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二口 克人*; 廣木 峰也*; 桜本 勇治*
JNC TJ8400 2004-010, 33 Pages, 2004/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラルアナログ研究の一環として、火山ガラスの変質性状に関する調査を実施した。平成15年度の研究では、ボーリングコアの火山ガラスの変質データ、沸石合成の国内外の室内実験データを収集し、平成14年度の研究において収集された火山ガラスの沸石化にかかわる温度と有効被熱時間に関するデータに追加した。 その結果、天然事例と合成実験事例からガラスの斜プチロル沸石への転換のための活性化エネルギーとして、176.27kJ/molが得られた。
若浜 洋*; 中田 充彦*; 廣木 峰也*; 二口 克人*; 岡田 秋夫*
JNC TJ7440 2003-004, 128 Pages, 2003/03
広域地下水流動研究における地下水流動解析モデルのキャリブレーションおよび超深地層研究所計画における地下水流動に関するモデル化解析に資するため、DH-2号孔に地下水長期観測システムを設置した。DH-2号孔は、1993年に掘削された土岐花崗岩を仕上げ対象とする深度501mの孔井である。孔内には深度172mまで5インチのケーシング管が埋設され、以深は孔径が約100mmの裸孔である。孔内装置は、主として同心円状に配列された7本のPVC製スタンドパイプとこれらを覆うPVC製ケーシング、およびパッカーと幾つかのステンレス製部材から構成される。装置の観測可能区間は7区間である。装置設置後に、パッカーを水で加圧し、裸孔部に7観測区間を設定した。システムの長期使用を前提として、パッカー圧力を0.6MPa以上に維持するため、パッカー圧力を地上から管理できるようにした。パッカーはすべて、工場出荷前および現場施工前に耐圧試験を実施し、ケーシングの接合部分については、施工組み立て時に全数を耐圧検査して気密性を確認した。また、設置完了後に装置ケーシング内部の水位を低下させても、水位変動しないことから、ケーシングの遮水性能が保たれていることを確認した。各観測区間は、内径が約20mmのスタンドパイプを通じて地上に大気解放されており、区間圧力の測定のため、スタンドパイプ内に圧力センサーを設置した。採水は、水中ポンプにより各区間とも平均20cc/minで実施した。採水時にはスタンドパイプ間で圧力干渉が認められないことから、採水ラインの気密性も確認された。地上設備では、データロガーユニットにより、5分ごとに区間圧力および現地気圧の計測がなされている。このユニットは、無線伝送により計測データを遠隔収録することが可能である。なお、システム全体の駆動電力は、全てソーラ発電によりまかなわれている。
二口 克人*; 桜本 勇治*; 廣木 峰也*
JNC TJ8400 2003-006, 50 Pages, 2003/01
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラルアナログ研究の一環として、火山ガラスの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスの埋没続成作用による変質に関して、温度、埋没時間、変質に関わる地下水の組成をキーワードとして文献調査を実施した。また火山ガラスについては、南関東において財団法人防災科学技術研究所によって実施された、地殻活動観測井(横浜孔)の掘削時に採取された三浦層群の火山灰に含まれる火山ガラスの変質について調査した。変質状況および変質条件を把握するために、火山灰の薄片観察、コアの希釈法で得られた水試料および横浜孔近傍の深部地下水の水質分析、そしてコアの微化石分析を実施した。薄片観察結果では、火山灰中のガラスは全て鉱物結晶に変質していることが認められた。希釈法で得られた間隙水の組成から、変質に関与した水はClイオンに富むことが推定され、横浜孔近傍の深部地下水の組成は化石海水と天水起源の地下水との混合であることが判明し、これらのことから横浜孔の火山ガラスの変質に関与した水は化石海水的な水質であったことが確認できた。微化石分析の結果、調査対象の火山ガラスは3.654.2Ma.の堆積年代であることが解り、三浦層群上部に相当することが確認できた。以上のことから、調査対象の火山ガラスは、環境温度が約70Cで約50万年間の期間に化石海水的な地下水環境の下で、全てがモンモリロナイトおよび斜プチロル沸石に変質した天然事例と考えられた。
