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永井 佑紀; 加藤 雄介*
Journal of the Physical Society of Japan, 88(5), p.054707_1 - 054707_8, 2019/05
被引用回数:3 パーセンタイル:29.5(Physics, Multidisciplinary)近年、物質を層状に重ねたマイクロデバイスの作製が可能になり、それらを用いた革新的デバイス作製へ向けて世界中で盛んに研究が行われている。特に、超伝導体のNbの2層構造を作製することで、従来とは異なった超伝導磁束状態である分数量子渦状態がSQUID顕微鏡で観測できた、という報告がなされており、興味を持たれている。しかしながら、具体的にどのような量子状態が実現しているかは明らかではなかった。本論文では、この実験の理論的解析を目的として、超伝導体に分数量子渦が生じた場合における準粒子束縛状態のエネルギー依存性の理論計算結果を報告する。なお、上記課題の解決にあたり、数値計算と近似的解析計算を駆使することで、分数量子渦の周りには特徴的なパターン構造が現れることを示唆し、そのパターンが走査型トンネル顕微鏡で観測可能であることを示した。これらの結果は、界面や表面を利用したデバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。
國見 昌哉*; 永井 佑紀; 加藤 雄介*
Physical Review B, 84(9), p.094521_1 - 094521_9, 2011/09
被引用回数:4 パーセンタイル:20.88(Materials Science, Multidisciplinary)固体であるにもかかわらず抵抗なく流れるという超固体状態が実験的に発見されたと言われている。しかし、何をもって超固体の超固体性を測るかが、まだはっきりとしていない。そこで、われわれは、障害物を置いたときに固体が流れるかどうかを調べ、確かに流れることを示した。具体的には、一次元有限距離二体相互作用のあるグロス・ピタエフスキー方程式を用いて、固体相において障害物を通り抜ける超流動が可能であることを示した。われわれが見つけたものは超伝導体におけるジョセフソン効果に対応する。われわれの結果は、超固体中でのジョセフソン効果を初めて示したものである。また、この系での電流と位相に関する「ジョセフソン関係」を見いだした。また、相互作用と流れの強さを縦軸と横軸としたときの相図を描いた。
永井 佑紀; 加藤 雄介*
Physical Review B, 82(17), p.174507_1 - 174507_12, 2010/11
被引用回数:7 パーセンタイル:34.1(Materials Science, Multidisciplinary)超伝導秩序変数の内部位相差を検出する手法として、符号反転波超伝導体の超伝導渦糸コアにおける準粒子の不純物散乱率を研究した。不純物散乱率は走査型トンネル顕微鏡における準粒子干渉効果として測ることができる。Andreev束縛状態に対するBorn近似とKramer-Pesch近似を用いることで、超伝導渦糸コア中においては符号反転前方散乱が支配的であることを示す。符号反転波超伝導体の渦糸コアにおけるコヒーレンス因子によって、Andreev束縛状態間の不純物散乱率は特徴的な振る舞いを示すことがわかった。
永井 佑紀*; 加藤 雄介*; 林 伸彦; 山内 邦彦*; 播磨 尚朝*
Physical Review B, 76(21), p.214514_1 - 214514_8, 2007/12
被引用回数:18 パーセンタイル:60.66(Materials Science, Multidisciplinary)ボロンカーバイド超伝導体YNiBCの超伝導ギャップ構造を同定するために、孤立渦糸まわりの局所状態密度を、バンド計算より得られた現実的なフェルミ面上で計算した。さまざまなギャップノード位置を仮定し、それらに対して得られた局所状態密度の中から、走査型トンネル顕微鏡の実験結果とコンシステントなものを見いだした。また、そこで見いだされたギャップ構造のもとで、比熱の磁場方向依存性を計算し、対応する実験結果と一致することを確認した。こうしてわれわれは、バンド計算と渦糸まわりの状態密度計算という二つの計算を組合せる新しい解析手法により、複数の実験結果とコンシステントな特定の超伝導ギャップ構造をYNiBCに対して初めて提示することに成功した。
永井 佑紀; 加藤 雄介*
no journal, ,
超伝導状態の不純物散乱のコヒーレンス因子は、STM/STSを用いた準粒子干渉効果の測定によって調べることができる。そこでわれわれは、渦糸コア近傍での不純物散乱をKramer-Pesch近似とBorn近似を用いて調べた。その結果、マルチバンド系の渦糸コア中では、シングルバンド系には存在しない「符号反転前方散乱」という特異な散乱が生じることがわかった。この「符号反転前方散乱」の不純物散乱強度は非常に強く、特に、電子的フェルミ面とホール的フェルミ面を持つマルチバンドs波超伝導体では、q空間中の広い領域に渡って強いアーク状ピークが現れることがわかった。このピークは、Andreev束縛状態がよく見えるクリーンな系においてSTM/STS測定によって観測可能であり、もし鉄系超伝導体で観測できれば、s波超伝導の非常に強い証拠となりうる。