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論文

Estimation of I-131 concentration using time history of pulse height distribution at monitoring post and detector response for radionuclide in plume

平山 英夫*; 川崎 将亜; 松村 宏*; 大倉 毅史; 波戸 芳仁*; 佐波 俊哉*; 滝 光成; 大石 哲也; 吉澤 道夫

Insights Concerning the Fukushima Daiichi Nuclear Accident, Vol.4; Endeavors by Scientists, p.295 - 307, 2021/10

A method of deducing the I-131 concentration in a radioactive plume from the time history of peak count rates determined from pulse height spectra obtained from an NaI(Tl) scintillation detector employed as a detector of a monitoring post was presented. The concentrations of I-131 in the plumes were estimated from the count rates using the calculated response of the NaI(Tl) detector with egs5 for a model of a plume uniformly containing I-131. This method was applied to the data from the monitoring posts at Nuclear Science Research Institutes of Japan Atomic Energy Agency (JAEA). The estimated time history variation of I-131 concentrations in plumes was in fair agreement with those measured directly by an air sampling method. The difference was less than a factor of 4 for plumes that arrived on March 15 and March 21, indicating relatively high I-131 concentrations among the plumes studied in this work.

論文

Neutron emission spectrum from gold excited with 16.6 MeV linearly polarized monoenergetic photons

桐原 陽一; 中島 宏; 佐波 俊哉*; 波戸 芳仁*; 糸賀 俊朗*; 宮本 修治*; 武元 亮頼*; 山口 将志*; 浅野 芳裕*

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(4), p.444 - 456, 2020/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:61.94(Nuclear Science & Technology)

兵庫県立大学ニュースバル放射光施設ビームラインBL01において、$$16.6pm0.2$$MeVの単色直線偏光光子ビームを$$^{197}$$Auへ照射したときの中性子放出スペクトルを、飛行時間法により測定した。これより光核反応によって生成される2成分の中性子スペクトルを測定した。このうちの1つ成分(A)は、4MeVまでのエネルギーであり蒸発に類似したスペクトル形状を示した。もう一方の成分(B)は、4MeV以上のエネルギーでありバンプに類似したスペクトル形状を示した。中性子の放出強度において、成分(A)は角度依存は見られなかったが、成分(B)は偏光と検出器方向を成す角度$$Theta$$の関数として、$$a+bcos(2Theta)$$の関係を示すことがわかった。

報告書

Proceedings of the 2016 Symposium on Nuclear Data; November 17-18, 2016, High Energy Accelerator Research Organization, Tsukuba, Ibaraki, Japan

佐波 俊哉*; 西尾 勝久; 萩原 雅之*; 岩瀬 広*; 国枝 賢; 中村 詔司

JAEA-Conf 2017-001, 222 Pages, 2018/01

JAEA-Conf-2017-001.pdf:30.89MB

2016年度核データ研究会は、2016年11月17-18日に、茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構にて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会が主催、高エネルギー加速器研究機構、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センターと原子力学会北関東支部が共催した。今回、チュートリアルとして「加速器の進化」を、講演・議論のセッションとして「ImPACTプログラム 核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な減容・資源化の概要」、「核データ測定を行う施設と実験」、「核データの測定から応用まで」、「中性子核データの測定と基礎・利用研究の進展」の4件を企画し実施した。さらに、ポスターセッションでは、実験、評価、ベンチマーク、応用など、幅広い研究内容について発表が行われた。参加者総数は65名で、それぞれの口頭発表及びポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告集は、本研究会における口頭発表10件、ポスター21件の論文をまとめている。

論文

Assessment of equivalent dose of the lens of the eyes and the extremities to workers under nonhomogeneous exposure situation in nuclear and accelerator facilities by means of measurements using a phantom coupled with Monte Carlo simulation

吉富 寛; 萩原 雅之*; 古渡 意彦; 西野 翔; 佐波 俊哉*; 岩瀬 広*

Proceedings of 14th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-14), Vol.3 (Internet), p.1188 - 1195, 2017/11

