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沢 和弘; 飛田 勉*; 茂木 春義; 塩沢 周策; 吉牟田 秀治*; 鈴木 修一*; 出牛 幸三郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(8), p.683 - 690, 1999/08
被引用回数:32 パーセンタイル:88.99(Nuclear Science & Technology)日本初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉(HTTR)は、1998年11月に初臨界を達成した。燃料の製造は1995年6月に開始し、1997年12月に150の燃料体の組立を完了した。4770本の燃料棒に対応する、合計66780個の燃料コンパクトは、燃料核、被覆燃料粒子、燃料コンパクトの各工程を経て無事製造した。燃料の製造技術は、これまでの多くの研究開発及び照射試料の製造経験を通して確立されてきた。製造した燃料コンパクトには、貫通破損粒子はほとんど含まれておらず、また、炭化ケイ素(SiC)層の破損粒子はわずかであった。平均貫通破損率及びSiC層破損率は、それぞれ210及び810と良好な値であった。本報では、(1)製造した燃料の特性、(2)初めての大量生産で得られた経験及び(3)燃料の製造結果に基づくHTTR運転中における燃料挙動の予測について述べる。
本田 真樹*; 羽角 孝*; 出牛 幸三郎*; 加藤 茂*; 中村 亘*
JNC TJ8440 99-005, 244 Pages, 1999/03
高速増殖原型炉「もんじゅ」は、将来の実証炉の実現に備えて、炉心を高度化するべく検討が進められている。「もんじゅ」高度化炉心に関する種々の検討のうち、炉心燃料集合体構造については平成8年度に経済性、製作性を考慮した代替構造の検討を実施し候補を選定し、平成9年にはこれらの候補の中から、ラッパ菅、下部端栓の接合方法を対象として、製作性、強度の確認をするべく試作及び引張試験を実施した。今年度は、ラッパ菅とエントランスノズルが異種金属製である為に懸念される炉内使用中の熱影響の確認を目的として熱サイクル試験及び強度試験並びに断面金相確認試験を実施した。これにより得られた知見は以下の通りである。(1)ねじ止めによるラッパ菅接合構造は、設計時想定条件において十分弾性範囲内にあることを確認できた。(2)熱サイクル処理に起因する変形は無く、強度の変化も認められなかった。これらのことから、高度化燃料集合体構造としてねじ止めによるラッパ菅接合を採用する場合、異種金属である事に起因する炉内使用中の熱影響は無く、強度にも問題がないことを確認した。
沢 和弘; 吉牟田 秀治*; 塩沢 周策; 藤川 正剛; 田中 利幸; 渡海 和俊*; 出牛 幸三郎*; 高野 文男*
IAEA-TECDOC-1043, p.177 - 189, 1998/09
HTTRの初装荷燃料は、低濃縮二酸化ウランを用いたピンインブロック型燃料体である。HTTRで3年間燃焼後、建家内の貯蔵プール内の貯蔵ラックにて2年程冷却した後使用済燃料貯蔵建家に移送し空冷保管する。現在の日本の使用済燃料に対する基本方針では、高温ガス炉燃料も再処理を行うこととなっているが、被覆燃料粒子は核分裂生成物を長期間閉じ込めることが可能で直接廃棄に適していると言われている。そこで、HTTR燃料からの核分裂生成物放出率の解析を行った。さらに、Purex法をHTTR燃料に適用するための前処理方法として、原研ではCOによる黒鉛燃焼及びジェット破砕法を検討してきた。また、HTTR燃料の製造時に燃焼-破砕-浸出法でウランの回収を行っており、使用済燃料の前処理方法の検討にも有用なデータを蓄積している。本報では、HTTR使用済燃料の取扱い設備及び燃料の貯蔵及び再処理方法の概念検討の現状について述べる。