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論文

Diffusion phenomenon at the interface of Cu-brass under a strong gravitational field

緒方 裕大*; 井口 裕介*; 徳田 誠*; Januszko, K.*; Khandaker, J. I.*; 小野 正雄; 真下 茂*

Journal of Applied Physics, 117(12), p.125902_1 - 125902_6, 2015/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:31.13(Physics, Applied)

To investigate diffusion phenomenon at the interface between Cu and brass under a strong gravitational field generated by ultracentrifuge apparatus, we performed gravity experiments on samples prepared by electroplating with interfaces normal and parallel to the direction of gravity. For the parallel-mode sample, for which sedimentation cannot occur thorough the interface, the concentration change was significant within the lower gravity region; many pores were observed in this region. Many vacancies arising from crystal strain due to the strong gravitational field moved into the lower gravity region, and enhanced the atoms mobilities. For the two normal-mode samples, which have interface normal to the direction of gravity, the composition gradient of the brass-on- Cu sample was steeper than that for Cu-on-brass. This showed that the atoms of denser Cu diffuse in the direction of gravity, whereas Zn atoms diffuse in the opposite direction by sedimentation. The interdiffusion coefficients became higher in the Cu-on-brass sample, and became lower in the brass-on-Cu sample. This rise may be related to the behavior of the vacancies.

論文

Ultracentrifuge experiment on AgI super-ionic conductor

小野 正雄; 岡安 悟; 井口 裕介*; 江坂 文孝; Bagum, R.*; 春木 理恵; 真下 茂*

Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Aerospace Technology Japan (Internet), 12(ists29), p.Tq_1 - Tq_3, 2014/04

これまでに固相の固溶系2成分合金や単体金属を遠心処理することで、固相中で元素や同位体組成を傾斜化できることを示した。ここで、2成分のイオン結晶の場合は、化学量論組成を保とうとする性質によって、たとえ遠心処理で分解を起こせたとしても元素組成を傾斜させることは難しいと考えられる。しかしながら、結晶中では自己拡散が起こっているので、元素組成を保ったままで、同位体組成を傾斜させることはできると考えられる。そこで我々は、遠心処理によって2成分のイオン結晶中で生じる同位体効果を調べるために、超イオン伝導体の$$alpha$$-AgIに関する超遠心実験を計画した。この超イオン伝導体$$alpha$$-AgIは、真性イオン結晶でありAgイオンの自己拡散が顕著であるため、この実験に最適である。研究の第一段階として、分解が生じない温度条件と遠心加速度条件の組み合わせを探る実験を行った。結果として、最大遠心加速度61万G、最高試料温度350$$^{circ}$$C、最大実験時間24時間の条件の組み合わせであれば、分解の起こらない実験が可能であることを確かめた。

論文

Deformation twinning of Bi-Sb solid alloy formed under a strong gravitational field

井口 裕介*; 真下 茂*; 小野 正雄; 岡安 悟

Philosophical Magazine Letters, 90(7), p.513 - 518, 2010/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:29.33(Materials Science, Multidisciplinary)

Bi-Sb合金に関する超重力場実験を実施し、実験後の試料断面の光学観察及び電子線後方散乱回折により結晶状態を調べた。重力が大きな領域では結晶の微細化が見られ、結晶の微細化が観察されなかった重力が弱い領域では配向角がおおよそ90$$^{circ}$$の変形双晶が見られた。この変形双晶部位の厚さは、通常の変形双晶と比べて大きく、重力場の大きさに比例して大きくなっていることがわかった。また、実験温度条件240$$^{circ}$$C,遠心処理10時間の場合、結晶の微細化が生じる重力場のしきい値は、おおよそ17万Gであることがわかった。

論文

Development of special rotor for centrifugal separation of isotopes in solid pure metals

小野 正雄; 末吉 正典*; 岡安 悟; Hao, T.; 江坂 文孝; 大澤 崇人; 井口 裕介*; 真下 茂

Review of Scientific Instruments, 80(8), p.083908_1 - 083908_6, 2009/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:17.82(Instruments & Instrumentation)