二口 克人*; 桜本 勇治*; 廣木 峰也*
JNC TJ8400 2001-046, 61 Pages, 2002/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラルアナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては、南関東において財団法人防災科学技術研究所によって実施された、地殻活動観測井の掘削時に採取された上総層群および三浦層群の凝灰岩に含まれる火山ガラスの変質について調査した。環境温度が約70と推定された条件下におかれた火山ガラスにはモンモリロナイトおよび斜プチロル沸石の生成が認められたが、50以下の条件下におかれた火山ガラスには変質が認められなかった。これらはいずれも約50万年間、化石海水的な地下水中での反応事例と考えられた。ベントナイトについては、北海道羅臼温泉付近に分布するアルカリ性の温泉湧出地付近の火成岩や堆積岩の変質状況について、水質と併せて調査した。現地調査の結果、変質生成鉱物としてモンモリロナイト、カオリナイト、モルデン沸石、明ばん石が認められた。また、現在もpHが9程度で90程度のNa+-Cl-型の温泉の湧出が複数確認できた。この温泉水は、溶存成分および水素・酸素安定同位体比の検討によって、天水起源の水が地層中を浸透する過程で塩分濃度が上昇し、熱源によって加熱されて湧出しているものと考えられた。また、灰長石-カオリナイト-モンモリロナイト-シリカ鉱物-水溶液の安定関係の検討から、これらの温泉水はモンモロナイトが安定である領域の組成を有している。
二口 克人*; 橋本 秀爾*; 桜本 勇治*; 三ツ井 誠一郎; 亀井 玄人
JNC TN8400 2001-007, 52 Pages, 2001/04
熱によるベントナイトのイライト化のナチュラルアナログとして新潟県西頚城地域における第三紀の泥岩とこれに貫入する第四紀の火成岩(ひん岩)を対象に、この貫入岩周辺の粘土鉱物の変化と、貫入岩及びその周辺の熱履歴について検討した。その結果、泥岩中有の主な粘土鉱物は貫入岩に近づくにつれてモンモリロナイトイライト/モンモリロナイト混合層鉱物イライトと変化することが明らかとなった。また貫入岩の冷却史に基づく周辺泥岩の熱的解析の結果、イライト割合75%の条件として、270から15まで冷却するのに約75万年要したことが明らかとなった。モンモリロナイトからイライトへの反応を一次反応としてその活性化エネルギーを求めると、約103kJ/molの値を得た。この値は、従来の天然事例の調査や室内試験において得られている値の範囲にある。
二口 克人*; 桜木 勇治*; 政枝 宏*; 坂上 麻子*; 橋本 秀爾*
JNC TJ8400 99-044, 72 Pages, 1999/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラルアナログ研究の一環として、天然ガラス,ベントナイトの変質挙動と、ヨウ素の長期閉じ込め性に関する調査を実施した。天然ガラスについては、千葉県の上総層群中の約100万年前の泥質岩中の火山ガラスの変質について調査し、屈折率の測定結果から水和が十分に進行していることが判明した。ベントナイトについては、新潟県西頸城のモンモリロナイトを含む堆積岩について、貫入面における最高温度に関するデータを得るために、試料採取と薄片観察と流体包有物の均質化温度に関する検討を行った。これらの検討結果においては、これまでの貫入岩の熱履歴に変更を及ぼす情報は得られなかった。ヨウ素の長期閉じ込め性については、千葉県の茂原ガス田地域を対象に文献調査を実施し、対象地層の堆積後から現在にいたるまでの地史を検討し、閉じ込め機能に果たす地質・地質構造関する情報を整理した。
是石 康則*; 矢島 一昭*; 二口 克人*
PNC TJ7308 98-007, 396 Pages, 1998/03
本文献調査は、動燃事業団が有する地質環境調査技術のみならず、我が国に存在する地質環境調査技術を網羅し、その最適化および体系化を図るための基礎資料を得る目的で実施した。40以上の各種論文集や学会誌等から144件の文献を抽出して、地質構造や水理特性など調査技術別に分類した文献抄録を作成した。
二口 克人*; 桜本 勇治*; 山浦 昌之*; 政枝 宏*; 坂上 麻子*; 橋本 秀爾*