放射線業務従事者の眼の水晶体や末端部の等価線量については、線量限度を超えていないことを確認するため、適切に評価される必要がある。さらに近年、眼の水晶体に係る線量限度引き下げがICRPにより勧告されたこと、高放射化物等の取り扱いによる末端部被ばくが懸念されることなどから、より妥当な評価が要求されている。これらの部位は体幹部から離れた位置にあることから、場の不均等性によって大きく影響を受けるが、原子力・学術分野で、その不均等性を判断するための仕組みが十分であるとは言えない。本研究では、計算と実験を組み合わせて、不均等性を判断する枠組みを提案した。新たに提案した不均等性を表す指標を数学ファントムを用いたモンテカルロ計算により求め、その妥当性をベンチマーク実験により検証した。さらに、線源条件などのパラメータを変化させたいくつかのケースについて不均等性を調べ、水晶体被ばくにおいて不均等性を判断する上で考慮すべき因子を明らかにした。一連の実験と計算により、本指標の有用性と信頼性を確認することができた。

論文

Measurement of neutron production double-differential cross-sections on carbon bombarded with 430 MeV/nucleon carbon ions

板敷 祐太朗*; 今林 洋一*; 執行 信寛*; 魚住 祐介*; 佐藤 大樹; 梶本 剛*; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 松藤 成弘*

Journal of Radiation Protection and Research, 41(4), p.344 - 349, 2016/12

重粒子線治療は、根治性の高さや患者への身体的負担の小さなガン治療法として成果を上げているが、患者には術後の2次発ガンのリスクが伴う。このリスク評価では、体内の放射線挙動や核反応の理解が不可欠となり、放射線輸送計算コードが有用なツールとなる。計算コードの重イオン核反応に対する検証は十分でないため、放射線生成過程の実験データが必要となる。そこで、本研究では、新しいガン治療用のビームとして使用されている核子あたり430MeVの炭素ビームと人体構成物質との核反応から放出される中性子の二重微分断面積の実験データを整備した。実験は、放射線医学総合研究所のHIMAC加速器において実施した。核子当たり430MeVの炭素ビームを45$$^{circ}$$に傾けた5cm$${times}$$5cm$${times}$$1cmの固体炭素標的に入射し、生成される中性子を15$$^{circ}$$, 30$$^{circ}$$, 45$$^{circ}$$, 60$$^{circ}$$, 75$$^{circ}$$および90$$^{circ}$$方向に設置した中性子検出器で測定した。また、中性子の運動エネルギーは飛行時間法により決定した。取得した実験データとPHITSの計算値を比較したところ、PHITSはこのエネルギー領域における炭素からの中性子生成を適切に模擬できることが分かった。

論文

Distributions of neutron yields and doses around a water phantom bombarded with 290-MeV/nucleon and 430-MeV/nucleon carbon ions

佐藤 大樹; 梶本 剛*; 執行 信寛*; 板敷 祐太朗*; 今林 洋一*; 古場 裕介*; 松藤 成弘*; 佐波 俊哉*; 中尾 徳晶*; 魚住 祐介*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 387, p.10 - 19, 2016/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:28.28(Instruments & Instrumentation)

重粒子線治療施設における治療室の合理的な遮蔽設計のためには、患者と重粒子線との核反応で生成される中性子の収量および線量分布を精度よく知る必要がある。本研究では、患者を模擬した水ファントムに治療で用いる核子当たり290MeVおよび430MeVの炭素イオンを入射して、生成される中性子を液体有機シンチレータからなる検出システムを用いて測定した。シンチレータは、ビーム軸に対して15$$^{circ}$$から90$$^{circ}$$方向に15$$^{circ}$$おきに配置した。また、測定した中性子生成二重微分収量にAP照射に対する実効線量への換算係数を乗じ、測定における検出下限エネルギーである2MeV以上で積分することで、水ファントム周りの実効線量分布を導出した。得られた実験値は、モンテカルロ計算コードPHITSの計算値と比較した。その結果、PHITSは水ファントムからの中性子収量をよく再現しており、治療室を含めた重粒子線治療施設の線量分布予測において有益な評価手段であることを示した。

