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論文

Doppler-free ablation fluorescence spectroscopy of Ca for high-resolution remote isotopic analysis

宮部 昌文; 加藤 政明*; 長谷川 秀一*

Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 38(2), p.347 - 358, 2023/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Chemistry, Analytical)

同位体シフトの小さい核種の遠隔核種分析法を開発するために、レーザーアブレーションプルームを用いてCaのドップラーフリー蛍光分光を行った。2台の外部共振器半導体レーザーから対向伝搬するレーザー光をコンクリートのアブレーションプルームに照射し、$$^{1}$$S$$_{0}$$ $$rightarrow$$ $$^{1}$$P$$_{1}$$ $$rightarrow$$ $$^{1}$$D$$_{2}$$の2段階共鳴励起スキームにより、基底状態のCa原子を$$^{1}$$D$$_{2}$$状態まで励起させた。その後、$$^{1}$$D$$_{2}$$状態から$$^{1}$$P$$_{1}$$状態への緩和を伴う蛍光スペクトルを測定した。ヘリウムガス圧70Paでアブレーション後1msの遅延で測定したスペクトルの線幅は70MHz以下であり、ドップラー広がりのある蛍光スペクトルの線幅の約1/30であることがわかった。また、アブレーションから観測までの時間間隔が600マイクロ秒以下の場合には、蛍光スペクトルに幅の広いガウス型のペデスタルが観測され、これは衝突により速度が変化した原子に起因することがわかった。さらに、様々なガス圧で測定したスペクトルから、2段目の$$^{1}$$P$$_{1}$$ $$rightarrow$$ $$^{1}$$D$$_{2}$$遷移の圧力拡がり係数を46.0MHz/torrと決定した。天然に存在する3種類のCa同位体($$^{40}$$Ca, $$^{42}$$Ca, $$^{44}$$Ca)の蛍光信号を用いて、検量線の直線性,検出限界,測定精度などの分析性能を評価し、同位体存在比の検出限界が、バックグラウンドの3$$sigma$$基準から0.09%と推定された。これらの結果は、この分光法が同位体シフトの小さな核種の遠隔核種分析に有望であることを示唆している。

論文

Development of laser ablation absorption spectroscopy for nuclear fuel materials; Plume expansion behavior for refractory metals observed by laser-induced fluorescence imaging spectroscopy

宮部 昌文; 大場 正規; 赤岡 克昭; 加藤 政明*; 長谷川 秀一*; 若井田 育夫

Applied Physics A, 126(3), p.213_1 - 213_10, 2020/03

AA2019-0700.pdf:2.82MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:38.95(Materials Science, Multidisciplinary)

低圧希ガス雰囲気中のアブレーションプルームの動的挙動を、3つの高融点金属であるチタン,ジルコニウム,ハフニウムを用いて、レーザー誘起蛍光撮像法によって調べた。これらの元素のプルーム膨張挙動を比較することで、プルーム構造の形成過程における質量数の影響を明らかにした。以前、ガドリニウムで報告した半球形の薄層と空洞構造が、これらの元素でも観察された。質量数が増えるとプルームサイズが増加し、半球層は薄くなることが分かった。Tiの基底状態原子は、プルーム中心部にも比較的多く存在することが観察された。このTi原子の持続時間は300マイクロ秒程度であり、調べたどの原子・イオンよりも長かった。さらに、多元素試料から生成されるアブレーションプルームでは、質量に依存する元素分別が観察された。これらの結果は、観測されたプルーム構造が、イオンと電子の再結合過程、および、ガス原子との多重衝突によるアブレーション粒子の反跳によって生じることを示唆している。

論文

Laser ablation absorption spectroscopy for isotopic analysis of plutonium; Spectroscopic properties and analytical performance

宮部 昌文; 大場 正規; Jung, K.; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 加藤 政明; 音部 治幹; Khumaeni, A.*; 若井田 育夫

Spectrochimica Acta, Part B, 134, p.42 - 51, 2017/08

 被引用回数:30 パーセンタイル:91.46(Spectroscopy)

