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Lee, S.*; 仲田 光樹; Tchernyshyov, O.*; Kim, S. K.*
Physical Review B, 107(18), p.184432_1 - 184432_12, 2023/05
被引用回数:1 パーセンタイル:92.2(Materials Science, Multidisciplinary)超対称量子力学に基づき、反強磁性スカーミオン構造を有する磁壁中のマグノンのトポロジカル量子輸送物性を明らかにする。スカーミオン型の磁気構造を有する磁壁中を伝搬するマグノンは、一種のゲージ場として作用する有効磁場を獲得する。そこで、この有効磁場中でのマグノンの反射・屈折現象を超対称量子力学に基づいて解析し、その伝搬および束縛マグノン状態を明らかにする。そして、ラウダウアー公式を用いて、磁壁のカイラリティが増加するにつれてマグノンによる熱流が減少することを明らかにする。本研究はスピンホール効果を活用した熱流の制御方法を理論的に提案する。
仲田 光樹; 鈴木 渓
Physical Review Letters, 130(9), p.096702_1 - 096702_6, 2023/03
量子場の真空ゆらぎによって創発されるカシミア効果は、古典力学には対応物が存在しないという意味において真に量子力学的な効果である。しかし、カシミア効果はこれまでフォトン(光子)を舞台に研究されており、磁性体中でのカシミア効果、特にそのカシミアエネルギーの膜厚依存性については十分な理解は得られていない。そこで本研究では格子場の理論の観点から、磁性絶縁体中のスピン波を量子化したマグノンに着目し、マグノン量子場により創発されるカシミア効果「マグノン・カシミア効果」及びその膜厚依存性を明らかにする。更に反強磁性絶縁体だけでなくフェリ磁性絶縁体(例:YIG)においてもマグノン・カシミア効果が創発することを示し、スピントロニクス分野で中心的な役割を担うYIGがカシミア効果の工学的応用を目指すカシミアエンジニアリング分野にとっても絶好の舞台であることを明らかにする。本研究は、マグノン・カシミアエンジニアリングの基礎学理の構築に大きく貢献することが期待される。
仲田 光樹; 大沼 悠一*; Kim, S. K.*
Physical Review B, 105(18), p.184409_1 - 184409_7, 2022/05
被引用回数:2 パーセンタイル:37.1(Materials Science, Multidisciplinary)普遍的熱磁気法則「マグノンWiedemann-Franz則」が非線形応答領域において破れることを理論的に解明することに成功した。
仲田 光樹; 大沼 悠一*
Physical Review B, 105(14), p.144436_1 - 144436_7, 2022/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)直線偏光レーザー照射下の磁性絶縁体接合系で創出されるマグノンスピン流の生成機構を明らかにする。
仲田 光樹
Physical Review B, 104(10), p.104402_1 - 104402_12, 2021/09
被引用回数:1 パーセンタイル:8.34(Materials Science, Multidisciplinary)光学的マグノンBarnett効果を活用することにより、反強磁性絶縁体中のネール磁気秩序相をスピン偏極させることができる。このスピン偏極由来の高周波マグノンを凝縮させて接合系を構成すると、非平衡マグノン凝縮体に特有の巨視的量子干渉効果により、スピンJosephson効果が創発することを理論的に解明した。特に、従来の強磁性絶縁体や反強磁性絶縁体中のネール磁気秩序相のものと比較して、スピンJosephson効果の振動周期が桁違いに短くなることを明らかにした。この理論的提案を具現化することにより、超高速スピン輸送を実現させることができると期待できる。
仲田 光樹; Kim, S. K.*
Journal of the Physical Society of Japan, 90(8), p.081004_1 - 081004_10, 2021/08
被引用回数:1 パーセンタイル:31.34(Physics, Multidisciplinary)マグノンのトポロジカルホール効果について総括する。特に、強磁性絶縁体,反強磁性絶縁体,フェリ磁性絶縁体、それぞれのトポロジカル物性(例:スピンHall効果,スピンNernst効果,熱Hall効果)を解説し、幾何学的位相の観点から統一的な視点を与える。
