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佐藤 大樹; 前田 嘉一*; 為重 雄司*; 中島 宏; 柴田 徳思*; 遠藤 章; 津田 修一; 佐々木 誠*; 前川 素一*; 清水 康弘*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(11), p.1097 - 1109, 2012/11
被引用回数:13 パーセンタイル:71.39(Nuclear Science & Technology)陽子線がん治療施設における放射線安全設計の健全性及び妥当性を検証するため、福井県立病院陽子線がん治療センターにおいて中性子線量測定を実施し、施設の安全設計に用いた解析モデル及びモンテカルロコードPHITSの計算値と比較した。実験では、治療に用いる235MeV陽子ビームを水平照射室に設置した水ファントムに入射し、前方及び直上方向の遮蔽壁後方で中性子モニタDARWIN, Wendi-2及びレムメータを用いて中性子線量を測定した。また、照射室と入り口とをつなぐ迷路に固体飛跡検出器を配置し、迷路中の中性子線量分布を取得した。本研究により、国内の陽子線がん治療施設の設計に広く使われてきた解析モデルとパラメータセットによって、十分な安全裕度を持つ施設設計が可能であることを実験的に明らかにした。また、モンテカルロコードを利用することで、複雑な構造下で複数の線源から飛来する中性子の線量を、適切に評価できることを示した。この成果は、今後建設される陽子線がん治療施設における安全設計の最適化に、大きく寄与すると期待される。
久米 徹二*; 町田 晃彦; 青木 勝敏; 佐々木 重雄*; 清水 宏晏*
高圧力の科学と技術, 21(3), p.184 - 189, 2011/09
希土類金属3水素化物の高圧下における構造と電子状態研究をラマン散乱及び可視紫外吸収分光測定によって行った。X線回折測定で観測されている高圧力下におけるhcp相から長周期構造からなる中間相への構造相転移をラマン散乱によっても確認することに成功した。また可視紫外吸収分光測定によって、バンドギャップエネルギーを見積もることに成功し、中間相からfcc相への相転移にともなってバンドギャップが閉じる金属的になることを確認した。
久米 徹二*; 大浦 裕之*; 竹市 知生*; 大村 彩子*; 町田 晃彦; 綿貫 徹; 青木 勝敏; 佐々木 重雄*; 清水 宏晏*; 竹村 謙一*
Physical Review B, 84(6), p.064132_1 - 064132_7, 2011/08
被引用回数:18 パーセンタイル:59.63(Materials Science, Multidisciplinary)ScHの圧力誘起構造及び電子転移を調べるため、ラマン,赤外・可視光吸収スペクトルを室温下、50GPaまで観測した。hcp-中間相と中間相-fcc転移がそれぞれ25GPaと46GPaで観測された。中間相の構造はYHで報告されている長周期構造と同じと思われる。ScHの光学ギャップは1.7eVから減少し、50GPa付近でfcc構造への転移を伴って閉じる。
奥地 拓生*; 佐々木 重雄*; 長壁 豊隆; 大野 祥希*; 小竹 翔子*; 鍵 裕之*
Journal of Physics; Conference Series, 215, p.012188_1 - 012188_9, 2010/03
被引用回数:5 パーセンタイル:85.22中性子散乱やNMRなどの微弱な信号を検出する実験手法において利用可能な圧力領域を拡大するために、小型高圧力セルの試料容積を拡大する必要がある。われわれは、対向アンビル式小型高圧力セルのアンビル材として、大型多結晶ナノダイヤ(NPD)を準備した。NPDは、単結晶ダイヤに比べて硬度が高く、大型で、強いため、高い荷重をかけることができる。われわれは、サポート式NPDアンビルと非サポート式NPDアンビルの2種類のアンビルを製作し、2種類のコンパクトな高圧力セルを用いて加圧テストを行った。その結果、0.1mm以上の試料体積に対して14GPaの圧力発生を確認した。この結果は、NPDが大型アンビルとして非常に有望であることを示したものである。