報告書

Proceedings of the 2015 Symposium on Nuclear Data; November 19-20, 2015, Ibaraki Quantum Beam Research Center, Tokai-mura, Ibaraki, Japan

岩本 修; 佐波 俊哉*; 国枝 賢; 小浦 寛之; 中村 詔司

JAEA-Conf 2016-004, 247 Pages, 2016/09

JAEA-Conf-2016-004.pdf:26.48MB

2015年度核データ研究会は、2015年11月19日$$sim$$20日に、茨城県東海村のいばらき量子ビーム研究センターにて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会が主催、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センターと原子力学会北関東支部が共催した。今回、チュートリアルとして「少数多体系理論の最近の話題」、「核データ共分散の利用法2015」の2件を、講演・議論のセッションとして「最近の話題」、「AIMACプロジェクトの進捗」、「JENDL評価ファイルの現状」、「核データの応用」の4件を企画・実施した。さらに、ポスターセッションでは、実験、評価、ベンチマーク、応用など、幅広い研究内容について発表が行われた。参加者総数は99名で、それぞれの口頭発表及びポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告書は、本研究会における口頭発表13件、ポスター33件の論文をまとめている。

論文

Measurement of neutron production cross sections from heavy ion induced reaction

執行 信寛*; 魚住 祐介*; 今林 洋一*; 板敷 祐太朗*; 佐藤 大樹; 梶本 剛*; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 高田 真志*; 松藤 成弘*; et al.

JAEA-Conf 2014-002, p.81 - 87, 2015/02

高エネルギー加速器施設の遮蔽設計には、原子力機構を中心に開発されているPHITSや欧州原子核研究機構を中心に開発されているFLUKAなどのモンテカルロ法に基づく放射線輸送コードが利用されている。これら放射線輸送コードの予測精度を検証するには、核反応の素過程に関する二重微分断面積の実験データとの比較が必要である。しかし、重イオン入射反応に関する実験データは乏しく、荷電粒子生成に関するものはほとんど存在しない。そこで、放射線医学総合研究所のHIMAC加速器を用い290MeV/uのAr入射反応に対する炭素原子核からの陽子,重陽子及び三重陽子生成二重微分断面積を測定した。生成した荷電粒子は、ビーム軸に対して15, 30, 45, 60, 75及び90度方向に配置した液体有機シンチレータで検出した。各荷電粒子は、飛行時間と検出器でのエネルギー損失の情報から識別できる。実験データをPHITS及びFLUKAと比較したところ、陽子生成については実験データの傾向を再現するものの、重陽子及び三重陽子生成については、両コードで全く再現できず、各コードによる計算値の間にも大きな差があることが分かった。これは、既存の核反応模型では重陽子や三重陽子の放出に必要な核子の同伴および癒着過程を適切に取り扱えていないためと考えられる。本研究で得られる知見は、放射線輸送コードにおける核反応模型の改良に貢献することが期待できる。

論文

Measurements and parameterization of neutron energy spectra from targets bombarded with 120 GeV protons

梶本 剛*; 執行 信寛*; 佐波 俊哉*; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; Lee, H. S.*; Soha, A.*; Ramberg, E.*; Coleman, R.*; Jensen, D.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 337, p.68 - 77, 2014/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:38.03(Instruments & Instrumentation)

エネルギー10GeVを超える陽子加速器施設における中性子線量計算の精度検証のために、120GeV陽子入射による厚いターゲット(グラファイト,アルミニウム,銅,タングステン)から生成する中性子エネルギースペクトルを、液体有機シンチレータNE213と飛行時間法を用いて、米国フェルミ国立研究所のTest Beam Facilityにおいて測定した。測定した中性子のエネルギー範囲は25MeVから3GeVとし、測定角度は30, 45, 120, 150$$^{circ}$$の4点とした。また、中性子スペクトルを3つの運動源模型を用いてフィッティングし、スペクトル形状を再現するパラメータを導出した。得られたスペクトルをモンテカルロ粒子輸送計算コードPHITS及びFLUKAの計算結果と比較した。その結果、全てのターゲットと角度において、PHITSによる計算結果は実験値を16-36%過小評価、FLUKAの計算結果は実験値を26-57%過小評価することがわかった。この主な原因として、計算コードの核反応モデルにおいて、120GeV陽子とターゲットの最初の衝突に伴う中性子生成の記述に問題があることがわかった。

