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竹内 祐太郎*; 山根 結太*; Yoon, J.-Y.*; 伊藤 隆一*; 陣内 佛霖*; 金井 駿*; 家田 淳一; 深見 俊輔*; 大野 英男*
Nature Materials, 20(10), p.1364 - 1370, 2021/10
被引用回数:62 パーセンタイル:98.73(Chemistry, Physical)Electrical manipulation of magnetic materials by current-induced spin torque constitutes the basis of spintronics. Recent studies have demonstrated electrical controls of ferromagnets and collinear antiferromagnets by spin-orbit torque (SOT). Here we show an unconventional response to SOT of a non-collinear antiferromagnet, which has recently attracted great attention owing to large anomalous Hall effect despite vanishingly small net magnetization. In heterostructures with epitaxial non-collinear antiferromagnet MnSn, we observe a characteristic fluctuation of Hall resistance, which is attributed to a persistent rotation of chiral-spin structure of MnSn driven by SOT. We find that level of the fluctuation that varies with sample size represents the number of magnetic domains of MnSn. In addition, MnSn thickness dependence of critical current reveals that SOT generated by small current density below 20 MA cm effectively acts on the chiral-spin structure even in thick MnSn above 20 nm. The results provide unprecedented pathways of electrical manipulation of magnetic materials, offering new-concept spintronics devices with unconventional functionalities and low-power consumption.
平山 亮一*; 鵜沢 玲子*; 松本 孔貴*; 野口 実穂; 加瀬 優紀*; 高瀬 信宏*; 伊藤 敦*; 小池 幸子*; 安藤 興一*; 岡安 隆一*; et al.
Radiation Protection Dosimetry, 143(2-4), p.508 - 512, 2011/02
被引用回数:13 パーセンタイル:72.14(Environmental Sciences)マウスの足に移植した腫瘍の上部をクランプした、又はクランプしない状態で80keV/mの炭素線、及びX線を照射したときのDSBの誘導、及び再結合について調べた。腫瘍のDSB生成量は定電圧電気泳動法により測定した。X線照射後のDSBのOERは1.680.31で、この値は照射1時間後での変化は見られなかった(1.400.26)。In situにおいて、酸素存在下でのこれらの損傷は1時間で60から70%が再結合した。炭素線とX線照射下において、DSBの誘発及び再結合の割合に違いは見られなかった。ゆえに、炭素線照射後のOER値及び再結合率はX線照射後と同じであり、炭素線のRBEは酸素存在下で1に近い値となった。In vivoにおけるDSBの収量は照射線量、酸素の状況、再結合時間に依存し、放射線の種類には依存しないと考えられる。
平山 亮一*; 松本 孔貴*; 加瀬 優紀*; 野口 実穂; 安藤 興一*; 伊藤 敦*; 岡安 隆一*; 古澤 佳也*
Radiation Physics and Chemistry, 78(12), p.1175 - 1178, 2009/12
被引用回数:12 パーセンタイル:62.42(Chemistry, Physical)低酸素下での粒子線照射によって生じるOHラジカルが介在する間接効果の寄与をラジカルスカベンジャーを用いて測定した。DMSO存在下、及び非存在下で、V79細胞に150MeV/nucleonのヘリウムイオンビームをLET2.2KeV/mmで照射し、コロニー形成法により生存率を決定した。低酸素下による細胞死への間接効果の寄与は約52%であった。われわれは低酸素下においてOHラジカルの介在する間接効果は全効果のおおよそ半分になると結論づけた。
平山 亮一*; 伊藤 敦*; 冨田 雅典*; 塚田 照代*; 谷田貝 文夫*; 野口 実穂; 松本 孔貴*; 加瀬 優紀*; 安藤 興一*; 岡安 隆一*; et al.
