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三輪 周平; 唐澤 英年; 中島 邦久; 木野 千晶*; 鈴木 恵理子; 井元 純平
JAEA-Data/Code 2021-022, 32 Pages, 2023/01
東京電力福島第一原子力発電所の原子炉内におけるセシウム分布のより正確な予測に向けて、核分裂生成物の化学挙動データベースECUMEに格納されているステンレス鋼へのセシウム化学吸着モデルをシビアアクシデント解析コードSAMPSONに組み込んだ。改良モデルを組み込んだSAMPSONにより、当該モデルを構築した実験の結果を再現し、コードに誤りが無いことを確認した。また、SAMPSONに組み込まれた改良モデルのセシウム化学着挙動解析への有効性を確認するため、温度勾配管を有する装置を用いた実験の解析を実施した。改良モデルを組み込んだSAMPSONにより、実験の結果を再現し、SAMPSONにおけるノードジャンクションの設定方法、エアロゾル生成モデル、CsOH蒸気の飽和蒸気圧等の計算方法等の解析方法、そして改良モデルがセシウム化学吸着挙動解析に適用可能であることを確認した。また、セシウムがシビアアクシデント後に水相を介して移行したことから、原子炉内におけるセシウム分布を予測するためには、セシウム沈着物の水への溶解性の評価が前提となる。このため、ステンレス鋼へのセシウム化学吸着生成物の水への溶解性を調べた。ステンレス鋼304へのセシウム化学吸着生成物は、873Kから973Kで水溶性の高いCsFeO、973Kから1273Kで水溶性の低いCsFeSiO、1073Kから1273Kで水溶性の低いCsSiOであることが分かった。これらの結果から、セシウム化学吸着量に影響を与える原子炉内温度やCsOH蒸気種濃度のようなシビアアクシデント解析条件に応じて、セシウム化学吸着生成物の水への溶解性を予測できる可能性を得た。
Rizaal, M.; 三輪 周平; 鈴木 恵理子; 井元 純平; 逢坂 正彦; Goullo, M.*
ACS Omega (Internet), 6(48), p.32695 - 32708, 2021/12
被引用回数:1 パーセンタイル:7.13(Chemistry, Multidisciplinary)This paper presents our investigation on cesium and iodine compounds revaporization from cesium iodide (CsI) deposits on the surface of stainless steel type 304L, which were initiated by boron and/or steam flow. A dedicated basic experimental facility with a thermal gradient tube (TGT) was used for simulating the phenomena. The number of deposits, the formed chemical compounds, and elemental distribution were analyzed from samples located at temperature range 1000-400 K. In the absence of boron in the gas flow, it was found that the initial deposited CsI at 850 K could be directly re-vaporized as CsI vapor/aerosol or reacted with the carrier gas and stainless steel (CrO layer) to form CsCrO on the former deposited surface. The latter mechanism consequently gave a release of gaseous iodine that was accumulated downstream. After introducing boron to the steam flow, a severe revaporization of iodine deposit at 850 K occurred (more than 70% initial deposit). This was found as a result of the formation of two kinds of cesium borates (CsBO5HO and CsBO4HO) which contributed to a large release of gaseous iodine that was capable of reaching outlet of TGT ( 400 K). In the case of nuclear severe accident, our study have demonstrated that gaseous iodine could be expected to increase in the colder region of a reactor after late release of boron or a subsequent steam flow after refloods of the reactor, thus posing its near-term risk once leaked to the environment.
