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玉置 等史; 内藤 俶孝*; 鈴木 忠和*; 三橋 雄志*
日本原子力学会誌ATOMO, 50(2), p.97 - 102, 2008/02
近年、我が国では、原子力施設の潜在的危険性(リスク)を定量的に評価することにより得られるリスク情報を活用した安全規制導入の検討や安全管理へのリスク情報の反映方法の検討が進められている。安全規制にリスク情報を活用することにより、規制の合理性・整合性・透明性の向上、さらに効果的な規制活動が期待される。一方、海外諸国のうち、特に米国及び英国では、原子力施設すべてを対象に、リスク情報を活用した規制や管理を行うとしている。これまで、核燃料サイクル施設へのリスク情報の活用例はほとんど公開されていなかったが、2007年サンクトペテルスブルグで開催された臨界安全国際会議において、英国及び米国より核燃料サイクル施設へのリスク評価の応用研究についての報告があった。そこで、臨界安全に関する国内のリスク評価研究の現状と上記会議での報告内容を紹介する。
奥村 啓介; 大木 繁夫*; 山本 宗也*; 松本 英樹*; 安藤 良平*; 辻本 和文; 笹原 昭博*; 片倉 純一; 松村 哲夫*; 青山 卓史*; et al.
JAERI-Research 2004-025, 154 Pages, 2005/01
本報告書は、シグマ研究委員会・核燃料サイクル専門部会・核種生成量評価ワーキンググループ(WG)における平成1315年度の活動成果についてまとめたものである。同WGでは、軽水炉及び高速炉で照射されたUO又はMOX燃料、及び高速炉で照射されたアクチノイド試料に対する照射後試験の解析を、JENDL-3.2, JENDL-3.3及びその他の海外の核データライブラリとORIGENコードやより詳細な解析コードを使用して行った。これらの結果から、核種生成量評価の予測精度の現状と問題点が論じられる。さらに、最新のJENDL-3.3に基づくORIGENコード用のPWR, BWR, FBR用の断面積ライブラリの作成,ORIGEN計算への中性子スペクトルインデックスの導入検討、及びORIGENユーザーへの核種生成量評価に対する期待精度のアンケート調査といった活動の成果についても報告する。
奥野 浩; 内藤 俶孝*; 須山 賢也
JAERI-Research 2002-001, 181 Pages, 2002/02
この報告書は、経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の後援の下に燃焼度クレジット臨界安全専門家グループで実施されたベンチマーク問題フェーズIIIB の最終結果を示したものである。ベンチマーク問題では、BWR使用済燃料集合体モデルの原子個数密度に関する現行の計算コード及びデータ・ライブラリの組合せの予測能力を比較することを意図している。燃料集合体は、比出力25.6 MW/tHMで40GWd/tHMまで燃焼,5年間冷却するものとした。ボイド率はチャンネルボックス内は一様で、燃焼中0, 40, 70%の一定値とした。7ヶ国,13機関から計16件の回答が提出された。計算されたアクチニド12核種、核分裂性核種20核種の原子個数密度は、平均値に対しておおむね10%以内に収まった。しかし、幾つかの核種、特に155Eu及びガドリニウム同位体ではこの範囲を超えており、さらに検討を要する。ピンごとの燃焼度の傾向は参加者間でよく一致した。中性子無限増倍率k∞もボイド率0及び40%では互いによく一致したが、ボイド率70%では平均値から明らかに外れる結果があった。
桜井 淳; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 43(3), p.219 - 220, 2001/03
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会は、臨界事故を受けて、委員会で対応できる安全対策を検討した。その結果、核燃料サイクル施設従事者に対してパソコンに連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4Bをインストールして代表的体系を解析する臨界安全教育プログラムの有効性を確認した。本稿では考え方と計算例について解説した。
桜井 淳; 久米 悦雄; 谷田部 茂*; 前川 藤夫; 山本 俊弘; 長家 康展; 森 貴正; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
JAERI-Review 2000-034, 133 Pages, 2001/02
