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矢田 隆一*; 前中 一介*; 宮本 修治*; 岡田 豪*; 笹倉 亜規*; 芦田 基*; 足立 真士*; 佐藤 達彦; Wang, T.*; 赤坂 浩亮*; et al.
Medical Physics, 47(10), p.5235 - 5249, 2020/10
被引用回数:7 パーセンタイル:52.3(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)光ファイバーとマイクロサイズ光刺激蛍光体を組み合わせた定位放射線治療のためのリアルタイム体内線量評価システムを開発した。開発したシステムの線量応答の線形性,線量率依存性,温度依存性などを医療用Linacを用いて検証した。また、測定値と粒子・重イオン輸送計算コードPHITSによる計算値を比較し、その妥当性を確認した。これらの結果より、開発したシステムが定位放射線治療のリアルタイム体内線量評価システムとして十分な性能を有することを確認した。
吉原 亮平; 長谷 純宏; 佐藤 良平*; 滝本 晃一*; 鳴海 一成
International Journal of Radiation Biology, 86(2), p.125 - 131, 2010/02
被引用回数:21 パーセンタイル:80.21(Biology)LETの異なる放射線により高等植物内で誘発される突然変異の特徴を解析するために、シロイヌナズナ内における炭素イオンビーム及び線による変異誘発効果を調査した。変異検出は、遺伝子導入シロイヌナズナを用いた突然変異検出システムを用い、遺伝子内変異の解析を行うこととした。われわれは、208-MeV炭素イオンビームと線を遺伝子導入シロイヌナズナに照射し、変異頻度及び変異スペクトルの解析を行った。その結果、208-MeV炭素イオンビームと線は、シロイヌナズナ種子内で異なる変異誘発効果を示すことが示唆された。
吉原 亮平; 中根 千陽子*; 佐藤 良平*; 安田 愛*; 滝本 晃一*
Genes and Environment, 30(2), p.53 - 61, 2008/05
われわれは、植物の紫外線耐性におけるCPD光回復の役割を調べるために、のCPD photolyaseをRNAiによりサイレンシングした植物体を作成した。サイレシング体はUV-Bに対して高感受性を示し、UV-B誘発変異頻度は野生型に比べて高かった。これらの結果から、CPDの光回復は、における紫外線耐性及び紫外線誘発変異の抑制に重要な働きをしていることが示された。
西谷 健夫; 落合 謙太郎; 吉田 茂生*; 田中 良平*; 脇坂 雅志*; 中尾 誠*; 佐藤 聡; 山内 通則*; 堀 順一; 和田 政行*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.58 - 61, 2004/03
核融合施設の天井から漏洩した放射線が空気と散乱して、施設周辺の地上に到達する、いわゆるスカイシャンは、核融合施設周辺の放射線安全に最も重要な項目の一つである。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャインの実験を2002年3月と2003年3月の2回にわたって実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次線の分布を測定した。2002年3月の実験ではHe-3レムカウンタを用いて線源から550mまでの中性子線量率分布と200mまでの2次線スペクトルを大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器で測定した。2003年3月の実験ではFNS建屋周辺において、NE213シンチレーション検出器を用いた中性子スペクトル測定とBGOシンチレータ検出器を用いた2次線スペクトル測定を実施した。測定された結果は、JENDL-3.3を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4C)とよく一致し、MCNPによる計算がスカイシャインによる線量を十分な精度で評価できることを確認した。
吉田 茂生*; 西谷 健夫; 落合 謙太郎; 金子 純一*; 堀 順一; 佐藤 聡; 山内 通則*; 田中 良平*; 中尾 誠*; 和田 政行*; et al.
