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瀬川 智臣; 山本 和也; 牧野 崇義; 磯 秀敏; 川口 浩一; 石井 克典; 佐藤 寿人; 深澤 智典*; 福井 国博*
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.738 - 745, 2019/09
核燃料物質の有効利用のため、MOX燃料製造プロセスにおいて混合酸化物ペレットの乾式粉砕技術の開発を進めてきた。乾式回収粉の粒径を250m以下の範囲で制御する技術を開発するために、粒度約500mの模擬粉末を用いて、石臼式粉砕機および衝突板式ジェットミル両方の性能を評価した。石臼式粉砕機においては砥石間のクリアランス、また衝突板式ジェットミルにおいては分級ゾーンのクリアランスと仰角を調整することにより、粒径を250m以下の範囲で制御できることが明らかとなった。さらに、衝突板式ジェットミルは分級機のパラメータを細かく調整することができるため、粒径制御に適していると考えられる。
久芳 明慈; 綿引 政俊; 平野 宏志; 石川 進一郎; 佐藤 寿人
Proceedings of International Waste Management Symposia 2014 (WM2014) (Internet), 12 Pages, 2014/05
日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所プルトニウム燃料技術開発センターのプルトニウム燃料第二開発室は、現在、施設の廃止措置段階にあり、核燃料物質を安定的な保管形態である集合体形状に加工する処理とグローブボックスの解体撤去を並行して進めている。グローブボックスの解体撤去は、汚染拡大防止用のグリーンハウスを解体撤去対象のグローブボックスの周囲に設置し、エアラインスーツを着用した作業員が切断工具を駆使して、グローブボックスや内装機器を切断する方法で進めている。しかし、エアラインスーツ作業によるグローブボックス解体撤去作業における作業員の精神的、肉体的負荷は高い。そのため、作業員の安全性に係るリスクは高く、さらに長時間の作業は不可能なため、工期の短縮が図りにくくコスト削減が難しい。そこで、これらのリスク、コストの低減を目的に、汚染拡大防止用のグリーンハウス内で小型の重機を活用する新たな解体工法の検討に着手した。
飛田 健次; 西尾 敏*; 榎枝 幹男; 中村 博文; 林 巧; 朝倉 伸幸; 宇藤 裕康; 谷川 博康; 西谷 健夫; 礒野 高明; et al.
JAEA-Research 2010-019, 194 Pages, 2010/08
発電実証だけでなく、最終的には経済性までを一段階で見通しうる核融合原型炉SlimCSの概念設計の成果を報告する。核融合の開発では、これまで、1990年に提案されたSSTR(Steady State Tokamak Reactor)が標準的な原型炉概念とされてきたが、本研究はSSTRより軽量化を図るため小規模な中心ソレノイドを採用して炉全体の小型化と低アスペクト比化を図り、高ベータ及び高楕円度(グリーンワルド密度限界を高めうる)を持つ炉心プラズマにより高出力密度を目指した。主要パラメータは、プラズマ主半径5.5m,アスペクト比2.6,楕円度2.0,規格化ベータ値4.3,核融合出力2.95GW,平均中性子壁負荷3MW/mとした。この炉概念の技術的成立性を、プラズマ物理,炉構造,ブランケット,超伝導コイル,保守及び建屋の観点から検討した。
飛田 健次; 西尾 敏; 榎枝 幹男; 川島 寿人; 栗田 源一; 谷川 博康; 中村 博文; 本多 充; 斎藤 愛*; 佐藤 聡; et al.
Nuclear Fusion, 49(7), p.075029_1 - 075029_10, 2009/07
被引用回数:135 パーセンタイル:97.73(Physics, Fluids & Plasmas)最近の核融合原型炉SlimCSに関する設計研究では、おもに、ブランケット,ダイバータ,材料,保守を含む炉構造の検討に重点を置いている。この設計研究における炉構造の基本的考え方とそれに関連する課題を報告する。楕円度のついたプラズマの安定化と高ベータ化のため、セクター大の導体シェルを交換ブランケットと固定ブランケット間に設置する構造とした。また、ブランケットには、加圧水冷却,固体増殖材を採用することとした。従来の原型炉設計で検討していた超臨界水冷却を利用するブランケット概念に比べ、トリチウム自給を満足するブランケット概念の選択肢はかなり絞られる。ダイバータ技術やその材料について考慮すると、原型炉のダイバータ板での熱流束上限は8MW/m以下とすべきであり、これは原型炉で取り扱うパワー(すなわち、アルファ加熱パワーと電流駆動パワーの和)に対して大きな制約となりうる。
飛田 健次; 西尾 敏; 佐藤 正泰; 櫻井 真治; 林 孝夫; 芝間 祐介; 礒野 高明; 榎枝 幹男; 中村 博文; 佐藤 聡; et al.
