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武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
Proceedings of 21st International Workshop on Rare-Earth Permanent Magnets and their Applications (REPM 2010), p.161 - 164, 2010/08
現状では希少金属であるDyの添加が不可欠な高温で使われるNd-Fe-B焼結磁石のDy使用量を減らすのに鍵となる、焼結磁石内部の平均構造に関する情報を得るために、原子力研究開発機構の研究用原子炉JRR-3に設置されている小角散乱装置、SANS-J-IIを用いて、中性子小角散乱測定を行った。2次元検出器上で観測された中性子小角散乱の強度マップは、焼結や焼結後の熱処理条件で大きく変わり、中性子小角散乱法が、焼結磁石内部の平均構造を調べるのに、非常に有効な研究手段であることを示している。
秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 小泉 智; 佐川 眞人*; 小山 佳一*; 宮崎 照宣*
no journal, ,
現在最高性能を誇るNd-Fe-B焼結磁石では、NdFeBからなる直径5m程度の主相と、それをとりまくNdリッチ相と呼ばれる界面層によって構成されている。永久磁石の性能の重要な指標である保磁力が、Nd-Fe-B焼結磁石の場合には、このNdリッチ相によって大きく変わり、500C-600Cの間での熱処理がこのNdリッチ相の形成に重要であることが知られていた。われわれは、Nd-Fe-B磁石に少量の銅を添加し、さらにその熱処理中に高磁場を印可することで、保磁力がさらに向上することを見いだした。この発表では、その保磁力向上の機構解明のために行った、熱分析と中性子小角散乱実験の結果について報告する。
秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 小泉 智; 佐川 眞人*; 小山 佳一*
no journal, ,
Nd-Fe-B焼結磁石はハイブリッド自動車(HV)の駆動モータ用磁石材料として最も有望である。一般的に永久磁石の保磁力は温度の上昇とともに低下するが、HVに使う場合には、磁石周囲の温度が450K(180C)以上になることが考えられるため、できるだけ大きな保磁力を持つことが必要である。Nd-Fe-B焼結磁石では、大きな保磁力を持たせるために、Ndの一部をDyで置き換えることでこの問題に対処してきた。しかし、Dyは稀少金属であり、このままでは近い将来に資源が枯渇してしまう危険があり、将来にわたっての安定的な供給が確保されていない。われわれは、Nd-Fe-B焼結磁石で、NdをDyで置換しなくても、磁場中熱処理を行うことで保磁力が向上することを見いだした。そのメカニズムを明らかにするために、JAEAの研究用原子炉JRR-3に設置されている2台の中性子小角散乱装置、SANS-JとPNOを使って内部の磁気構造を非破壊的に調べた。Cuを添加していない試料とCuを添加した試料に対して同じ磁場中熱処理を施し、両者の小角散乱パターンを比較したところ、で明確な差が現れた。これは、磁場中熱処理時に液層となっていると考えられるCuを含む粒界層が保磁力の向上と強い相関を持つことを示唆している。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 小泉 智; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 佐川 眞人*
no journal, ,
Dyの使用量を低減しながら、Nd-Fe-B磁石の高い保磁力を維持するためには、主相そのものの結晶粒微細化と、主相を取り囲む粒界相のナノ構造制御の二つが大きな課題である。しかし、結晶粒の大きさと保磁力、また、界面ナノ構造と保磁力との間の定量的な相関を明らかにすることなしには、その目的は達し得ない。中性子小角散乱法は、電子顕微鏡やX線小角散乱法では観測が難しい、空間スケールが2nm-10m程度の物質の平均構造と磁気構造を非破壊的に調べることができる手法であり、Nd-Fe-B焼結磁石の保磁力向上のための中心課題となっている結晶粒及び界面構造と保磁力の関係を研究するのに理想的な構造解析手法である。中性子小角散乱法で得られる情報は、平均粒子サイズ,粒子間相関にさらに磁気的な情報が加わった定量的なものであり、試料の断面を実空間で見る電子顕微鏡や磁気力顕微鏡等で得られる情報と相補的な情報を与える。講演では、磁場中熱処理やCuやAl等の置換効果により保磁力が向上した試料に対する実例を示しながら、中性子小角散乱法によるNd-Fe-B焼結磁石の平均構造解析について紹介する。
秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 小泉 智; 佐川 眞人*; 小山 佳一*
no journal, ,
現在、環境に優しいハイブリッド自動車のニーズが高まっているが、その生産のためには室温において30kOe以上の保磁力を持つNd-Fe-B系焼結磁石が一台あたり約1kg必要である。このような室温の高保磁力は、実際に用いる200C程度の高温環境での保磁力維持のために必須であるが、現状ではその実現のため10wt.%ものDyを置換元素として用いている。この方法の問題点は、Dyの年間産出量が少ないことであり、高保磁力を持つNd-Fe-B系焼結磁石の生産量に制限を与えることである。一方、Nd-Fe-B系焼結磁石の保磁力を上昇させるためには、低温熱処理プロセスが有効であることが経験的にわかっている。われわれはこれまでに低温熱処理時における強磁場の効果について研究を行い、Cuを添加したNd-Fe-B系焼結磁石の粒界にはNd-Cu相やAl-Cu相が存在し、それらの共晶温度近傍において磁場効果が観測されることを報告してきた。本講演では、磁場効果のメカニズムを界面構造の観点から明らかにする目的で中性子小角散乱実験を行い、平均的な粒界構造の評価を行った結果について報告する。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 佐川 眞人*; 小山 佳一*
no journal, ,
Nd-Fe-B焼結磁石は市販されている永久磁石の中で最大のエネルギー積を持つために、現在では幅広い用途に使われている。現在、この磁石には、室温以上での使用環境下において保磁力の低下をおこさないように、希少金属であるDyを添加する必要がある。Dyを添加せずに高温でも保磁力を維持できるNd-Fe-B焼結磁石を実現するための鍵となっているのは、焼結前のグレインの粒径とグレインの境界付近の界面構造の制御であり、そのような界面構造の情報を得ることが必要不可欠である。われわれは、Nd-Fe-B焼結磁石に対し、強磁場を加えた状態で熱処理を行い、その熱処理温度を変えることで保磁力に差のついたNd-Fe-B焼結磁石試料の内部平均構造を中性子小角散乱法によって調べた。その際、偏極中性子による高感度測定を行った結果、外部磁場によって内部の磁気的な不均一性がほんのわずかに誘起されることを見いだした。その起源は、今のところ明らかになってはいないが、考え得る界面付近の構造モデルを幾つか紹介する。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
われわれは、Dy使用量を著しく下げたNd-Fe-B焼結磁石で、室温以上の使用環境化でも高保磁力を実現する鍵を握る、主相の結晶粒の大きさと保磁力、また、界面ナノ構造と保磁力との間の定量的な相関を明らかにするために、JRR-3に設置されているSANS-J-IIを使って、中性子小角散乱法により調べてきた。今回は、結晶粒径と焼結条件の違いにより保磁力が大きく変化すること、また、それに伴って中性子小角散乱パターンが敏感に変化する様子を報告するとともに、内部平均構造と保磁力の相関について議論する。
秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 佐川 眞人*
no journal, ,
Nd-Fe-B系焼結磁石の保磁力は、さまざまな要因で決定されると考えられるが、低温熱処理の際の熱処理温度にも強く影響を受ける。特に、保磁力が最大を示す熱処理温度前後では、粒界の微細構造に著しい変化が起こると考えられている。われわれは、中性子小角散乱を用いてNd-Fe-B系焼結磁石の平均構造の定量的な評価を目指しているが、粒界構造等に起因する核散乱と磁区構造及び磁気的なコントラストによる磁気散乱を分離して評価することが課題となっていた。今回は、熱消磁状態から段階的に印加磁場を加え、散乱パターンに現れる磁気散乱の寄与を評価することを目的に、JRR-3に設置されている小角散乱装置、SNS-J-IIを使って、熱消磁状態から最大10kOeまで、2kOeごとに中性子小角散乱パターンの測定を行った。講演では、磁気測定結果を併せて、磁化過程及び散乱パターンの定量的な解析結果について報告する。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