論文

モニタリングポストでの波高分布の時系列変化とプルーム中放射性核種に対する検出器応答を用いたI-131濃度の推定

平山 英夫*; 川崎 将亜; 松村 宏*; 大倉 毅史; 波戸 芳仁*; 佐波 俊哉*; 滝 光成; 大石 哲也; 吉澤 道夫

日本原子力学会和文論文誌, 13(3), p.119 - 126, 2014/09

モニタリングポストの検出器として使用されるNaI(Tl)シンチレーション検出器から得られるパルス波高スペクトルから得られるピーク計数率の時系列変化から放射性プルーム中のI-131濃度を推測する方法が示された。プルーム中のI-131濃度は、I-131を一様に含むプルームのモデルに対して、egs5を用いたNaI(Tl)検出器の応答計算を用いて計数率から推定された。この方法を日本原子力研究開発機構原子力科学研究所のモニタリングポストで得られたデータに適用した。プルーム中のI-131濃度の推定された時系列変化は、空気サンプリング法で直接測定されたものとよく一致した。今回調査した比較的高いI-131濃度を示す3月15日と3月21日に飛来したプルームでは、その差はファクター4以下であった。

論文

Measurement of 100- and 290-MeV/A carbon incident neutron production cross sections for carbon, nitrogen and oxygen

執行 信寛*; 魚住 祐介*; 上原 春彦*; 西澤 知也*; 水野 貴文*; 高宮 大義*; 橋口 太郎*; 佐藤 大樹; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; et al.

Nuclear Data Sheets, 119, p.303 - 306, 2014/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

重粒子線がん治療は、他の放射線治療に比べて正常部位への影響が小さいなどの利点により、近年注目を集めている。この治療では、患者の体内に入射した重イオンによる核反応で、中性子, $$gamma$$線等の二次放射線が生成される。治療施設の放射線安全設計のためには、二次放射線の生成量や角度分布を把握することが重要である。そこで、放射性医学総合研究所HIMAC加速器で、重粒子線がん治療に利用される290MeV/Aと体内での減速を想定した100MeV/Aの炭素ビームを用い、生体を構成する炭素,窒素及び酸素からの中性子生成断面積の実験データを15度から90度の角度領域で取得した。炭素ビームを入射するターゲットは、固体の炭素、アルミニウム化合物(窒化アルミニウム,酸化アルミニウム)及びアルミニウムで構成した。窒素及び酸素の断面積データは、アルミニウム化合物に対するデータから、アルミニウム単体によるデータを差し引き導出した。検出効率をSCINFUL-QMDコードで値づけた液体有機シンチレータ(NE213)を用いて中性子を検出し、運動エネルギーは飛行時間法(TOF)で求めた。取得した実験データと粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの計算値との比較から、PHITSの核反応模型の精度を検証し、PHITSの重粒子線がん治療施設における放射線安全設計への応用についても議論する。

論文

Measurement of neutron yields from a water phantom bombarded by 290 MeV/u carbon ions

執行 信寛*; 魚住 祐介*; 上原 春彦*; 西澤 知也*; 平林 慶一*; 佐藤 大樹; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 高田 真志*; 松藤 成弘*