Nuclear Fusion, 47(8), p.892 - 899, 2007/08
被引用回数:55 パーセンタイル:86.05(Physics, Fluids & Plasmas)コンパクトな核融合原型炉概念SlimCSについて報告する。この原型炉は通常のトカマク炉と比べると小規模な中心ソレノイドコイル(CS)を採用している点に特徴がある。通常、CSの主要な役割はポロイダル磁束の供給とされるが、これをプラズマ形状制御とみなすことでCSの大幅な小型化が可能であり、これによりトロイダルコイルの軽量化しいては炉本体重量の低減が期待できる。さらに、CSの小型化はプラズマの低アスペクト比(=2.6)化を可能にし、高楕円度,大プラズマ電流化,高ベータ化など炉心プラズマの高出力密度を実現するうえで望ましい条件が整う。この結果、SlimCSはARIES-RSのような先進トカマク炉概念と同規模の炉寸法でありながら、比較的無理のない炉心プラズマ条件でほぼ同等の核融合出力を発生するメリットを持つ。
佐藤 大祐*; 森 真理*; 片山 寿人*; 北村 治滋*; 河合 敏彦*; 藤巻 秀; 鈴井 伸郎; 河地 有木; 石井 里美; 松橋 信平; et al.
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 128, 2007/02
窒素は作物生産で最も重要な元素であるが、水環境への汚染負荷原因物質として農地からの流出が問題となっており、農地への投入窒素量を低減しても高い生産性が維持できるイネの開発が急務となっている。この課題を解決するために、イネの硝酸吸収にかかわる硝酸イオントランスポーターを高発現させた形質転換イネを作出し、ポジトロン放出核種を用いた計測によりその特性の解析を行った。根で吸収された硝酸イオンを地上部へ輸送する能力について、野生株と硝酸イオントランスポーター高発現株とで比較したところ、硝酸イオントランスポーター高発現株では、単位時間あたり・単位根乾重量あたりの硝酸吸収量が野生株の1.6倍であることがわかった。また、PETISによる根から地上部へのNの移行計測でも同様の傾向が確認されていることから、硝酸イオントランスポーター高発現イネは野生株のイネに比べ、根を介した地上部への高い硝酸輸送能を持つことが明らかになった。
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
都筑 和泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; Bakhtiari, M.*; 小川 宏明; 栗田 源一; 武智 学; 河西 敏; 佐藤 正泰; 川島 寿人; et al.
Nuclear Fusion, 46(11), p.966 - 971, 2006/11
被引用回数:16 パーセンタイル:48.42(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、発電実証炉のブランケット構造材の有力候補である低放射化フェライト鋼のプラズマへの適用性を調べる「先進材料プラズマ試験」を段階的に進めてきた。核融合原型炉では壁安定化効果を利用して規格化ベータ3.55.5程度のプラズマを生成することが想定されているため、フェライト鋼のような強磁性体壁をプラズマに近づけた時のMHD安定化への影響を評価することは応用上重要である。そこで、壁とプラズマとの距離を変え、安定化効果を調べる実験を行った。まずプラズマの位置,圧力をより正確に評価するための平衡計算コードの改良を行った。改良後のコードを実験と比較し、良い一致が見られた。そのうえでプラズマを壁に近づける実験を行い、プラズマ小半径で規格化した壁との距離が1.3程度の範囲までフェライト鋼壁と高規格化ベータプラズマが共存し得ることを実証した。また、壁との距離以外の条件が共通しているデータセットを抽出し、壁に近い配位の方が(1)限界が上昇する、(2)コラプスに至る時定数が長くなるなど、壁安定化効果の存在を示唆するデータが得られた。
菊池 満; 玉井 広史; 松川 誠; 藤田 隆明; 高瀬 雄一*; 櫻井 真治; 木津 要; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S29 - S38, 2006/03
被引用回数:13 パーセンタイル:41.84(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置(NCT)計画は、大学における成果を取り込みつつJT-60Uに引き続き先進トカマクを進めるための国内計画である。NCTのミッションは発電実証プラントに向けて高ベータ定常運転を実現するとともに、ITERへの貢献を図ることである。高ベータ定常運転を実現するために、装置のアスペクト比,形状制御性,抵抗性壁モードの帰還制御性,電流分布と圧力分布の制御性の機動性と自由度を追求した。
土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
篠原 孝司; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 都筑 和泰; 鈴木 貞明; 浦田 一宏*; 伊世井 宣明; 谷 孝志; 菊池 一夫; 柴田 孝俊; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.187 - 196, 2006/02
被引用回数:7 パーセンタイル:46.09(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mではフェライト鋼の挿入によりトロイダル磁場のリップルを低減した。二種の低減法が試された。最初の場合では、フェライト鋼はトロイダルコイルと真空容器に挟まれる空間に設置された。二つ目の場合ではフェライトは真空容器の内面をほぼ全面覆うように設置された。いずれの場合もリップルの低減に成功し、高速イオンの熱負荷の低減を確認した。また、フェライト鋼によって発生する複雑磁場に対応したOFMCコードも作成した。ここではJFT-2Mのフェライト鋼挿入によるリップル低減についてレビューする。