PNC TJ1308 98-001, 103 Pages, 1998/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラルアナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては、昨年度調査対象とした滋賀県堅田地域に分布する湖成層中の喜撰火山灰層を対象にして、火山ガラスの変質に関与した水について調査した。火山ガラス採取位置周辺の河川水、露頭流下水を分析した結果、水質がCa-HCO3型であり、粘土層から抽出水(昨年度分析)に比べ0.20.3倍程度溶存成分の濃度が低いことがわかった。ベントナイトについては、新潟県西頸城のモンモリロナイトを含む堆積岩について、貫入岩による熱変質に関する現地調査及び分析結果をもとに、貫入を受けた泥質岩の熱履歴について、数値解析を用いて復元を試みた。その結果、10万年程度の間100以上の温度条件であった地点で、スメクタイトが安定であった可能性が示唆された。
二口 克人*; 桜本 勇治*; 政枝 宏*; 尹 英亜*; 坂上 麻子*
PNC TJ1308 97-001, 295 Pages, 1997/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラル・アナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質に関する調査を実施した。火山ガラスについては、大阪府泉北付近に分布する更新世の火山ガラスを含む海成層中の火山灰層と滋賀県堅田地域に分布する湖成層中の同一の火山灰層を対象にして、変質期間が数十万年の火山ガラスの変質状況について調査した。また、長野県信更町高野に分布する御嶽火山起源の湖成層に挟在する変質期間が数万年の火山灰についても変質状況等について調査した。泉北及び堅田の火山灰中の火山ガラスは、十分に水和が進行していることが判明した。一方、高野の火山灰中の火山ガラスは岩片に近い性状であり、変質状態についての情報を得ることができなかった。ベントナイトについては、新潟県西頸城のモンモリロナイトを含む堆積岩について、貫入岩による熱変質に関する現地調査及び分析を継続して行った。また、新潟県中条のベントナイト鉱床を対象にNa型モンモリロナイトのCa型化に関する調査を行った。さらに、ベントナイト/コンクリート相互作用のナチュラルアナログに関する調査対象についての聞き取り調査を行った。新潟県西頸城では、続成作用起源のモンモリロナイトを含む地層にひん岩が貫入している露頭付近を調査した。泥質岩の鉱物分離を行って貫入による年代の若返りに関する検討を行ったところ、イライト帯変質を被っている泥岩に含有されるジルコンについて、フィッション・トラックのトラック長の短縮化が認められ、見かけの年代の若返りが認められた。また、熱解析の入力データとして泥質岩の比熱データを取得した。新潟県中条のベントナイト鉱床では、Na型モンモリロナイト分布域で掘削時期既知の面から深度方向に試料採取を行い、比較的短期間におけるNa型モンモリロナイトのCa型化について検討を行ったが、この変化は礫周辺等の極一部に不均質にしか認められなかった。ベントナイト/コンクリート相互作用のナチュラルアナログに関する聞き取り調査については、有益な回答を得ることができなかった。
二口 克人*; 桜本 勇治*
PNC TJ1308 96-001, 83 Pages, 1996/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラル・アナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては、兵庫県浜坂地域に分布する鮮新世のアルカリ玄武岩質の火山弾を対象にして、火山ガラスの水和量と希土類の含有量を比較した。ガラスの水和の進行した試料のアルカリ含有量は減少する傾向があるものの、希土類の減少は認められなかった。ベントナイトについては、新潟県西頸城郡のモンモリロナイトを含む堆積岩について、貫入岩による熱変質に関する現地調査及び分析を継続して行い、新潟県中条のベントナイト鉱床を対象にNa型モンモリロナイトのCa型化に関する調査を開始し、南房総嶺岡及び丹沢地域を対象にモンモリロナイトの沸石化に関する調査を行った。新潟県西頸城郡では、続成作用起源のモンモリロナイトを含む地層にひん岩が貫入している露頭付近を調査した。新潟県中条のベントナイト鉱床では、地表面からの距離を基準に試料採取を行い、鉱物組成、水質分析、凝灰岩の理化学特性について調査した。その結果、本地域がNa型モンモリロナイトのCa型化の検討に対して好適であると判断された。南房総嶺岡及び丹沢地域では、既往文献によって高pHの湧水が期待できる地域の湧水の調査を実施したが、いずれの地域においても、モンモリロナイトの沸石化の検討に対しての必要条件である高pHの湧水を露頭で得ることができなかった。
