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木村 尚次郎*; 大西 弘明; 奥谷 顕*; 赤木 暢*; 鳴海 康雄*; 萩原 政幸*; 奥西 巧一*; 金道 浩一*; He, Z.*; 谷山 智康*; et al.
Physical Review B, 105(1), p.014417_1 - 014417_9, 2022/01
被引用回数:3 パーセンタイル:34.67(Materials Science, Multidisciplinary)In this study, we clarify the selection rules of optical transitions from the ground state to the magnetic excited states in the quasi-one-dimensional quantum Ising-like antiferromagnet BaCoVO with spin = using the high-field electron spin resonance measurement with illuminating polarized electromagnetic waves. We demonstrate that the unconventional magnetic excitation via the pair creation of quasipaticles at wave numbers and in the field-induced quantum critical state can couple with both oscillating magnetic and electric fields. Our density matrix renormalization group calculations indicate that the observed selection rules can be explained by two- and four-fold periodical spin interactions, originating from the screw chain structure in BaCoVO, in addition to the magnetoelectric coupling between spins and electric dipoles.
中辻 知*; 久我 健太郎*; 木村 健太*; 佐竹 隆太*; 片山 尚幸*; 西堀 英治*; 澤 博*; 石井 梨恵子*; 萩原 政幸*; Bridges, F.*; et al.
Science, 336(6081), p.559 - 563, 2012/05
被引用回数:114 パーセンタイル:95.24(Multidisciplinary Sciences)フラストレートした磁性体においても最低温度まで乱れが残る場合がある。その一例がBaCuSbOであり、微視的に見ると磁気的に非対称である一方、長さ,時間スケールともに平均的に見ると対称な状態にある。われわれは、この物質において静的なヤーンテラー歪を示すことなくCuイオンのハニカム格子が、フラストレートした状態にあることを見いだした。このハニカム格子においては、スピン1/2同士が2次元的にランダムに結合しており、スピンダイマー的なブロードな励起があり、また低エネルギーのスピン自由度が残ることが見られた。
木村 尚次郎*; 松田 雅昌; 益田 隆嗣*; 本堂 英*; 金子 耕士; 目時 直人; 萩原 政幸*; 竹内 徹也*; 奥西 巧一*; He, Z.*; et al.
Physical Review Letters, 101(20), p.207201_1 - 207201_4, 2008/11
被引用回数:51 パーセンタイル:86.19(Physics, Multidisciplinary)擬一次元イジング的量子反強磁性体BaCoVOの中性子回折実験を行い、磁場中で新しいタイプの非整合磁気秩序が現れることを観測した。この秩序は本質的に古典系で予想されるネール秩序とは異なり、量子スピン鎖特有の量子揺らぎに起因する。ギャップレス量子一次元系に特徴的な朝永-ラッティンジャー液体的性質が非整合磁気秩序を引き起こしている。
伊藤 政幸*
日本ゴム協会誌, 75(2), p.68 - 72, 2002/02