仲田 光樹
固体物理, 56(8), p.429 - 439, 2021/08
マグノンを舞台とし、Bose粒子が満たす熱磁気法則「マグノンWiedemann-Franz (WF)則」を解説する。19世紀半ばあたりまで、熱を微小な粒子のようなものととらえる「熱素説」が信じられていた。1853年(嘉永6年)、黒船にのったペリーが浦賀に来航した年に、欧州ではWiedemannとFranzが、現在ではWF則として知られる普遍的熱電法則の礎となる、実験結果を報告した。このWF則は元来、Fermi統計に従う電子の物語である。それでは、Fermi粒子ではなく、Bose粒子の場合、対応する輸送法則は存在するのか。特にBose粒子版のWF則はどのように定式化され、どのような温度依存性を示すのか。この素朴で基礎的な問いについて、一つの知見を与え、総括する。
仲田 光樹; 大沼 悠一*
Physical Review B, 104(6), p.064408_1 - 064408_8, 2021/08
被引用回数:8 パーセンタイル:63.47(Materials Science, Multidisciplinary)従来のボルツマン方程式を量子場の理論の観点から拡張した量子ボルツマン方程式に基づき、マグノン熱輸送の量子力学的な性質を明らかにした。
仲田 光樹; 高吉 慎太郎*
Physical Review B, 102(9), p.094417_1 - 094417_11, 2020/09
被引用回数:8 パーセンタイル:54.31(Materials Science, Multidisciplinary)いわゆる光学的Barnett効果[A. Rebei and J. Hohlfeld, Phys. Lett. A 372, 1915 (2008); J. Appl. Phys. 103, 07B118 (2008)], i.e., 円偏光レーザー誘起磁化成長[S. Takayoshi et al., Phys. Rev. B 90, 214413 (2014); S. Takayoshi et al., Phys. Rev. B 90, 085150 (2014)]をフェリ磁性絶縁体に応用し、THz領域におけるマグノン凝縮機構を微視的に解明した。これはBose統計に従うマグノンに特有の巨視的量子効果である。本研究が提供するTHzマグノン凝縮体を活用することで、従来の強磁性絶縁体中のものよりはるかに高速のスピン輸送「巨視的量子干渉効果によるJosephsonスピン流」を実現することができる。
仲田 光樹; 大沼 悠一*; 松尾 衛*
Physical Review B, 100(1), p.014406_1 - 014406_8, 2019/07
被引用回数:1 パーセンタイル:4.85(Materials Science, Multidisciplinary)強磁性絶縁体接合系と比較し、不純物散乱をうける磁性絶縁体バルク中のマグノン流ノイズはに抑制されることを明らかにした。
仲田 光樹; Kim, S. K.*; 高吉 慎太郎*
Physical Review B, 100(1), p.014421_1 - 014421_9, 2019/07
被引用回数:8 パーセンタイル:46.67(Materials Science, Multidisciplinary)巨視的磁化が無いため これまでスピントロニクス分野で見落とされていた「Neel磁気秩序を有する反強磁性絶縁体」に着目し、マグノンに宿る「トポロジカル量子物性」の創発・発芽機構をFloquet理論の観点から理論的に確立・解明した。特に 「マグノン」に特有の「電場誘起の幾何学的位相」を活用し、「時間反転対称性により保護されたトポロジカル物性」の制御・デザイン方法を確立した。本研究により 反強磁性絶縁体に固有の「非平衡トポロジカル物性」のレーザー制御・光デザインが実現可能になる。2018年に量子光学分野の発展に対してノーベル物理学賞が与えられたことに象徴される通り、昨今のレーザー技術の進展は目覚ましい。本研究はそうした「量子光学」分野と「マグノンスピントロニクス」分野を紡ぎ、両者に「光マグノンスピントロニクス」という新たな架け橋をかける革新的研究と位置づけられる。
仲田 光樹; 大沼 悠一*; 松尾 衛*
Physical Review B, 99(13), p.134403_1 - 134403_7, 2019/04
