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早田 邦久; 原子力安全調査専門委員会
日本原子力学会誌, 28(9), p.812 - 818, 1986/00
ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で発生した事故は炉心損傷の規模からみても、環境へ放出されたFPの量と影響を受けた地域の広さからみても、原子力発電の歴史上最悪の事故であった。事故を起したチェルノブイリ原子力発電所の原子炉は、ソ連独特の圧力管チャンネル方式の黒鉛減速沸騰水型原子炉(RBMK)であり、構造・設計・思想共に日本を含め西側の原子炉とは大きく異なった原子炉である。しかしながら、今後の原子力安全性を論じるにあたっては、TMI-2事故を避けて通れなかったと同様に、炉型が異なるとはいえ、チェルノブイリ原子力発電所事故を避けて通ることはできない。そのためには、まずRBMK炉について理解し、チェルノブイリ原子力発電所事故を分析することが必要である。本稿は、RBMK炉に関する技術資料についてまとめたものである。