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会主催「モンテカルロ計算夏季セミナー」は、2000年7月26-28日に日本原子力研究所東海研究所で実施された。参加者は大学・研究機関・企業から111名にも及び盛況であった。初級コースではノート型パソコンにMCNP-4B2及び付属ライブラリ,入力例をインストールし、モンテカルロ法基礎理論から計算演習まで行った。このようなセミナーは日本では最初の試みであるため、ここに実施概要及び講義,インストール,計算演習の内容について報告する。
桜井 淳; 久米 悦雄; 谷田部 茂*; 前川 藤夫; 山本 俊弘; 長家 康展; 森 貴正; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 42(10), p.1062 - 1065, 2000/10
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会主催の「モンテカルロ計算夏季セミナー」を実施した。大学・研究機関・企業から計111名の参加者があった。本稿においては、開催主旨、ノート型パソコンへの連結エネルギーモンテカルロ計算コードのインストールの技術的問題検討、セミナープログラム、計算メカ、参加者からのアンケート、今後の課題についてまとめた。今回は最初の読みであったため、実施上のさまざまな問題が生じたが、今後のために役立てていきたい。
桜井 淳; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 42(10), p.1048 - 1049, 2000/10
モンテカルロ計算を計算科学の標準的手法にするため、新しい試みを行った。ここでは、おもに、1990年代半ば以降に原研及び日本原子力学会に設けた研究委員会や研究成果,モンテカルロ研究の課題等をまとめている。これらの成果をふまえ、日本でのモンテカルロ国際会議開催の必要性を提案している。
奥野 浩; 内藤 俶孝*; 安藤 良平*
JAERI-Research 2000-041, 179 Pages, 2000/09
この報告書は、経済開発機構原子力機関(OECD/NEA)の後援の下に燃焼度クレジット臨界計算ワーキンググループで実施されたベンチマーク問題IIIAの最終結果を示す。ベンチマーク問題は、1層の沸騰水型原子炉使用済燃料集合体配列モデルの中性子増倍率(k)に対する、現行の計算コード及びデータ・ライブラリの組み合わせが持つ予測能力を確認することを意図している。全部で22題のkを計算するベンチマーク問題を提案している。以下のパラメタの効果を検討する: 冷却期間、FP核種考慮の有無、軸方向燃焼度分布考慮の有無、燃焼時の軸方向ボイド率分布または一定ボイド率の考慮。22題のうち5題の問題については、軸方向の核分裂割合の分布も要求している。9ヶ国からなる17機関の寄与により、21組の結果を提示している。参加者により計算されたk値の平均値からの相対的な広がりは、ほぼ1%k/kの幅に収まっている。また、核分裂割合分布計算値の平均からのずれは、多くの場合において5パーセントの範囲内にあるとの結果を得ている。
桜井 淳; 前川 藤夫; 山本 俊弘; 森 貴正; 内藤 俶孝*
核データニュース(インターネット), (66), p.91 - 92, 2000/06
MCNP高温ライブラリーを作成した。収納核種は340種類、温度は、293,600,900,1200,1500,2000Kである。第一段階としての編集の信頼性チェックについては存在する確実なベンチマーク実験との関係で293Kで実施した。ここでは第二段階としての高温ライブラリーのチェックの考え方及び作業進捗状況について報告する。
桜井 淳; 山本 俊弘; 植木 紘太郎*; 森 貴正; 野村 靖; 内藤 俶孝*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(Suppl.1), p.446 - 448, 2000/03
本論文は日本における最近のモンテカルロシミュレーション研究活動の概要をまとめたものである。本論文で取り上げた活動内容は、(1)原研が実施した遮蔽実証解析、(2)原研の原子力コード評価専門部会で実施した「原子力研究におけるモンテカルロシミュレーション」及び「モンテカルロ計算ガイドライン」作成、(3)第1回モンテカルロシミュレーション研究会内容、(4)日本原子力学会に設立した「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会の活動である。(1)-(4)はモンテカルロシミュレーション研究における新しい試みであり、世界でも例がない。この論文で日本におけるこの分野の研究の進展を世界に示し、情報交換を推進したいと考えている。
桜井 淳; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 42(2), p.114 - 115, 2000/02
