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伊勢 孝太郎; 佐々木 祥人; 天野 由記; 岩月 輝希; 南條 功*; 浅野 貴博*; 吉川 英樹
Geomicrobiology Journal, 34(6), p.489 - 499, 2017/07
被引用回数:4 パーセンタイル:14.09(Environmental Sciences)幌延深地層研究センターの250m水平坑道に掘られた09-V250-M02 and 09-V250-M03ボアホール中における微生物群集変化について調査を行った。09-V250-M02において、掘削直後に採取したサンプルについてクローンライブラリー解析を行ったところ、-Proteobacteriaが最も優占していた。-Proteobacteriaは硫化物を硫黄に酸化して増殖する独立栄養細菌であることが知られている。4年経過後の微生物群集は大きく変化し、OP9やChloroflexiなどの深海底において検出されることが多い種が優占していた。これらのことから、掘削直後には空気による酸化の影響が大きく見られたが、時間経過とともに微生物群集は深海底などで検出される微生物群集と似た構造と変化することが示された。
南 貴博; 鈴木 喜雄; 青柳 哲雄; 伊藤 俊紀*; 中島 憲宏
FAPIG, (174), p.31 - 39, 2007/02
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターでは、STAやITBL基盤ソフトウェアと呼ばれるグリッドミドルウェア開発を通じて得た知見をもとに、グリッド・コンピューティング技術の応用技術開発を加速させ、国際的な原子力グリッド基盤(AEGIS: Atomic Energy Grid InfraStructure)構築を目指したプログラムを平成18年4月より開始した。本稿では、AEGISプログラムに先行するさまざまな取り組みから、2つのキーテクノロジーを紹介する。1つは、簡易なグリッドシステムを構築可能な「STARPC+」で、もう一つは、国際間の計算機資源共有を実現する「ドイツUNICOREとITBLの連携システム」である。
櫛田 慶幸; 鈴木 喜雄; 南 貴博; 青柳 哲雄; 中島 憲宏
全NEC C&Cシステムユーザー会平成19年度論文集(CD-ROM), 10 Pages, 2007/00
異なる研究機関・大学をまたがったコンピュータ資源の分配を、シームレスかつセキュアに行うためにGRID環境が構築されてきた。しかしながら、GRID環境を構築するためのソフトウェア(GRIDミドルウェア)がさまざまな研究機関により、互いに互換性を持たず構築されてきたため、導入したミドルウェアの違いにより相互に接続できない研究機関の組合せが存在する。そのため、本論文では連携サーバーと呼ばれる仲介サーバーを構築し、二種類のGRIDをシームレスかつセキュアに接続することに成功した。
鈴木 喜雄; 南 貴博; 谷 正之; 中島 憲宏; Keller, R.*; Beisel, T.*
Proceedings of 7th International Meeting on High Performance Computing for Computational Science (VECPAR '06)/Workshop on Computational Grids and Clusters (WCGC '06) (CD-ROM), 9 Pages, 2006/07
異なるサイエンスグリッドシステム間の相互接続は、大規模実験施設及び大規模スーパーコンピュータの世界的な利用に不可欠である。相互接続を達成する最も簡単な方法の一つは、異なるサイエンスグリッドシステム間でそれらの変更なしに、メッセージを変換することである。そのような考えに基づき、UNICOREとITBLの相互接続について、媒体として働くサーバーを用いることにより、それらシステムをほとんど変更することなく相互接続することに成功した。国際的標準化が確立されるまでの間は、異なるサイエンスグリッドシステム間でのメッセージ変換の方法は、相互接続を達成する方法として有望である。
南 貴博; 松原 仁; 山岸 信寛; 長谷川 幸弘; 青柳 哲雄; 中島 憲宏; 谷 正之
no journal, ,
平成17年度、高度計算機技術開発室でチームを組み、"SC '05 HPC Analytics Challenge"に参加し、"honorable mention"を受賞した。当該研究では、原子力プラントのフルスケール数値シミュレーションの実現に向けた第一ステップとして、原子炉及び冷却系装置を含む複雑な系を、組み立て構造解析という新たな手法を取り入れることにより、シミュレーションすることに成功した。国際会議SC '05においては、この研究成果をパネル及びリーフレットを使い、特にグリッド利用の観点からデモンストレーションする。
松原 仁; 南 貴博; 羽間 収; 西田 明美; Tian, R.; 中島 憲宏; 谷 正之
no journal, ,
原子力プラントは、圧力容器,中間熱交換器など多数の複雑な部品からなる大規模組立構造物であり、それぞれが互いに連成することによって外力に抵抗する。したがって、原子力プラントの各部品が他の部品、あるいは全体に及ぼす影響を明らかにすることは、構造工学上極めて重要な課題である。従来、このような問題を取り扱う場合、原子力プラントは、一体構造物と仮定され、各部品間に生じる相互作用力を加味した全体挙動の評価は不可能であった。本研究では、原子炉と一次冷却系に対して、ITBLグリッド環境の利用による部品間接続を加味した三次元有限要素法の構築を試みた。その結果、各部品の変形挙動や応力状態を加味した原子炉全体解析が可能になり、静的外力作用時における原子炉全体の応力・ひずみ状態が明らかになった。
鈴木 喜雄; 櫛田 慶幸; 山岸 信寛; 南 貴博; 松本 伸子; 中島 康平; 西田 明美; 松原 仁; Tian, R.; 羽間 収; et al.
