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今野 廣一; 伊藤 誠仁
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(7), p.771 - 777, 2002/07
被引用回数:19 パーセンタイル:74.77(Nuclear Science & Technology)前報にて求めたPu濃度1040%の被照射FR用MOX燃料の固相線温度式を使用し、熱力学モデルによる未照射MOX、Amおよび溶解性FPsの固相線温度に対応する液相線温度を求めた。O/M比の変化による液相線温度については、実験データから導いた。これらの各々の液相線温度式からFR用被照射MOX燃料の液相線温度式を導いた。被照射MOX燃料の固相線および液相線温度を測定したデータはわずかにANL,J.G.Reavisらの報告のみであるが、この測定結果は固相線および液相線温度式で求めた温度と実験誤差内で良く一致した。液相線及び固相線温度の温度差は燃焼に伴い拡大することが、本件液相線温度式から導かれた。
今野 廣一; 廣沢 孝志
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(7), p.771 - 777, 2002/00
124GWd/tまで照射した(Pu0.29U0.71)O2燃料と(Pu0.29U0.71)O2燃料に非放射能溶解性核分裂生成物を加えて燃焼度250GWd/tを模擬した燃料の融点(固相線)を測定した。(Pu0.18U0.82)O2と(Pu0.17U0.83)O2燃料の融点測定時点でのPu組成比およびO/M比を推定し、これらの作業から融点式を導いた。混合酸化物に対し、融点の低下が飽和する傾向を示した。
今野 廣一; 廣沢 孝志
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(7), p.596 - 604, 1998/10
被引用回数:13 パーセンタイル:66.16(Nuclear Science & Technology)未照射混合酸化物燃料に非放射能溶解性核分裂生成物を加えて燃焼度50, 90, 130, 170, 210, 250GWd/tを模擬した燃料(SIMFUEL)の融点を測定した。燃焼度110.6および119.0GWd/tの照射混合酸化物燃料の非放射能溶解性核分裂生成物を加えて燃焼度250GWd/tを模擬した燃料の融点と250GWd/t燃焼模擬燃料の融点を比較した。燃焼模擬燃料の融点の低下は燃焼度の増加につれて飽和傾向を示した。前回測定した21件のデータに実験的回帰分析法を適用して導いた式の第5項のみを改定した融点式を導いた。Tm=3,133.8-460X1-980X2-0.66X3+0.0008(X3)2ここでTmは融点の期待値(k),X1はプルトニウム組成比(Pu/(Pu+U)),X2はアメリシウム組成比(Am/(Pu+U+Am)),X3は燃焼度(GWd/t)である。融点測定後の試料についてX線微小分析により添加元素の分布を測定し、各元素同士の相関について評価した。
今野 廣一; 石川 真; 檜山 敏明; 田中 健哉
動燃技報, (107), p.111 - 114, 1998/09
先進技術協力に基づくPNC/CEA専門家会議が1998年4月22日4月24日にフランス原子力庁カダラッシュ研究所にて開催された。討議された分野は、マイナーアクチニド(MA)入り燃料,窒化物燃料,セラミックス及び炉物理についてである。さらにフランス製セラミックスの実験炉「常陽」での照射の可能性についての検討が行われた。各分野毎に双方から研究開発の現状とその成果について報告があり、討議が行われた。またCEAよりPhenix炉の2004年停止に向けて積み残しがないように精力的に照射試験を行っていることの報告がなされた。実験炉「常陽」でのフランス製セラミックスの照射についてはMK-III炉心移行後のサイクルで照射を行なうべく、引き続き検討してゆくこととなった。
佐藤 勇*; 古屋 廣高*; 今野 廣一; 有馬 立身*; 山本 一也
