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梅田 享英*; 岡本 光央*; 荒井 亮*; 佐藤 嘉洋*; 小杉 亮治*; 原田 信介*; 奥村 元*; 牧野 高紘; 大島 武
Materials Science Forum, 778-780, p.414 - 417, 2014/02
被引用回数:2 パーセンタイル:72.87炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体 電界効果トランジスタ(MOS FET)の界面欠陥を電流検出型磁気共鳴(EDMR)により調べた。SiC MOSFETはカーボン(C)面上に作製し、水蒸気酸化及び800Cでの水素処理、又は、乾燥酸素を用いた二種類の方法によりゲート酸化膜を形成した。乾燥酸素によるゲート酸化膜を有するMOSFETのチャンネル移動度は1cm/Vs以下であるが、水素処理ゲート酸化膜を有するMOSFETは90cm/Vsである。低温(20K以下)でのEDMR測定の結果、シリコン面上に作製したMOSFETでは観測されないC面特有の欠陥シグナルが検出された。線照射を行ったところ、このC面特有の欠陥シグナルが大きくなり、それとともにチャンネル移動度が低下することが判明した。これより、水素処理により終端されていたC欠陥が線照射により離脱し、C面固有の欠陥となること、この欠陥がチャンネル移動度の低下に関与することが推測される。
粉川 博之*; 嶋田 雅之*; Wang, Z.*; 佐藤 裕*; 佐藤 嘉洋*; 木内 清
JAERI-Tech 2003-014, 22 Pages, 2003/03
原子炉用SUS304ステンレス鋼やインコネル600などの原子炉配管材料の熱鋭敏化を抑制する手段として、結晶粒界構造の制御に着目した解析研究を実施した。鋭敏化と結晶粒界構造との相関性をTEM観察等により解析して、低エネルギー結晶粒界の構造を持つ場合には、鋭敏化が抑制されることを見いだした。さらに低エネルギー結晶粒界を持つような材料に改善するための加工熱処理法を検討して、鋭敏化を生じにくい材料を開発した。
梅田 享英*; 佐藤 嘉洋*; 荒井 亮*; 岡本 光央*; 原田 信介*; 小杉 亮治*; 奥村 元*; 牧野 高紘; 大島 武
no journal, ,
耐放射線性半導体素子への応用が期待される炭化ケイ素(SiC)半導体のデバイス特性の向上に資する研究の一環として、金属-酸化膜-半導体 電界効果トランジスタ(MOS FET)の酸化膜-半導体界面に発生する欠陥を電流検出電子スピン共鳴(EDMR)を用いて評価した。C面六方晶(4H)SiC上に化学気相法によりエピタキシャル膜を成長し、水蒸気及び水素処理を用いてゲート酸化膜を形成することでMOSFETを作製した。その後、4H-SiC MOSFETは界面欠陥を導入するために、室温で線照射を行った。EDMR測定を行い界面欠陥を調べたところ、1000ppmを超える非常に強い信号が観測された。デバイスの動作状態と信号強度の関係を調べることで、この信号は価電子帯近傍に準位を持つ界面欠陥であると決定できた。さらに、欠陥構造に関する知見を得るために炭素同位体(C)の超微細相互作用を調べたところ、この界面欠陥は炭素原子が関与することが判明した。
荒井 亮*; 梅田 享英*; 佐藤 嘉洋*; 岡本 光央*; 原田 信介*; 小杉 亮治*; 奥村 元*; 牧野 高紘; 大島 武
no journal, ,
MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタとして一般的に用いられない4H-SiC(000)C面にWet酸化法でゲート酸化膜を形成することで、一般的なSi面を上回る電子移動度が得られることが知られている。その理由としては、水素を界面に導入することで界面順位(Dit)が減少した結果だと考えられているが、水素の役割やDitの起源についてはまだよくわかっていない。そこで、電流検出電子スピン共鳴(EDMR)を使ってC面MOSトランジスタの界面欠陥の分光評価を行った。その結果、界面の炭素原子に由来するC面固有欠陥を検出することができた。加えて線照射によって意図的にC面固有欠陥からの水素離脱を引き起こしEDMRによってC面固有欠陥を観察した。その結果、C面固有欠陥のEDMR信号強度は、線の照射量に応じて増加した。そして約6MGy程度で飽和し、その後減少した。この照射量はSi-MOSトランジスタで行った同様の実験に比べ1桁高く、SiC-MOSトランジスタはSiに比べて高い放射線耐性を示したと言える。また、照射試料の電流電圧特性測定より、C面固有欠陥がMOSトランジスタのしきい値電圧シフトの一つの要因であることを示した。
大島 武; 小野田 忍; 牧野 高紘; 岩本 直也*; Johnson, B. C.*; Lohrmann, A.*; Karle, T.*; McCallum, J. C.*; Castelletto, S.*; 梅田 享英*; et al.
no journal, ,
固体中の単一発光源(SPS)の有するスピンや発光を制御することで、量子コンピューティングやフォトニクスを実現しようという試みが行われている。本研究ではSiCを母材としたSPSの探索を行った。半絶縁性(SI)六方晶(4H)SiC基板に室温にて2MeVのエネルギーの電子線照射後、Ar中、30分間の熱処理を行った。室温又は低温におけるフォトルミネッセンス(PL)測定及び室温における共焦点蛍光顕微鏡(CFM)を用いたアンチバンチング測定によりSPSを探索した。110/cmの電子線照射後に300Cで熱処理を行った試料に対して80KでのPL測定を行ったところ、850950nm付近にSi空孔が起因のVラインと呼ばれるPL発光が、650700nm付近にCV起因のABラインと呼ばれる二種類のPL発光が観測された。ABラインの発光を有する欠陥中心に対して、CFMを用いて室温でアンチバンチグ測定を行った結果、CVが単一発光源であることが判明した。また、これまでSteedsらによりABラインは中性のCVと主張されていたが、ab initio計算から、この波長領域にPL発光を持つためには正に帯電しているCVであるという結果を得た。