no journal, ,
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターでは、原子力グリッド基盤(AEGIS: Atomic Energy Grid InfraStructure)の研究開発を推進している。本研究開発の目的は、原子力研究の基盤となるグリッド環境の構築である。本研究開発の主なターゲットの一つとして、原子力プラントのための3次元仮想振動台の構築がある。ここでは、原子力プラントの機器,建屋,基礎,地盤の連成を考慮した数値解析による実条件・実環境下での原子力プラントまるごとシミュレーションを目標としている。本講演では、AEGISの前身にあたるグリッド基盤技術及び本技術の3次元仮想振動台のプロトタイプへの適用について述べる。
櫛田 慶幸; 鈴木 喜雄; 南 貴博; 谷 正之; 中島 憲宏; Keller, R.*; Beisel, T.*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構(旧日本原子力研究所)では、Information Technology Based Laboratory(以降ITBLと略す)と呼ばれるGrid構築の中心的役割を担ってきた。Gridとは、地理的に離れた計算機資源,実験施設や研究データを、所属機関を越え、容易に共同利用できるようにする環境の総称である。ITBLはこれまでに、日本国内の主要6研究機関が所有する計算機資源(18台、総演算性能54テラフロップス)を接続することに成功しているが、原子力分野を含めた国際的な研究活動基盤構築のため、諸外国において構築されているGridとの相互運用性を確立することが重要かつ必要である。しかしながら、利用するGrid構築用ソフトウェア(ミドルウェア)の違いや、Gridごとのセキュリティポリシーの違いのため、Gridの相互接続に問題が生じているのが現状である。本発表では、代表的ミドルウェアの一つであるUNICOREを利用しているドイツ・シュツットガルド大学HLRSとの間に相互運用性を確立した際の手法、及び実際の利用形態について説明を行う。
鈴木 喜雄; 櫛田 慶幸; 山岸 信寛; 中島 康平; 南 貴博; 松本 伸子; 青柳 哲雄; 中島 憲宏; 射場 克幸*; 林 伸彦; et al.
no journal, ,
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターでは、原子力研究における計算科学基盤の構築を目指して、原子力グリッド基盤(AEGIS: Atomic Energy Grid InfraStructure)の研究開発を推進している。ここで、本基盤を適用するターゲットの一つとして核融合研究を位置づけている。核融合研究における実験の遠隔制御,データアクセス,統合解析等の各システムへの適用について述べる。
天野 由記; 南條 功; 岩月 輝希; 佐々木 祥人; 浅野 貴博; 寺島 元基; 長岡 亨*; 中村 孝道*; 吉川 英樹; 青木 和弘
no journal, ,
幌延深地層研究所の深度140m調査坑道から掘削したボーリング孔を用いて、岩盤中の「水-岩石-微生物」システムが有する環境回復能力(酸化還元緩衝能力)を評価するために原位置試験を実施した。酸素を飽和させた地下水をボーリング孔に注入・循環し、酸素濃度,酸化還元電位の変化及びそれに伴う化学成分や微生物数・微生物群集組成の変化をモニタリングし、「水-岩石-微生物」システムにおける岩盤の酸化還元緩衝能力を評価した。その結果、溶存酸素濃度は循環開始後10時間以内に検出限界以下となった。Fe(II)イオン濃度も減少傾向を示したことから、注入した酸素は地下水中の溶存鉄により消費されたと考えられる。試験期間中の酸素消費速度は9.64mg/L/dayであった。また、酸化還元電位は循環を開始してから5日後に試験開始前とほぼ同等の約-208mVで安定状態となり、速やかに還元状態が回復することが示された。
天野 由記; 岩月 輝希; 南條 功; 佐々木 祥人; 浅野 貴博*; 吉川 英樹; 長岡 亨*; 中村 孝道*
no journal, ,
幌延深地層研究所の深度140m調査坑道にて、岩盤の酸化還元緩衝能力を評価するための原位置試験を実施し、「水-岩石-微生物」相互作用による還元環境回復プロセスを評価した。その結果、循環開始時の溶存酸素濃度は5.43mg L-1であったが、10時間以内に検出限界(0.01mg L-1)以下となった。また、ORPは循環を開始してから5日後に試験開始前とほぼ同等の約-427mVで安定状態となり、速やかに還元状態が回復することが示された。化学成分及び微生物群集分析の結果から、還元状態に回復する過程でFe2+イオンの酸化反応,微生物の好気呼吸反応が酸素消費に寄与し、微生物による硝酸還元・鉄還元等の還元反応が進んだことが示された。
伊勢 孝太郎; 南條 功; 雨宮 浩樹; 天野 由記; 岩月 輝希; 浅野 貴博*; 景山 幸二*; 佐々木 祥人; 吉川 英樹
no journal, ,
幌延深地層研究センター250m水平坑道の2本の井戸の掘削後における微生物群集と地下水の解析を行った。微生物群集解析は250m水平坑道で水平方向に掘った井戸V250-M02(以下M02)と垂直方向に掘ったV250-M03(以下M03)の2箇所において行った。M02ではおもに,、M03ではや, により構成されており、明らかに異なる菌相であった。同じ井戸において4か月後にはM02ではの割合が減少し、偏性嫌気性細菌であるなどのの割合が増加した。M03においても spp.などの硫酸還元細菌が減少し、やなどの割合が増加した。これらのことから、原位置において還元的環境へとシフトする際には微生物群集が変化し、その変化は時間的にも空間的にも依存することが示された。