二口 克人*; 桜本 勇治*
PNC TJ1308 94-002, 105 Pages, 1994/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラル・アナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては、287年前に噴出した富士宝永スコリアガラス、10数万年前に噴出した伊豆高塚山スコリア、房総半島茂原ガス田に分布する鮮新世から前期更新世の地層に挟在するスコリア、そして兵庫県神鍋山火山のスコリアを対象に年代、スコリアガラスの変質、そして変質に関与した地下水の水質について調査した。高塚山では、火山弾を用いてK-Ar法による年代測定を試みたが、アルゴンの同位体比が大気に近いため年代値は得られなかった。房総半島茂原ガス田に分布する鮮新世から前期更新世の地層に挟在するスコリアの変質をボーリング・コアを用いて顕微鏡観察を行ったところ、一部の試料を除き、未変質のまま保存されていることが判明した。神鍋山火山起源のスコリアの変質に関与した地下水の水質は、Na-Cl型(溶存成分量0.432.51meq/l)であった。ベントナイトについては、新潟県村上市の粘土鉱床を対象として、粘土及び凝灰岩の化学特性を分析・試験し、緩衝材に対する類似性を調査した。また、山形県鶴岡地域の酸性白土鉱床及び島根県大田市北部地域のベントナイト鉱床について現地調査及び分析を行った。村上鉱床及びその周辺に認められる変質帯を、変質鉱物組合せとその分布、産状を考慮して、次のように分帯した。I.パイロフィライト帯(I帯)II.セリサイト帯(II帯)III.高結晶度のモンモリロナイト帯(III帯)IV.セリサイト/モンモリロナイト混合層帯(IV帯)V.低結晶度のモンモリロナイト帯(V帯)このうちのIV帯からV帯は黒雲母流紋岩体の貫入による熱変質により、I帯からIII帯までは熱水の活動により生成されたと推定された。これらの地質現象は、後期中新世後期(約5.56.5Ma.)に、次に示す順に進行したと考えられる。1.白色流紋岩の活動とそれに伴う凝灰岩の堆積2.黒雲母流紋岩体の貫入3.黒雲母流紋岩体の熱変質によるIV帯及びV帯の形成4.黒雲母流紋岩体に沿った熱水の上昇5.熱水によるI帯、II帯、III帯の形成 また、変質に関与した熱水は、変質鉱物及び変質岩の化学組成等から判断すると、酸性で200度C程度、Si、Al、Kに富む酸性火成活動末期のものであると推定される。山形
二口 克人*; 桜本 勇治*
PNC TJ1308 94-001, 37 Pages, 1994/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラル・アナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては、287年前に噴出した富士宝永スコリアガラス、10数万年前に噴出した伊豆高塚山スコリア、房総半島茂原ガス田に分布する鮮新世から前期更新世の地層に狭在するスコリア、そして兵庫県神鍋山火山のスコリアを対象に年代、スコリアガラスの変質、そして変質に関与した地下水の水質について調査した。高塚山では、火山弾を用いてK-Ar法による年代測定を試みたが、アルゴンの同位体比が大気に近いため年代値は得られなかった。房総半島茂原ガス田に分布する鮮新世から前期更新世の地層に狭在するスコリアの変質をボーリング・コアを用いて顕微鏡観察を行ったところ、一部の試料を除き、未変質のまま保存されていることが判明した。神鍋山火山起源のスコリアの変質に関与した地下水の水質は、Na-Cl型(溶存成分量0.432.51meq/l)であった。ベントナイトについては、新潟県村上市の粘土鉱床を対象として、粘土及び凝灰岩の化学特性を分析・試験し、緩衝材に対する類似性を調査した。また、山形県鶴岡地域の酸性白土鉱床及び島根県大田市北部地域のベントナイト鉱床について現地調査及び分析を行った。村上鉱床及びその周辺に認められる変質帯を、変質鉱物組合せとその分布、産状を考慮して、次のように分帯した。I.パイロフィライト帯(I帯)II.セリサイト帯(II帯)III.高結晶度のモンモリロナイト帯(III帯)IV.セリサイト/モンモリロナイト混合層帯(IV帯)V.