炉心溶融事故により生成された燃料デブリやデブリで汚染された廃棄物の核種組成分析では、ウランやプルトニウムなどの核燃料物質の分析性能が重要である。本研究ではプルトニウムの同位体分析のため、レーザーアブレーションと共鳴吸収法を組み合わせて、プルトニウム原子種の分光特性を調べた。Puの中性原子およびイオンの17個の光学遷移について、測定した吸収スペクトルのフォークトプロファイル近似から、吸光度、同位体シフト、超微細構造分裂幅を求め、分析に適した遷移として3つの候補を選定した。これらの遷移を利用して得られる分析性能を評価し、吸光度とプルトニウム濃度の相関係数として0.9999、プルトニウム濃度の検出下限値として30-130ppm、濃度2.4%の$$^{240}$$Pu信号に対する相対標準偏差として約6%を得た。これらの結果から、レーザーアブレーション吸収分光法が、複数のアクチノイド元素を含む高い放射能を有する燃料デブリや廃棄物の遠隔同位体分析に適用可能であることが分かった。

論文

Ablation plume structure and dynamics in ambient gas observed by laser-induced fluorescence imaging spectroscopy

宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; Khumaeni, A.*; 加藤 政明; 若井田 育夫

Spectrochimica Acta, Part B, 110, p.101 - 117, 2015/08

AA2015-0183.pdf:3.11MB

 被引用回数:25 パーセンタイル:82.1(Spectroscopy)

レーザー誘起蛍光撮像法を用いて雰囲気ガス中のアブレーションプルームの動的挙動を調べた。YAGレーザーの2倍高調波光をガドリニウムの酸化物や金属試料上に照射し、生成したプルームにはシート状の紫外色素レーザー光を交差させて、様々な時刻の蛍光像をICCDカメラによって撮影した。得られたプルームの断面画像から、ガドリニウムの基底状態の原子やイオンが、プルームとガスの境界の半球層内に蓄積されることや、プルームの中心部に粒子密度の少ない空洞が生じることが明らかになった。膨張の初期段階では、その空洞内を別の明るい成分が膨張し、半球層と合流する様子も観測された。このようなプルームの分離や合流は、イオンに比べて原子の方が遅く現れた。また半球層の出現もイオンに比べて原子の方が遅いが、出現位置はほぼ同じであった。このような出現位置の一致や出現時間のずれは、半球層の原子が、イオンとガスの衝突による三体再結合反応によって生じることを示唆している。得られたプルームの膨張ダイナミクスやプルームの詳細構造に関する知見は、レーザーアブレーションを利用する様々な遠隔分光分析法の実験条件を決める上で有用である。

論文

Development of frequency stabilized diode laser based on a spectroscopic study on magnetically induced circular dichroism of atomic rubidium

宮部 昌文; 加藤 政明; 大場 正規; 若井田 育夫; 渡部 和男; Wendt, K.*

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 45(5A), p.4120 - 4122, 2006/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:8.72(Physics, Applied)

多段階共鳴イオン化分析法による難分析核種の分析に不可欠な周波数安定化レーザーシステムのうち、根幹となる周波数基準レーザーに、原子の磁気円2色性を利用した方法(DAVLL法)を適用する研究を行った。ルビジウム原子の${it D}$ $$_{2}$$線のうち、ドップラー拡がりのある吸収線とドップラーフリー吸収線のそれぞれについて、温度や磁場による磁気円二色性スペクトルの変化を測定し、最も安定な吸収線を選定した。2台の安定化レーザーで光のビートを観測し、ビート周波数の長時間変動から波長安定度を評価した。この結果、ドップラー拡がりのない$$^{85}$$Rb(${it F}$=3$$rightarrow$$CO3, 4)クロスオーバー吸収線にロックした場合に、波長変動を8時間で$$pm$$50kHz以内にまで抑えることができ、RIMS分析用光源システムの基準レーザーとして十分な安定度が得られることを確認した。

論文

Development of RIMS apparatus for isotope analysis of Calcium nuclear waste materials