井元 純平; 中島 邦久; 逢坂 正彦
日本原子力学会和文論文誌, 20(4), p.179 - 187, 2021/12
福島第一原子力発電所の炉内や原子炉建屋内のCsの一部は、CsIやCsMoOといった化学形で沈着すると考えられているが、Cs化合物の多くは水溶性であるため長期的には水相を介した移行が起きると推察される。このような移行挙動評価のための基礎データとして、水への溶解度に関する知見が必要である。そのため、本研究では20C及び25CにおけるCsIとCsMoOの水への溶解度について調べることを目的とした。その結果、熱力学的データとPitzerモデルから計算された25CでのCsIの溶解度は、文献値とよく一致していることが示され、室温付近のCsIの文献値は信頼性が高いことが分かった。OECDテストガイドライン105フラスコ法(テストガイドライン)を使用した20CでのCsIの実験値も、文献値とよく一致していた。テストガイドラインを使用して測定した20CのCsMoOの溶解度は、256.86.2(g/100g HO)となった。このCsMoOの溶解度は、他のアルカリモリブデン酸塩の溶解度と同程度であることがわかり、文献値よりも信頼性が高いと考えられる。
宮原 直哉; 三輪 周平; Goullo, M.*; 井元 純平; 堀口 直樹; 佐藤 勇*; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(12), p.1287 - 1296, 2020/12
被引用回数:5 パーセンタイル:54.54(Nuclear Science & Technology)主にガス状ヨウ素の生成メカニズムに着目して原子炉冷却系におけるCsIの移行挙動を明らかにするため、温度勾配管を用いたCsIの移行再現実験を実施し、沈着物及び浮遊物の詳細分析を行った。その結果、ガス状ヨウ素が高温領域におけるCs-I-O-H反応体系の気相反応により生成し、速度論の効果によって化学形態を大きく変化させずに下流の低温領域に移行すること、凝縮したCsIの化学反応、すなわち、CsCrO化合物が生成する壁面への沈着CsIとステンレス鋼の化学反応、またはエアロゾルとなったCsIと水蒸気との化学反応により、ガス状ヨウ素が生成することを明らかにした。
三輪 周平; 中島 邦久; 宮原 直哉; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; 堀口 直樹; Liu, J.; Miradji, F.; 井元 純平; Afiqa, B. M.; et al.
Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00537_1 - 19-00537_11, 2020/06
軽水炉シビアアクシデントのための核分裂生成物(FP)化学挙動データベースECUMEを構築した。現状のECUMEには、セシウム(Cs)-ヨウ素(I)-ホウ素(B)-モリブデン(Mo)-酸素(O)-水素(H)系の気相化学反応計算のための化学反応とその速度定数のデータセット、炉内構造材であるステンレス鋼とCs蒸気種との高温化学反応モデル、これらの化学反応で重要となるCsBO、CsSiO及びCsFeSiOの熱力学データが収納されている。これらのECUMEを用いることにより、特に福島第一原子力発電所事故におけるCs分布で重要となるBWR制御材Bやステンレス鋼の化学的な影響を実態に即した条件により評価でき、炉内のCs分布の予測が可能となる。
三輪 周平; 高瀬 学; 井元 純平; 西岡 俊一郎; 宮原 直哉; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(3), p.291 - 300, 2020/03
被引用回数:6 パーセンタイル:56.35(Nuclear Science & Technology)BWR重大事故における制御材ホウ素の移行挙動を、セシウム及びヨウ素に与える化学的影響の観点から評価するため、高温領域を移行するホウ素の化学挙動を実験的に調べた。核分裂生成物放出移行再現実験装置を用いて水蒸気雰囲気にて酸化ホウ素試料の加熱実験を実施した。放出した酸化ホウ素蒸気は1,000K以上においてステンレス鋼への凝集により多量に沈着した。さらに、この酸化ホウ素の沈着物、もしくはホウ素蒸気種とステンレス鋼が1,000K以上において反応することで、安定な鉄-ホウ素の複合酸化物(FeO)BO化合物を形成することが分かった。この結果は、重大事故時において、破損したBWR制御ブレードから放出されるホウ素は圧力容器内等の高温領域に保持されることを示している。このことから、セシウム蒸気がホウ素の沈着物と反応することで低揮発性のホウ酸セシウム化合物を形成し、圧力容器から低温領域に移行するセシウム蒸気が減少することなどが可能性として考えられる。
三輪 周平; 宮原 直哉; 中島 邦久; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; 堀口 直樹; Liu, J.; Miradji, F.; 井元 純平; Afiqa, B. M.; et al.