本稿はゴムの網目鎖構造が関与すると考えられる未確定の問題を解明するために、放射線を利用してゴムに切断と架橋とを定量的に制御して加え、得られた試料の物性を測定し、以下の各点を明らかにした。(1)ゴムの破断伸びについて、生ゴムに架橋のみが加えられた場合には、破断伸びは架橋密度の-1/2乗に比例し、Bucheの理論と一致する。しかし切断が併発すると、短鎖網目への応力の集中と切断によって生じたFree endがゴムの伸び配向を妨害し、破断伸びは小さくなる。(2)Moony-Rivlin式のCは弾性項とみなすことができ、Cは網目鎖間分子量の大きな鎖の絡み合いによる二次網目鎖によって発現する。(3)ゴム分子鎖が切断を受け、そこに酸化生成物が付加した場合、誘電緩和時間はFree endの長さが短いほど架橋点の束縛が強く、酸化生成物(極性基)の電場での運動が抑制されて緩和時間が長くなる。
伊藤 政幸
Isotope News, 0(505), p.14 - 15, 1996/06
「第33回理工学における同位元素研究発表会」の要旨集に目を通して、本発表会の構成、特長、内容の概要を紹介し、印象と期待を述べた。
坂口 創*; 鈴木 宏之*; 萩原 啓実*; 海谷 啓之*; 竹井 祥郎*; 伊藤 政幸; 柴部 禎巳; 広瀬 茂久*
American Journal of Physiology; Cell Physiology, 271(4), p.R926 - R935, 1996/00
Iで標識したウナギ心房性ナトリウム利尿ペプチド(eANP)を腹部動脈また背部動脈から、淡水と海水に適応したウナギ、Anguilla japonicaに投与し、各組織の放射活性の分布を全身オートラジオグラフィにより調べた。放射活性は鰓にもっとも多く、腎臓、心房、肝臓、膀胱にも結合を確認した。組織のミクロ光顕観察では、鰓の二次鰓弁の出鰓動脈側の部分に強い結合があった。また、鰓の出鰓動脈、腎臓の糸球体、心房の心外膜と心内膜、肝臓の胆汁管、頭腎の間腎細胞、脳下垂体のプロラクチン細胞にも特異的結合をみとめた。淡水ウナギと海水ウナギを比較すると、海水ウナギの方が淡水ウナギより特異的結合が少なく、特に鰓の二次鰓弁においてその差は顕著であった。ウナギは環境水の塩濃度に対応して浸透圧調節をする組織の中でANP受容体の量を加減している。
伊藤 政幸; 佐藤 武範*; 村上 謙吉*
日本ゴム協会誌, 69(1), p.62 - 67, 1996/00
架橋したエチレン-プロピレン純ゴムに放射線を線量を変えて照射した。未照射試料と照射試料の各々を試料として、化学応力緩和を80Cから140Cの範囲で10C毎の一定温度で測定し、各温度での熱による分子鎖の切断速度を算出した。いずれの温度においても、放射線を照射した試料は線量に依存せず、未照射試料の約10倍の速度で分子鎖が切断されることが明らかとなった。一方、未照射試料を熱老化させた場合には、熱老化時間の増加に伴って切断速度が増加した。以上の結果から、放射線劣化の場合にはエラストマーから酸化防止剤へのエネルギー移動が起こり、照射によって酸化防止剤が急速に照射されるが、熱劣化においてはエラストマーと酸化防止剤の両者が同時に劣化を受けると考えられる。
伊藤 政幸
Radiation Physics and Chemistry, 47(4), p.607 - 610, 1996/00
被引用回数:13 パーセンタイル:72.4(Chemistry, Physical)本報では耐熱性のフッ素ゴムであるアフラスとバイトンの放射線劣化の温度依存性を検討した。各試料を90Cから200Cの一定温度に保たれた空気恒温槽の中で、Co-60線を2.5kGy/hの線量率で、最高1.25MGy照射し、照射後室温で物性を測定し、以下の結論を得た。1.両試料共に照射に伴い重量は減少し、その傾向は温度が高い程激しく、バイトンの方が実験した全温度領域にわたって重量が減少しやすい。2.照射に伴う体積固有抵抗の変化は少なく、その温度依存性も少ない。3.破断伸びは線量と共に減少するが、温度依存性は少ない。同じ線量で比較するとアフラスはバイトンの約2倍の保持率を持つことが明らかになった。
伊藤 政幸
マテリアルライフ, 7(4), p.195 - 200, 1995/10
ゴムの応力-歪曲線の面積をTensile Energy (T.E)と定義し、T.Eをゴムの劣化の指標とすることを提案する。劣化に伴うT.Eの変化を検討するために、試料として生ゴムの種類と配合を変えた11種類のエチレン-プロピレンゴムを用いた。試料に70Cの空気中でCo-60線を線量率3.0kGy/hで線量を変えて照射し、室温で機械的に性質を測定した。破断伸び、引張り強さは必ずしも環境曝露時間(線量)の増加と共には低下せず、劣化の指標として適当ではない場合が認められた。一方、T.Eは環境曝露時間(線量)の対数に対して一本の直線、あるいは途中で一つの折れ曲がりを持つ直線にそって低下するので、劣化の指標として適切であることが明らかになった。