日本原子力学会会員のために、日本におけるモンテカルロ計算の現状を紹介する。モンテカルロ計算の拡大をめざし、学会研究専門委員会では、モンテカルロ計算夏季セミナーの開催準備中である。連続エネルギーモンテカルロコードMCNPやMVPをパソコンで利用できるようにする方針である。今後、モンテカルロ計算を積極的に促進する必要がある研究分野として、宇宙ステーションでの被曝評価、中性子や放射光を利用した物質科学研究が挙げられるが、10年以内にこれらの分野のモンテカルロシミュレーションを高精度で実現する方針である。
前川 藤夫; 桜井 淳; 小迫 和明*; 久米 悦雄; 川崎 信夫*; 野村 靖; 内藤 俶孝*
JAERI-Data/Code 99-048, p.52 - 0, 1999/12
原子力コード委員会原子力コード評価専門部会の「MCNP高温ライブラリ作成ワーキンググループ」の活動として、MCNPライブラリ自動編集システムautonjの開発を行った。これはNJOY-97コードを中核とし、JENDL-3.2等の評価済み核データファイルから容易にMCNP用断面積ライブラリを編集できる効果的なシステムである。このautonjにより、JENDL-3.2に基づく6温度点における温度依存ライブラリを作成した。また、これらのautonjシステム及び温度依存ライブラリを原研のAP3000計算機上にインストールした。
桜井 淳; 前川 藤夫; 久米 悦雄; 野村 靖; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 41(9), P. 924, 1999/09
世界的に利用されている連続エネルギーモンテカルロコードMCNPの最新版であるMCNP-4Cの概要及び日本におけるJENDLを基にした専用ポイントワイズ断面積編集作業について記した。原子力コード評価専門部会「MCNP高温ライブラリー作成」WGでは、MCNP専用ポイントワイズ断面積を従来よりも10倍効率よく編集できる「MCNP断面積自動編集システムautony」を開発した。JENDLを基に340核種を旧で編集し、専用高温ライブラリーを編集公開した。同システムでMCNP-4Cの高温ライブラリーの編集も可能である。日本におけるMCNP-4C対応の現状について新しい情報を利用者及び学会員に提供するためのまとめである。
植木 紘太郎*; 森 貴正; 桜井 淳; 中川 正幸; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 41(6), p.614 - 627, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)汎用モンテカルロコードである米国のMCNPや我が国のMVP等の普及並びに計算機環境の向上に伴い、広い分野でモンテカルロ法による詳細な中性子、光子等のシミュレーションが行われるようになってきた。本解説では、MCNPとMVPの内容と特徴並びに国内における原子炉炉心解析、臨界安全解析、遮蔽・被曝計算、高エネルギー粒子解析の必要な放射能消滅処理炉の解析及び核融合炉の解析等への適用の現状を紹介する。最後に、モンテカルロコードの使用上並びに開発上の課題を整理する。
奥野 浩; 内藤 俶孝*; 須山 賢也; 安藤 良平*
Proceedings of 6th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC '99), 2, p.566 - 575, 1999/00
沸騰水型原子炉(BWR)使用済燃料に対するベンチマーク計算が1996年以降OECD/NEAのワーキンググループによりフェーズIIIとして実施されてきた。ベンチマークは、現在使用されている計算コード及びデータライブラリのさまざまな組み合わせにおける整合性を、BWR使用済燃料集合体の中性子増倍率k(フェーズIIIA)及び原子個数密度(フェーズIIIB)について確認することを意図している。フェーズIIIAに対しては、9か国17機関から21の回答が寄せられた。参加者から得られた平均のkに対して、相対的なばらつきは1%k/kの幅に入った。フェーズIIIBについては、6か国12機関から14の回答が寄せられた。計算された原子個数密度は、平均値に対してほぼ10%の差に入った。しかし、この幅よりも大きくなった結果もあり、今後検討が必要である。関連の量も提出されており、この論文の中で報告した。
野村 靖; 内藤 俶孝