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 8 Pages, 2019/05
軽水炉シビアアクシデントのための核分裂生成物(FP)化学挙動データベースECUMEの初版を構築した。ECUMEの初版には、セシウム(Cs)-ヨウ素(I)-ホウ素(B)-モリブデン(Mo)-酸素(O)-水素(H)系の気相化学反応計算のための化学反応とその速度定数のデータセット、ステンレス鋼とCs蒸気種との高温化学反応モデル、CsBO、CsSiO及びCsFeSiOの熱力学データが収納されている。これらのECUMEを用いることにより、特に福島第一原子力発電所事故におけるCs分布で重要となるBWR制御材Bやステンレス鋼の化学的な影響を評価でき、炉内のCs分布をより正確に予測することが可能となる。
井元 純平; 三輪 周平; 逢坂 正彦
Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research (FDR 2019) (Internet), 4 Pages, 2019/05
シビアアクシデント時に生成されるBWR制御材である炭化ホウ素と構造材であるステンレス鋼やジルカロイとの混合溶融体からのホウ素(B)放出モデルの構築に向けて、溶融体中の代表組成であるFe-B及びZr-B合金からのB酸化蒸発過程を実験的に調べた。ZrBからのB酸化蒸発は、酸化によりBOとZrOを生成し、続いてBOと水蒸気との反応による揮発性H-B-O蒸気種が生成することで生じることが示唆された。一方、FeB及びFeBの場合、両者のB酸化蒸発過程は同様であり、Fe-B合金の酸化により生成するBOのほか、Fe-B合金の複雑な酸化物であるFe-B-O化合物の分解により生成するBOによりBの蒸発が生じることが示唆された。
山崎 信哉*; 井元 純平*; 古木 元気*; 落合 朝須美*; 大貫 敏彦; 末木 啓介*; 難波 謙二*; Ewing, R. C.*; 宇都宮 聡*
Science of the Total Environment, 551-552, p.155 - 162, 2016/05
被引用回数:31 パーセンタイル:70.53(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所付近の河口堆積物中の放射性Csの濃度を調べたところ、地表表面から深いところほど濃度が高かった。さらに、90%以上のCsが粘土鉱物に収着していた。この結果は、上流の水田土壌が堆積したことを示唆している。
金子 誠*; 岩田 孟; 塩津 弘之; 正木 翔太*; 川元 侑治*; 山崎 信哉*; 仲松 有紀*; 井元 純平*; 古木 元気*; 落合 朝須美*; et al.
Frontiers in Energy Research (Internet), 3, p.37_1 - 37_10, 2015/09
高線量土壌中の放射性Csは雲母鉱物などの層状ケイ酸塩鉱物に取り込まれていることを現地調査及び模擬実験により明らかにした。
逢坂 正彦; 中島 邦久; 三輪 周平; 宮原 直哉; 鈴木 恵理子; 鈴木 知史; 堀口 直樹; 井元 純平; Liu, J.; 西岡 俊一郎; et al.
no journal, ,
原子力機構では核分裂生成物(FP)化学挙動解明に向けた基礎研究を実施している。本研究の目的は、軽水炉シビアアクシデント(SA)時の炉内各領域におけるFP化学データベースを構築し、それに基づきFP化学モデルを改良することである。研究の成果は福島第一原子力発電所(1F)廃炉及び軽水炉安全性向上に反映される。ホウ素及び熱水力条件がFP挙動に与える影響、セシウムの構造材への化学吸着挙動評価、FP化合物の熱力学/熱物性データベース構築、及びFP放出移行再現実験及び解析技術開発の4つの研究項目を設定して研究を進めている。本発表では、最近の研究成果と進捗を報告する。
井元 純平; 三輪 周平; 逢坂 正彦
no journal, ,
シビアアクシデント時のBC制御棒溶融により生成されるFe-B化合物からのBの放出挙動を実験的に評価した。Fe-B化合物からのB放出は、化合物中のFeとBの組成により異なり、これは酸化により表面に生成する酸化物の違いに起因することがわかった。またFeをより多く含むFeBの場合は安定なFe-B-O化合物が表面に生成され、これがB放出を抑制することがわかった。
三輪 周平; 宮原 直哉; 堀口 直樹; 井元 純平; 中島 邦久; 逢坂 正彦