山中 三四郎*; 福田 正*; 沢 五郎*; 家田 正之*; 伊藤 政幸; 瀬口 忠男
IEEE Trans. Dielect. Elect. Insul., 2(1), p.54 - 61, 1995/02
被引用回数:12 パーセンタイル:67.7(Engineering, Electrical & Electronic)電線絶縁材料としてのエチレンプロピレンゴム(EPR)の照射劣化について、EPRに添加する充填材の濃度の影響を電気伝導度と超低周波分極の測定から解析した。これらの特性はEPRと充填材の界面に捕捉される電荷の挙動に依存するというモデルで解析できた。
伊藤 政幸; 日馬 康雄; 八木 敏明; 岡田 漱平; 吉田 健三
マテリアルライフ, 5(1-2), p.18 - 24, 1993/04
室温での低線量率(0.33kGy/h)長時間照射(基準条件)に対して、基準条件同様に試料の中心部まで酸化されることを前提として、照射時間を約十分の一にするために、次の二つの高線量短時間照射条件を選び、各条件における試料の劣化挙動を比較した。1)0.5MPaの酸素加圧下で、4.2kGy/hでの照射。2)70Cの空気中で、5.0kGy/hの線量率での照射。試料として配合の異なる9種類のエチレン-プロピレンゴムを用い、最高2MGyまで照射後、100%モジュラスと破断伸びとの変化を検討し以下の結論を得た。酸素加圧下の場合には基準条件よりやや切断が多い傾向が認められ、70Cの照射では、やや架橋が進む傾向が認められた。しかし、時間短縮照射条件でのデータ群は基準条件のデータを1.0とするとほとんどの試料について1.00.25の範囲内にあり、時間短縮照射方法として両方法許容できると考えられる。
伊藤 政幸
Radiation Physics and Chemistry, 41(3), p.443 - 446, 1993/00
被引用回数:9 パーセンタイル:66.93(Chemistry, Physical)放射線の照射量を異にするエチレン-プロピレン純ゴムの化学発光を測定し、その発光量の線量と温度依存性とを70-160Cの範囲で調べた。測定に際し、試料の温度を一定に保って測定する定温法と、一つの試料を用いて系の温度を逐次上げながら測定する昇温法とを試みた。定温法では、測定時間の経過と共に発光量が変化した。そこで。測定された最大発光量を発光量とする方法(最大値法)と時間に対する変化がマックスウエル型になるデータ群から時間0に外挿して発光量とする方法(外挿法)とを比較した。数kGyの低線量照射により発光量は著しく増加するが、照射量と発光量とは比例せず、線量に対して飽和する傾向が認められた。310kGy照射した試料の活性化エネルギーは外挿法では、82.7kJ/mol、最大値法では74kJ/molであり、一方昇温法では温度範囲が70-115Cで86.7kJ/molを得た。
伊藤 政幸
DEI-92-112, p.49 - 55, 1992/12
エチレン-プロピレンゴムの放射線劣化を例として、ゴムの機械的性質の劣化に関して以下の提案を行う。1.ゴムの寿命の指標として破断伸びに注目することが一般的であるが、この指標にはゴムの腰の強さ(モジュラス)や強度の要素が入っていない。そこで、これらの要素をも含む応力-歪曲線の面積を「Tensile Energy」と名付け、これをゴムの寿命の指標とする。2.モジュラスの対数と破断伸びの対数との関係を「モジュラス-破断伸びプロフィル」と名付け、このプロフィルを用いると劣化に伴って起きる切断と架橋の比率が時間の経過と共に変化する様子が、求められる事を明らかにした。
伊藤 政幸
DEI-92-113, p.57 - 62, 1992/12
放射線の照射によるゴムの劣化は、ゴム分子鎖の切断と架橋、極性基とハイドロパーオキサイドの蓄積によって引き起こされるので、線量と各々の反応量との関係を求める事は重要である。本報では以下の3点について最近のデータを含めてまとめた。1.化学応力緩和を用いた切断と架橋のG値を求める方法の検討。2.照射に伴うC=0基の生成量を赤外吸収スペクトルによって求め、その濃度と体積固有抵抗値との関係の検討。3.照射による化学発光量の増加の様子を測定し、発光量に及ぼす酸化防止剤の影響を、照射に伴うハイドロパーオキサイドの蓄積を仮定しての検討。
伊藤 政幸
高分子加工, 41(2), p.81 - 85, 1992/02
本報はゴムに対する放射線の照射効果を主に筆者の報告を中心にまとめた解説である。まず、ゴムに放射線が照射された場合に起きる反応を説明し、それらの反応と照射に伴う機械的、電気的物性の変化との関わりを検討した。次ぎに、以下の諸問題について研究の現状を紹介した。(1)ゴムの劣化に対する熱と放射線の相乗効果、(2)時間短縮放射線照射方法の検討、(3)耐熱ゴムと耐放射線ゴムとの相関性、(4)照射による耐熱性の低下。