ネオジム鉄ボロン(Nd-Fe-B)焼結磁石は市販されている永久磁石の中で最も強力であるが、キュリー点が比較的低いために、室温よりも高温になると急速に保磁力が低下することが知られている。現状では、高温でも保磁力が維持できるようにネオジムの一部をディスプロシウム(Dy)に置換することが行われているが、Dyの添加は飽和磁化を下げる効果があるとともに、Dyそのものが希少金属であるために、省Dy又はDyフリーのネオジム鉄ボロン焼結磁石の開発が求められている。その実現のためには焼結粉末の微細化と焼結粒間の界面構造の制御が重要であると言われている。中性子小角散乱法はそのような内部構造を非破壊的に測定することのできる手法である。われわれは、JRR-3の中性子小角散乱装置SANS-J-IIを使って、Nd-Fe-B焼結磁石の内部構造と保磁力の間の定量的な関係を調べた。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
高温での使用において、現状では添加が必要不可欠な希少金属Dyの使用量を著しく下げた、さらにはDyフリーのNd-Fe-B焼結磁石で高保磁力を実現する鍵を握る、主相の結晶粒の大きさと保磁力、また、界面ナノ構造と保磁力との間の定量的な相関に注目し、中性子小角散乱法を用いて調べてきた。この講演では、結晶粒径と焼結条件の違いによる保磁力と中性子小角散乱パターンの変化について報告する。中性子小角散乱測定は日本原子力研究開発機構の研究用原子炉(JRR-3)に設置されている中性子小角散乱装置SANS-J-IIで行った。また、異なる結晶粒径の原料粉に対し、焼結温度を変化させることで、保磁力の値を変えた数種類の試料を測定に用いた。保磁力は、結晶粒径と焼結温度によって変化し、それに伴って、中性子小角散乱パターンも敏感に変化することがわかった。また2次元検出器上の小角散乱パターンは異方的であり、主相を構成する結晶粒も異方的な構造を持ち、焼結温度によってその異方性の度合いが変化することもわかった。講演では、実験の詳細とその解析結果による、内部平均構造と保磁力の相関について報告する。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
Nd-Fe-B焼結磁石は、実用化されている永久磁石の中で最も強力なものであり、ハイブリッド自動車をはじめとする省エネ機器で広範囲に使われている。しかし、現状では、高温での使用において、希少金属であるDyの添加が必要不可欠である。そこで、Dyの使用量を著しく下げた、さらにはDyフリーのNd-Fe-B焼結磁石の開発が急務となっている。われわれは、保磁力機構の鍵を握る、主相の結晶粒の大きさと保磁力、また、界面ナノ構造と保磁力との間の定量的な相関に注目し、中性子小角散乱法を用いて調べてきた。この発表では、結晶粒径と焼結条件の違いによる、保磁力と中性子小角散乱パターンの変化について報告する。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
われわれは、高温での使用において高保磁力を維持するために、現状では添加が必要不可欠な、希少金属Dyの使用量を著しく下げたNd-Fe-B焼結磁石を実現する鍵を握る、主相の結晶粒の大きさや界面ナノ構造と保磁力との間の定量的な相関に注目し、中性子小角散乱法を用いて調べてきた。この講演では、日本原子力研究開発機構の研究用原子炉(JRR-3)に設置されている中性子小角散乱装置SANS-J-IIを使った測定で得られた、結晶粒径と焼結条件の違いによる中性子小角散乱パターンの変化と、シミュレーション結果との比較について報告する。
鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*; 武田 全康
no journal, ,