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.709 - 712, 2014/04

重粒子線治療では、患者体内に入射した重イオンビームによる核反応により、中性子をはじめとする2次放射線が生成される。重粒子線施設における治療室の遮へい設計のためには、患者を線源とした2次中性子の放出エネルギー及び角度分布を精度よく知る必要がある。これまでに測定された実験データは、独国GSIグループによる前方角度領域におけるもののみである。そこでわれわれは、放射線医学総合研究所HIMACにおいて、患者を模擬した水ファントムに治療に用いる290MeV/uの炭素ビームを入射し、15度から90度の広い角度領域で中性子生成量を測定した。水ファントムは厚さ20cmであり、入射炭素イオンはファントム内で完全に停止する。中性子検出器には、液体有機シンチレータNE213を採用し、その検出効率はSCINFUL-QMDコードを用いて求めた。中性子エネルギーは、飛行時間(TOF)法にて決定した。床散乱の寄与を評価するため、水ファントムとシンチレータの間に鉄製のシャドウバーを挿入した測定も行った。データ解析において、荷電粒子及び$$gamma$$線によるイベントを除去することにより、広い放出エネルギー、放出角度における中性子エネルギースペクトルの導出に成功した。また、取得した実験データとPHITSコードによる計算結果との比較を通して、PHITSコードの重粒子線治療施設の遮へい設計への応用についても議論した。

論文

Measurement of 100 MeV/u carbon incident neutron production cross sections on a carbon target

執行 信寛*; 魚住 祐介*; 上原 春彦*; 西澤 知也*; 水野 貴文*; 佐藤 大樹; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 高田 真志*; 松藤 成弘*

JAEA-Conf 2013-002, p.137 - 142, 2013/10

重粒子線がん治療では、患者の体内に入射した重イオンによる核反応で中性子や$$gamma$$線等の二次放射線が発生する。これら二次放射線による患部外臓器への線量付与とそれに伴う二次発がんリスクを評価するためには、核反応で生成する放射線の生成断面積データが不可欠となる。平成23年度までに、治療に用いる290MeV/u炭素イオンと生体構成元素である炭素,窒素及び酸素との核反応による中性子生成断面積データを、広い生成エネルギーと角度領域において取得し、粒子・重イオン輸送コードシステムPHITSの核反応模型の精度検証を行った。平成24年度は、人体内で減速した炭素イオンが起こす核反応を調べるため、100MeV/u炭素イオンを炭素ターゲットに入射した際の断面積を測定した。実験は、放射線医学総合研究所HIMAC加速器にて実施した。6台のNE213液体有機シンチレータを、ビーム軸から15$$^{circ}$$, 30$$^{circ}$$, 45$$^{circ}$$, 60$$^{circ}$$, 75$$^{circ}$$及び90$$^{circ}$$方向に配置し、広い角度領域での測定を可能にした。中性子の運動エネルギーは飛行時間法によって決定し、入射エネルギーから約1MeVまでのエネルギー領域におけるデータ取得に成功した。NE213シンチレータの中性子検出効率は、機構が開発したSCINFUL-QMDコードにより求めている。取得した実験データはPHITSの計算値と比較し、核反応模型では再現の難しい低ネルギー重イオン入射反応の精度を検証した。

論文

生体元素からの中性子および$$gamma$$線生成断面積の測定

魚住 祐介*; 執行 信寛*; 上原 春彦*; 西沢 知也*; 水野 貴文*; 佐藤 大樹; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 高田 真志*; 松藤 成弘*; et al.

HIMAC-140, p.234 - 235, 2013/08

平成24年度に放射線医学総合研究所のHIMAC加速器を用いて行った研究の成果について報告する。重粒子線がん治療では、入射重イオンと生体構成元素との核反応から中性子及び$$gamma$$線が、患者体内で生成される。これら放射線による二次発がんリスクの推定には、重イオン核反応における生成断面積データが不可欠である。前年度までの研究により、広いエネルギー領域での断面積測定手法を確立し、治療に供される290MeV/u炭素イオンに対する炭素、窒素及び酸素原子核からの中性子生成断面積データを整備した。平成24年度は、患者体内にて減速した重イオンによる中性子及び$$gamma$$線の生成を調べるため、100MeV/u炭素イオンを炭素及び窒素ターゲットに入射する実験を行った。その結果、15$$^{circ}$$から90$$^{circ}$$までの6角度において、下限エネルギー0.6MeVまでの精度の良い断面積測定に成功した。今後は、本エネルギー領域における実験データの拡充とともに、粒子・重イオン輸送コードシステムPHITSとの比較から、二体衝突近似が成立する下限エネルギーでの理論模型の妥当性について考察する。