新しい着想を試すために、気相ではなく固相状態で同位体遠心分離を行うための2つの沈降槽を有したロータの開発を行った。この着想は、固体中の構成原子の沈降現象を基本原理としている。インジウムを用いた性能確認試験では、ロータは、97000回転/分もの回転速度でも、外部の試料供給装置から射出供給した試料を回転の安定性を損なうことなくすべて受け止めることができ、さらに、固体状態でも、ロータ内の沈降槽間を非常に強い遠心加速度場の影響で生じる塑性変形流動によって試料が移動することを確認した。また、試料の同位体比を二次イオン質量分析器(SIMS)を用いて評価したところ、設計にて意図した通りの同位体分離が起きていることを確認した。

論文

Isotope fractionation due to sedimentation of atoms in centrifuged indium-lead alloy

小野 正雄; 井口 裕介*; 岡安 悟; 江坂 文孝; 小林 桂*; Hao, T.; Bagum, R.*; 大澤 崇人; 藤井 貴美夫; 中村 栄三*; et al.

Defect and Diffusion Forum, 289-292, p.63 - 68, 2009/04

原子スケールで連続的に組成が傾斜した傾斜構造を持つ超重力場実験後のIn-Pb合金(出発状態:In:Pb=80:20at%,実験条件:81万G,100時間,150$$^{circ}$$C(固体状態))について同位体存在比の変動を調べた。分析には二次イオン質量分析器(SIMS)を用いた。構成元素であるPbの場合、質量数の差が2となる$$^{206}$$Pbと$$^{208}$$Pbに着目すると、同位体存在比$$^{206}$$Pb/$$^{208}$$Pbが重力方向に連続的に1.5%減少し、質量数の差が1となる$$^{207}$$Pbと$$^{208}$$Pbに着目すると、同位体存在比$$^{207}$$Pb/$$^{208}$$Pbが同じく重力方向に連続的に0.8%減少していることがわかった。また、$$^{206}$$Pb/$$^{208}$$Pbと$$^{207}$$Pb/$$^{208}$$Pbの3同位体プロットから、質量差のみに依存した同位体比の変動が起こり、重い$$^{206}$$Pbが重力方向に増加し、軽い$$^{206}$$Pbが重力と反対方向に増加したことがわかった。この結果から、超重力場は合金中の相互拡散に影響を及ぼすだけでなく、自己拡散にも影響を及ぼすことを、質量差に依存した同位体分別効果という形で確認することができた。

論文

Sedimentation of impurity atoms in InSb semiconductor under a strong gravitational field

井口 裕介*; 小野 正雄; 岡安 悟; 真下 茂

Defect and Diffusion Forum, 289-292, p.319 - 322, 2009/04

これまでに、合金や化合物に100万Gレベルの超重力場を加えることで、構成原子の沈降現象を誘起し、原子スケールの傾斜構造の形成に成功してきた。本研究では、超重力場下の半導体中での不純物原子の沈降について調べた。試料はGeを物理蒸着(PVD)したInSb単結晶ウエハーとし、超重力場実験条件は、最大遠心加速度59万G,超重力場実験としては比較的高温の400$$^{circ}$$Cの試料温度にて、60時間とした。超重力場処理したGeの侵入深さが、地上重力場下で同一温度で熱処理した場合に比べ数倍深くなっていることがわかった。

論文

Formation of amorphous graded structure in Bi$$_{3}$$Pb$$_{7}$$ intermetallic compounds under strong gravitational field

真下 茂; 井口 裕介*; Bagum, R.*; 佐野 智一*; 竹田 晋吾*; 木村 滋*; 坂田 修身*; 小野 正雄; 岡安 悟; 鶴井 隆雄*; et al.

