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高橋 伸友*; 山下 幸広*; 大坪 章*; 井口 達郎*
PNC TN941 84-74, 103 Pages, 1984/05
「もんじゅ」第6次試作模擬燃料集合体(M6CWP)の高温ナトリウム中における流動耐久試験を実施した。試験はナトリウム温度397,ナトリウム流量17.36kg/sec,コールドトラップ温度120の条件で積算2384時間実施した。本試験の結果,以下の事が明らかになった。ナトリウム流動試験の結果,初期の集合体全体の平均圧力損失係数C/Dは次式で表わすことができる。C/D=113.584Re/B-0.107754、全圧力損失の経時変化については,試験開始後約300時間で飽和状態となり,最終的に約3%の増加が認められた。「もんじゅ」EVST(Ex―vesselStorageTank)の設計条件に準じたナトリウムドレンを行なったところ,集合体に約90gのナトリウムが残留付着していた。ナトリウム流動試験後,模擬燃料集合体の外観目視検査を行なった結果,燃料ピンが支持機構(ノックバー)より外れることはなく健全であった。本試験は「もんじゅ」試作燃料集合体についての最終流動耐久試験であるので,本報告書では今迄の流動耐久試験で生じた圧力損失上昇及び,耐久性に関する色々な問題点についてまとめを行なった。
大坪 章*; 阿部 定好*; 井口 達郎*
PNC TN941 84-69, 39 Pages, 1984/04
「常陽」MK―1燃料被履管に発生したウェアマーク(擦り痕)の発生原因の主因子の一つとして,燃料ピンの流力振動が考えられている。本試験では,流力振動に及ぼす燃料束のPorosity/Ringの影響を調べるため,「常陽」MK―1燃料束の2倍のPorosity/Ringをもつ試験体を用いた。「常陽」MK―1燃料束体系での第一報の試験結果と比較して,次のような事が明らかとなった。炉内照射中の燃料束の周辺ピンの熱湾曲を模擬した変形ピンを用いた変形燃料束では,Porosity/Ringの影響よりも変形ピンの拘束効果の方が大きく,燃料ピンの振動は今回の試験でも観測されなかった。変形ピンを含まない正常燃料束試験では,Porosity/Ringを2倍にした影響は大きく,前報にくらべて大きい燃料ピン振動が観測された。
阿部 定好*; 大坪 章*; 井口 達郎*
PNC TN941 84-67, 30 Pages, 1984/04
仮想事故時の炉心冷却材流量を評価する際に,ラッパー管が不規則に変形した燃料束の圧力損失特性を知ることが必要である。従来,これに関する知見が乏しいため本試験を実施した。本試験では,「もんじゅ」ブランケット燃料集合体の燃料束部を模擬した供試体を用いた。「ラッパー管耐衝撃性評価試験」でラッパー管等に不規則な変形を与えた供試体3体と,変形のない供試体1体について,圧力損失特性を測定した。本試験で得られた主な結論は次の通りである。燃料束部で定義したイノルズ数Re=1033104で,変形による平均流路断面の減少が正常燃料束の17%以下で,正常燃料束に対する変形燃料束の圧力損失Pは,平均流路断面積Aを用いて,近似的に次式で表わされる。上記の関係を用いて正常燃料束より求めた変形燃料束の圧力損失予測誤差は,Re=l038103で+-8%以下であり,Re=81033.5104では+-3%以下であった。
吉川 信治*; 井口 達郎*
PNC TN941 84-26, 110 Pages, 1984/02
SSC―L(SuperSystemCode-Loopversion)は米国ブラックヘブン研究所で開発されたループ型液体金属冷却高速増殖炉の熱流力挙動解析コードである。このコードは通常過渡特性と事故時挙動の両方を解析する機能を持ち,また冷却系の機器配置,システム構成を任意に指定でき,システムコードとして優れた機能を有している。動燃では,1980年6月に導入して以来,もんじゅの解析を目的として様々な改修を施し,次第に有意な結果が得られるようになってきた。今回,もんじゅ体系において全ポンプの駆動力の喪失と炉停止を同時に行った場合の100%負荷から自然循環に至る現象の解析を行った。この中で,冷却材の挙動に対して,一次主冷却系ループの圧損特性や一次主循環ポンプの軸摩擦トルク特性についての評価法の差異が与える影響を調査した。すなわち,次の2つの評価法である。・現象論及び実験データに基いた評価法・安全解析に用いられる保守的な評価法、この結果次の事柄がわかった。1.初期の流量コーストダウン特性はポンプの回転数に支配され,50%流量以下になってから軸摩擦トルクの影響が大となる。2.自然循環時の流量に強い影響を与える要員として炉心,逆止弁,停止したポンプの圧損があげられる。3.過渡時に炉心部の冷却材が到達する最高温度は,熱出力と流量の不整合によって定まり,今回の解析では定格時や自然循環が安定した時の温度よりも高い値を示した。
布留川 修*; 服部 達三*; 古谷 章*; 井口 達郎*
PNC TN941 84-06, 8 Pages, 1984/01