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.637 - 641, 2003/09
被引用回数:9 パーセンタイル:53.35(Nuclear Science & Technology)核融合炉からのスカイシャインは炉の安全の評価上重要であるが、これまでD-T中性子に対するスカイシャインの実験的評価はほとんどなかった。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャイン実験を実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次線の分布を線源から 550mまでの範囲で測定した。中性子に対しては、He-3レムカウンタ,BF-3比例計数管,線に対しては、大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器を使用した。測定された線量は中性子がほとんどを占め、1.710n/sの発生率に対し、線源から150m及び400mでそれぞれ0.1Sv/h,0.01Sv/hであった。またJENDL-3.2を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4B)と比較した結果、150mまでは、実験値とよく一致することがわかった。また空中に打ち上げられた中性子を線上中性子源とみなす解析モデルは非常によく実験値を再現することがわかった。2次線に関しては6MeVの高エネルギー線が主になっており、スカイシャイン中性子が地中で起こすSi(n,)反応によると考えられる。
田中 良平*; 落合 謙太郎; 中尾 誠*; 山内 通則*; 堀 順一; 和田 政行*; 佐藤 聡; 西谷 健夫
JAERI-Tech 2003-063, 62 Pages, 2003/07
原研FNSにおいて天井に設けられているスカイシャインポートを開放した状態でD-T中性子のスカイシャイン実験を実施し、2次線の測定を行った。NaI(Tl)シンチレーション検出器を用いて、中性子発生源から最大300mまで測定を行った。それにより得られた実験データをアンフォールディングしてフラックスを求め、それに線量当量換算係数を掛け合わせ線量率を算出した。この線量率をモンテカルロコードMCNP-4Bによるシミュレーション計算により得られた値と比較した結果、実験値と計算値は20%内で一致した。この測定で得られた線量率から300mまでではあるが半経験式の導出を行った。また高純度Ge半導体検出器を用いて発生中性子に起因する建屋依存による周辺での2次線核種同定の測定を実施した。その結果、建屋構造材に使用されている鉄からのピークを検出した。また、水素,ケイ素の放射捕獲反応によるピークが検出されたことから、2次線の発生源はこれまで考えられていた中性子と空気との散乱反応よりむしろ、土等によるスカイシャイン中性子の放射捕獲反応が主になっていることを示唆する結果を得た。
西谷 健夫; 落合 謙太郎; 吉田 茂生*; 田中 良平*; 脇坂 雅志*; 中尾 誠*; 佐藤 聡; 山内 通則*; 堀 順一; 高橋 亮人*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 79(3), p.282 - 289, 2003/03
核融合炉からのスカイシャインは炉の安全の評価上重要であるが、これまでD-T中性子に対するスカイシャインの実験的評価はほとんどなかった。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャインの実験を実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次線の分布を線源から 550mまでの範囲で測定した。中性子に対しては、He-3レムカウンタ,BF-3比例計数管、線に対しては、大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器を使用した。測定された中性子線量分布に対し、JENDL-3.2を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4B)と比較した結果、230mまでは、実験値とよく一致することがわかった。遠方における差異の原因としてはレムカウンターの感度のエネルギー依存性に問題があると考えている。また空中に打ち上げられた中性子を線上中性子源とみなす解析モデルは150mまでよく実験値を再現することがわかった。本実験においては、2次線による線量は、中性子による線量の1/50であり、MCNPによる計算と良く一致した。以上により、MCNPによる計算はスカイシャインによる線量を十分な精度で評価できることがわかった。
吉原 亮平; 安田 愛*; 佐藤 良平*; 長谷 純宏; 鳴海 一成; 滝本 晃一*
no journal, ,
生物はさまざまな変異原に曝されている。これまでに大腸菌やマウスなどで種々の変異原による誘発突然変異の解析が行われてきたが、植物における変異解析はほとんど行われていなかった。そこで植物における変異誘発機構及びDNA修復系の変異抑制に対する寄与を明らかにするために、モデル植物であるシロイヌナズナにrpsL遺伝子を導入した植物変異検出システムを開発した。このシステムが実際に機能するかどうかを調べるために、DNAアルキル化剤のethylmethansulfonate(EMS)を用いた変異解析を行った。また、植物のDNAに対する紫外線影響を評価するために紫外線誘発突然変異解析を行った。さらに紫外線DNA傷害の一つであるcyclobutane pyrimidine dimer(CPD)を効率的に修復するCPD光回復遺伝子をRNAiによりノックダウンした個体も作成し、CPD光回復遺伝子の紫外線誘発変異に対する抑制効果も調べた。今後の展開としてイオンビーム誘発突然変異解析についても紹介する。今回は種々のイオンビームに対するシロイヌナズナ種子の感受性のデータ及び今後の展望について報告する。
佐藤 良平*; 安田 愛*; 吉原 亮平; 滝本 晃一*
no journal, ,
紫外線(UV)はDNA上にピリミジン2量体を生成し、致死や変異誘発の原因となり、生育を抑制する。植物には光回復と暗回復が修復系として知られ、前者は可視光線を利用するもので、太陽光下で成育している植物にとっては有効な修復系と考えられる。われわれは高等植物において、シクロブタン型ピリミジン2量体(CPD)光回復が高等植物の紫外線防御と変異誘発に与える効果を調べた。シロイヌナズナにホウレンソウCPD光回復遺伝子を導入してコピー数を増やしたホモ系統のUVB(主波長306nm)感受性を調べたところ、野性型に比べて生育抑制の軽減がみられた。一方、CPD光回復遺伝子をRNAiによりサイレンシングしたシロイヌナズナは著しいUVB感受性を示した。CPD光回復は高等植物のUV耐性に重要な役割を果たしている。ピリミジン2量体は突然変異の原因となる。変異標的遺伝子導入シロイヌナズナを用いた。サイレンシング体の変異頻度は野生型の約2倍であり、GCAT塩基置換やフレームシフトが多い傾向が見られた。他生物のUV誘発変異ではあまり見られないATTAやGCCG塩基置換が野生型で検出された。植物に特有なのかもしれない。