Defect and Diffusion Forum, 289-292, p.357 - 360, 2009/04

単相で均一なBi$$_{3}$$Pb$$_{7}$$金属間化合物を、102万G,130$$^{circ}$$C,100時間の実験条件にて超重力処理したところ、目視でも確認できる特異なナノ構造を持つ4つの層状構造が形成された。重力が最も小さい領域となる4番目の層では、純Biの析出が見られ、2,3番目の層では、Pbの組成が重力方向に増加する組成傾斜構造が形成されていた。2層目では、アモルファス相が含まれていることを示唆する非常にブロードなピークを持つX線回折パターンが確認された。

論文

Strong-gravity effect on twinned Y$$_{1}$$Ba$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{7-x}$$ single crystal

Bagum, R.*; 岡安 悟; 井口 裕介*; 小野 正雄; 真下 茂

Defect and Diffusion Forum, 289-292, p.517 - 521, 2009/04

双晶を含むY$$_{1}$$Ba$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{7-x}$$単結晶に対して融点よりも十分に低い温度にて超重力場実験を行った。38万G, 250$$^{circ}$$Cにて超重力処理した試料に、原子の沈降に起因するものと思われる微妙に組成が異なる2層構造が確認された。重力が大きい側の層では、Y123相が消滅してX線回折パターンに不明なピークが出現し、重力の弱い側の層はY123相が保たれていることがわかった。400$$^{circ}$$Cにおける実験では試料全体で分解が生じたことがわかった。これらの実験温度は高温超伝導体Y$$_{1}$$Ba$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{7-x}$$単結晶の酸素アニールに用いられる温度域であり、通常は分解しにくい温度であるため、超重力場の印可により、酸素が超重力場によって移動し、欠損しより低い温度で分解が始まったものと考えられる。

論文

Isotope fluctuation in indium-lead alloy induced by solid centrifugation

小野 正雄; 井口 裕介*; 岡安 悟; 江坂 文孝; 小林 桂*; Hao, T.; Bagum, R.*; 大澤 崇人; 藤井 貴美夫; 中村 栄三*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 45(Suppl.6), p.108 - 110, 2008/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.12(Nuclear Science & Technology)

In-Pb合金について超重力場実験を行い、原子スケールの傾斜構造を実現した(81万G,100時間,150$$^{circ}$$C(固体状態))。この試料について同位体存在比の変動を調べた。分析には二次イオン質量分析器(SIMS)を用いた。構成元素であるPbについては、同位体存在比$$^{208}$$Pb/$$^{206}$$Pbが重力方向に連続的に1.2%増加する傾向を示していた。また、In-Pbについても同様に同位体存在比$$^{115}$$In/$$^{113}$$Inが重力方向に連続的に約1.2%増加する傾向を示していた。同位体変動は1.2%程度と小さいものの、出発試料中の同位体存在比が$$^{208}$$Pb/$$^{206}$$Pbで0.1%、$$^{115}$$In/$$^{113}$$Inで0.2%以内の変動に収まっていることから、固体状態での遠心処理によって、合金中にて同位体の沈降現象が起こったことが確認された。

論文

Isotope separation by condensed matter centrifugation; Sedimentation of isotope atoms in Se

真下 茂; 小野 正雄; Huang, X.*; 井口 裕介*; 岡安 悟; 小林 桂*; 中村 栄三*

Journal of Nuclear Science and Technology, 45(Suppl.6), p.105 - 107, 2008/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

液体状態(300$$^{circ}$$C)や固体状態(190$$^{circ}$$C)にて70$$sim$$90万Gの超重力場処理を施したSe単体試料中で、$$^{82}$$Se/$$^{76}$$Seの同位体比でそれぞれ数%レベルの同位体変動を引き起こした。この結果は凝縮物質中の自己拡散を介して置換型溶質原子の沈降が起こったことを表している。また、凝縮状態での同位体遠心分離という新しい同位体分離法としての応用の可能性を示唆している。