宮部 昌文; 大場 正規; 加藤 政明; 若井田 育夫; 渡部 和男

Journal of Nuclear Science and Technology, 43(4), p.305 - 310, 2006/04

 被引用回数:13 パーセンタイル:65.83(Nuclear Science & Technology)

放射性廃棄物中の長寿命難分析核種である$$^{41}$$Caを共鳴イオン化法で分析するために、光源装置の開発を行った。ルビジウム同位体のドップラーフリー吸収線に波長を固定した周波数基準レーザーと、干渉縞の相対位置からコンピューターで複数のレーザーの相対周波数を制御する機構を用いて、共鳴イオン化用レーザーの周波数制御を行う装置を開発した。ヘテロダイン分光法やカルシウムの共鳴蛍光分光法を用いて装置の周波数安定度や周波数同調精度を評価し、開発した光源が共鳴イオン化分析に十分な性能を有することを確認した。

論文

Determination of ionization potential of calcium by high-resolution resonance ionization spectroscopy

宮部 昌文; Geppert, C.*; 加藤 政明; 大場 正規; 若井田 育夫; 渡部 和男; Wendt, K. D. A.*

Journal of the Physical Society of Japan, 75(3), p.034302_1 - 034302_10, 2006/03

 被引用回数:18 パーセンタイル:65.97(Physics, Multidisciplinary)

高分解能共鳴電離分光によりカルシウム原子のイオン化ポテンシャルを正確に決定した。単一縦モード外部共振器半導体レーザー3台を用いて、基底状態のカルシウム原子を摂動のない4snp(1P1), 4snf(1F3)系列(主量子数20-150)まで3段階共鳴励起した。観測された量子欠損を、拡張されたリッツ公式を用いて近似することで、従来より1桁高い精度で、カルシウムの系列極限を49305.9240 (20)cm$$^{-1}$$と決定できた。

報告書

難分析長寿命核種分析のための波長安定化レーザーの開発,3; コンピューターによる波長安定化システムの制御

宮部 昌文; 大場 正規; 加藤 政明; 若井田 育夫; 渡部 和男

JAERI-Tech 2005-043, 27 Pages, 2005/08

JAERI-Tech-2005-043.pdf:2.51MB

多段階共鳴電離法による難分析核種の分析では、発振波長を同位体の共鳴波長に素早く正確に同調でき、長時間一定に維持することのできるレーザー光源が不可欠である。本研究では、これまでに開発した周波数基準レーザーとエタロン干渉計によるレーザーの波長安定化システムを、デジタル回路とコンピューターを用いて制御する方式に改造し、発振波長を簡単に切り替えられるシステムを開発した。さらに、本システムの波長同調性能や波長安定度を、ヘテロダイン計測法や、カルシウム原子の多段階共鳴蛍光分光法を用いて測定し、分析用光源として十分な性能を有することを確認した。

報告書

3段階共鳴イオン化分光法による$$^{40}$$Caのイオン化ポテンシャルの高精度測定

宮部 昌文; 大場 正規; 加藤 政明; 若井田 育夫; 渡部 和男

JAERI-Research 2004-023, 17 Pages, 2004/11

JAERI-Research-2004-023.pdf:2.71MB

単一モード連続発振の外部共振器半導体レーザーを用いた3段階共鳴イオン化分光法により、カルシウム40のイオン化ポテンシャルを高精度で決定した。基底状態のカルシウム原子を${it 4snp}$($$^{1}$$P$$_{1}$$)系列と${it 4snf}$($$^{1}$$F$$_{3}$$)系列の${it n}$=20-150の高リドベルグ状態に励起して、得られた準位エネルギーをリドベルグリッツの拡張公式で近似することにより、イオン化ポテンシャルを従来より1桁高い精度で49305.9240(20)cm$$^{-1}$$と決定することができた。

