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小塩 成基*; 伊藤 駿*; 石井 慶造*; 松山 成男*; 寺川 貴樹*; 佐多 大地*; 遠山 翔*; 笠原 和人*; 久保 亮介*; 江夏 昌志; et al.
no journal, ,
本研究では、国内で最も多く消費される農産物であるコメが、セシウム(Cs)を含む土壌で栽培された場合のCsの集積部位を明らかにするために、マイクロPIXE (particle induced X-ray emission)を用いてコメ内部のCsの元素分布測定を行った。また、より高感度にCsの挙動を観察することを目的とし、Csと同族で約5倍の特性X線発生断面積を持つルビジウム(Rb)をCsの代替として用いることを検討した。CsおよびRbを別々に散布した土壌で、14日間および34日間栽培したイネから収穫したコメを試料として用いた。測定の結果、Csは白米部よりも糠や籾殻に多く集積する様子が観察され、栽培期間14日と34日のCsの濃度比は1.53.0で、栽培期間の比(34日間/14日間=2.43)とおよそ合致していることから、1日で取りこむ量が大きく変化しないと仮定すると、イネの生育によって取り込まれたCsを可視化したと考えられる。Rbの集積部位はCsの場合と類似しており、RbがCsの代替として使用可能であることが示唆されたが、感度については連続X線のバックグラウンドのためCsと同等となり向上は図れなかった。