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平野 史生; 佐藤 正知*; 小崎 完*; 稲垣 八穂広*; 岩崎 智彦*; 大江 俊昭*; 加藤 和之*; 北山 一美*; 長崎 晋也*; 新堀 雄一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(3), p.310 - 319, 2012/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)軽水炉から取り出したMOX使用済燃料を再処理した後に発生するハルエンドピース廃棄体について、地層処分に対する廃棄体の発熱の影響を検討した。MOX使用済燃料の発熱率と、その再処理後に生じるハルエンドピース廃棄体の発熱率は、MOX燃料を軽水炉に装荷する前の履歴に依存して変化する。ここでの履歴とは、再処理してプルトニウムを取り出す前のウラン燃料の燃焼度,冷却期間、及び再処理後に製造されたMOX燃料の貯蔵期間を指す。これらMOX使用済燃料の再処理に伴い発生するハルエンドピース廃棄体の発熱率は、使用済ウラン燃料を長期に渡り冷却した後に(例えば50年間)再処理し、MOX燃料を製造する場合等においても、燃焼度45GWd/tのウラン燃料の再処理で発生するハルエンドピース廃棄体と比較すると極めて高い。こうした廃棄体をセメント固化して地層処分する場合、セメントの温度上限値を80Cとし、MOX燃料の燃焼度を45GWd/tとすると、1体の廃棄体パッケージに収納できるハルエンドピース廃棄体の量は、キャニスターの本数に換算すると0.7-1.6本となり、ウラン燃料の場合の4本と比較すると極めて少ないとの結果が得られた。
石川 真澄*; 金子 悟*; 北山 一美*; 石黒 勝彦*; 植田 浩義*; 若杉 圭一郎*; 篠原 伸夫; 奥村 啓介; 茅野 政道; 守屋 登康*
日本原子力学会和文論文誌, 8(4), p.304 - 312, 2009/12
ガラス固化体に関する品質管理では、おもに貯蔵や輸送の観点から重要となる項目が対象とされており、地層処分で対象とする長半減期核種は、これまで研究開発の対象とされてこなかった。ガラス固化体の長半減期核種インベントリ評価では、その信頼性向上に向けて技術開発し、実測データを取得する取り組みが不可欠である。われわれは照射履歴の明らかな使用済燃料の溶解液を用いて、核種の生成・壊変コード及び核データ・ライブラリーの信頼性を向上させるとともに、その適応性を検討する技術開発プログラムを開始した。ガラス固化体の品質管理課題を解決するためには、地層処分の分野ばかりでなく、原子力施設の運転,使用済燃料の再処理及び廃棄物のガラス固化の観点から包括的な研究が必要となる。本研究はこれらを統括する先端的技術開発である。
杉田 裕*; 高橋 美昭*; 浦上 学*; 北山 一美*; 藤田 朝雄; 油井 三和
JAEA-Research 2007-023, 70 Pages, 2007/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価においては、処分場の閉鎖性能が極めて重要である。原子力発電環境整備機構と日本原子力研究開発機構は、地層処分システムに求められる閉鎖性能の考え方を示し、そこで示される坑道の埋め戻し材や粘土プラグ等の閉鎖要素の設計要件を明らかにするとともに今後の技術開発等の方向性を導出することを目的に、協力協定に基づき、共同で検討していくための場として2004年度から「処分場の閉鎖技術に関する検討会」を設置した。2005年度である本件等は、初年度に坑道交差部を対象として得られた知見をもとに、水理解析の対象を坑道交差部から処分場パネル規模へと拡張を行った。処分場パネル規模での水理解析では、処分パネルを構成する35本の処分坑道をモデル化する必要があり、モデルの構造が複雑になることから、坑道周囲に対して等価透水係数の考え方を適用した。解析では、粘土プラグの設置位置、埋め戻し材の透水係数、処分坑道の透水係数、動水勾配の方向をパラメータとした。その結果、処分坑道の流量は、動水勾配の方向、処分坑道への粘土プラグの設置の有無、主要坑道の透水係数の大きさが影響することがわかった。
石黒 勝彦*; 植田 浩義*; 若杉 圭一郎*; 阪部 靖*; 北山 一美*; 梅木 博之; 高瀬 博康*
Engineered Barrier Systems (EBS) in the Safety Case; The Role of Modelling, p.167 - 180, 2007/02
我が国の公募方式による高レベル放射性廃棄物地層処分場のサイト選定アプローチでは、設計の柔軟性に特別の力点を置いている。処分場概念は与えられたサイト環境条件の特徴に適したものとして構築していく必要があり、原子力発電環境整備機構(原環機構)では第2次取りまとめの処分場概念を出発点として、人工バリアを含めた可能性のある幅広い設計オプションの検討を行っている。段階ごとの繰返しアプローチによる処分場概念構築を考慮に入れながら、システムの性能評価とプロセスの理解を目的としたモデル化の要件とその開発方針の検討が行われた。可能性のある一連の幅広い処分場概念を評価することができるよう、開発過程の初期段階ではニアフィールドに焦点を当て、長期の研究開発計画の中で今後モデル開発やデータベース整備を行っていくべき分野を「開発リスト」として抽出した。リストに掲げた項目のうち、原環機構ではさまざまな人工バリアのオプションや構成要素を柔軟に取り扱い評価することができる3次元の物質移動の計算機コードの開発に着手し、亀裂性媒体の岩盤中の坑道プラグが有するバリア性能の評価に適用した。