PNC TY9606 98-003, 99 Pages, 1998/06
高速炉燃料の高燃焼度化で燃料内への多量の核分裂生成物(FP)の蓄積、余剰酸素の生成による酸素分圧の上昇等の現象が予想される。特に高収率で生成されるMo、Cs、Zr等のFPはその化学的性質から燃料内の諸現象において重要な役割をすることが知られている。本研究は、このような高燃焼度燃料内のFPの分布状態及び移動挙動とこれらの挙動に影響を及ぼすと考えられる酸素ポテンシャルに注目し、Mo、Cs、Zr等のFP挙動を総合的に評価することを目的として、平成8年度より九州大学と動燃事業団との3年間の共同研究として実施している。平成9年度は下記のような2部構成で、固体FPの挙動、酸素ポテンシャルに対する被覆管の酸化及び腐食挙動について測定、評価を実施し、次のような結果を得た。第1部:SXMA及び画像解析による固体FPの挙動評価・照射後燃料中の白色金属析出物構成元素の濃度分布を測定し、Pd,Moにおける燃料径方向移動の燃焼度依存性を評価したところ、Pdは10at%程度の燃焼度において燃料外周部への移動が確認され、さらに低い燃焼度でも移動している可能性があり、Moは13at%の燃焼度に達した燃料でのみ外周部への移動が確認された。また、Zr-Ba系析出物について組成を測定したところ析出物の組成はおおよそ、O:U:Pu:Ba:Zr:Mo=3:0.118:0.063:1.039:0.811:0.011であった。第2部:改良型SUS316の酸化・腐食挙動・平成8年度から実施している酸化実験を継続実施し、さらに極低酸素分圧下での酸化実験を行い、酸化挙動の酸素分圧依存性を観察した。また、FPによる腐食の効果を評価するために腐食試験装置を作成し、腐食量評価方法を確立した。
今野 廣一; 廣沢 孝志
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(7), p.494 - 501, 1998/00
燃焼度124GWd/tまで高速実験炉「常陽」にて照射したプルトニウム冨化度約29%の混合酸化物燃料の融点測定とその測定時点での組成を算出したこれら21件のデータに実験的回帰分析法を適用して以下の式を導いた。y=2885.22-545X1-980X2-0.66X3+0.0012(X3)2 ここでyは融点温度()、X3は燃焼度(GWd/t)である。燃焼度50,100および150GWd/tでの融点での低下割合は、10GWd/t当たりそれぞれ5,4および3が上式からもとまり融点の低下が飽和する傾向が導かれた。溶解性核分裂生成物に起因する融点低下度を理想溶液モデルで説明することは出来なかったが、PuおよびAmのようなアクチナイドについては、理想溶液モデル説明できた。
小山 真一; 大塚 優子; 今野 廣一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 梶谷 幹男
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(6), 406 Pages, 1998/00
被引用回数:13 パーセンタイル:70.95(Nuclear Science & Technology)動燃における先進的核燃料リサイクル技術開発において、AGSではマイナ-アクチニド核種を含有するMOX燃料の基礎物性及び照射挙動研究を行っており、その評価のためには燃料中に存在するNpの定量分析技術の確立が不可欠となる。分析は、初めに標準試料を用いた基礎試験により最適な条件を把握し、それを実燃料に適用した。分離法としてイオン交換法を選択し、またイオン交換回収率を把握するため、Npの同位体であるNp-239をトレ-サ-として使用する方法を確立した。製造時にNpを含まず、最大120GWd/tまで照射したC型特殊燃料ピンを分析対象に選択し、その中に極微量含まれるNp-237含有率を分析し、広範囲な燃焼度依存性を求めた。
逢坂 正彦; 小山 真一; 大塚 優子; 三頭 聰明; 滑川 卓志; 今野 廣一
PNC TN9410 98-020, 70 Pages, 1997/12
