検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 65 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

High temperature gas-cooled reactors

武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.

High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02

本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950$$^{circ}$$Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。

論文

Comparative study on performance of various environmental radiation monitors

玉熊 佑紀*; 山田 椋平; 鈴木 崇仁*; 黒木 智広*; 佐賀 理貴哉*; 水野 裕元*; 佐々木 博之*; 岩岡 和輝*; 細田 正洋*; 床次 眞司*

Radiation Protection Dosimetry, 184(3-4), p.307 - 310, 2019/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:11.15(Environmental Sciences)

東京電力福島第一原子力発電所事故後の放射能(線)監視データが不足していたため、第一陣の緊急対応者の放射線量は正確に評価されなかった。原子力事故で緊急対応をしている労働者の放射線量を評価することは重要である。本研究では、外部被ばく線量と内部被ばく線量の両方を評価できる新しい装置を開発し、緊急時の環境放射能(線)モニタリングの観点から、市販のモニタを含む様々な環境放射能(線)モニタの性能を比較した。福島県で各モニタのバックグラウンド計数値と周辺線量当量率を測定した。ベータ線の検出限界はISO11929に従って評価した。ZnS(Ag)とプラスチックシンチレータを用いたダストモニタのガンマ線に対する感度は高いが、CsI(Tl)結晶を有するシリコンフォトダイオードを用いた外部被ばくモニタの感度は比較的低かった。検出限界は100$$mu$$Sv h$$^{-1}$$で190-280Bq m$$^{-3}$$であり、日本の原子力規制委員会による要求下限値の100Bq m$$^{-3}$$の検出限界を超えていた。要求下限値を達成するには、鉛によるシールドを用いることが必要である。これらの結果から、評価対象モニタの中でも、ZnS(Ag)シンチレータとプラスチックシンチレータを併用したダストモニタが外部被ばくモニタに適しており、開発された内部被ばくモニタが緊急時の内部被ばくモニタとして適していることがわかった。将来的には、アルファ線の計数効率, 相対不確かさ及び検出性能が評価され、さらに可搬性を考慮した上でどのタイプのモニタが適しているかが検討される予定である。

論文

Conceptual plant system design study of an experimental HTGR upgraded from HTTR

大橋 弘史; 後藤 実; 植田 祥平; 佐藤 博之; 深谷 裕司; 笠原 清司; 佐々木 孔英; 水田 直紀; Yan, X.; 青木 健*

Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/10

商用炉に向けて高温工学試験研究炉(HTTR)を高度化した高温ガス実験炉のシステム概念検討を実施した。安全設備については、実用炉技術を実証するため、受動的炉容器冷却設備、コンファインメントの採用など、HTTRから高度化を図った。また、商用炉におけるプロセス蒸気供給の技術確立に向けて、HTTRの系統構成から中間熱交換器(IHX)を削除し、新たに蒸気発生器(SG)を設置した。本論文では高温ガス実験炉のシステム概念の検討結果を述べる。

論文

Measurement of the $$Lambda$$ spin-flip $$B(M1)$$ value in hypernuclei

佐々木 侑輝*; 江川 弘行; 長谷川 勝一; 早川 修平; 細見 健二; 市川 裕大; 今井 憲一; 佐甲 博之; 佐藤 進; 杉村 仁志; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.022013_1 - 022013_4, 2015/09

A hypernuclear $$gamma$$-ray spectroscopy experiment (E13) will be performed using $$K^-$$ beam at the K1.8 beam line of the J-PARC Hadron Experimental Facility in 2015. In this experiment, we will determine the $$B(M1)$$ value of the $$Lambda$$ spin-flip transition of the ground state doublet in $$^{19}_{Lambda}F$$ to investigate the magnetic moment of a $$Lambda$$ hyperon in nuclei. In order to check the performance of the whole spectrometer system of E13, a commissioning run was performed at the K1.8 beam line in 2013. We confirmed that the E13 setup is almost ready for the next beam time in 2015. In particular, new detectors for suppressing events from the two main $$K^-$$ decay modes in the on-line and off-line analyses are installed. As a result, the signal to noise ratio of $$gamma$$ spectra is drastically improved, and the sensitivity to the $$B(M1)$$ measurement is expected to increase.

論文

Progress in long-pulse production of powerful negative ion beams for JT-60SA and ITER

小島 有志; 梅田 尚孝; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 秋野 昇; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.