杉田 裕; 藤田 朝雄; 高橋 義昭*; 川上 進; 梅木 博之; 油井 三和; 浦上 学*; 北山 一美*
Physics and Chemistry of the Earth, 32(1-7), p.32 - 41, 2007/00
被引用回数:6 パーセンタイル:20.81(Geosciences, Multidisciplinary)本論文はPhysics and Chemistry of the Earth Tours 2005 Meeting特集号に投稿する論文である。日本の処分事業を進めるうえでのアプローチについて紹介するとともに、処分場概念の設計へ反映する材料の要件の検討の一例として、処分場の閉鎖にかかわる材料と人工バリア材料との関連について水理解析の結果を示している。処分事業を進めるうえでのアプローチとしては、公募方式の採用に基づき、処分場が決まっていない前提条件でどのように処分場の性能を確保するか、その確からしさが段階を追って精度を増すという考え方を示したものである。
増田 純男*; 河村 秀紀*; McKinley, I. G.*; 北山 一美*; 梅木 博之
Proceedings of Radioactive Waste Management; The Next Step: Confidence, Safety and Implementation, 8 Pages, 2006/06
地層処分の標準となる設計概念の多くは数十年前に産み出され、その後ほとんど変化していない。代替処分概念への関心は、技術的及び社会的双方の境界条件の変化に対応するという観点で、特に放射能レベルが高く長半減期の放射性廃棄物処分に対して高まる傾向にある。このことは、とくに原子力発電環境整備機構が進めている公募方式によるサイト選定プロセスを選択した日本の場合にあてはまる。原子力発電環境整備機構では、応募自治体のサイト環境特性の特徴と自治体からの要望を満たすよう柔軟な設計手法を採用することにより、処分場建設の可能性の幅を拡げるための代替処分概念の検討を行っている。もっと大きな意味では、21世紀においては、国内のみならず世界規模で将来の原子力利用に向けた課題解決が期待されている。処分事業は数十年以上にもわたって継続することから、こうした将来の原子力利用に関する不確実性に対しても配慮しておくことが重要である。
梅木 博之; 内藤 守正; 北山 一美*; 高瀬 博康*
Proceedings of 10th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM '05) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/09
本件では、地層処分の性能評価を行ううえで必要な知識に伴うあいまいさと、安全基準への適合性を判断する際の漠然性を専門家による一連の判断によって特性化し、さらに不確実性を伴う性能評価の結果を提示するための最適化について安全裕度の観点から検討を行った。
北山 一美*; 梅木 博之; 植田 浩義*; Mckinley, I. G.*; 加来 謙一*
Proceedings of 10th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM '05) (CD-ROM), 5 Pages, 2005/09
日本の実施主体である原環機構が、概要調査地区への応募地域に即した処分場の概念開発の段階的な進め方に向けて構造化アプローチを開発している。これは、期待されるサイト特性の範囲内に対する特定の処分概念の適用可能性についての解析を行うボトムアップな手順に加え、代替的な処分概念や応募地域の比較を目的としたトップダウンの多属的効用解析で構成される。
北山 一美*; 油井 三和
日本原子力学会誌, 45(12), p.787 - 797, 2003/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.89(Nuclear Science & Technology)連載講座「放射性廃棄物」の第3回原稿である。高レベル放射性廃棄物地層処分に関する工学技術を取り上げ、地層処分の概念に基づく人工バリアの設計や長期挙動評価、処分場の設計、建設・操業・閉鎖について技術の現状等を紹介する。
鈴木 覚; 藤島 敦; 上野 健一; 市川 康明*; 河村 雄行*; 藤井 直樹*; 柴田 雅博; 佐藤 治夫; 北山 一美*
粘土科学, 41(2), p.43 - 57, 2001/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分における、緩衝材の核種移行遅延特性と微細構造の関係を理解するために、圧縮成形されたNa型ベントナイトの微細構造について電子顕微鏡観察およびX線回折測定を行い、微細構造をモデル化した。微細構造モデルを使用してトリチウム水の拡散過程の理論解析を行い実験値と比較した。