河西 敏*; 神谷 健作; 篠原 孝司; 川島 寿人; 小川 宏明; 上原 和也; 三浦 幸俊; 岡野 文範; 鈴木 貞明; 星野 克道; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.225 - 240, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:24.14(Nuclear Science & Technology)約30台の計測装置から構成されているJFT-2Mの計測診断システムは、プラズマ生成,制御,平衡,安定性,閉込め,NBIやRF(LH, ICRF, ECH)による加熱,RFによる電流駆動の研究に使用されてきた。このうち、運動シュタルク効果を利用した偏光計,荷電交換反応分光器,重イオンビームプローブ,飛行時間測定法による中性粒子測定器等は、Hモード,高リサイクリング定常(HRS)Hモードの閉込め改善機構の解明や運転領域の探求に貢献した。赤外テレビカメラ,損失イオンプローブは、リップル損失粒子による壁への熱負荷,主プラズマからの損失するイオンに関する研究でそれぞれ重要な役割を果たした。この論文は、これらの計測機器についてレビューしたものである。
山本 正弘*; 柴田 孝俊; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 木村 晴行; 岡野 文範; 川島 寿人; 鈴木 貞明; 篠原 孝司; JFT-2Mグループ; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.241 - 248, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:17.2(Nuclear Science & Technology)将来の核融合炉における構造材料として低放射化フェライト鋼F82Hの適合性をJFT-2M装置を用いて研究する先進材料プラズマ試験計画についてまとめた。トロイダル磁場リップルの低減を目的としたフェライト鋼板(壁)は、JFT-2M真空容器の外側や内側位置に三段階に分けて設置した。本論文は、これら3回の構造変更における技術的な課題として、フェライト鋼板を適切に固定するための電磁解析,許容誤差を少なくする設置方法,設置時の基準表として真空容器の実際の形状の情報を得るために使用された3次元磁場測定装置に焦点を当てて述べた。錆びやすいフェライト鋼板に対して良好な表面状態を確保するために、設置前の表面処理を念入りに実行した。酸素不純物を低減するために、安全で操作が容易なトリメチルボロンを使用したボロン化処理システムを開発した。
都筑 和泰*; 木村 晴行; 草間 義紀; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 上原 和也; 栗田 源一; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.197 - 208, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.35(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケット構造材の有力候補である。しかし、強磁性体であるため、プラズマの生成,制御,閉じ込め,安定性等に悪影響を与えることが懸念されていた。また、酸素不純物の吸蔵量が大きいことから、プラズマ中に不純物を放出することも懸念された。JFT-2Mでは段階的にフェライト鋼を導入して適合性試験を進めた。その最終段階では、真空容器内壁の全面にフェライト鋼を設置して実験を行った。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であり、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。また、高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも原型炉の運転領域に相当する規格化ベータ3.5程度のプラズマが生成できることを実証した。壁に近づけると不安定性の成長速度が遅くなることを示し、フェライト鋼壁が非磁性導体壁と同様の壁安定化効果を持つことを示した。低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されなかった。以上のように、フェライト鋼の原型炉への適用に対し見通しを与える結果が得られた。
玉井 広史; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤田 隆明; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; 細金 延幸; 市村 真*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1676 - 1683, 2005/12
被引用回数:15 パーセンタイル:45.55(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の設計研究をまとめた。装置の設計は、プラズマのアスペクト比と形状制御性に関して自由度を広く確保できることが求められている。これは、ITERと平行して研究を進めるとともに、定常高ベータプラズマ運転についての科学的なデータベースをDEMOへ提供する観点から重要である。この目標に合致するように、プラズマのアスペクト比と形状の自由度の確保について、これまで比較的困難であったダイバータ排気性能との両立が図られるように装置設計を行った。この装置設計に基づいて、閉じ込め,安定性,電流駆動,ダイバータプラズマ等の物理性能を評価し、主目的である定常高ベータプラズマを実現するための制御方法を検討した。