伊藤 政幸; 池島 義昭; 白石 忠男; 佐藤 隆一; 田中 勲; 市橋 芳徳
マテリアルライフ, 4(1), p.37 - 43, 1992/01
大洗研究所の材料試験炉のインパイルループ(OWL-2)と原子炉圧力容器との間のシールのために13年間使用されていたシリコーンOリング(全部で3ヶ所)の劣化の程度を評価するために、機械的性質を測定した。Oリングが受けた線量を遮蔽計算コードQAD-CGを用いて計算し、一番高い位置で3.46kGyを得た。運転中の温度についても解析コードを用いて計算し、50Cと推定された。Oリングが受けた摺動は原子炉圧力容器とOWL-2の材料の熱膨張係数から算出し、最大5.3mmと推定された。老化に寄与する最大の因子は放射線と考えられるので、同じタイプのOリングについて時間短縮照射を行い、機械的性質を測定した。破断伸びが50%に達する時点を寿命と仮定し、余寿命を推定すると26年となった。材料をEPDMとした場合には、同じ時間加速照射した物性値から寿命はシリコーンゴムの3倍と推定された。
伊藤 政幸; 岡田 漱平
Journal of Applied Polymer Science, 50, p.233 - 243, 1992/00
テトラフルオロエチレン-プロピレン共重合体を試料として、放射線の照射に伴なって附加した極性基の量と架橋密度の変化とが、誘電特性に及ぼす効果を以下の三つの場合に分けて検討した。1)照射に伴って極性基の濃度が増加し、架橋密度が低下する場合。2)極性基の濃度が同じで架橋密度が異なる場合。3)架橋密度が同じで、極性基の濃度が異なる場合。得られた実験結果から次の結論を得た。分散強度はカルボキシル基と考えられる極性基の濃度と共に大きくなる。誘電緩和時間は架橋密度を直接反映するのではなく、末端にカルボキシル基が附加しているFree end分子鎖が短くなるにしたがって、長くなる。
伊藤 政幸
DEI-91-129, p.75 - 82, 1991/12
線量を変えて照射したEPRに種々の温度で熱を加え、加熱中の酸化反応の程度を反映している化学発光と酸化反応の結果EPR中に蓄積されるC=0基とを測定した。線量を異にする試料を一定温度に保ちながら化学発光を測定した。温度は60Cから10Cおきに160C迄を選んだ。いずれの温度でも僅かな線量(27kGy)で発光量は著しく増加するが、51kGy以上ではほとんど変わらない。発光量の活性化エネルギーは線量に依存せず82.7kJ/molである。線量を異にする試料について、熱暴露時間とC=0基の濃度との関係を調べると、C=0基の増加速度は線量に依存せず、温度のみに依存することが明らかになった。照射後のC=0基の濃度をCo、その試料をt時間熱暴露した時の濃度をCとすると、速度定数Kは(1)式で定義できた。60Cから140Cの範囲でのKの活性化エネルギーとして95.8kJ/molを得た。Log(C/Co)=Kt(1)
池島 義昭; 伊藤 政幸; 白石 忠男; 佐藤 隆一; 田中 勲; 市橋 芳徳
JAERI-M 90-216, 40 Pages, 1990/12
放射線環境下で、しかも実機状態で長時間にわたって使用した有機材製Oリングの機械的性質に関して評価したデータは稀少なものである。シリコンゴム製Oリングは、常に透過放射線に曝されるJMTRの原子炉圧力容器内においてシール材として13年間にわたって使用され、その間に約3.46kGyの吸収線量を受けたものである。本報告は、実機状態で長期間にわたって使用したOリングとガンマ線を使って加速照射したものについて、長期使用が及ぼす機械的性質への影響を評価したものである。実機のような使用環境ではシリコンゴム製Oリングは吸収線量にして約300kGyに達するまで使用可能であり、同Oリングの使用寿命は40年と推定される。新OWL-2炉内管用として採用したEPDM製Oリングは、シリコンゴムに較べて耐放射線に優れており、使用寿命は約3倍となる。
山中 三四郎*; 壁谷 孝志*; 福田 正*; 沢 五郎*; 家田 正之*; 伊藤 政幸; 川上 和市郎
電気学会論文誌,A, 110(11), p.781 - 788, 1990/11
原子炉用電線の絶縁劣化診断法研究の一環として、照射線量と残留電圧、漏れ電流及び放電電流との関係を調べ、残留電圧測定法の絶縁劣化診断への応用の可能性を検討した。その結果、線照射量と残留電圧、漏れ電流及び放電電流との間に相関関係があること、また、残留電圧と漏れ電流及び放電電流との等価性、すなわち、残留電圧の解析結果から漏れ電流及び放電電流を評価できることを明らかにした。これらのことから、残留電圧の放射線劣化診断への適用の可能性が示唆される。