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熊田 高之; 北川 尚紀*; 森 昇治*; 熊谷 純*; 荒殿 保幸; 宮崎 哲郎*
Journal of Low Temperature Physics, 114(5-6), p.413 - 429, 1999/00
固体パラ水素中に生成したHアニオンは、固体水素の量子性を反映した非古典的減衰挙動を示す。本論文において、その減衰機構とそれに伴うHアニオンの量子拡散挙動を解明した。実験の結果、減衰速度が(1)Hやカチオンの濃度ではなくHDのそれに比例する、(2)添加したNeの量にも比例する、(3)3K以下では温度とともに正比例的に増加、3-5Kにおいては逆に減少、5K以上では指数関数的に増加することを新たに見いだした。これらはそれぞれ、(1)Hの減衰がカチオンとの中和やH原子への電子移行反応:H+HH+Hではなく、HDとの反応によること、(2)拡散種はHDではなくHであること、(3)3K以下、3-5Kの結果はそれぞれ、one-phonon relaxation,two-phonon assistを伴った量子拡散過程によりHが固体中を拡散していることを示している。特に3-5Kの温度依存性の逆転は、Meyerovich等が提唱するBiased Diffusionによるものであると思われる。
熊田 高之; 北川 尚紀*; 野田 知克*; 熊谷 純*; 荒殿 保幸; 宮崎 哲郎*
Chemical Physics Letters, 288(5-6), p.755 - 759, 1998/00
被引用回数:27 パーセンタイル:64.51(Chemistry, Physical)固体水素中におけるH原子の捕捉の研究は、固体水素の量子固体としての物性を研究する上のみならず、固相中における原子引き抜きトンネル反応:H+HH+Hを理解する上でも大変興味深い。今回、我々は新たにENDOR(電子、核二重共鳴)法を用い、線照射した4.2K固体水素中に生成したH原子の捕捉状態を調べた。ENDORスペクトルの解析結果から、H原子は固体水素中の置換型サイトのみに存在すること、また、その最近接のオルソ水素分子はパラ水素に変換されることが確かめられた。前者はH-H間の分子間力がH-H間のものと同等であること、後者は近接のオルソ水素がH原子の不対電子により禁制がやぶられパラ水素に変換されたことを示したものである。ENDOR法を用いることでこのように固体水素中の微視的情報が直接的に得られた。
熊田 高之; 稲垣 裕久*; 北川 尚紀*; 駒口 健治*; 荒殿 保幸; 宮崎 哲郎*
Journal of Physical Chemistry B, 101(7), p.1198 - 1201, 1997/00
被引用回数:12 パーセンタイル:40.46(Chemistry, Physical)固体パラ水素に線照射することによって生成した、Hアニオンの減衰に、核スピン状態による違いがみられた。これは減衰過程においてパラHからオルソHへ核スピン状態の変換が同時に起きていることを示唆する。またこの変換は、等核2分子中での波動関数の反対称性の要請によって説明できることがわかった。他に、Hアニオンの減衰機構、また固体水素中での拡散についても同時に論じる。