論文

Ultracentrifuge experiment on an Mg-Cd order-disorder alloy

小野 正雄; 井口 裕介*; Bagum, R.*; 藤井 貴美夫; 岡安 悟; 江坂 文孝; 真下 茂*

AIP Conference Proceedings 973, p.476 - 481, 2008/03

遠心加速度場下における液体中のマクロ粒子やブラウン粒子の沈降に関する研究は数多くなされ、さまざまな分野に利用されている。数十万G以上の非常に強い遠心加速度場(以下、超重力場)では、前述の液体中のマクロ粒子やブラウン粒子の沈降だけでなく、固体中の構成原子(置換型原子)の沈降が可能になる。本研究グループでは、超重力場下での物質研究を行うために100万Gレベルの超重力場を高温で長時間発生することのできる超遠心機を製作し、超重力場下の合金や化合物等の原子の沈降や分子・結晶化学の研究を進め、これまでに幾つかの低融点合金にて固体中での原子の沈降を実現している。Mg-Cd系は規則不規則変態を起こす固溶系合金である。このMg-Cd合金(50:50at%)について超重力場実験を行った。実験条件は重力加速度は61万G、試料温度は融点以下の400$$^{circ}$$C(100$$^{circ}$$Cまで冷却後に遠心処理を終了)、実験時間は60時間であった。回収試料にはCd濃度が重力方向に増加する傾斜構造が形成されていた。また、XRDパターンには出発状態とは異なる回折ピークが見られることがわかった。現在詳しく調べている。

論文

Formation of multi-layer structures in Bi$$_{3}$$Pb$$_{7}$$ intermetallic compounds under an ultra-high gravitational field

真下 茂; 井口 裕介*; Bagum, R.*; 佐野 智一*; 坂田 修身*; 小野 正雄; 岡安 悟

AIP Conference Proceedings 973, p.502 - 505, 2008/03

超重力場下では固体中でさえも原子の沈降が起こり、多成分系の凝縮物質では傾斜組成材料や非平衡相が形成される。われわれはこれまでに、Bi-Sb系やIn-Pb系等の固溶系において構成原子の沈降を実現している。本研究では、0.7mm厚の金属間化合物Bi$$_{3}$$Pb$$_{7}$$試料に関して超重力場実験を行った。実験後の試料には、微視的な構造に差異がある、目視でも確認できる4つの層状構造が形成されていた。最も重力場の弱い側となる層にはBi相の析出が見られた。中間の2層では組成の傾斜が見られ、XRDパターンより構造が異なっていることがわかった。このような多層構造による材料物性の特異性の発現(例えば特異な超伝導性など)が期待できる。

論文

Gravity-induced diffusion of isotope atoms in monoatomic solid Se

真下 茂; 小野 正雄; Huang, X. S.*; 井口 裕介*; 岡安 悟; 小林 桂*; 中村 栄三*

Europhysics Letters, 81(5), p.56002_1 - 56002_4, 2008/03

 被引用回数:12 パーセンタイル:59.61(Physics, Multidisciplinary)

超重力場下の固体状態の単体元素金属Seにおいて、同位体の沈降現象を確認した。81万G,試料温度190$$^{circ}$$Cにて超重力処理した試料では、微細化した結晶,成長した結晶,羽状の結晶が重力方向に対して平行に出現している層状の結晶状態が得られていた。結晶成長が見られた領域では0.8%以上の$$^{82}$$Se/$$^{76}$$Seの同位体比の変化が見られていることがわかった。前述の結果は置換型の自己拡散をする構成原子が重力によって沈降したことを表しており、同位体分離や不純物組成や結晶状態の制御等への応用の可能性を示唆している。

論文

Sedimentation of isotope atoms in monatomic liquid Se

真下 茂; 小野 正雄; Huang, X. S.*; 井口 裕介*; 岡安 悟; 小林 桂*; 中村 栄三*

Applied Physics Letters, 91(23), p.231917_1 - 231917_3, 2007/12

 被引用回数:20 パーセンタイル:60(Physics, Applied)

超重力場下の単体元素金属において、同位体の沈降現象を確認した。試料温度300$$^{circ}$$C,重力加速度70万$$sim$$90万Gの超重力場実験後の試料では$$^{82}$$Se/$$^{76}$$Seの同位体比で3.5%の傾斜が実現されていた。回収試料断面の光学顕微鏡写真観察において、羽状の結晶組織が観察された。実験によって得られた同位体存在比の傾斜は、原子間の相互作用がないとした、理想状態のシミュレーション結果と比べて2倍大きな値であり、非理想系であることが示唆された。前述の結果は置換型の自己拡散をする構成原子が重力によって沈降したことを表しており、同位体分離や結晶制御,大質量星内での物質動力学などといった応用が考えられる。