ナトリウム自由液面上部のカバーガス空間における、放射および自然対流の共存した熱伝達に関し実験的研究を行なった。ナトリウム液面からミストの存在するカバーガス空間を通し、上壁に輸送される熱量が測定された。液体ナトリウムおよびミストの付着したステンレス鋼の熱放射率ならびにミスト空間の熱放射特性などの物理量も並行して測定された。これらの物理量測定値をもとに簡易な伝熱量解析法が提案された。伝熱量測定値と解析結果とは,比較的よく一致した。なお本報告酋は、Third International Conference on "Liquid Metal Engineering and Technology in Energy Production" April 1984 , Oxfordにおける発表の予稿と同じものである。
布留川 修*; 井口 達郎*; 古谷 章; 服部 直三
Proceedings of 3rd International Conference on Liquid Metal Engineering and Technology in Emergy Production, 0 Pages, 1984/00
ナトリウム自由液面上部のカバーガス空間における、放射及び自然対流の共存する熱伝達について実験的研究を行った。ナトリウム液面からミストの存在するカバーガス空間を通し、上壁へ輸送される熱量が測定された。液体ナトリウム及びミストの付着したステンレス鋼の熱放射率ならびにミスト空間の熱放射特性などの物理量も平行して測定された。これらの物理量測定値を基に簡易な伝熱量解析法が提案された。伝熱量測定値と解析結果とは比較的良く一致した。
金沢 光雄*; 阿部 定好*; 大坪 章*; 井口 達郎*
PNC TN941 84-42, 29 Pages, 1983/03
試作「常陽」MK-2炉心材料照射リグおよび燃料材料照射リグの水中での圧力損失測定試験と高温Na中での浸漬試験を1983年4月から1983年5月の間に実施した。本試験の結果,以下の事項が明らかになった。1)試作CMIRの圧力損失測定試験では,定格レイノルズ数1.58104のときの圧力損失係数は,75.6であった。この値は,設計値とほぼ一致した。2)試作SMIRの圧力損失測定試験では,定格流量での全体圧損値は,0.5806kg/cm2(実験値に対して設計値は12.5%大)又,この時のオリフィスの圧損値は,0.5194kg/cm2(実験値に対して設計値は32%小)であった。3)試作CMIRとSMIRのNa浸漬,Naドレイン,予熱保持を実機使用条件下で実施し,その後の諸検査に供する試験体として燃料材料試験部へ提供した。今回の試験データは,別に実施される試作CMIRとSMIRの洗浄および解体検査結果と共に実機の照射後試験に反映される予定である。
金沢 光雄*; 高橋 伸友*; 大坪 章*; 井口 達郎*
PNC TN941 83-33, 35 Pages, 1983/03
「常陽」MK―II照射炉心試作特殊燃料集合体(A型)の高温ナトリウム中における流動耐久試験および水とアルコールによるナトリウム洗浄試験を実施した。ナトリウム流動耐久試験は,ナトリウム温度600,流量10kg/sec,コールドトラッブ温度120の条件で通算1278時間実施した。本試験の結果,以下の事項が明らかになった。1)ナトリウム流動試験によって得た圧力損失係数は,レイノルズ数1.7106のとき6.56であった。この値は,水流動試験結果とほぼ一致した。2)高温ナトリウムでの流動耐久試験期間中,圧力損失の経時変化は認められなかった。3)試験終了後,試験体の洗浄によって除去したナトリウム量は,約48gであった。また洗浄後の目視検査では,異常は認められなかった。以上の結果,今回の試験の範囲において,試作特殊燃料集合体(A型)の流動特性,耐久性および洗浄性には,問題ないと言える。また,今回の試験データは,別に実施される解体検査結果と共に実機のA型特殊燃料集合体の設計および製作に反映される予定である。
大坪 章*; 金沢 光雄*; 阿部 定好*; 井口 達郎*
PNC TN941 83-32, 64 Pages, 1983/03
「常陽」A型特殊燃料集合体には,「もんじゅ」或は「常陽」MK―II試験燃料照射ダクトが組込まれる。本試験では,これらの各要素単体状態及び組込み状態で,損失係数実験及び電解液注入実験を行い,集合体内流量配分を評価する実験データを得た。本試験から得られた主な結論は次の通りである。「常陽」MK―II試験燃料照射ダクトを組込む場合には,照射ダクト周囲に広いギャップが出来るので,ギャップをせばめ漏洩流を減少させるように設計変更する必要がある。「もんじゅ」試験燃料照射ダクトを組込む場合には,本試験で得られた損失係数を用いて,照射ダクトの上流部に取り付けるべきオリフィス径を決めればよい。本試験は,断面積の大きいドライバー燃料集合体について測定された損失係数を用いて,断面積の小さい照射ダクトヘの流量配分量を求めるといったような,精度をあけにくい試験で,実験誤差は必ずしも小さくない。従って,実際の炉内での最初の試験ではTED(Tem―peratureDifference)温度計等で,本燃料集合体の熱流力特性を十分に把握するように努めるのが望ましい。
姫野 嘉昭; 金沢 光雄*; 高須 宏雄*; 井口 達郎*