論文

放射線防護に用いられる線量概念

平山 英夫*; 中島 宏; 佐波 俊哉*; 山口 恭弘; 佐藤 理*; 高木 俊治*; 鈴木 敏和*; 岩井 敏*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 55(2), p.83 - 96, 2013/02

福島第一原子力発電所の事故以来、マイクロシーベルト,ミリシーベルトなどの放射線量の単位がテレビや新聞でよく報道されるようになってきた。しかし、シーベルト(Sv)で表わされる放射線量として、放射線健康リスクに関連のある防護量(実効線量など)と、測定値と関連のある実用量(周辺線量当量など)という2種類の異なった線量概念があることは、原子力分野の専門家の間でも、必ずしも正しく理解されてはいない。本特集は3編からなり、「線量概念の概要と防護量」及び「実用量と防護量」ではICRP/ICRUによって構築されてきた防護量,実用量などの放射線防護線量体系を解説し、「福島等で使用されている線量計と防護量の関係」では福島事故対応に関連した地表面,地中浸透のセシウム汚染に対応した場の線量計(サーベイメータなど)及び個人線量計の実測値から実効線量を求めるための換算方法とその課題について解説する。

論文

Measurement of thick target neutron energy spectra at 15$$^{circ}$$ and 90$$^{circ}$$ bombarded with 120-GeV protons

岩元 洋介; 佐波 俊哉*; 梶本 剛*; 執行 信寛*; 萩原 雅之*; Lee, H. S.*; Soha, A.*; Ramberg, E.*; Coleman, R.*; Jensen, D.*; et al.

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 3, p.65 - 68, 2012/10

PHITSコードを含むシミュレーション計算コードの検証のために、米国フェルミ国立加速器研究所のFermilab Test Beam Facility(FTBF)において120GeV陽子入射で60cm厚さのグラファイト,50cm厚さのアルミニウム,20, 40, 60cm厚さの銅,10cm厚さのタングステンのターゲットから生成される中性子エネルギースペクトルの測定を行った。検出器には直径,厚さが12.7cmの液体有機シンチレータNE213を使用し、飛行時間法を用いて中性子エネルギーを導出した。中性子飛行距離を測定角度により5.0-8.0mとした。中性子検出器に付属する高電子増倍管からの生信号(波形)を500nsの時間幅,0.5nsサンプリングでデジタイザー(Agilent-acqiris DC282)を用いて取得した。大強度の入射陽子ビームによる数え落とし補正のために、ビームライン上に設置したプラスチックシンチレータと中性子検出器からの波形の相関を解析した。以上の結果、120GeVの超高エネルギー陽子入射核反応から生成する系統的な中性子エネルギースペクトルを初めて得ることができた。

論文

Measurements of neutron- and photon-production cross sections from heavy-ion reactions on tissue equivalent elements

魚住 祐介*; 執行 信寛*; 梶本 剛*; 平林 慶一*; 上原 春彦*; 西澤 知也*; 佐藤 大樹; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 高田 真志*; et al.

HIMAC-138, p.237 - 238, 2012/08

本発表では、平成23年度に放射線医学総合研究所のHIMAC加速器を用いて行った研究の成果について報告する。重粒子線がん治療では、入射重イオンと生体組織を構成する元素との核反応から中性子及び$$gamma$$線が患者体内で生成される。これらの放射線による二次発がんリスクの評価には、重イオン核反応における生成断面積のデータが不可欠である。平成22年度までの研究では、炭素+炭素及び酸素+炭素反応における中性子生成二重微分断面積を測定し、そのデータを公表した。平成23年度は290MeV/u炭素ビームを窒素化合物ターゲットに入射し、炭素+窒素反応における二重微分断面積を測定した。その結果、下限エネルギー0.6MeVまでの中性子断面積データを精度よく導出することに成功した。この成果をもって、所期の技術目標であった低エネルギー領域までの高精度中性子測定手法の確立は達せられた。今後は、確立した手法を用いて、生体構成元素に対する系統的な断面積データを整備する。また、前年度までのデータから$$gamma$$線生成二重微分断面積の導出を行った。得られた実験データは、粒子・重イオン輸送コードシステムPHITSの計算結果と比較され、$$gamma$$線生成模型の検証・改良に応用される。

論文

生体元素からの中性子及び$$gamma$$線生成断面積の測定

魚住 祐介*; 執行 信寛*; 梶本 剛*; 森口 大輔*; 上山 正彦*; 吉岡 正勝*; 佐藤 大樹; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 高田 真志*; et al.

