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小林 慶規*; 佐藤 公法*; 山脇 正人*; 満汐 孝治*; 岡 壽崇; 鷲尾 方一*
Radiation Physics and Chemistry, 202, p.110590_1 - 110590_6, 2023/01
被引用回数:3 パーセンタイル:68.71(Chemistry, Physical)陽電子とポジトロニウムは、その電荷状態が異なるため、高分子中での挙動が全く異なる。正電荷を帯びた陽電子の挙動は、静電相互作用に強く影響される。ポリエチレンのような無極性高分子では、エネルギーを持った陽電子はポジトロニウムを形成しない場合は非局在化状態に陥る。これらの陽電子は、極性基があれば敏感に捕捉される。一方、電荷的に中性なポジトロニウムは、高分子の化学構造に関係なく自由体積に局在する。本研究では、さまざまな高分子における陽電子とポジトロニウムの挙動と消滅特性について、その違いを強調しつつ議論する。
小林 慶規*; 佐藤 公法*; 山脇 正人*; 満汐 孝治*; 岡 壽崇; 鷲尾 方一*
Applied Physics Express, 15(7), p.076001_1 - 076001_4, 2022/07
被引用回数:2 パーセンタイル:34.67(Physics, Applied)高分子およびシリカガラス中の短寿命パラポジトロニウムのエネルギー損失について検討した。陽電子消滅ガンマ線のドップラー広がりを示すパラメータ(511keVの消滅ガンマ線のエネルギースペクトルのピーク全体のカウント数に対する中心付近のカウント数の割合)を、陽電子消滅寿命・運動量相関測定の結果から決定した。パラメータを自由体積に捕捉された熱化した-Psの予想値と比較したところ、フッ素系高分子やシリカガラスでは-Psは熱化せず、過剰エネルギーを持つことがわかり、フッ素やシリコンなどの比較的重い元素を含む物質ではPsがエネルギーを失うことが困難であることが示唆された。
伊藤 賢志*; 岡 壽崇*; 小林 慶規*; 白井 泰治*; 和田 健一郎*; 松本 昌高*; 藤浪 真紀*; 平出 哲也; 誉田 義英*; 細見 博之*; et al.
Materials Science Forum, 607, p.248 - 250, 2009/00
現在までに陽電子消滅寿命測定(PAL)の標準化が行われたことはない。標準がないと各々の研究室データの比較における信頼性の欠如に繋がる。そこで標準化への第一歩として、金属,高分子,シリカガラスの3種類の試料において合意した測定、及び解析手法で測定を行い、研究室間において比較を行った。金属試料では1寿命成分、それ以外では3寿命成分で解析を行った。陽電子寿命、及びオルソーポジトロニウム寿命に関して、研究室間における測定結果の違いが起こる原因について考察した。その結果、研究室ごとに使用している検出器の形状,配置などが異なり、コンプトン散乱された低エネルギーの線がもう一方の検出器に入ることで寿命スペクトル上にゆがみができるためと考えられた。検出器間に薄い金属板を挿入することで、各研究室間の違いが低減されることを確認した。
伊藤 賢志*; 岡 壽崇*; 小林 慶規*; 白井 泰治*; 和田 健一郎*; 松本 昌高*; 藤浪 真紀*; 平出 哲也; 誉田 義英*; 細見 博之*; et al.
Journal of Applied Physics, 104(2), p.026102_1 - 026102_3, 2008/07
被引用回数:48 パーセンタイル:83.5(Physics, Applied)同一の溶融石英とポリカーボネートを試料に用い、陽電子消滅寿命測定及び解析を12の研究室において実施し、その比較を行った。各研究室で得られた陽電子寿命のばらつきは、測定方法と解析方法を統一することで、過去に報告されている、何も制約を与えずに行われた試験結果に比較して、小さくできることがわかった。
小林 慶規*; 伊藤 賢志*; 岡 壽崇*; 榊 浩司*; 白井 泰治*; 誉田 義英*; 島津 彰*; 藤浪 真紀*; 平出 哲也; 斉藤 晴雄*; et al.
no journal, ,
陽電子消滅寿命測定法の標準試料作成のために、石英ガラスとポリカーボネート試料を産総研を中心に、大阪大学,千葉大学,東京大学,筑波大学,東北大学,東京学芸大学,日本原子力研究開発機構,日東電工,東レリサーチセンターが参加し、12か所で陽電子消滅寿命測定した。その結果、測定方法をある程度統一にすることで、装置の違いや実験者の違いによる差は小さくすることが可能であることを明らかにした。
伊藤 賢志*; 岡 壽崇*; 小林 慶規*; 白井 泰治*; 和田 健一郎*; 松本 昌高*; 藤浪 真紀*; 平出 哲也; 誉田 義英*; 細見 博之*; et al.
no journal, ,
現在までに陽電子消滅寿命測定の標準化が行われたことはない。標準がないと各々の研究室データの比較における信頼性の欠如に繋がる。そこで標準化への第一歩として、金属,ポリカーボネート,シリカガラスの3種類の試料において合意した測定、及び解析手法で測定を行い、研究室間において比較を行った。研究室間における測定結果の違いが起こる原因について考察した結果、研究室ごとに使用している検出器の形状,配置などが異なり、コンプトン散乱された低エネルギーの線がもう一方の検出器に入ることで寿命スペクトル上にゆがみができるためと考えられた。検出器間に薄い金属板を挿入することで、各研究室間の違いが低減されることを確認した。
伊藤 賢志*; 岡 壽崇*; 小林 慶規*; 白井 泰治*; 和田 健一郎*; 松本 昌高*; 藤浪 真紀*; 平出 哲也; 誉田 義英*; 細見 博之*; et al.
no journal, ,
金属中の空孔型欠陥や高分子中の自由体積空孔の検出・測定に有効な陽電子寿命測定法において、これまで異なる研究室で得られた結果の同等性や信頼性はほとんど検討されてこなかった。ここでは、バルク陽電子寿命測定のための測定プロトコルや標準物質の検討結果に基づいて実施した試験所間比較試験結果における不確かさの要因について考察した。金属試料ではさらなる検討が必要であることがわかったが、ポリカーボネート及び石英ガラスでのオルソーポジトロニウムの寿命値の結果では過去の国際比較試験に比して半分以下の不確かさが実現できた。