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望月 出海; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 矢治 光一郎*; 原沢 あゆみ*; 松田 巌*; 和田 健*; 兵頭 俊夫*
Physical Review B, 85(24), p.245438_1 - 245438_6, 2012/06
被引用回数:19 パーセンタイル:61.1(Materials Science, Multidisciplinary)走査型トンネル顕微鏡,反射高速陽電子回折,角度分解光電子分光を用いてGe(001)表面上のPt吸着ナノワイヤーの原子配置と相転移について調査した。理論計算から提案されていた、頂上のGeダイマー鎖が2層目のPt列を架橋するよう配置したモデルが基本構造であることがわかった。低温(80K以下)では、Geダイマーは表面垂直方向に交互に傾き(asymmetric)、このためp(44)周期が形成される。高温(110K以上)では、それらのGeダイマーは水平(asymmetric)になり、p(42)周期が形成される。この相転移現象において、Geダイマー鎖に起因した電子状態は、電子エネルギー的に深く分散していたものが、Fermi準位近傍まで上昇する。
望月 出海; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 矢治 光一郎*; 原沢 あゆみ*; 松田 巌*; 和田 健*; 兵頭 俊夫*
no journal, ,
Ge(001)表面にPtをサブモノレイヤー吸着させると、欠陥無しにサブミクロンの長さに達する一次元原子鎖構造が形成される。われわれはこれまで、反射高速陽電子回折(RHEPD)法を用いて、この表面構造がNWモデルで説明されることを示してきた。一方で、この原子鎖は約80Kを境にパイエルス転移する可能性が報告されたが、その詳細は解明されていない。そこで今回は、RHEPD法と角度分解光電子分光(ARPES)法を用いて、相転移により生じる原子変位と電子状態の変化について調べた。相転移前後において測定した一波条件の回折スポット強度は、35Kから室温への温度上昇とともに上昇することが見いだされた。動力学的回折理論によるロッキング曲線の解析から、この変化は原子鎖に伴うGeダイマーが、表面垂直方向に傾いた非対称構造から、フラットな対称構造に変化することで説明されることがわかった。また80110Kの温度範囲において、回折強度が連続的に上昇することから、これは秩序-無秩序相転移が前駆状態として現れる新しい変位型相転移として説明されるものと考えられる。その他、低温相及び高温相の表面デバイ温度を、それぞれ約210K、及び約130Kと決定した。
望月 出海*; 深谷 有喜; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 矢治 光一郎*; 原沢 あゆみ*; 松田 巌*; 和田 健*; 兵頭 俊夫*
no journal, ,
Ge(001)表面にPtをサブモノレイヤー吸着させると、欠陥なしにサブミクロンの長さに達する1次元鎖構造が形成される。われわれは反射高速陽電子回折(RHEPD)法を用いて、この表面構造がNWモデルで説明されることを示してきた。一方で、表面に配列したGeダイマー原子鎖は、約80Kを境にパイエルス転移するとの報告があるが、その詳細は明らかではない。そこでRHEPD法と角度分解光電子分光(ARPES)法を用いて、1次元鎖の相転移について調べた。相転移前後において測定した一波条件のRHEPD回折強度は、35Kから室温への温度変化とともに上昇することが見いだされた。動力学的回折理論によるRHEPDロッキング曲線の解析から、この変化はGeダイマーが、表面垂直方向に傾いた非対称構造から、フラットな対称構造に変化することで説明されることがわかった。ARPES実験による表面電子バンドの分散関係からは、低温相においてバンドギャップが観測され、格子変位と電荷密度波形成がともに電子状態を安定化させていることが示唆された。これは相転移の駆動原理として格子変位とパイエルス転移が協奏的に作用する、新しい相転移現象として説明されるものと考えられる。
望月 出海*; 矢治 光一郎*; 深谷 有喜; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 原沢 あゆみ*; 松田 巌*
no journal, ,
Ge(001)表面にPtをサブモノレイヤー吸着させると、欠陥なしにサブミクロンの長さに達する1次元鎖構造が形成される。これまでにわれわれは、反射高速陽電子回折(RHEPD)法を用いて、この1次元鎖構造がナノワイヤーモデルで説明できることを示した。さらにこの原子鎖は、約80Kでパイエルス転移を起こすことが報告されているが、その詳細は明らかではない。本研究では、RHEPDと角度分解光電子分光(ARPES)法を用いて、1次元鎖の相転移機構について調べた。相転移前後で測定したロッキング曲線では、=2.3-3.2付近に強度変化が見られた。動力学的回折理論に基づく強度解析から、この強度変化は原子鎖を構成する最表面Geダイマーが、高低差のある非対称構造から高低差のない対称構造へ変化することで説明できることがわかった。温度依存性の測定では、80-110Kで連続的な強度変化が見られ、変位型転移によるものと考えられる。またARPESによる表面電子バンド分散の測定から、低温相において格子変位と電荷密度波形成が競争的に起きていることが示唆された。