高速炉におけるNp消滅率の中性子エネルギースペクトル依存性及び中性子照射量依存性等の消滅特性の評価を目的として,照射済MOX燃料中のマイナーアクチニド核種分析技術を適用して,高速実験炉「常陽」にて照射されたNpドシメータの化学分析を行った。NpドシメータはNpO粉末(以下パウダーとする)の形状でバナジウム(以下Vとする)製のキャプセルに封入されているため,分析にあたってはVを除去する必要があった。本研究によって得られた成果は以下の通りである。(1)Npドシメータ化学分析のための試料調整法として,パウダーを100%回収するためにドシメータをキャプセルごと溶解し,溶解液中よりV等の不純物を除去するキャプセル溶解法を確立した。(2)キャプセル溶解法を用いて試料調整を行い,線計測,線計測及び同位体希釈質量分析によりNp,Pu同位体,Cs及びAmの定量分析を行い,Npの消滅率を算出した。消滅率は炉中心で核分裂消滅率の割合が高く,炉上下端で捕獲消滅率の割合が高くなることが分かった。(3)「常陽」運転監視コードMAGIの計算値を用いて断面積で重みづけした中性子照射量を定義し,分析値との比較評価を行った結果,両者は良い一致を見せ,Np消滅率の中性子エネルギースペクトル依存性を確認した。
小山 真一; 大塚 優子; 逢坂 正彦; 今野 廣一; 梶谷 幹男; 三頭 聡明
Proceedings of International Conference on Future Nuclear Systems (Global'97), Vol.2, 0 Pages, 1997/10
動燃では、照射済MOX燃料中のAmとCmの化学分離を行うため、(v)価のビスマスによるAm(III)のAm(VI)への酸化と、リン酸ビスマスによるCm(III)の共沈による迅速な分離法を研究した。そして、酸化及び共沈の最適条件を用いることによって、高速実験炉「常陽」で照射したMOX燃料に含まれるAm分離のための新しいフローを策定した。開発した手法は、Pu及びCmが混入しないAmを得ると同時に燃焼によるAmの同位体変化を分析するため役立つものである。
佐藤 勇*; 古屋 廣高*; 今野 廣一; 有馬 立身*; 山本 一也; 梶谷 幹男
PNC TY9606 97-001, 117 Pages, 1997/07
高速炉燃料の高燃焼度化で燃料内への多量の核分裂生成物(FP)の蓄積、余剰酸素の生成による酸素分圧の上昇等の現象が予想される。特に高収率で生成されるMo、Cs、Zr等のFPはその化学的性質から燃料内の諸現象において重要な役割をすることが知られている。本研究は、このような高燃焼度燃料内のFPの分布状態及び移動挙動とこれらの挙動に影響を及ぼすと考えられる酸素ポテンシャルに注目し、Mo、Cs、Zr等のFP挙動を総合的に評価することを目的として、九州大学と動燃事業団との3年間の共同研究として実施している。平成8年度は共同研究の初年度として下記のような3部構成で研究を実施し、Moの移動メカニズム解明のため1、2部を、酸素ポテンシャルに対する被覆管酸化の影響評価のために3部を実施し次のような結果を得た。第1部:Moの気相移動化学形の計算による評価・熱力学解析プログラムSOLGASMIX-PVを用いて、高燃焼度燃料内のMoの移動化学形を推測したところ、MoO3がもっとも安定に存在しうることがわかった。第2部:画像解析を用いた白色金属相の分布評価・金相写真から確認される白色金属析出物断面の面積を測定し、統計的手法を用いて析出物サイズの分布状態を把握する手法を検討した。第3部:改良型SUS316の酸化挙動・比較的高酸素ポテンシャルを制御した系で改良型SUS316の酸化試験を行った。その結果、酸化速度は放物線則を示すことが分かった。低酸素ポテンシャル下の酸化、腐食試験のデータが必要であることが分かった。次年度以降は、MoO3による気相移動モデルの構築、照射後試験による白色金属相分布データの評価、第3部で課題になった酸素ポテンシャル中の腐食試験を実施する予定である。
今野 廣一; 山本 一也; 小又 智; 久田 雅樹; 廣沢 孝志; 望月 信一; 三治 優子
PNC TN9440 97-006, 335 Pages, 1997/06