Nuclear Fusion, 55(6), p.063006_1 - 063006_9, 2015/06

 被引用回数:41 パーセンタイル:89.45(Physics, Fluids & Plasmas)

原子力機構では、JT-60SAやITERで利用する中性粒子入射装置の開発に向けて、大型高エネルギー負イオン源による100秒を超える負イオン生成・加速の実証を目指した研究を進めている。まず、JT-60SA用負イオン源の負イオン生成部のプラズマ閉じ込め用磁石配置を変更することにより、生成されたプラズマの密度分布を一様化することに成功した。これにより、引出領域の83%から一様な負イオンビームを生成し、これまでの最高値17Aを大きく超える32Aの負イオン電流を1秒間引き出すことに成功した。この磁場配位とこれまでに開発した長時間負イオン生成用温度制御型プラズマ電極を適用し、さらに負イオン電流のフィードバック制御手法を用いることにより、15Aの大電流負イオンビームを100秒間維持することに成功した。これは、JT-60SAの定格の68%の電流に相当し、パルス幅は定格を満たしている。また、ITER用高エネルギー加速器の開発に向けては、負イオンビームが加速途中で電極に衝突して生じる熱負荷を低減するだけでなく、負イオンと同時に引き出される電子を熱的に除去することが重要であった。今回、冷却構造を改良することにより従来の5倍の電子熱負荷を許容できると共に、残留磁場で偏向する負イオンビームの軌道制御機構を組み合わせて、新しい引出部を開発した。その結果、700keV、100A/m$$^{2}$$の負イオンビームを従来の7倍以上長いパルス幅である60秒間維持することに成功した。

論文

Progress in development and design of the neutral beam injector for JT-60SA

花田 磨砂也; 小島 有志; 田中 豊; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; et al.

Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.835 - 838, 2011/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:69.64(Nuclear Science & Technology)

JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射装置(NBI)と1基の負イオンNBIを用いて、合計30MWの重水素原子を100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIにおいては、1基あたり1.7MW, 85keVの重水素原子の入射に向けて、既存の正イオンNBIの電源の一部や磁気シールドを改造する設計を進めている。電源に関しては設計をほぼ完了し、改造機器の仕様を決定した。磁気シールドに関しては工学設計をほぼ完了し、今後、製作設計を開始する予定である。500keV, 10MW入射が要求されている負イオンNBIにおいては、同装置の心臓部である負イオン源の開発を強力に進めている。負イオン源内の真空絶縁を改善することによって、負イオン源の耐電圧を従来の400kVから設計電圧である500kVに大幅に改善した。加えて、イオン引き出し面積の約20%を用いたビーム生成実験において、2.8A, 500keVの水素負イオンビーム生成に成功した。本結果は1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。開発に加えて、設計・調達においても、500kV加速電源の改造設計を完了し、2010年度から調達を開始する。

論文

Development of the JT-60SA Neutral Beam Injectors

花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 椛澤 稔; et al.

AIP Conference Proceedings 1390, p.536 - 544, 2011/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:84.66(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)

JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射(NBI)装置と1基の負イオンNBI装置を用いて、合計30-34MWの重水素中性粒子ビームを100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIに関しては、JT-60SAの設計値である1基あたり2MW, 85keVの重水素中性粒子ビームの入射を達成している。その際、イオン源やイオンダンプ等のビームライン機器は、100秒入射が要求されるJT-60SAで既存の装置を改造することなく再使用できる見通しを得ている。また、10MW, 500keV入射が要求されているJT-60SAの負イオンNBI装置のための開発においては、500keV, 2.8Aの水素負イオンビーム生成に成功している。これは、1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。今後、実験装置を整備し、負イオンの100秒間生成のための開発研究を実施する予定である。

論文

Achievement of 500 keV negative ion beam acceleration on JT-60U negative-ion-based neutral beam injector

小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.

Nuclear Fusion, 51(8), p.083049_1 - 083049_8, 2011/08

 被引用回数:51 パーセンタイル:88.4(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60NNBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されていることが大きな問題であった。そこで、負イオン源内の真空絶縁距離を調整し、単段の要求性能を超える各段200kVを保持することに成功した。この結果を踏まえて負イオン源を改良し、従来よりも短いコンディショニング時間で500kVの印加に成功し、設計値である490kVを加速電源の限界である40秒間絶縁破壊することなく保持することにも成功した。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施し、従来410keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。また、486keVのビームでの負イオン電流値は18m離れたカロリーメーターで2.8A(84A/m$$^{2}$$)が得られた。通常、過度のギャップ長延長はビーム光学の劣化を引き起こすが、今回のギャップ長ではビーム光学の大きな劣化がないことを計算及び実験で確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。

論文

Demonstration of 500 keV beam acceleration on JT-60 negative-ion-based neutral beam injector

小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.

Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03

JT-60N-NBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されているのが問題であった。そこで、加速電極の間隔を拡げて、負イオン源内の最短の真空絶縁距離である支持枠角部の電界集中を低減した結果、単段の要求性能を超える200kVを保持することに成功し、設計指標となっていた大型の負イオン源では小型電極よりも6から7倍程度長い真空絶縁距離が必要であることが明らかになった。その理由として電極の面積が100倍異なることだけでなく、1080個もある電極孔や支持枠等の局所電界の電界分布が影響していることが小型電極の実験結果から予測される。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施した結果、従来420keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。ギャップ長を増加させたことによりビーム光学が劣化して電極熱負荷が増大することが懸念されたが、今回のギャップ長の範囲ではビーム光学の劣化がないことを確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。

論文

P and S K-edge XANES of transition-metal phosphates and sulfates

奥出 進也*; 名越 正泰*; 野呂 寿人*; 馬場 祐治; 山本 博之; 佐々木 貞吉

Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 101-103, p.607 - 610, 1999/00

 被引用回数:64 パーセンタイル:92.6(Spectroscopy)

X線吸収端微細構造(XANES)スペクトルの測定により、3d遷移金属のリン酸塩及び硫酸塩の電子構造を明らかにした。主な結果は、(1)XANESスペクトルにおけるpre-edgeピーク強度は遷移金属の3d電子数の増加に伴い減少する。(2)P 3p及びS 3pから成る非占軌道への励起に起因する主ピークは3d電子数の増加に伴い低エネルギー側にシフトする。以上の結果からP 3p及びS 3p軌道が、遷移金属の3d軌道と強く混成していることが明らかになった。また、遷移金属とP,S原子間に酸素原子が存在するにもかかわらず、P及びS原子のXANES測定が非占軌道の電子構造解析に有効であることを明らかにした。

論文

Dissociation thresholds of low-energy molecular ions on a Cu(III) surface

山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(9A), p.5008 - 5010, 1998/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.29(Physics, Applied)

数eVから数十eVの粒子線と固体表面との相互作用は、このエネルギー領域に化学結合エネルギーやスパッタリングしきい値など種々の重要なパラメータを含むために極めて興味深い。本研究では2~200eVのSF$$_{5+}$$,BF$$_{2+}$$などの分子イオンをCu(III)表面に照射し、散乱したイオンの質量と運動エネルギーを同時に測定することにより、散乱に伴う分子イオンの解離のしきい値及び散乱過程に関する検討を行った。SF$$_{5+}$$を照射した場合、15eV以上の照射エネルギーでSF$$_{4+}$$,F$$^{-}$$のフラグメントイオンが観測され、SF$$_{5+}$$の散乱に伴う解離のしきい値が15$$pm$$2eVであることを明らかにした。また50eV以上では解離したSF$$_{3+}$$が観測され、照射エネルギーの増加に伴う解離イオン種の変化を明らかにした。BF$$_{2+}$$照射においても同様の傾向が確認された。

論文

Electronic structures of phosphates studied by TEY-XANES and resonant AES

奥出 進也*; 野呂 寿人*; 名越 正泰*; 山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉

Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 88-91, p.467 - 471, 1998/00

 被引用回数:9 パーセンタイル:41.21(Spectroscopy)

鋼板の表面処理に用いられ、その耐食性に影響を与える各種リン酸塩についてX線吸収端微細構造法(XANES)及び共鳴オージェ電子分光法を用いて、電子状態の解析を行った。リン酸亜鉛とリン酸クロムのXANESスペクトル(P,K吸収端)から、リン酸クロムでは、リン酸亜鉛にみられないプリエッジピークが観測された。これは、リン酸イオンの結合相手であるCr$$^{3+}$$及びZn$$^{2+}$$の電子配置がそれぞれ[Ar]3d$$^{3}$$,[Ar]3d$$^{10}$$であり、Cr$$^{3+}$$には3d軌道に空きが生じているためと考えられる。また、共鳴オージェスペクトルに現れるスペクテーターオージェピークとノーマルオージェピークのエネルギー差が両化合物で異なることも確認された。