報告書

難分析長寿命核種分析のための波長安定化レーザーの開発,2; ゼーマン効果と干渉縞による4台の半導体レーザーの同時ロックシステム

宮部 昌文; 加藤 政明; 大場 正規; 若井田 育夫; 渡部 和男

JAERI-Tech 2004-065, 19 Pages, 2004/10

JAERI-Tech-2004-065.pdf:0.99MB

原子力施設で発生する放射性廃棄物には、既存の方法では分析が困難な核種や、分析に長時間を要する核種が数多く存在する。こうした難分析核種の分析手法を開発することは、放射性廃棄物のクリアランス制度の運用に向けて、今後重要になると考えられる。われわれは、このような核種を半導体レーザーで多段階共鳴励起し、イオン化して質量分析する方法の開発を行っているが、半導体レーザーは安価で操作が容易な反面、発振波長が時々刻々変動し、そのままでは多段階励起光源として適さない欠点がある。そこで、本研究ではゼーマン効果を利用してルビジウム原子の吸収線に波長をロックさせた半導体レーザーを製作し、さらにこれを標準として、エタロン干渉計の干渉縞を利用して、多段階励起に用いる全半導体レーザーの波長を安定化させる光源システムを開発した。この光源を用いてカルシウム原子の3段階共鳴イオン化を行い、その性能を評価した。

報告書

難分析長寿命核種分析のための波長安定化レーザーの開発,1; リトロー型外部共振器半導体レーザーの製作

宮部 昌文; 小田 晃一*; 大場 正規; 加藤 政明; 若井田 育夫; 渡部 和男

JAERI-Tech 2004-064, 33 Pages, 2004/10

JAERI-Tech-2004-064.pdf:1.89MB

多くの難分析核種が含まれる放射性廃棄物の分析方法の開発は、廃棄物のクリアランスの制度化に向けて、今後重要になることが予想される。本研究では、こうした難分析核種の分析に多段階共鳴イオン化質量分析法を適用することを目指して、その光源となる波長可変,外部共振器半導体レーザーを設計,製作した。これに半導体の種類や内部構造が異なる、青紫,赤色,赤外の各半導体レーザー素子を組み込み、発振波長や出力パワーの動作電流や動作温度による変化など、レーザーを動作,制御するための基本的な発振特性を調べた。また、回折格子の回折効率や駆動電流の電流補償量などを調整して、安定した単一縦モード発振を得る方法を確立した。これにより、いずれのレーザー素子でも、約100GHzの範囲で、モードホップの無い連続波長掃引を実現した。また、製作したレーザーを用いてネオンやルビジウム,カルシウム原子のドップラーフリー分光を行い、レーザーの発振幅を評価したほか、同位体シフトや超微細構造分裂幅の測定により、本レーザーが分光分析に必要な性能を有することを確認した。

報告書

リアルタイムレーザーモニター用高繰り返し波長可変固体レーザーの発振特性の研究

丸山 庸一郎; 加藤 政明

JAERI-Research 2002-040, 15 Pages, 2003/02

JAERI-Research-2002-040.pdf:1.05MB

大気中の微量有害物質を遠隔からリアルタイムで測定するための波長可変光源としては色素レーザーが使われている。しかし、色素レーザーは、構造が複雑で取り扱いが難しく、実用的なリアルタイム計測用光源とはなり得ない。このため、1個の結晶で広い波長域においてレーザー発振が可能な光パラメトリック発振器(OPO)を実用化光源として選定し、その高繰り返し化,高エネルギー化を目指して研究を行った。実験では、高繰り返し化の第一段階としてOPOに$$beta$$-Barium Borate(BBO)結晶を用い、これをNd:YAGレーザーの第二高調波でポンピングし、繰り返し数0.5kHzにおける発振特性,波長変換特性を測定した。この結果、OPO発振閾値でのポンプ光ピーク強度は、約16MW/cm$$^{2}$$であった。OPOの最大平均出力としては、5.4Wを45%のエネルギー変換効率で達成した。また、ポンプ光の平均パワーを14Wまで増加させた場合のOPO出力は、依然増大傾向を示し、熱的な悪影響は観測されなかった。

論文

Optical parametric oscillator with periodically poled KTiOPO$$_{4}$$ pumped by 100Hz Nd:YAG green laser