Nuclear Technology, 121(1), p.3 - 12, 1998/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)典型的な再処理施設としてドイツのプラントモデルに対して、第一分離サイクルの抽出プロセスに用いられるパルスカラムのプルトニウム蓄積による臨界事故を取り上げ、事故シナリオの同定、信頼性データの導入、フォールトツリーの構築及び解析を行ったので、その結果を報告する。パルスカラムへのスクラブ供給液中の酸濃度低下を起因事象とし、プルトニウム蓄積の検出失敗が重なることにより臨界事故発生に至る頻度を算出し、それに寄与する機器故障の種類を同定して、システム信頼性向上が図れるための設計改善策を示した。
山本 俊弘; 桜井 淳; 内藤 俶孝*
Annals of Nuclear Energy, 25(9), p.599 - 607, 1998/00
被引用回数:1 パーセンタイル:15.03(Nuclear Science & Technology)従来の中性子源増倍法による未臨界度測定法の欠点を補うために、「計算誤差間接推定法」を提唱した。この手法は、計算で求めた実効増倍率のバイアスを、中性子計数率の測定値と計算値との差から求めるものである。このバイアスを、計算で求めた実効増倍率の補正に使うことにより、より真値に近い実効増倍率を導くことができる。この手法の検証を行うために、中性子源増倍法を模擬した数値実験を中性子拡散計算で行った。この手法によって真の実効増倍率がどの程度再現できるかが示された。その結果、この手法によって未臨界度を高精度に評価するためには、少なくとも三ヵ所での中性子反応率の測定が必要であることが分かった。
桜井 淳; 山本 俊弘; 荒川 拓也*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 40(5), p.380 - 386, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)TCAで実施された二分割結合炉心実験の解析をMCNP 4Aで行った。中性子増倍率の誤差は、筆者らによって提案された「計算誤差間接推定法」で評価した。パルス中性子法シミュレーション計算は1717+5G+1717体系に対して、指数実験法シミュレーションの計算は169+3G+169体系及び169+5G+169体系に対して行った。「計算誤差間接推定法」による評価によれば、MCNP 4Aで計算した中性子増倍率には、0.4~0.9%の誤差が見込まれる。従来のパルス中性子法及び指数実験法では中性子増倍率に6%の誤差が見込まれているが、「計算誤差間接推定法」による計算値を用いた未臨界度の評価ではそれを1%以下にできる。
黒澤 正義; 内藤 俶孝; 須山 賢也; 板原 國幸*; 鈴木 勝男*; 濱田 紘司*
日本原子力学会誌, 40(6), p.486 - 494, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)日本の原子力開発利用長期計画によると、六ヶ所再処理工場の操業開始は2000年過ぎ、民間第2再処理工場の方針決定が2010年頃とされている。国内処理能力とのバランスを考えると、使用済燃料の貯蔵が増大すると予想される。そこで、使用済燃料の冷却期間の延長がプルサーマル燃料サイクルに与える効果を検討することとした。このため、日本の典型的なPWR燃料について燃焼計算を行うとともに、MOX燃料を用いたプルサーマル炉心の燃焼及び臨界計算を行って、再処理施設の臨界安全やしゃへい設計及びMOX燃料炉心の寿命などに与える影響を評価した。プルトニウム有効利用の点から使用済燃料貯蔵期間は短い方が望ましいと考えられてきたが、本検討の結果、使用済燃料貯蔵期間を30年に延長すると、燃料サイクルの安全性、経済性に多くの利点が期待できる上、プルトニウム有効利用の点でもほとんど不利益のないことが分かった。
桜井 淳; 山本 俊弘; 荒川 拓也*; 内藤 俶孝
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(6), p.544 - 550, 1997/06
被引用回数:2 パーセンタイル:23.04(Nuclear Science & Technology)転水減速・反射、低濃縮UO燃料格子炉心での未臨界実験に「計算誤差間接推定法」を適用して未臨界度を推定した。即発中性子減衰定数と空間減衰定数の二つの測定可能な量をMCNP 4AとJENDL-3.2を用いて計算し、その誤差から「計算誤差間接推定法」により反応度とのバイアスを求めた。空間減衰定数の計算値と測定値との差は、実験値の誤差とほぼ同等であった。これにより、MCNP 4AおよびJENDL-3.2を用いた未臨界推定精度は、指数実験で達成可能な精度の範囲内であると言える。一方、計算および測定で求めた即発中性子減衰定数の差から、計算で求めた反応度のバイアスは有意な値が得られた。このバイアス値より計算で求めた実効増倍率に対して補正を行い、未臨界度を推定した。