HIMAC-136, p.248 - 249, 2011/11

本発表では、平成22年度に放射線医学総合研究所のHIMAC加速器を用いて行った測定について報告する。重粒子線がん治療では、入射重イオンと生体組織を構成する元素との核反応により中性子及び$$gamma$$線が患者の体内にて生成される。これらの放射線による二次発がんリスクの評価には、重イオン核反応における生成二重微分断面積を広いエネルギー範囲で精度よく測定する必要がある。平成21年度は、既存の実験データのある炭素+炭素反応に対して測定を行い、最適な測定条件を検討した。平成22年度は、前年度までの検討を踏まえ、データの存在しない酸素+炭素反応の断面積を測定した。その結果、数百MeV領域から0.6MeVまでの極めて広いエネルギー範囲に渡って精度よく中性子生成二重微分断面積を取得できた。さらに、取得した実験データを利用してPHITSコードの精度検証を行った。PHITSは、前方角度領域において断面積をわずかに過小評価するものの、全体的に実験値をよく再現することがわかった。

論文

Wall-less型組織等価比例計数管を用いた重粒子線に対する沈着エネルギー分布測定に関する研究

津田 修一; 佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 高橋 史明; 佐々木 慎一*; 波戸 芳仁*; 佐波 俊哉*; 斎藤 究*; 高田 真志*

HIMAC-136, p.219 - 220, 2011/11

重粒子線に対する生物効果を実験的に評価するうえで、重粒子線の飛跡及びその近傍における詳細なエネルギー付与分布データは重要である。本研究では重粒子の飛跡沿いに生成される高エネルギー電子を含む線エネルギー分布($$y$$分布)の計算モデルの精度検証に必要なデータを取得するために、壁なし型の組織等価比例計数管を製作し、放射線医学総合研究所重粒子線がん治療装置HIMACの重粒子線を利用した実験を行った。最終年目の2010年度は、160MeV陽子線及び490MeV/uシリコンビームに対する$$y$$分布データを取得し、原子力機構で開発された計算モデルによる結果と比較した。その結果、計算モデルはこれまでに報告したヘリウム及び炭素ビームに加え、阻止能の異なる陽子及びシリコンビームについてもエネルギー付与分布を再現することを示すとともに、$$y$$分布の線量平均値は生物影響評価の指標として有用であることを示した。

論文

Neutron-production double-differential cross sections from heavy-ion interactions

佐藤 大樹; 森口 大輔*; 梶本 剛*; 古場 祐介*; 中村 泰博*; 執行 信寛*; 上山 正彦*; 魚住 祐介*; 吉岡 正勝*; 松藤 成弘*; et al.

Journal of the Korean Physical Society, 59(2), p.1741 - 1744, 2011/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.54(Physics, Multidisciplinary)

重イオン相互作用からの中性子生成二重微分断面積に関する既存の実験データは、検出器の検出効率の評価に問題があり断面積を過大評価していることが知られていた。そこで、最新の検出効率計算コードを用いて既存のデータを再解析することにより、過大評価を改善した系統的な断面積データの評価を行った。また、放射線医学総合研究所の重イオン加速器を用いて、新たに中性子生成二重微分断面積を測定した。取得したデータは、既存のデータに比べ測定角度領域が後方角にまで及び検出下限エネルギーも10倍程度低い。両データは、同一核反応の同一角度において非常に良い一致を示した。さらに、各種シミュレーションコードの予測値と比較したところ、いずれのコードも前方角度領域の高エネルギー中性子生成を適切に再現できておらず、重イオン核反応模型の修正が必要であることが示唆された。

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