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出来 恭一*; 松岡 史哲*; 鄭 和翊*; 有澤 孝
レーザー研究, 31(12), p.854 - 859, 2003/12
硝酸バリウム,カルサイトの2種の利得係数の大きく異なるラマン結晶を用いて後方ラマン光発生とそれに伴うパルス圧縮、及び増幅の基礎特性を実験的に調べた。硝酸バリウム結晶では15倍のパルス圧縮比と50%以上のストークス光の反射率を達成した。また、後方ストークス光発生時、主パルスに引き続く第2パルスが広い条件下で発生することを見いだし、かつこの第2パルスはラマン発生用結晶配置の調整により制御可能であること、またラマン増幅器においては、ポンプ光と入力光の出会いのタイミングの調節によって主パルスのみを選択的に増幅でき、第2パルスが無視できる程度にその相対強度比を低め得ることも実験的に明らかにした。以上より、複雑,高価なCPA方式を用いない、簡便な手段により小型,低価格の短パルス(数十ピコ秒)レーザーの実現が可能であることを実験的に示すことができた。
西村 昭彦; 宇佐美 力*; 出来 恭一*; 下別府 祐三*; 早坂 昇*; 有澤 孝
Technical Digest on 4th Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO/Pacific Rim 2001), p.II_280 - II_281, 2001/00
固体ターゲットへのレーザー集光によるX線発生では、損傷するターゲット表面の更新が重要となる。一方、これまでレーザー加工という観点からは加工痕の形状について多くの観察報告が行われている。レーザー光の集光により加熱/蒸発によって生じるキーホールの進行プロセスの解明が重要であるが、顕微鏡による観察では進行中のプロセスの情報が失われている。本報告では、加工対象としてLSI製造のシリコン基板を選び、これまでの顕微鏡観察と併せてレーザー光の反射光と透過光を同時計測すことにより加工プロセスの時間変化を把握することを試みた。シリコン基板の厚さは50ミクロンである。また、使用したレーザーはフラッシュランプ励起のフリーランニングチタンサファイアレーザーであり、パルス長さ140マイクロ秒,パルスエネルギーは57mJである。600kW/cmの照射強度の際に50ミクロン厚のシリコン基板を貫通できること、シリコン基板表面からの反射光は20マイクロ秒後には消失すること、55マイクロ秒後に貫通穴が生じ始めること、など加工プロセスの時間変化を明らかにすることができた。