低結晶度のモンモリロナイト帯(V帯)このうちのIV帯からV帯は黒雲母流紋岩体の貫入による熱変質により、I帯からIII帯までは熱水の活動により生成されたと推定された。これらの地質現象は、後期中新世後期(約5.56.1Ma.)に、次に示す順に進行したと考えられる。1.白色流紋岩の活動とそれに伴う凝灰岩の堆積2.黒雲母流紋岩体の貫入3.黒雲母流紋岩体の熱変質によるIV帯及びV帯の形成4.黒雲母流紋岩体に沿った熱水の上昇5.熱水によるI帯、II帯、III帯の形成 また、変質に関与した熱水は、変質鉱物及び変質岩の化学組成等から判断すると、酸性で200度C程度、Si、Al、Kに富む酸性火成活動末期のものであると推定される。山形
二口 克人*; 桜本 勇治*
PNC TJ1308 92-002, 40 Pages, 1992/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラル・アナログ研究の一環として,火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては,285年前に噴出した富士宝永スコリアガラス,45,000年前に噴出した高塚山火山起源のスコリアガラス及び中期中新世から中期更新世まで連続した堆積岩試料が得られる南房総鴨川のスコリアガラスを調査した。スコリアの変質に関与した地下水の水質は,宝永スコリアではCa-HCO3型(溶存成分量0.340.663meq/l),高塚山スコリアではCa-SO4・Cl型(溶存成分量が1.011.40meq/l)であった。なお,宝永スコリアでは,深度が増加するにしたがって,pH,HCO3-及びSiO2濃度が増加する傾向が認められた。南房総鴨川における自生鉱物の分布を利用した古地温の解析から,清澄層中部で69に達し,この値と積算層厚から算出した地温勾配は約2.1/100mで,現在の地温勾配と同程度であったと考えられ,安野層上部で約50に達していたと推定される。ベントナイトについては,新潟県村上市の粘土鉱床を対象として,ボーリング調査を行った。また,山形県鶴岡市の酸性白土鉱床や島根県のベントナイト鉱床について予備的な調査を行った。村上鉱床及びその周辺に認められる変質帯を,変質鉱物組合せとその分布.産状を考慮して,次のように分帯した。I.パイロフィライト帯(I帯)II.セリサイト帯(II帯)III.高結晶度のモンモリロナイト帯(III帯)IV.セリサイト/モンモリロナイト混合層帯(IV帯)V.低結晶度のモンモリロナイト帯(V帯)このうちのIV帯からV帯は黒雲母流紋岩体の貫入による熱変質により,I帯からIII帯までは熱水の活動により生成されたと推定された。これらの地質現象は,後期中新世後期(約5.56.5Ma.)に,次に示す順に進行したと考えられる。1.白色流紋岩の活動とそれに伴う凝灰岩の堆積2.黒雲母流紋岩体の貫入3.黒雲母流紋岩体の熱変質によるIV帯及びV帯の形成4.黒雲母流紋岩体に沿った熱水の上昇5.熱水によるI帯,II帯,III帯の形成また,変質に関与した熱水は,変質鉱物及び変質岩の化学組成等から判断すると,酸性で200程度,Si,Al,Kに富む酸性火成活動末期のものであると推定される。鶴岡地域では,酸性白土鉱床中
二口 克人*; 桜本 勇治*
PNC TJ1308 92-001, 107 Pages, 1992/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラル・アナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては、285年前に噴出した富士宝永スコリアガラス、45,000年前に噴出した高塚山火山起源のスコリアガラス及び中期中新世から中期更新世まで連続した堆積岩試料が得られる南房総鴨川のスコリアガラスを調査した。スコリアの変質に関与した地下水の水質は、宝永スコリアではCa-HCO/SUB3型(溶存成分量0.340.663meq/l)、高塚山スコリアではCa-SO/SUB4・CI型(溶存成分量が1.011.40meq/l)であった。なお、宝永スコリアでは、深度が増加するにしたがって、pH、HCO/SUB3/SUP-及びSiO/SUB2濃度が増加する傾向が認められた。南房総鴨川における自生鉱物の分布を利用した古地温の解析から、清澄層中部で69度Cに達し、この値と積算層厚から算出した地温勾配は約2.1度C/100mで、現在の地温勾配と同程度であったと考えられ、安野層上部で約50度Cに達していたと推定される。