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント時に、炉内冷却系等高温部においてBWR制御材ホウ素がセシウムやヨウ素等に与える化学的な影響を明らかにすることを目的に、制御ブレード溶融化合物形態を考慮したホウ素放出挙動や雰囲気の影響を考慮して、冷却系移行時のホウ素の化学形変化や凝縮等の化学挙動を予測した。その結果、水蒸気雰囲気において、ホウ素はホウ酸等の化合物として大部分が低温部に移行していく一方、水蒸気欠乏雰囲気下においては、制御ブレード溶融時に形成する安定なホウ化鉄化合物によりホウ素の放出量が低下し、酸化ホウ素やセシウム化合物を形成して冷却系高温部で凝縮する等により低温部への移行量が低下することが分かった。
井元 純平; Di Lemma, F. G.*; 三輪 周平; 高野 公秀; 逢坂 正彦
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント時にBWR制御ブレードが溶融・崩落することで生成されるFe-B系化合物からのホウ素の放出挙動を明らかにするために、Fe-B系化合物を調製し、熱分析により酸化及び蒸発挙動を実験的に調べた。熱分析の結果より、酸化速度はBCよりも数桁低くなることが分かった。この結果は、ホウ素の主な放出パスである酸化により生成するBOからの蒸発は、溶融体中のFe-B-O系化合物生成により抑制されるという既往報告を裏付けるものである。
井元 純平; 三輪 周平; 高野 公秀; 逢坂 正彦
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント時のBWR制御ブレードからのホウ素放出モデルの構築に必要となる放出時の化学反応を特定するために、溶融制御ブレード中に生成されるFe-B系化合物の熱分析を実施し、反応生成物を分析した。1200K1400KのFeB化合物の酸化時における反応生成物をX線回折により分析した結果、Fe-B-O化合物が生成していることが分かり、FeBからのB放出は酸化によるBOとBOに比べ安定なFe-B-O化合物生成を経由していることが分かった。
三輪 周平; 井元 純平; 宮原 直哉; 逢坂 正彦
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント時の原子炉冷却系においてセシウム等の核分裂生成物の移行挙動に影響を与えるBWR制御材ホウ素の移行挙動を明らかにすることを目的に、核分裂生成物放出移行挙動再現実験装置TeRRaを用いて移行再現実験を実施し、配管内付着物を分析した。900K以上及び700Kで配管の重量増加が見られ、それぞれホウ素蒸気種のステンレス鋼への化学反応及び配管への凝縮に起因することが分かった。以上より、原子炉冷却系の温度領域において、ホウ素蒸気種はステンレス鋼と化学反応を生じ、温度低下に伴って凝縮することを明らかにした。
高瀬 学; 鈴木 恵理子; 井元 純平; 中島 邦久; 三輪 周平; 小河 浩晃; 逢坂 正彦
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント時の原子炉冷却系におけるBWR制御材ホウ素の蒸気種とステンレス鋼の高温化学反応実験を実施し、反応生成物を分析した。940Kよりも高温においてホウ素はステンレス鋼の表面で鉄と化学反応を生じ、Fe-B-O化合物を生成することで、固着する可能性があることが分かった。
井元 純平; 三輪 周平; 逢坂 正彦
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント時にBWR制御ブレード溶融体中に生成されるFe-BおよびZr-B系化合物からのB放出化学反応を熱分析とX線回折分析により実験的に推定した。その結果、Zr-Bでは酸化によって生成したBOのみを経由してB放出に至っていることが分かった。一方、Fe-B化合物ではBOに加え、一部は安定なFe-B-O化合物の生成を介してB放出に至っていることが分かった。
三輪 周平; 中島 邦久; 宮原 直哉; 西岡 俊一郎; 鈴木 知史; 鈴木 恵理子; 堀口 直樹; 井元 純平; Liu, J.; Miradji, F.; et al.
no journal, ,
ソースターム評価技術の高度化に向けて、シビアアクシデント(SA)時における核分裂生成物(FP)の放出移動挙動を支配する化学挙動を明らかにし、FP化学データベース・モデルを構築するための基礎研究を進めている。SA時のFPの一連の化学挙動を再現可能な実験装置及び解析ツールの基本形を構築し、これらを用いて特にBWR制御材ホウ素のセシウム及びヨウ素の化学挙動に与える影響に関する基礎知見を得た。
西岡 俊一郎; 中島 邦久; 鈴木 恵理子; 井元 純平; 逢坂 正彦
no journal, ,
シビアアクシデント(SA)時に鋼材などの構造材に付着したCsの経年変化挙動評価に資するため、各種Cs化合物の吸湿による変性挙動に関する基礎データを取得した。吸湿性はCsの化学形によって大きく異なることが分かった。