小松 一生*; 有馬 寛*; 鍵 裕之*; 奥地 拓生*; 佐々木 重雄*; 山内 宏樹; 深澤 裕; 井川 直樹; 内海 渉; 神山 崇*
高圧力の科学と技術, 18(2), p.170 - 172, 2008/05
現在東海村に建設中の大強度パルス中性子施設(J-PARC)や、集光デバイスの積極利用による中性子強度の増大は、「高圧」と「中性子」という2つのキーワードをつなぐ架け橋と期待される。高圧中性子科学分野で先行する英国ISISやフランスILLでは、パリエジンバラ(PE)セルを用いた10GPa程度までの圧力下での中性子粉末回折実験はルーチンワークとなっている。国内でも単結晶試料を用いた高圧下中性子回折実験は実績があり、PEセルを用いた中性子回折実験もわずかに例があるが、中性子強度の弱さから本格的な広がりを見せていない。日本独自の中性子回折用高圧セルの開発と平行して、PEセルの本格利用を検討することは有意義であるとの視点から、われわれはPEセルを原子力機構の研究用原子炉中性子施設JRR-3内にある高分解能粉末中性子回折装置HRPDに導入し、高圧下中性子粉末回折実験を行った。本短報では、その結果を簡単に報告する。
久米 徹二*; 大浦 裕之*; 佐々木 重雄*; 清水 宏晏*; 大村 彩子*; 町田 晃彦; 綿貫 徹; 青木 勝敏; 竹村 謙一*
Physical Review B, 76(2), p.024107_1 - 024107_5, 2007/07
被引用回数:37 パーセンタイル:78.76(Materials Science, Multidisciplinary)YHのラマン及び可視光吸収スペクトルを高圧下で測定し、構造及び電子転移過程を調べた。ラマン測定の結果は9-24GPaの圧力領域に渡って低圧六方晶と高圧立方晶の間の中間相が存在することを示している。Y金属格子構造と水素原子位置は転移を反映して変化する。可視光測定からは転移に伴って光学バンドギャップが閉じ始めることが見いだされた。
有馬 寛; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 奥地 拓生*; 佐々木 重雄*; 山内 宏樹; 深澤 裕; 井川 直樹; 内海 渉; 神山 崇*
no journal, ,
ISISやILLで実績のあるParis-Edinburgh(PE)セルを用いた高圧中性子回折実験は、国内ではわずかに例はあるが、中性子強度の弱さから本格的な利用はされてこなかった。日本独自の中性子回折用高圧セルの開発と平行して、PEセルの利用を検討することは有意義であるとの視点から、本研究ではPEセルをJRR3設置の高分解能粉末回折装置HRPDに導入し、高圧下中性子粉末回折実験を行った。実験では、Pb(NilacoCo., 99.9999%小片)を試料として用いた。PEセルは中性子が加圧軸に対し垂直方向から入射するように配置した。このときアンビルからの散乱を防ぐため、中性子に対する吸収の大きいcBNアンビルを新たに製作した。またPEセルにおいて一般的に使用されているWCアンビルを用いた回折実験も比較のために行った。cBNアンビルを使用した場合、Pbの最強線である111回折線の強度は、常圧下で250count/hour、30トン荷重時で80count/hourであった。試料の格子定数変化から、30トン荷重時の試料室の圧力は2.9(1)GPaと求められた。
阿部 淳; 服部 高典; 有馬 寛; 佐野 亜沙美; 深澤 裕; 内海 渉; 小松 一生*; 荒川 雅*; 飯塚 理子*; 鍵 裕之*; et al.
