浩司; McCrank, G. F.*; 二ノ宮 淳

Journal of Geophysical Research, 112(B10), p.B10206_1 - B10206_10, 2007/10

 被引用回数:20 パーセンタイル:45.12(Geochemistry & Geophysics)

西南日本の前弧域(非火山地帯)におけるヘリウム同位体比の空間分布を把握するため、九州東部の温泉ガスのヘリウム同位体比を測定するとともに、ほかの地域の温泉ガスのデータを含めて同位体比のデータのコンパイルを行った。その結果、九州,四国及び紀伊半島では、ヘリウム同位体比に系統的な違いが認められた。また、高いヘリウム同位体比の分布域には、非火山性の低周波微動が発生している。これらのことから、ヘリウム同位体比の分布は、地殻及びマントルの構造及びスラブ起源の流体のフラックスに起因していることが示唆される。

論文

Multiple lines of evidence for crustal magma storage beneath the Mesozoic crystalline Iide Mountains, Northeast Japan

梅田 浩司; 浅森 浩一; 二ノ宮 淳; 金沢 淳; 及川 輝樹

Journal of Geophysical Research, 112(B5), p.B05207_1 - B05207_9, 2007/05

東北日本の飯豊山地は、非火山地帯にもかかわらず高温の温泉が分布し、温泉放熱量も火山地帯のそれに匹敵する。本研究では、これらの高温の温泉の熱源を明らかにするため、飯豊山地周辺の温泉ガスのヘリウム同位体比の測定を行った。その結果、温泉ガスのヘリウム同位体比は、MORB-typeのヘリウム同位体比と同程度の値を示すことから、温泉ガスのヘリウムはマントルヘリウムを主体としている。この山地の周辺には、中新世の貫入岩が分布する。温泉ガスの高いヘリウム同位体比は、これらの貫入岩を起源とするマントルヘリウムの量からは説明できないことから、飯豊山地の下には、最近になって貫入したマグマが存在することを示唆する。また、この結果は他の地球物理データとも整合的である。

論文

Relationship between helium isotopes and heat flux from hot springs in a non-volcanic region, Kii Peninsula, Southwest Japan

梅田 浩司; 坂川 幸洋*; 二ノ宮 淳; 浅森 浩一

Geophysical Research Letters, 34(5), p.L05310_1 - L05310_5, 2007/03

 被引用回数:21 パーセンタイル:48.72(Geosciences, Multidisciplinary)

紀伊半島は、非火山地帯に位置するにもかかわらず、高いヘリウム同位体比を有する高温の温泉が多く分布する。これらの温泉の熱源については、沈み込むフィリピン海スラブに含まれる含水鉱物が高温・高圧下で脱水し、それが地殻浅所にもたらされたといったモデルが提唱されている。今回、物質科学的な側面からそのモデルを検証するため、紀伊半島の温泉ガスのヘリウム同位体比のデータを蓄積するとともに、ボーリングの温度プロファイルを収集し、ペクレ数解析によりそれぞれのボーリング地点の熱流束を計算した。その結果、ヘリウム同位体比と熱流束,ペクレ数には明瞭な相関が認められることから、温泉の温度や同位体比は、地下深部から上昇する流体のフラックスの大きさに起因していることが明らかになった。

論文

K-Ar年代測定に基づく両白山地の鮮新; 更新世火山活動の時空分布

棚瀬 充史*; 及川 輝樹*; 二ノ宮 淳; 林 信太郎*; 梅田 浩司

火山, 52(1), p.39 - 61, 2007/02

中部日本、両白山地の鮮新-更新世火山は、東南東-西北西方向の九頭竜火山列と南北方向の白山火山列をなす。両白山地における鮮新-更新世火山活動の時空分布を石基試料のK-Ar年代に基づいて検討した。初期(3.5$$sim$$1.5Ma)には、二つの火山列の交点付近での火山活動が見られる。1.2$$sim$$0.7Maには、九頭竜火山列で東南東端の烏帽子・鷲ヶ岳火山から西北西端の法恩寺火山へ火山活動が移動する。その後、白山火山列の活動が0.4Maに始まり、現在まで継続している。

報告書

西南日本の地殻温度構造に関する調査

棚瀬 充史*; 上原 大二郎*; 二ノ宮 淳*

JNC TJ7420 2005-087, 365 Pages, 2002/03

JNC-TJ7420-2005-087.pdf:89.33MB

非火山性の高温異常域での熱源の深度や大きさ等の把握、単成火山地域での火山の時空分布及び熱構造モデルの構築を目的として、紀伊半島および山陰地方を対象に、地下構造探査及び単成火山の時空分布調査を行った。

口頭

地下深部のマグマ・高温流体等の調査技術の開発

二ノ宮 淳

no journal, , 

熱水活動や温泉は、一般に火山下のマグマや高温岩体を熱源としていると考えられている。飯豊山地は、第四紀火山から50km以上も離れているにもかかわらず高温泉($$sim$$50$$^{circ}$$C)が分布し、温泉放熱量も1000$$mu$$W/m$$^{2}$$を超える非火山地帯の高温異常地域の一つである。地震波速度構造解析や地磁気・地電流のインバージョン解析の結果、飯豊山地の地下10km以深に地震波低速度で低比抵抗の領域が分布することが明らかとなった。低比抵抗領域の上面の形状は地殻内地震のcut-off depth(約400$$^{circ}$$Cの等温面に相当)と調和的であり、飯豊山地周辺の高温泉の温泉ガスは高ヘリウム同位対比($$^{3}$$He/$$^{4}$$He比)を示すことから、当該地域の高温異常は、(伏在している)第四紀の火成活動に関連するものと考えられる。

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