論文

Formation of atomic-scale graded structure in Se-Te semiconductor under strong gravitational field

Huang, X. S.*; 小野 正雄; 上野 秀人*; 井口 裕介*; 冨田 健; 岡安 悟; 真下 茂

Journal of Applied Physics, 101(11), p.113502_1 - 113502_5, 2007/06

 被引用回数:24 パーセンタイル:65.61(Physics, Applied)

セレニウム-テルリウム(Se-Te)半導体について、実験温度260$$^{circ}$$C,最大加速度100万Gにて超重力場実験を行い、配向性のある結晶成長を伴った1mmあたり88at%もの原子レベルで連続的な傾斜構造を得た。この傾斜構造では、格子定数とSeとTeの3$$d$$電子の結合エネルギーは組成に応じて重力方向に連続的に変化しているが、これは、バンドギャップの傾斜が実現されていることを示している。また、ほぼ重力方向に垂直な向きにc軸が向くように結晶が成長していることがわかった。また、実験結果とシミュレーションとの比較から、沈降の拡散係数が一般的なケミカルポテンシャルによる拡散の100倍以上であると見積もられることがわかった。この結果は、沈降の拡散メカニズムが一般的な空孔機構とは異なるメカニズムである可能性を示唆している。

論文

Crystal-grain refinement of materials under an ultra-strong gravitational field

井口 裕介*; 柴田 康弘*; 内田 勇太*; Huang, X.*; 小野 正雄; 岡安 悟; 真下 茂

Advanced Materials Research, 15-17, p.639 - 642, 2007/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:59.75

本研究では、Bi$$_{70}$$Sb$$_{30}$$合金に関しての超重力処理による結晶の微細化について、微細化の状態と微細化条件について調べた。数mmから数十mmの大きな結晶粒を持つバルク試料を重力場下に置くと、まず最初に微細化が起こり、その後、原子の沈降による濃度変化に伴って結晶成長が起こることがわかった。また、200$$^{circ}$$Cにて超重力処理を施す場合、結晶の微細化を起すことのできる最低重力加速度と時間条件はそれぞれ16万G,10時間であることがわかった。

論文

強い重力場下におけるIn-Pb合金中の構成原子の沈降; 実験及びシミュレーション

小野 正雄; 木下 貴博*; Huang, X. S.*; 井口 裕介*; 岡安 悟; 真下 茂*

日本金属学会誌, 70(6), p.511 - 516, 2006/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

超重力場下における原子の沈降現象を調べるためにIn-Pb固溶系合金(In:Pb=80:20at%)について超重力場実験を行った(最大加速度:100万Gレベル,温度:融点直下(固体),出発試料:中間相の$$alpha$$相単相(面心正方晶、c$$_{0}$$/a$$_{0}$$$$>$$1)、時間:30-150h)。時間の条件のみを変えた複数の実験から濃度変化の時間依存性を調べた。これにより時間の経過に伴い組成が変化し60時間以下でほぼ定常状態に達したことがわかった。また、原子の沈降プロセスのシミュレーションから、沈降の拡散係数は一般的な拡散の拡散係数の8倍程度になると見積もられた。また、60時間で定常状態に達したと考えた場合はシミュレーションから見積もられる沈降の拡散係数は10$$^{-11}$$m$$^{2}$$/sオーダーとなった。実験中の試料は固体であるにもかかわらずこの拡散係数は液体金属の拡散係数と同等であることから、この系の沈降の拡散メカニズムは地上の重力場下での拡散と異なるメカニズムになっている可能性が示唆された。

論文

Positron lifetime measurement on centrifuged Bi$$_{3}$$Pb$$_{7}$$ intermetallic compound

小野 正雄; Huang, X. S.*; 柴田 康弘*; 井口 裕介*; 境 誠司; 前川 雅樹; Chen, Z. Q.*; 長壁 豊隆; 河裾 厚男; 楢本 洋*; et al.