no journal, ,
高圧下での中性子回折実験手法の確立を目指して、J-PARCのBL19「匠」に種々の高圧発生装置を持ち込んでの実験を行っている。これまで高圧装置部品の検討や入射系・受光系の遮蔽を行うことによりバックグラウンドの少ない高圧試料からの回折パターンを取得することに成功している。また高圧装置による中性子の吸収のために中性子の波長,回折角に依存した回折強度の減少が生じる。この高圧装置による吸収を補正する方法を検討し、結晶構造解析を行った。
服部 高典; 有馬 寛; 佐野 亜沙美; 阿部 淳; 本田 充紀; 深澤 裕; 内海 渉; 奥地 拓生*; 大野 祥希*; 佐々木 重雄*; et al.
no journal, ,
試料が微小な高圧実験において、中性子のソースフラックスが小さいことから、10GPaを超える圧力下での中性子実験は一部の者に限られてきた。世界における近年のパルス中性子施設の建設により、高強度の中性子フラックスが得られるようになり、状況が変わりつつある。われわれも日本にできた新しいパルス中性子施設JSNSに触発され、高圧中性子実験を始めている。おもにこれらは2つの方策からなり、(1)既存の中性子ビームライン(NOVA, 匠)における高圧実験、(2)高圧専用の中性子ビームライン建設を行っている。本発表では、それらのアクティビティーを紹介する。
阿部 淳; 有馬 寛; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 深澤 裕; 内海 渉; 小松 一生*; 荒川 雅*; 飯塚 理子*; 鍵 裕之; et al.
no journal, ,
これまでJ-PARCの「匠」を用いた高圧中性子回折実験を行ってきた。高圧発生装置には、海外の中性子実験施設で汎用的に使用されている一軸圧縮型のパリエジンバラプレスと日本で開発された試料を六方向から加圧するパームキュービックセル、及び大型のナノ多結晶ダイヤモンドをアンビル材に用いたダイヤモンドアンビルセルを使用している。これまで匠で行った高圧中性子回折実験の概要と吸収補正などのデータ解析方法、さらには補正したデータを用いた結晶構造解析について説明する。
佐藤 大樹; 中島 宏; 柴田 徳思; 遠藤 章; 津田 修一; 為重 雄司*; 前田 嘉一*; 佐々木 誠*; 前川 素一*; 清水 康弘*; et al.
no journal, ,
陽子線がん治療施設の放射線安全設計の健全性及び妥当性を検証するため、福井県立病院陽子線がん治療センターにおいて中性子線量の測定を実施し、施設の安全設計に用いた簡易式による評価値と比較した。測定には、液体有機シンチレータを中性子検出器として採用したDARWIN(原子力機構)、高エネルギー中性子に感度を持つよう改良した減速型中性子モニタWENDI-2(Thermo SCIENTIFIC)と通常の減速型レムモニタ(WEDHOLM MEDICAL)を用いた。陽子ビームのエネルギーは治療で用いられる235MeVであり、ビーム強度10nAで厚さ40cmの水ファントムに照射した。ビーム軸に対して0度方向にある厚さ385cmのコンクリート壁の後方において、簡易式を用いて評価した線量率はDARWINによる実測値の約20倍であった。この結果は、本施設が極めて安全側に設計されていることを示しており、将来的なビーム強度の増強や照射時間の拡張にも十分に対応可能であることを明らかにした。
為重 雄司*; 前田 嘉一*; 佐々木 誠*; 前川 素一*; 清水 康弘*; 佐藤 大樹; 中島 宏; 遠藤 章; 柴田 徳思; 津田 修一; et al.
no journal, ,
平成23年3月より運用が開始される福井県立病院陽子線がん治療センターでは、シンクロトロン加速器より供給される最大強度10nA,最大エネルギー235MeVの陽子ビームを利用してがん治療を行う。この際、治療施設周辺における放射線安全を確保するため、適切な遮へい設計に基づく施設の運用が必要となる。当該施設の遮へい設計及び運用条件の評価は、Moyerモデルに基づく簡易式を用いて行われた。本発表では、陽子線がん治療センターの概要,放射線安全設計の方針,具体的な評価手法について報告する。実測に基づく評価値の妥当性検討は、シリーズ発表で行う次の発表で述べる。