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常盤 和靖*; 三楠 聰*; 髭本 亘; 西山 樟生*; 伊豫 彰*; 田中 康資*; 小手川 恒*; 椋田 秀和*; 北岡 良雄*; 渡辺 恒夫*
Physica C, 460-462(2), p.892 - 895, 2007/09
被引用回数:3 パーセンタイル:17.87(Physics, Applied)零磁場及び縦磁場下のミュオンスピン回転法(ZF-SR, LF-SR)を用いて多層膜超伝導体HgBaCaCuO(Hg-1245)の研究を行った。温度の低下により、60K以下でZF-SRシグナルはガウス関数型から指数関数型に変化した。この信号は内側のCuO面で反強磁性秩序が発達していることを示し、Hg-1245では60K以下で反強磁性と超伝導が共存していることの微視的な証明であるものと考えられる。
原田 敦之*; 川崎 慎司*; 椋田 秀和*; 北岡 良雄*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦; 伊藤 公平*; Haller, E. E.*; 播磨 尚朝*
Physical Review B, 75(14), p.140502_1 - 140502_4, 2007/04
被引用回数:28 パーセンタイル:72.24(Materials Science, Multidisciplinary)本研究で、異なったタイプの超伝導オーダパラメータがUGeの強磁性相で実現していることが、圧力下Ge-核四重極共鳴実験を通して明らかにされた。核格子緩和時間(1/)の測定から、超伝導状態ではアップスピンバンドはラインノードの超伝導ギャップが開いているものの、ダウンスピンバンドは超伝導ギャップが開かないことが明らかにされた。この実験結果は、強磁性的に配列したスピンを持つ2電子間に超伝導クーパー対が形成されるというモデルで説明されることが明らかとなった。本研究結果は強磁性状態下における一次相転移点近傍に存在する強磁性的スピンのゆらぎによって媒介される強磁性超伝導の研究に重要な示唆を与えるものである。
原田 敦之*; 川崎 慎二*; 椋田 秀和*; 北岡 良雄*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦; 伊藤 公平*; Haller, E. E.*; 播磨 尚朝*
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.963 - 964, 2006/05
被引用回数:1 パーセンタイル:6.64(Physics, Condensed Matter)遍歴強磁性超伝導物質UGeのGe-NQRによる研究結果を報告する。低温・低圧相であるFM1と高温・高圧相FM2の臨界圧力近辺で測定を行った。核緩和時間は低温で温度に対して線型に振る舞い、コヒーレンスピークはない。実験結果は、スピン三重項の超伝導がアップスピンバンドで実現しており、ダウンスピンバンドでは超伝導ギャップが開いていないと考えると統一的に理解できる。
與儀 護*; 北岡 良雄*; 橋本 信*; 安田 敬*; 摂待 力生*; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦; Rogl, P.*; Bauer, E.*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 67(1-3), p.522 - 524, 2006/01
被引用回数:9 パーセンタイル:41.55(Chemistry, Multidisciplinary)結晶構造に反転対称性のないCePtSiの磁気的性質と超伝導特性をPt核の核緩和時間1/を測定することで調べた。この化合物は反強磁性状態(=2.2K)と超伝導状態(=0.75K)が共存する。CePtSiは1/がの直下でピークを示す初めての重い電子系超伝導物質である。超伝導状態の特異な核緩和時間の温度依存性から、反転対称性のない超伝導物質CePtSiでおそらく新奇な超伝導状態が実現していると考えられる。
川崎 慎二*; 八島 光晴*; 小手川 恒*; 水戸 毅*; 川崎 祐*; Zheng, G.-Q.*; 北岡 良雄*; 宍戸 寛明*; 荒木 新吾*; 青木 大*; et al.
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 67(1-3), p.497 - 499, 2006/01
被引用回数:2 パーセンタイル:13.65(Chemistry, Multidisciplinary)重い電子系圧力誘起超伝導物質CeRhIn, CeInを高圧下NQR実験を通して研究した。CeRhInは1.51.9GPaで反強磁性と超伝導がミクロに共存する。一方、CeInでは反強磁性と超伝導は相分離しており量子臨界点は存在しない。2.282.5GPaでは電子状態は常磁性状態と反強磁性状態へと相分離するが、超伝導は両相で起きている。
與儀 護*; 椋田 秀和*; 北岡 良雄*; 橋本 信*; 安田 敬*; 摂待 力生*; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦; Rogl, P.*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 75(1), p.013709_1 - 013709_4, 2006/01
被引用回数:64 パーセンタイル:88.17(Physics, Multidisciplinary)空間反転対称性を持たず、反強磁性状態と超伝導状態の共存を示すCePtSiのSi核によるナイトシフトの研究を行った。スピンパートKは、磁場から推測されるような減少が、超伝導転移以下において観測されなかった。Ptのスピン-格子緩和の温度依存性は、スピンシングレットとスピントリプレットの成分を持つ秩序パラメータを持つCooper対モデルによって説明することができる。このことが、ナイトシフトの結果と矛盾がないことを示した。
原田 淳之*; 川崎 慎司*; 小手川 恒*; 北岡 良雄*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦; 伊藤 公平*; Haller, E. E.*; 播磨 尚朝*
Journal of the Physical Society of Japan, 74(10), p.2675 - 2678, 2005/10
被引用回数:20 パーセンタイル:68.65(Physics, Multidisciplinary)圧力下でのGa核四重極共鳴(NQR)の観測をとおして、UGeにおける強磁性と非従来型超伝導の協力現象について報告する。1.5GPaの近傍で、NQRスペクトルは一次転移であることが示されている強磁性相と常磁性相の相分離を示した。核スピン・格子緩和速度1/は、常磁性相ではなく強磁性相の元で超伝導が出現することを明らかにした。
藤 秀樹*; 北岡 良雄*; 朝山 邦輔*; 榊原 俊郎*; 天谷 健一*; 池田 昌隆*; 田山 孝*; 網塚 浩*; 木村 憲彰*; 摂待 力生*; et al.
固体物理, 31(9), p.763 - 774, 1996/00
UPtは1984年の発見以来、10年以上注目を集め続けている。最大の特徴は磁場中で複数の超伝導相を有することであり、他の超伝導体には見られない特徴である。我々はUPtの単結晶を育成し、固相電解を施すことによって世界最高純度の試料を得ることに成功した。この単結晶を用いて核磁気共鳴(NMR)及び磁化による超伝導状態の研究を行った。その結果knight-shiftがBCS理論で予想されるものと異なった温度依存性を示すことが明らかとなった。このことは、Cooper対を形成する電子のスピンが平行であり、奇パリティ超伝導が実現していることを示す直接的な証拠である。