平成6年10月よりAGS技術検討会を開始し、平成8年度から若手研究者の育成を基本として、第3週の金曜日の午後に開催するように定例化し室員の全員参加を基本として運営してきた。これまでに開催された討議、報告および検討した内容は、1MA含有燃料作製設備の整備、マニプレータ補修等の業務内容報告および高燃焼度燃料内の固体FPの挙動評価試験研究成果の中間報告である。2融点測定装置の評価手法、セル、グローブボックス等の漏洩率検出法、高温測定系の取扱い、AGFの遮蔽性能等の調査・検討報告。3照射効果、燃料中のFP挙動、炉事故下の燃料挙動、高燃焼度での燃料のモデリング等の海外文献の抄訳。4測定誤差評価についての講義。5測定誤差の統計解析の翻訳紹介。である。本報告書は、この技術検討会に提出された資料をまとめたものである。
小山 真一; 逢坂 正彦; 三頭 聡明; 今野 廣一; 梶谷 幹男
PNC TN9410 97-054, 44 Pages, 1997/04
極微量のAmを分析するには、化学的特性の類似するCmとの分離が必要である。AmとCmの化学分離方法として、(V)価のビスマスによるAmの酸化と、それに続くリン酸ビスマスによるCmの共沈を利用し、Pu富化度約30wt%、初期Am含有量0.9wt%で、最大で26.2GWd/tまで高速実験炉常陽にて照射したMOX燃料中のAmを分析した。本試験は、照射済燃料中からCmを含まないAmを取得し、その同位体組成比を求め、照射による組成比の変化を評価することを目的として行った。得られた結果は以下の通りである。(1)MOX燃料に含まれるAmを単離し、その同位体組成比(Am、Am、Am)を求めることができた。また、Am、Amの同位体比組成比は、最大で26.2GWd/tまでの燃焼度において、それぞれ0.62at%、0.82at%まで増加した。(2)照射によるAm同位体組成の変化を観察するため、燃焼度で整理し、その依存性を明らかにした。燃焼に伴うAm同位体組成比の変化、即ちAmの減少、Am、Amの増加は、燃焼度に対して直線的であることが確認された。
梶谷 幹男; 西野入 賢治; 阿部 和幸; 逢坂 正彦; 今野 廣一; 廣沢 孝志; 小山 真一
PNC TN9440 97-004, 186 Pages, 1997/02
平成9年2月7日に照射燃料試験施設(AGF)ホットイン25周年記念成果報告会を開催した。AGFは1971年(昭和46年)10月1日に放射化材料試験ループを使用してのホットイン、引き続き12月から常陽燃料仕様燃料ピンの定常照射試験(DFR332/2燃料ピン)の照射後試験を開始して25年を迎え、その記念行事としてOBに対する施設見学会、記念成果報告会及び懇親会を開催したものである。本報告書は、この記念成果報告会で発表したOHP原稿を取りまとめたものである。発表内容は、 1.AGF25年の歴史と経緯及び西暦2000年に向けての取り組み 2.AGF25年間の施設、設備およびマニプレータの保守実績 3.AGFでの物性測定(融点、熱伝導度、X線回折)の最近の成果 4.核分裂生成物放出挙動試験装置の開発経緯とコールド試験の結果 5.照射燃料集合体試験施設の金相試験セルを利用した燃料挙動のこれまでの成果 6.照射済MOX燃料中のMA(Np,Am,Cm)分析手法の開発状況 7.MA含有燃料作製設備の整備状況と各装置の概略仕様の紹介である。
逢坂 正彦; 小山 真一; 大塚 優子; 三頭 聡明; 今野 廣一; 梶谷 幹男
PNC TN9410 96-297, 79 Pages, 1996/11
Np, Am, Cm等のMA核種を含有するMOX燃料の照射挙動とMA核種の燃焼特製評価の研究の一環として,燃料中に含まれるMA核種定量分析技術の開発を行っている。本研究では線計測を用いたNpの分析法を引き続き、Am及びCm分析法の確立のためにAmとCmの相互分離手法の検討を行った。Am及びCmには照射済燃料中に極微量しか含まれていない同位体が存在し、これらは放射線計測では検出限界以下の量であり、また同位体種類が多くかつ互いに線エネルギーが接近していることから放射線計測を用いたAm, Cmの核種分析が困難であるという問題点 を有する。