論文

Dissociative scattering of low-energy SiF$$_{3}$$$$^{+}$$ and SiF$$^{+}$$ ions (5$$sim$$200eV) on Cu(100) surface

山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉

JAERI-Conf 97-003, p.340 - 344, 1997/03

本発表では、分子イオンの散乱に伴う解離のしきい値を求めることを目的とし、5$$sim$$200eVのSiF$$_{3}$$$$^{+}$$,SiF$$^{+}$$イオンをCu(100)表面に照射し、散乱イオンの質量を種々の照射エネルギーで測定した結果を報告する。この結果、ある一定以上のエネルギーで照射イオンのフラグメントが散乱イオンとして観測されることから、SiF$$_{3}$$$$^{+}$$,SiF$$^{+}$$の散乱に伴う解離のしきい値はそれぞれ30$$pm$$2eV、40$$pm$$2eVであることを明らかとした。さらに、本研究において用いた低エネルギーイオン照射装置試作の経緯およびその性能に関する具体的評価も含めた紹介についても併せて行う。

論文

Element-specific desorption from molecular adsorbates by core-to-valence resonant photoexcitation

馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之; 佐々木 貞吉; W.Wurth*

Surface Science, 377-379(1-3), p.699 - 704, 1997/00

吸着分子に放射光軟X線を照射し、内殻電子励起による脱離過程を調べた。多層吸着したPCl$$_{3}$$分子のP1s電子を$$alpha$$$$^{ast}$$軌道へ共鳴励起すると、主にP$$^{+}$$イオンが脱離するのに対し、Cl1s$$rightarrow$$$$alpha$$$$^{ast}$$共鳴励起ではCl$$^{+}$$イオンのみが脱離した。同様な元素選択的脱離は、S$$_{2}$$Cl$$_{2}$$吸着分子のS1s、Cl1s励起においても認められた。電子分光測定によれば、脱離が起こる共鳴励起エネルギーでは、ほとんどがスペクテータ型のオージェ遷移を起こすことから、高い元素選択的脱離が起こるのは、反結合性$$alpha$$$$^{ast}$$軌道に励起された電子(スペクテータ電子)の存在により励起される速い結合解裂のためであると結論した。

論文

ストロンチウム化合物におけるオージェ共鳴ラマン散乱

佐々木 貞吉; 馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之

表面科学, 17(7), p.370 - 374, 1996/07

ストロンチウム化合物のSr2p$$_{3/2}$$$$rightarrow$$4d$$^{ast}$$共鳴に伴うSr-L$$_{3}$$M$$_{4,5}$$M$$_{4,5}$$オージェ遷移を、放射光により調べた。いずれの物質においても、スペクテータ・オージェ電子エネルギーは励起光エネルギーとともに高エネルギー側へシフトした。また、on-resonanceの近傍ではスペクテータ・オージェ電子ピークのナローイングが起こり、ピーク半値巾は25-40%減少した。これらの現象は、局任化したSr4d$$^{ast}$$軌道に起因するもので、スペクテータ・オージェ電子放出は共鳴ラマン散乱過程であると結論した。

論文

Dissociative scattering of low-energy SiF$$_{3+}$$ and SiF$$^{+}$$ ions (5-200eV) on Cu(100) surface

山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉

Applied Surface Science, 100-101, p.333 - 337, 1996/00

 被引用回数:9 パーセンタイル:49.93(Chemistry, Physical)

3eV~の極低エネルギーイオン照射を可能とした装置を試作し、散乱イオン測定への応用を試みた。SiF$$_{3+}$$、N$$_{2+}$$等の分子イオンを、質量分離の後、3~100eVでCu(III)に対して照射した。これらの散乱イオンについて、45$$^{circ}$$Cのセクタ型エネルギー分析器を備えた四重極質量分析計を用いて、散乱イオン強度、質量およびエネルギーを測定した。この結果、SiF$$_{3+}$$を照射した場合では、照射エネルギーの増加に伴って散乱SiF$$_{3+}$$の強度が減衰し、50eVでほぼ消滅する。一方、表面で解離したSiF$$^{+}$$が35eVで現われ、エネルギーの増加とともに強度が増大する。以上の結果から、照射に伴うSi-Fの解離のしきいエネルギーが35eVであることが明らかとなった。