大場 正規; 加藤 政明; 丸山 庸一郎

Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 41(8A), p.L881 - L883, 2002/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)

レーザーゲイン媒質としてPPKTPを使ったOPOを最大繰り返し数100HzのNd:YAGレーザーでポンピングし、発振特性の研究を行った。その結果、ダブルパスポンピングにより、出力5.8mJ,エネルギー変換効率約40%が得られた。また、発振の閾値は1.6mJであった。繰り返し数10Hzから100Hzにおいて、エネルギー変換効率はほぼ一定で、また熱レンズなどの影響は観測されなかった。

報告書

レーザーリモートモニターポンプレーザー用高繰り返し・単一周波数Nd:YAGレーザー発振器の試作及び発振特性

丸山 庸一郎; 大場 正規; 加藤 政明

JAERI-Tech 2002-004, 13 Pages, 2002/02

JAERI-Tech-2002-004.pdf:3.65MB

大気中の種々の物質を、レーザーを利用した差分吸収法(DIAL: Differential Absorption LIDAR)によって秒単位のリアルタイムで計測するためには、発振繰り返し数の高い波長可変レーザーが必要である。その波長可変レーザーの駆動光源には、質の良いレーザー光が発生できる繰り返し数の高いポンプレーザーが不可欠である。そこで、光の高品質化を目的に、周波数幅の狭い単一周波数で発振するNd:YAGレーザー光をポンプレーザー発振器にシーディングすることによって、単一周波数発振が可能な、繰り返し数1kHzのNd:YAGレーザー発振器システムを試作し、その発振特性を測定した。この結果、試作した発振器は、発振繰り返し数0.5kHz~1.0kHzにおいて、単一周波数、TEM00の空間モードでレーザー発振できることを確認した。また、共振器長を制御することで単一周波数発振が維持でき、周波数及び空間モードの変化は、共振器長のみの変化に依存することが分かった。本発振器の平均出力は3W、パルスエネルギーは3mJで、増幅システムの発振器として十分な性能を有するものであった。

論文

Realtime DIAL measurement using 1KHz repetition rate tranable laser

丸山 庸一郎; 加藤 政明; 大図 章

Optical Pulse and Beam Propagation III (Proceedings of SPIE Vol.4271), p.335 - 338, 2001/01

2波長吸収法(DIAL)によるライダー(LIDAR)は大気中不純物の測定に非常に有用である。しかしこれまでは測定に使用されるレーザーの発振繰り返し数が毎秒10回程度と遅く、リアルタイムでの測定は困難であった。そこで大気中不純物のリアルタイム測定を目指して発振繰り返し数が1kHzのレーザーを用いたライダー装置を開発した。装置はレーザー送信部及び信号受信部より構成され、レーザーは発振繰り返し数が1kHzの半導体レーザー励起Nd:YAGレーザーによって駆動される波長可変レーザーである。信号受信機の口径は200mm,f=6.3の望遠鏡である。受信機によって集められた後方散乱信号は80%の信号伝送効率を持つ光ファイバーを通して分光器に伝送され、光電子増倍管によって検出される。この装置によってヨウ素及びエアロゾルの検出特性を測定した。ガラスセルに封入したヨウ素を装置から100m位置に設置し、2波長吸収法で吸収量を測定した。レーザーの波長は約585nm,パルス幅は約30nsである。この方法で測定したヨウ素の濃度は測定時の温度におけるヨウ素の蒸気圧から求めた濃度と良く一致した。本装置の発振繰り返し数は従来のものに比べて100倍速いため、種々の不純物をリアルタイムで検出することが可能である。

論文

Scaling dependence of a low temperature operated copper vapor laser

大図 章; 加藤 政明; 丸山 庸一郎

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 39(9A), p.5118 - 5123, 2000/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.63(Physics, Applied)