PNC TN941 82-268, 14 Pages, 1982/12
「もんじゅ」では一次冷却系の各機器,配管類からのNa微小漏洩の早期検主を目的に,漏洩検出系の開発が進められている。そこでは検出系の検出遅延時間および検出下限の評価のため,現在各方面で進められているR&Dのデータとともにエアロゾル発生速度データが必要とされている。本試験では「もんじゅ」の格納容器内窒素零囲気を模擬した下記の試験条件でこのエアロゾル発生速度を測定した。Na温度‥200550、H/2中のH/2O濃度‥0.04%1.0%、H12中のO/2濃度‥0.1.5,3.0%、Na表面積‥20と80cm2、測定で得た結果によると,はO/2,濃度には敏感であるがH/2O濃度による変化は少く,Arカバーガス中へのNa蒸発率eと類似なNa温度依存性を示すことが明らかにされた。
姫野 嘉昭; 高須 宏雄*; 金沢 光雄*; 井口 達郎*
PNC TN941 82-197, 32 Pages, 1982/09
Naエアロゾルのin-situ粒径測定器としてレーザを使用する方式を選び,その開発の可能性を調べるための基礎試験を行った。測定原理は静止ガス中の粒子の重力沈降速度をレーザドップラー法で測定し,得られた速度データをStockesの式で粒径に換算するものである。また被測定粒子はこれまで取扱の経験があるNaミストを用いた。試験は大きく二つに分かれる。第一段階ではカスケードインパクタを用いてNaミストの粒径分布を測定し,更にNaミスト用に改造したABCコードを用いて粒径分布解析を行い,実測した粒径分布の妥当性を検討した。第2段階ではこのようにして得られた粒径分布を基準データとして,レーザを用いたNaミスト粒径の測定を行った。今回の試験ではレーザ法による粒径検出範囲は約1m以上であった。エアロゾル測定器としては約0.5mまで測定できる必要があるが,このためには測定器の信号処理法を改善する必要が認められた。
宮口 公秀*; 佐藤 和二郎; 井口 達郎*
PNC TG033 82-01(5), 16 Pages, 1982/01
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高須 宏雄*; 磯崎 三喜男*; 姫野 嘉昭; 井口 達郎*
PNC TN941 81-73, 270 Pages, 1981/04
FBRの試験研究において,試験装置の設計および実験データの解析のため種々の物性値を頻繁に使用する。本報告は比較的使用頻度の高い物性値を図表にまとめ,利用の便利さを計ることを目的とし作成した。本報告の内容は,ナトリウム,アルゴン,ヘリウム,304ステンレス鋼,36ステンレス鋼,および21/4Cr―1Mo鋼の物性値を最高温度800までの範囲にわたって示したもので,PNC報告書「ナトリウム物性値の実用計算式」N94175-19の内容を増補改訂したものである。
佐々木 修一; 西沢 賢一*; 姫野 嘉昭; 服部 直三*; 井口 達郎*
PNC TN941 81-06, 75 Pages, 1981/01
高温で長時間使用されるナトリウム試験施設では粒状不純物が特定場所に堆積する。同様なことはFBRの冷却系でも起こり,特に一次系では放射性腐食生成物の堆積は周囲の放射線レベルを増加させることが考えられる。粒状不純物に関しては,これまで断片的な実験情報が得られているのみで系統的なR&Dは行われていない。従ってFBRの冷却系でこれら粒状不純物が,いかなる挙動を示すかは明らかではなかった。ここでは粒状不純物の成分組成,濃度,粒径分布およぴ捕集方法に関する情報を得る目的で一連の試験を行った。捕集手段として機械的な方法であるメッシュフィルタと電磁気的な方法である磁気フィルタを用いた。本試験結果を要約すると以下の通りである。使用した試験装置の粒状不純物濃度は15ppbで,ループ主循環系の流速に強く依存し,粒子の沈降が濃度を支配する。厳密な粒径分布の測定は今後の課題であるが,捕集された粒状不純物の粒径は50mからサブミクロンまでの広い範囲にまたがり,23mにピークが認められた。粒状不純物の主成分はFe(1843%),Cr(4.418%),Mn(49%),Ni(23%),Si(34%)であった。粒状不純物の捕集手段として今回使用したメッシュフィルタ,磁気フィルタはともに有効であった。
二ノ方 壽; 井口 達郎*
11th LIQUID METAL BOILING GROUP MEETING, ,
局所的または全炉心的に出力/流量比の極端な不整合が生じた場合、燃料集合体内の沸騰の可能性を考慮して、燃料の健全性、事象の展開を定量的に把握する必要がある。本発表では、これらの事象を解析する手段の開発、検証結果を中心に用いられたモデル、数値計算上の妥当性を議論する。沸騰2相流のモデルとしては、熱力学的及び力学的非平衡を考慮した2流体モデルを採用した。SABENAコード開発過程で、2流体モデルに伴う複雑な非線形方程式系の解法上の問題を解決し、各種の実験解析及び実機解析への適用が可能となった。特に、SLSF-W1試験、KfK LOF試験及びPNCの沸騰 試験等に適用して解析作業を実施した結果、多くの知見が得られたと同時に解析モデルの妥当性が検証された。