このため燃料中の極微量なAm, Cmの同位体を,質量分析法を用いて 分析することでAm, Cmの全量の定量分析を行うことを目的に、標準試料を用いてビスマス酸ナトリウムによるAmの酸化及びリン酸ビスマスによるCmの共沈によるAm/Cm相互分離手法の開発を行った。また本手法の照射済燃料への適用性についての検討を行った。結果は以下の通り。Am/Cm相互分離条件把握試験を行い、Am, Cmそれぞれについて最適な分離条件を求めた。AmについてはCmを共沈させたリン酸ビスマス沈殿の洗浄に水を用いることによってCmを一切含まないAmを取得することができ、CmについてはAm残存比(Am/Cmの放射能の分離前に対する比)を1/10以下に低減出来た。照射済燃料へ適用した結果,標準試料を用いた試験と同等のAm, Cm残存比及び回収率が得られ,種々の照 射済MOX燃料に対しても本手法が適用出来る見通しを得た。Amフラクションに対して質量分析を行い,放射線分析では検出限界以下で定量が不可能であった微量のAmの同位体比を測定した。その値はAm:nAm:Am=98.55%:0.62%:0.83%である。また本分析結果より質量数240及び244の同位体存在比が0であることを測定し、AmフラクションへのCmの混入が無いことを確認した。
小山 真一; 逢坂 正彦; 大塚 優子; 今野 廣一; 梶谷 幹男; 三頭 聡明
PNC TN9410 96-301, 61 Pages, 1996/10
動燃における先進的核燃料リサイクル技術開発において,照射燃料試験室では,マイナーアクチニド(MA)核種を含有するMOX燃料の照射挙動とMA核種の燃焼挙動評価の研究を行っている。その一つとして,「常陽」で照射した,約0.9wt%のAmを含有したMOX燃料ピン(B8-HAMピン)のAm含有量を分析し,その燃焼度依存性を評価した。その結果,B8-HAMピンに含まれるAm含有量の燃焼度依存性は観察されず,最大燃焼度26.2GWd/tまでの範囲において,約1%程度のほぼ一定の値を示した。これは,ORIGEN2による計算値との比較等から,「常陽」での照射中の消滅と(各サイクル間の)冷却期間におけるPuからの生成が均衡していることによるものと考えられる。
今野 廣一
PNC TN9100 95-009, 257 Pages, 1995/07
本報告は、平成7年6月8日、15日、22日、29日および7月6日の計5回(9:1516:00)にわたり東海事業所で行った、「統計手法と保障措置」の講義と補足説明に使用した事例をまとめたものである。核物質計量担当者および化学分析担当者を対象に行った講義および実習の内容は、1.統計の基礎2.測定誤差について3.誤差伝播4.MUF分散計算手法5.サンプリング理論である。
今野 廣一
PNC TN8420 94-008, 8 Pages, 1994/03
平成5年6月7日午前5時40分頃、プルトニウム燃料第三開発室において発生した連続焼結炉の作動不良については、炉内状況の観察の結果、台板の競り上がりによるヒーターの断線と台板の押し出し不能によることが判明した。この台板の競り上がりが発生する条件の検討及びMo製ヒーターが設定された押し出し力のもとで切断される可能性について解析を行った。当初から設定されていたトルクリミッター値で発生する台板への押し出し力で台板が競り上がるためには、1台板を押す方向の反対側が固定されていること。2炉床の台板進行方向の水平線に対し、あらかじめ台板が傾いていること(臨界角度の存在)。が必要である。炉床と台板の隙間に落下した異物(ペレット)等による臨界角度以上の傾きがなければ、トルクリミッター設定値内で競り上がりは発生しない。Mo製ヒーターの引張強さは、常温で大きな値であるが、1700度Cでの引張強さと剪断応力の計算結果から剪断力の方が引張強さより大きい。再発防止対策の一つとしてトルクリミッター設定値の妥当性確認のためにモーター部とメインプヤー部を繋ぐチェーンに歪みゲージを設置し、発生する応力を記録している。その測定結果によると最大応力は約150kgfを示している。メインプヤーに働く力F=150・(170/60)=425kgfから、本解析で求めた591kgfより小さな値である。これは摩擦係数が想定した値より若干小さく、かつ実績では22スキッド全てにペレットが装荷されていないことによるものと言える。