Radiation Research, 171(2), p.212 - 218, 2009/02
被引用回数:112 パーセンタイル:95.48(Biology)放射線の生物効果はDNAの損傷を起源とする。X線と同様、重粒子線のDNA損傷も直接作用と間接作用のコンビネーションにより作られる。細胞死への間接作用の寄与はDMSOを用いた防護寄与率の最大値から算出することができる。対数増殖期のチャイニーズハムスターV79細胞に対し、DMSO存在下、及び非存在下で20から2106keV/mの高LET放射線を照射し、コロニー形成法により生存率を決定した。間接作用の寄与率は放射線のLETの増加に伴い減少した。しかし、寄与率は超高LET領域でも0にはならず、2106keV/mで32%と概算された。それゆえに、OHラジカルの放射線化学収量のG値は1000keV/mのLETで0に近づくけれども、OHラジカルの間接作用は高LET放射線による生物効果の相当な割合を占めることがわかった。生存率10%のRBEはLETとともに増加して200keV/mで最大値2.88に達し、それ以降は減少した。直接作用のRBEと間接作用のRBEを別個に評価するとき、両者のRBEはLETに依存し、200keV/mをピークとして同値になると考えられていた。しかし、本研究によりRBEのピーク値は間接作用よりも直接作用のほうが高いことがわかった。ゆえに、直接作用は間接作用に比べ、高LET放射線の高RBEに寄与している。
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
菊池 満; 玉井 広史; 松川 誠; 藤田 隆明; 高瀬 雄一*; 櫻井 真治; 木津 要; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S29 - S38, 2006/03
被引用回数:13 パーセンタイル:41.84(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置(NCT)計画は、大学における成果を取り込みつつJT-60Uに引き続き先進トカマクを進めるための国内計画である。NCTのミッションは発電実証プラントに向けて高ベータ定常運転を実現するとともに、ITERへの貢献を図ることである。高ベータ定常運転を実現するために、装置のアスペクト比,形状制御性,抵抗性壁モードの帰還制御性,電流分布と圧力分布の制御性の機動性と自由度を追求した。
土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
玉井 広史; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤田 隆明; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; 細金 延幸; 市村 真*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1676 - 1683, 2005/12
被引用回数:15 パーセンタイル:45.55(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の設計研究をまとめた。装置の設計は、プラズマのアスペクト比と形状制御性に関して自由度を広く確保できることが求められている。これは、ITERと平行して研究を進めるとともに、定常高ベータプラズマ運転についての科学的なデータベースをDEMOへ提供する観点から重要である。この目標に合致するように、プラズマのアスペクト比と形状の自由度の確保について、これまで比較的困難であったダイバータ排気性能との両立が図られるように装置設計を行った。この装置設計に基づいて、閉じ込め,安定性,電流駆動,ダイバータプラズマ等の物理性能を評価し、主目的である定常高ベータプラズマを実現するための制御方法を検討した。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.52(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10
被引用回数:39 パーセンタイル:74.34(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:69.18(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
須永 博美; 伊藤 均*; 高谷 保行*; 滝沢 春喜; 四本 圭一; 平野 剛*; 田中 隆一; 徳永 興公*
JAERI-Tech 99-046, 63 Pages, 1999/06
我が国における食品照射の実用化は、馬鈴薯の発芽防止を目的として1973年に世界に先駆けて開始された。その後、馬鈴薯以外の食品照射は、我が国では実用化されていない。しかし、食品の検疫処理に多量に用いられている臭化メチルの使用禁止への国際的な動向及び国内における病原大腸菌等による食中毒の多発という食品を取り巻く最近の状況変化を考慮すると、近い将来食品照射が必要とされる可能性は極めて高い。そこで、食品照射における照射効果や照射技術の両者に関する研究実績を有する我が国唯一の研究機関である高崎研では、我が国における食品照射の実用化を技術面から支援するため、平成9年8月に環境・資源利用研究部及び放射線高度利用センターから成るワーキンググループを結成した。本報告は食品照射実用化に必要な技術的課題、問題点について検討した結果である。
西堂 雅博; 福田 光宏; 荒川 和夫; 田島 訓; 須永 博美; 四本 圭一; 神谷 富裕; 田中 隆一; 平尾 敏雄; 梨山 勇; et al.
Proceedings of 1999 IEEE Nuclear and Space Radiation Effects Conference, p.117 - 122, 1999/00
宇宙用半導体デバイスとして、高機能の民生部品を使用する方針が、開発期間の短縮、費用の節約という観点から採用され、以前にも増して放射線耐性試験を効率的、効果的に行うことが、重要となってきた。本報告では、トータルドーズ効果、シングルイベント効果等の試験を実施している日本の照射施設を紹介するとともに、これらの試験を効率的及び効果的に行うための技術開発、例えば、異なるLETイオンを短時間に変えることのできるカクテルビーム加速技術、シングルイベント効果の機構を解明するためのマイクロビーム形成技術及びシングルイオンヒット技術等について言及する。
斎藤 伸三; 田中 利幸; 数土 幸夫; 馬場 治; 新藤 雅美; 塩沢 周策; 茂木 春義; 大久保 実; 伊藤 昇; 新藤 隆一; et al.