Proceedings of 1st International Conference on Diffusion in Solids and Liquids (DSL 2005), p.531 - 533, 2005/07

これまでに幾つかの低融点合金系について超重力場下における固体中での原子の沈降による傾斜構造を実現し、金属間化合物Bi$$_{3}$$Pb$$_{7}$$では分解反応を実現している。本研究では、組成変化が起きない温度条件下で超重力処理を施した金属間化合物(Bi$$_{3}$$Pb$$_{7}$$, 120$$^{circ}$$C, 90.5万G, 100h)について陽電子消滅寿命測定を行った。その結果、出発試料に比べ平均寿命が延びていることがわかった。超重力場下で空孔が導入され、点欠陥として結晶内に留まっていると考えられる。原子の沈降メカニズムとして、(1)高速な空孔機構,(2)準格子間型機構,(3)1, 2の組合せを考えているが、これらの可能性を示唆する結果である。沈降メカニズムの解明に向けて今後より詳しく調べる予定である。

口頭

超重力場処理した傾斜材料超伝導体の磁束量子状態

岡安 悟; 小野 正雄; 西尾 太一郎*; 井口 裕介*; 真下 茂

no journal, , 

重力場換算で地上重力の100万倍の遠心加速度場を発生できる装置(超重力場発生装置)を用いてBi-Pb合金(モル比3:7)を130$$^{circ}$$Cで100時間遠心処理し、組成が重力場方向に傾斜した材料を作製した。重力場下では原子一つ一つに遠心力がかかっている状態であるが、異種原子ではその大きさが異なるため、異種原子のポテンシャルエネルギーに差が生じる。100万Gレベルの重力場では、その差が熱エネルギーに匹敵する大きさとなるので原子の沈降が起こる。遠心処理後の試料は光学観察では4層に分かれており、EPMAによる組成分析によると重力場が大きい領域から順に(1)Pbリッチで組成比はほぼ一定,(2)Pbが減少しBiが増加、組成は傾斜,(3)PbとBiがほぼ同程度、組成は傾斜,(4)Biの析出層、に分類される。またそれぞれの層の境界で組成の変化が大きいことがわかる。この試料の超伝導状態を調べるため走査型SQUID顕微鏡で磁束量子の観察を行った(4K, FC10$$mu$$T)。すると(2)の領域では磁束量子が存在せず、第1種超伝導体のように振る舞うことがわかった。こうした違いは磁束量子のピン止め力や超伝導凝集エネルギーが組成ごとに異なるために生じていると考えられる。

口頭

Mg-Cd規則-不規則合金に関する超重力場実験

小野 正雄; 井口 裕介*; Bagum, R.*; 藤井 貴美夫; 岡安 悟; 真下 茂*

no journal, , 

遠心加速度場下における液体中のマクロ粒子やブラウン粒子の沈降に関する研究は数多くなされ、さまざまな分野に利用されている。数十万G以上の非常に強い遠心加速度場(以下、超重力場)では、前述の液体中のマクロ粒子やブラウン粒子の沈降だけでなく、固体中の構成原子(置換型原子)の沈降が可能になる。本研究グループでは、超重力場下での物質研究を行うために100万Gレベルの超重力場を高温で長時間発生することのできる超遠心機を製作し、超重力場下の合金や化合物等の原子の沈降や分子・結晶化学の研究を進め、これまでに幾つかの低融点合金にて固体中での原子の沈降を実現している。Mg-Cd系は規則不規則変態を起こす固溶系合金である。このMg-Cd合金(50:50at%)について超重力場実験を行った。実験条件は重力加速度は61万G、試料温度は融点以下の400$$^{circ}$$C(100$$^{circ}$$Cまで冷却後に遠心処理を終了)、実験時間は60時間であった。回収試料にはCd濃度が重力方向に増加する傾斜構造が形成されていた。また、XRDパターンには出発状態とは異なる回折ピークがみられることがわかった。現在詳しく調べている。

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