論文

放射光を用いた高エネルギーX線光電子分光法によるSi(100)酸化薄膜の深さ方向分析

山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉

分析化学, 45(2), p.169 - 174, 1996/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:10.67(Chemistry, Analytical)

X線光電子分光法(XPS)における分析深さは、光電子の平均自由行程に依存する。光電子の平均自由行程はその運動エネルギーによって決まることから、放射光のようなエネルギー可変の励起源を用いた場合、分析深さは励起エネルギーに伴って変化する。これらの関係から、放射光を励起源として用いることによって、従来困難であったXPSの非破壊的な深さ方向分析への応用が可能になることが考えられる。本研究では、通常より励起エネルギーの高い1.8~6.0keVの放射光を励起源とするX線光電子分光装置を試作した。この装置を用い、1)均一な厚みを持つSi(100)表面のSiO$$_{2}$$薄膜の膜厚測定、および2)深さ方向に不均一な濃度分布を持つ10keV、O$$_{2+}$$イオン注入したSi(100)の深さ方法分析を試みた。この結果、$$pm$$5%以内の精度でのSiO$$_{2}$$薄膜の膜厚測定および10nm程度までの深さプロファイル測定が非破壊で可能であることが明らかとなった。

論文

低エネルギー(5$$sim$$200eV) SiF$$_{3+}$$、SiF$$^{+}$$イオンのCu(100)表面における散乱

山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉

表面科学, 17(8), p.436 - 439, 1996/00

試作した低エネルギーイオン照射装置を用い、5~200eVのSiF$$_{3+}$$、SiF$$^{+}$$分子イオンをCu(100)表面に照射し、散乱した各イオン(散乱角77°)の質量およびエネルギー分布を同時に測定することによって、散乱過程および照射された分子イオンの散乱に伴う解離のしきい値を明らかにした。この結果、SiF$$_{3+}$$、SiF$$^{+}$$分子イオンの散乱に伴う解離のしきい値はそれぞれ30$$pm$$2eV、40$$pm$$2eVであった。これらの値についてimpulsive collision modelを用いた解析を行った結果、分子イオンの解離が振動励起を介していることが示唆された。

論文

Surface photochemical reaction in adsorbed molecules induced by synchrotron soft X-ray

馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之; 佐々木 貞吉; W.Wurth*

Material Chemistry 96: Proc. of Int. Symp. on Material Chemistry in Nuclear Environment, 0, p.391 - 399, 1996/00

放射光軟X線を固体表面に吸着した分子の選択的光化学反応に用いる有効性を、筆者らの実験結果に基づき概説した。可視光や紫外線に比べ軟X線を用いる利点は、内殻電子励起の「元素選択性」と「結合サイト選択性」にある。前者はSiCl$$_{4}$$、PCl$$_{3}$$、S$$_{2}$$Cl等異なる2種類の元素から成る分子の吸着系からの正イオンの脱離において見出された。後者は、(CH$$_{3}$$S)$$_{2}$$分子吸着系のS$$_{1s}$$共鳴励起によるS$$^{+}$$及びCH$$_{3+}$$イオンの脱離において見出された。オージェ崩壊過程との比較により、これらの選択的光化学反応は、内殻軌道から反結合性$$alpha$$$$^{ast}$$軌道へ励起された電子(スペクテータ電子)の効果によるものであると結論した。

論文

Formation of ultra-thin SiO$$_{2}$$ layer on Si(100) by thermal decomposition of silicon alkoxide

馬場 祐治; 山本 博之; 佐々木 貞吉

Photon Factory Activity Report, (14), P. 423, 1996/00

Si(100)単結晶表面にSiO$$_{2}$$の超薄膜を生成させる新しい方法を提案するとともに、SiO$$_{2}$$層の化学結合状態と膜厚を放射光光電子分光法により測定した。方法は以下の通りである。(1)Si(100)を真空中で80Kに冷却する。(2)テトラメトキシシランを300層吸着させる。(3)Si(100)基板を0.5$$^{circ}$$C/secの速度で400Kまで加熱する。この方法で得られた酸化層の化学状態はSiO$$_{2}$$であること、SiO$$_{2}$$層の膜厚は0.3nmであることを明らかにした。

65 件中 1件目~20件目を表示