小川 宏明; 山内 有二*; 都筑 和泰; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 河西 敏; 草間 義紀; 山口 薫*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.678 - 682, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.31(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mでは原型炉の構造材として有力視されている低放射化フェライト鋼(F82H)を段階的に真空容器内に設置して高性能プラズマとの適合性を試験する「先進材料プラズマ適合性試験」を実施している。フェライト鋼はその化学的特性(錆びやすい)から酸素不純物の増加が懸念されている。また、重水素保持特性に関してはこれまで十分なデータの蓄積がない。そこで、フェライト鋼を真空容器内壁の20%に設置した場合と全面に設置した場合の不純物挙動を分光診断で測定した。その結果、真空容器内壁全面に設置した場合であっても、プラズマが直接相互作用をしない位置に設置した場合では、不純物放出が大きな問題とならないことを示す結果を得た。また、フェライト鋼の重水素保持特性では、重水素はおもに酸化層に吸蔵され、機械研摩等により酸化層を除去した状態では、構造材として広く用いられているSUS-316Lと同様であることを示す結果を得た。
都筑 和泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 栗田 源一; Bakhtiari, M.; 小川 宏明; 星野 克道; 河西 敏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.721 - 725, 2004/08
被引用回数:7 パーセンタイル:45.16(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケットの有力な候補材料であるが、強磁性体であり不純物の吸蔵量も大きいことから高性能プラズマとの共存性の実証が不可欠である。JFT-2Mにおいては、原研炉のブランケット壁を模擬するため、真空容器の内壁全面にフェライト鋼を設置し、適合性試験を行っている。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であることを示し、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。さらに、原型炉においても、制御に対する影響はJFT-2Mと同程度と予測されることを示した。また、原型炉で想定されている高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも壁無しの安定化限界に近い、規格化ベータ3.3程度のプラズマが生成できることを実証した。この配位をベースにしてプラズマを全体的に弱磁場側の壁に近付けたところ、ディスラプション直前のモードの成長速度が壁の時定数程度(数ms)まで低減した。これは壁安定化効果の存在を示唆する。その他、低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されておらず、フェライト鋼の原型炉への適用に対し、明るい見通しを与える結果が得られた。
神谷 健作; Bakhtiari, M.; 河西 敏; 川島 寿人; 草間 義紀; 三浦 幸俊; 小川 宏明; 大山 直幸; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(5A), p.A157 - A163, 2004/05
被引用回数:21 パーセンタイル:56.67(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2M装置において、第一壁のボロン化後に高リサイクリング定常(HRS)H-modeが得られる新しい運転領域を開拓した。このH-modeは定常性を有しており、大きなELMが無いのでダイバータ板への熱負荷を低減でき、高密度運転が可能である(閉じ込め改善度1.6,規格化密度/0.7)。HRS H-mode遷移時にコヒーレント成分を有する特徴的な磁場及び浮遊電位揺動が10-100kHzの周波数帯に観測されている。この揺動は粒子輸送の増加に重要な役割を果たしていると考えられ、Alcator C-Modで観測されているEnhanced Da (EDA) H-modeと類似している。通常のダイバータ配位(三角度delta0.4)におけるHRS H-modeの運転領域は比較的高い中性粒子圧力でかつ高密度(/0.4)で観測され易いが、広い範囲の安全係数(23付近の低安全係数でも)で得られている。最近の研究では、HRS H-mode運転領域はdelta0.75まで拡張可能であることがダブルヌル配位にて明らかとなっている。一方、delta0.3以下では大きなELMsが発生し、高密度あるいは高リサイクリング状態にもかかわらずHRS H-modeは得られていない。このことはプラズマ形状もELMsの安定化に重要な役割を果たしていることを示唆する。
都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10
被引用回数:39 パーセンタイル:74.34(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。
神谷 健作; 木村 晴行; 小川 宏明; 川島 寿人; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 三浦 幸俊; JFT-2Mグループ
Nuclear Fusion, 43(10), p.1214 - 1219, 2003/10
JFT-2M装置において、第一壁のボロン化後に高リサイクリング定常(HRS)H-modeが得られる新しい運転領域を開拓した。このH-modeは定常性を有しており、大きなELMが無いのでダイバータ板への熱負荷を低減でき、グリーンワルド密度(nGW)の約70%付近までの高密度運転が可能である(閉じ込め改善度: 1.5)。HRS H-mode遷移時にコヒーレント成分を有する特徴的な磁場揺動が観測されており、その運転領域は比較的高い中性粒子圧力下での高密度(ne/nGW0.4)で観測され易いが、広い範囲の安全係数q95(2q953付近の低q95でも)で得られている。HRS H-mode境界の最大の特徴は、プラズマコア部の閉じ込め改善モードと両立可能な点にある。今回、HRS H-mode境界に内部輸送障壁(ITB)を重畳させることによって、過渡的ながら規格化ベータ値()が~3に達する高性能プラズマを得ている。