HyBrID型低温銅蒸気レーザーのレーザー管口径(40,60,80mm$$phi$$)のスケーリング則に関する発振特性試験を行った。最高90Wのレーザー出力が口径40,60mm$$phi$$、長さ120cmのレーザー管より得られた。管口径の違いによりレーザー発振特性が大きく変化することがわかった。また小口径ほど高出力レーザー光を効率よく発生させるのに優位性を持つことがわかった。さらにレーザー管温度がレーザー発振特性に重要であることがわかり、350$$^{circ}$$C~400$$^{circ}$$Cが最適な温度であった。大口径の80mm$$phi$$では、レーザー出力がレーザー光断面の60mm$$phi$$以内に約80%集中することが観測された。

論文

Efficient discharge pumping of a copper vapor laser using a cylindrical grid electrode

大図 章; 加藤 政明; 丸山 庸一郎

Review of Scientific Instruments, 71(6), p.2288 - 2291, 2000/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:26.94(Instruments & Instrumentation)

原子法レーザー濃縮に使用される縦放電励起銅蒸気レーザーのグリッド電極の効果について研究を行った。グリッド電極は、予備電離による主放電の制御と陰極から放出される電子の制御に使用された。その結果、放電特性を改善させることによりレーザー出力を向上させることができた。予備電離では出力を16から21Wに増加させた。またグリッド電極に静電圧をバイアスすることにより出力を6%程度増加させることができた。

論文

Influence of Cs and Ag metal vapor on output characteristics of a HyBrID copper vapor laser

大図 章; 加藤 政明; 丸山 庸一郎

Applied Physics Letters, 76(21), p.2979 - 2981, 2000/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:41.38(Physics, Applied)

原子法レーザー濃縮に使用される銅蒸気レーザーのHyBrID型に関するAg,Cs蒸気原子の添加物の効果について調査を行った。その結果、Cs蒸気をレーザー管中に添加すると出力は20%程度増加した。さらにAgの場合、30%の出力増加を観測した。このとき、高いレーザー発振繰り返し数のところで出力が増加した。これは、Ag原子がレーザー発振後準安定状態にある銅原子とBr負イオンが再結合を引き起こす際にエネルギーアクセプターとして役割を果たすからであると考えられる。

論文

Comparative study of gas composition in a low temperature operated copper vapor laser

大図 章; 加藤 政明; 丸山 庸一郎

Optics Communications, 177(1-6), p.355 - 361, 2000/04

 被引用回数:4 パーセンタイル:26.53(Optics)

低温型銅蒸気レーザーのガス組成、ハロゲンガス(HBr,HI)とバッファーガス(He,Ne,Ar)の組み合わせに関する特性試験を行った。同じ試験条件で発振試験を行った結果、銅蒸気レーザーのレーザー出力、パラメータ依存性はガス組成に大きく影響を受けることがわかった。80Wの出力がハロゲンガスHBr,HIとNeガスの組み合わせにおいて得られた。Heガスでは、その半分の出力が得られた。Arガスではレーザー発振が得られなかった。レーザー発振繰り返し数17kHz以上では、HIとNeの組み合わせがHBrとNeの組み合わせよりも高出力を発生させるのに適していることがわかった。この違いは、レーザー管中で生成されるハロゲン化銅CuIとCuBrの蒸気圧の差によるものと考えられる。

論文

Md:YAG oscillator-amplifier system with a passive ring self-pumped phase-conjugate mirror

鄭 和翊; 松岡 史哲*; 加藤 政明; 丸山 庸一郎; 有澤 孝

Optics Letters, 25(7), p.481 - 483, 2000/04

 被引用回数:14 パーセンタイル:57.19(Optics)

チタン酸バリウム結晶を用いたリング型位相共役鏡をNd:YAGレーザーシステム内の位相歪み補正に適用した。レーザーシステムは2台の主増幅によって構成されるが、この増幅器は高繰り返し動作時に熱歪みを生じ、レーザーのビーム品質を低下させてしまう。上記位相共役鏡は熱歪みによるビーム品質低下を完全に補正し、回折限界のビーム品質を達成できる。チタン酸バリウム結晶を用いた位相共役鏡をハイパワーレーザーに適用したのは世界でも初めての試みである。

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