被引用回数:4 パーセンタイル:22.33(Materials Science, Multidisciplinary)マグノン流に内在する量子力学的性質「量子ゆらぎ物性」をスピン流雑音の観点から理論的に研究し、マグノン流の非可換性由来の非対称マグノン流量子雑音を解明した。
Kim, S. K.*; 仲田 光樹; Loss, D.*; Tserkovnyak, Y.*
Physical Review Letters, 122(5), p.057204_1 - 057204_6, 2019/02
被引用回数:45 パーセンタイル:93.54(Physics, Multidisciplinary)フェリ磁性スカーミオン結晶中のトポロジカルマグノンホール効果、およびその熱制御方法を理論的に提案する。
仲田 光樹; 大沼 悠一*; 松尾 衛*
Physical Review B, 98(9), p.094430_1 - 094430_8, 2018/09
被引用回数:11 パーセンタイル:49.61(Materials Science, Multidisciplinary)強磁性絶縁体中のマグノンがもたらすスピン流/熱流に着目し、物質によらない「ゆらぎの普遍的熱磁気関係式」を紹介する。マグノン輸送に内在する量子統計力学的効果「ゆらぎ」を、マグノン流ノイズ(雑音)の視点から従来のマグノンWiedemann-Franz則に取り込み、「熱-磁気-ゆらぎ」三者を紡ぐ「ゆらぎのマグノンWiedemann-Franz則」を提示する。さらに、熱ノイズ(平衡ノイズ)と比較して非平衡ノイズが支配的となるマグノンショットノイズ領域に着目し、線形応答領域のみならず非線形応答領域においても成立するスピンFano因子の普遍的なふるまいを紹介する。
仲田 光樹
基礎科学ノート, 24(1), p.37 - 39, 2018/03
スイス・バーゼル大学から卓越研究員として着任するにあたり、スイスでの研究内容及び原子力機構での研究構想について論じる。
仲田 光樹; 大沼 悠一*; 松尾 衛*
no journal, ,
Keldysh形式(Green関数法)を用い、Fermi粒子系(電子系)に対する「Boltzmann-Langevinアプローチ」をBose粒子系(マグノン系)に発展・適用させ、量子統計性に依らない普遍的輸送物性をショットノイズ(非平衡雑音)の観点から明らかにする。
仲田 光樹; 大沼 悠一*; 松尾 衛*
no journal, ,
電子系で培われた「非平衡雑音(電流ノイズ)」に関する知見を、Keldysh形式(Green関数法)を通じて「スピン流」、特に磁性絶縁体中を流れる「マグノン流(スピン波スピン流)」に適用・応用して得られた、内在するスピン流量子物性、量子統計性に依らない普遍的輸送物性について議論する。
仲田 光樹; Kim, S. K.*; 高吉 慎太郎*
no journal, ,
巨視的磁化が無いため、これまでスピントロニクス分野で見落とされていた「Neel磁気秩序」を有する「反強磁性絶縁体」に着目し、レーザー照射下のマグノンに宿る「非平衡トポロジカル量子物性」の創発・発芽機構を解明した。特にマグノンに特有の「電場誘起の幾何学的位相」に着目し、Floquet理論に基づき、「時間反転対称性により保護されたトポロジカル物性」のデザイン・制御理論を構築した。本研究により、反強磁性絶縁体に特有な「非平衡トポロジカル量子物性」のレーザー制御・光デザインが実現可能になった。
仲田 光樹
no journal, ,
フェリ磁性体に円偏光を照射させると非平衡マグノン凝縮体を創出できることを理論的に示した。従来の力学的回転によるバーネット効果との類似性に基づき、光学的マグノンバーネット効果と位置づけられるこの巨視的量子現象の生成機構を明らかにした。この技術を活用することにより、従来よりはるかに高周波数のコヒーレントマグノンを活用することができるようになり、スピンJosephson効果等の巨視的量子干渉効果を活用したスピン輸送・スピントロニクス技術への応用が期待できる。
仲田 光樹
no journal, ,
フェリ磁性体に円偏光を照射させると非平衡マグノン凝縮体を創出できることを理論的に示した。従来の力学的回転によるバーネット効果との類似性に基づき、光学的マグノンバーネット効果と位置づけられるこの巨視的量子現象の生成機構を明らかにした。この技術を活用することにより、従来よりはるかに高周波数のコヒーレントマグノンを活用することができるようになり、スピンJosephson効果等の巨視的量子干渉効果を活用したスピン輸送・スピントロニクス技術への応用が期待できる。