JAERI 1332, 247 Pages, 1994/09
現在原研は、高温ガス炉技術基盤の確立と高度化、高温における先端的基礎研究の実施を主な目的として、高温工学試験研究炉(HTTR)の建設を進めている。HTTRは、熱出力30MW、原子炉出口冷却材温度が定格運転時850C、高温試験運転時950Cであり、燃料・材料の各種照射試験、安全性実証試験、核熱利用に関する試験研究を行うことが計画されている。本報は、平成2年11月にHTTRの安全審査が終了し、設置許可を受けたことから、主要機器の設計の概要をまとめるとともに、関連するR&D、安全評価等について報告するものである。
丸山 結; 山野 憲洋; 伊藤 秀雄; 小森 慶一; 園部 久夫; 八木岡 隆一; 杉本 純
JAERI-M 93-096, 15 Pages, 1993/03
ALPHA(事故時格納容器挙動試験)計画は、軽水炉のシビアアクシデント時において、格納容器に加わる負荷と格納容器からのリークを定量的に評価することを目的としている。ALPHA計画の試験項目の1つである溶融物冷却材相互作用試験では、酸化鉄とアルミニウムとのテルミット反応により生成される溶融物を用いている。溶融物冷却材相互作用試験で発生する水蒸気爆発の熱エネルギーから機械エネルギーへの変換効率の評価等に資するため、溶融したテルミットの比熱及び表面温度を測定した。その結果、比熱は約1000J/(kg・K)、表面温度は反応終了直後において約2700K、反応開始から30秒経過した時点で約2500Kであった。測定から得られた比熱は、テルミット製作メーカーから入手したテルミット反応生成物の高温時参考データと反応生成物の混合割合から推定した値、約960J/(kg・K)とほぼ同等であった。
伊藤 政幸; 池島 義昭; 白石 忠男; 佐藤 隆一; 田中 勲; 市橋 芳徳
マテリアルライフ, 4(1), p.37 - 43, 1992/01
大洗研究所の材料試験炉のインパイルループ(OWL-2)と原子炉圧力容器との間のシールのために13年間使用されていたシリコーンOリング(全部で3ヶ所)の劣化の程度を評価するために、機械的性質を測定した。Oリングが受けた線量を遮蔽計算コードQAD-CGを用いて計算し、一番高い位置で3.46kGyを得た。運転中の温度についても解析コードを用いて計算し、50Cと推定された。Oリングが受けた摺動は原子炉圧力容器とOWL-2の材料の熱膨張係数から算出し、最大5.3mmと推定された。老化に寄与する最大の因子は放射線と考えられるので、同じタイプのOリングについて時間短縮照射を行い、機械的性質を測定した。破断伸びが50%に達する時点を寿命と仮定し、余寿命を推定すると26年となった。材料をEPDMとした場合には、同じ時間加速照射した物性値から寿命はシリコーンゴムの3倍と推定された。
池島 義昭; 伊藤 政幸; 白石 忠男; 佐藤 隆一; 田中 勲; 市橋 芳徳
JAERI-M 90-216, 40 Pages, 1990/12
放射線環境下で、しかも実機状態で長時間にわたって使用した有機材製Oリングの機械的性質に関して評価したデータは稀少なものである。シリコンゴム製Oリングは、常に透過放射線に曝されるJMTRの原子炉圧力容器内においてシール材として13年間にわたって使用され、その間に約3.46kGyの吸収線量を受けたものである。本報告は、実機状態で長期間にわたって使用したOリングとガンマ線を使って加速照射したものについて、長期使用が及ぼす機械的性質への影響を評価したものである。実機のような使用環境ではシリコンゴム製Oリングは吸収線量にして約300kGyに達するまで使用可能であり、同Oリングの使用寿命は40年と推定される。新OWL-2炉内管用として採用したEPDM製Oリングは、シリコンゴムに較べて耐放射線に優れており、使用寿命は約3倍となる。
田中 進; 田中 隆一; 多幡 達夫*; 伊藤 琳典*; 中井 洋太; 小沢 国夫
JAERI-M 83-019, 106 Pages, 1983/02
電子が厚いターゲットに入射した際に発生する制動放射線のデータを報告する。データは、Berger and Seltzerによって開発されたモンテカルロコードを用いて計算した。電子の入射エネルギーは、1、3、10および30MeVとしターゲットの物質としてC、Al、Fe、Cu、MoおよびWを選んだ。放射角度ごとの制動放射線強度分布を図に示し、制動放射線のスペクトルと角度分布をデーブルに示した。
平山 亮一*; 松本 孔貴*; 鵜沢 玲子*; 高瀬 信宏*; 鶴岡 千鶴*; 和田 麻美*; 野口 実穂; 加瀬 優紀*; 松藤 成弘*; 伊藤 敦*; et al.
no journal, ,
OHラジカルが介在する間接作用の細胞死への寄与はDMSOを用いた最大防護寄与率から評価することができる。対数増殖期のCHO細胞を用い、これらを酸素存在下、及び低酸素化でX線、及びLET200keV/mの鉄イオン線を照射し、DMSO存在下、及び非存在下でコロニー形成法により細胞生存率を調べた。X線での間接作用の寄与は酸素下で76%、低酸素下で50%であった。これとは対照的に、鉄イオン線での間接作用寄与率は酸素下42%、低酸素下32%であった。RBE値は酸素下で2.8、低酸素下で5.3、OERはX線で2.8、鉄イオン線で1.5であった。直接作用のRBEは正常酸素下、及び低酸素下で間接作用のRBEより高い値となった。また、X線、及び鉄イオン線における直接作用のOERは間接作用のOERよりも低い値となった。もし、粒子線治療で直接作用のみを取り出して利用できるならば、粒子線は癌治療に非常に有効な治療法であると考えられる。これは炭素イオンビームや中性子捕捉療法の利用がよい実例である。