ベントナイトについては、新潟県村上市の粘土鉱床を対象として、ボーリング調査を行った。また、山形県鶴岡市の酸性白土鉱床や島根県のベントナイト鉱床について予備的な調査を行った。村上鉱床及びその周辺に認められる変質帯を、変質鉱物組合せとその分布、産状を考慮して、次のように分帯した。I.パイロフィライト帯(I帯)II.セリサイト帯(II帯)III.高結晶度のモンモリロナイト帯(III帯)IV.セリサイト/モンモリロナイト混合層帯(IV帯)V.低結晶度のモンモリロナイト帯(V帯)このうちのIV帯からV帯は黒雲母流紋岩体の貫入による熱変質により、I帯からIII帯までは熱水の活動により生成されたと推定された。これらの地質現象は、後期中新世後期(約5.56.5Ma.)に、次に示す順に進行したと考えられる。1.白色流紋岩の活動とそれに伴う凝灰岩の堆積2.黒雲母流紋岩体の貫入3.黒雲母流紋岩体の熱変質によるIV帯及びV帯の形成4.黒雲母流紋岩体に沿った熱水の上昇5.熱水によるI帯,II帯,III帯の形成また、変質に関与した熱水は、変質鉱物及び変質岩の化学組成等から判断すると、酸性で200度C程度、Si、Al、Kに富む酸性火成活動末期のもので
二口 克人*; 桜本 勇治*
PNC TJ1308 91-001, 43 Pages, 1991/01
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラル・アナログ研究の一環として,火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては,284年前に噴出した富士宝永スコリアガラス,45,000年前に噴出した高塚山火山起源のスコリアガラスを調査した。スコリアの変質に関与した地下水の水質は,宝永スコリアではCa-HCO3型(溶存成分量0.340.66 meq/l),高塚山スコリアでは Ca-HCO3型あるいはそれに極めて近い型(溶存成分量が1.011.4 meq/l),南房総鴨川のスコリアではCa-HCO3型(溶存成分量が50220meq/l)であった。なお宝永スコリアでは深度が増加するにしたがってHCO3-及びSiO2濃度が増加する傾向が認められた。南房総鴨川のスコリアの変質は,顕微鏡観察及びX線回折分析結果により,スコリア凝灰岩中のスコリアでは安野層以下,泥岩中に取り込まれたスコリアでは天津層以下の層準に認められ,その変質層は非晶質あるいはモンモリロナイトから構成されていることが判明した。また,自生鉱物の分布を利用した古地温の解析から,天津層最上部で69に達し,この値と積算層厚から算出した地温勾配は約 1.8/100mで,現在の地温勾配と同程度であったと考えられ,安野層上部で約50に達していたと推定される。ベントナイトについては,モンモリロナイトとセリサイトを含む粘土鉱床を対象として調査を実施した。調査・分析結果に基づき本鉱床の変質分帯を行った。認められた変質帯を黒雲母流紋岩体の中心から周辺部の順に並べると,I.パイロフィライト帯(I帯)II.リサイト帯(II帯)3.高結晶度のモンモリロナイト帯(3帯)4.セリサト/モンモリロナイト混合層帯(4帯)5.低結晶度のモンモリロナイト(5帯)となり,このうちの4帯から5帯は黒雲母流紋岩体の貫入による熱変質により,I帯から3帯までは熱水の侵入により生成されたと推定された。これらの地質現象は,後期中新世後期に,1)白色流紋岩の活動とそれに伴う凝灰岩の推積2)黒雲母流紋岩体の貫入3)黒雲母流紋岩体の熱変質による4帯及び5帯の形成4)黒雲母流紋岩体に沿った熱水の上昇5)熱水によるI帯,II,3帯の形成の順に進行したと考えられる。また,変質に関与した熱水は,変質鉱物及び変質岩の化学組成等を考慮する
内田 雅大; 天野 健治; 濱 克宏; 竹内 竜史; 吉田 拓真*; 野下 健司*; 二口 克人*; 大江 俊昭*; 長崎 晋也*
no journal, ,
従来課題とされてきたさまざまな物質移動特性の同一システムを用いた評価に向けて開発された地質環境診断用マイクロ化学プローブをもとに、同装置のさらなる機能拡張と瑞浪超深地層研究所で計画されている原位置物質移動試験への活用を検討した。
濱 克宏; 内田 雅大; 天野 健治; 竹内 竜史; 萩原 大樹; 吉田 拓真*; 野下 健司*; 長崎 晋也*; 大江 俊昭*; 二口 克人*
no journal, ,
岩盤中での物質移行特性をボーリング孔内の原位置にて測定可能な装置(マイクロ化学プローブ)の性能確認試験を実施した。その結果、所定の性能を有することを確認することができた。