われわれは、最近、ハイブリッドカーの駆動モータ用の需要が急速に伸びているが、希少金属であるDyの添加が必要不可欠なNd-Fe-B焼結磁石からDyの使用量を削減した、Dyフリー高保磁力Nd-Fe-B焼結磁石を実現する鍵を握る、焼結磁石内の結晶粒の大きさと保磁力、また、界面構造と保磁力との相関を明らかにするために中性子小角散乱測定を行った。前回の日本物理学会では、実験的に得られた小角散乱パターンから、単純なモデルを仮定して解析する試みがある程度成功することを紹介した。今回は、そのシミュレーションの精度を上げる試みについて紹介する。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
Nd-Fe-B焼結磁石は、実用化されている永久磁石の中で最も強力なものであり、ハイブリッド自動車をはじめとする省エネ機器で広範囲に使われている。しかし、現状では、高温での使用において、希少金属であるDyの添加が必要不可欠である。そこで、Dyの使用量を著しく下げた、さらにはDyフリーのNd-Fe-B焼結磁石の開発が、その原料供給の不安定さから急務となっている。われわれは、保磁力機構の鍵を握る、主相の結晶粒の大きさと保磁力、また、界面ナノ構造と保磁力との間の定量的な相関に注目し、中性子小角散乱法を用いて調べ、前回の日本中性子科学会年会で発表した。今回は、その小角散乱パターンの定量的解析の試みと、J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)に設置されている茨城県の材料解析装置(iMATERIA)を使って、小角散乱領域のみならず、結晶構造解析も可能な中角、広角にまで測定領域を拡張し、熱処理条件の違いによる磁石主相(NdFeB)以外の界面相の構造変化を観測したので、その詳細を報告する。本研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の希少金属代替材料開発プロジェクト「希土類磁石向けディスプロシウム使用量低減技術開発」により行われているものである。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
Nd-Fe-B焼結磁石は、実用化されている永久磁石の中で最も強力なものであり、ハイブリッド自動車を始めとする省エネ機器で広範囲に使われている。しかし、現状では、高温での使用において、希少金属であるDyの添加が必要不可欠である。そこで、Dyの使用量を著しく下げた、さらにはDyフリーのNd-Fe-B焼結磁石の開発が、その原料供給の不安定さから急務となっている。われわれは、保磁力機構の鍵を握る、主相の結晶粒の大きさと保磁力、また、界面ナノ構造と保磁力との間の定量的な相関を明らかにすることを目的として、中性子小角散乱法による研究を行っている。発表では、実験の詳細と簡単なモデルによる現状での解析結果、そして、新たに開発中の解析ソフトウエアの概要について報告をする。
武田 全康; 鈴木 淳市*; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
希少金属代替材料プロジェクト「希土類磁石向けディスプロシウム削減技術開発」で行った、中性子小角散乱測定により得られたNd-Fe-B焼結磁石内の内部平均構造情報をわかりやすく実空間で表示するために、われわれが取り組んでいる中性子小角散乱パターン解析法の開発状況について発表する。
武田 全康; 鈴木 淳市*; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 宇根 康裕*; 佐川 眞人*
no journal, ,
中性子小角散乱(small-angle neutron scattering: SANS)法が測定対象とするのは、数nmから数mスケールに渡る、物質内部の構造やその構造揺らぎである。Nd-Fe-B焼結磁石において、保磁力向上の鍵を握る、主相,粒界相、それらの間の2粒子粒界や3重点等が、SANS法の測定スケールに含まれているだけでなく、SANS法では、表面や断面の2次元構造情報ではなく、焼結磁石全体の平均的な構造情報が得られる。さらに、磁区に関する情報も得られるため、保磁力と焼結磁石内部の微細組織の相関を調べる際に、SANS法は、SEMやTEMといった実空間構造観察手法の相補的な役割を果たすことができる。われわれは、これまでの測定で、Nd-Fe-B焼結磁石のSANSパターンが、試料の焼結条件により敏感に変わることを見いだすとともに、SANSの強度と保磁力との相関を示唆する結果を得ている。講演では、SANS法によるNd-Fe-B焼結磁石の研究で、これまでに何がわかり、何が残されている課題なのか、SANS法を用いた研究の現状について発表する。