Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
浅森 浩一; 梅田 浩司; 小川 康雄*; 及川 輝樹*
International Journal of Geophysics, 2010, 7 Pages, 2010/10
地質環境の長期安定性を検討するうえでは、地下深部のマグマ・高温流体等の存在の有無を把握することが必要不可欠である。本件では、地下深部のマグマ・高温流体等の調査技術の開発の一環として、鳴子火山周辺地域を対象としたMT法による地下比抵抗構造調査及び温泉ガスの希ガス同位体比測定を実施した。その結果、当該火山下の地殻において、地下深部のマグマ及びそれに関連する水等の流体の存在を示唆する低比抵抗体が認められたほか、地表において有意に高いヘリウム同位体比が確認された。以上の結果は、当該調査技術がマグマ・高温流体等の存在の有無を確認する方法として有効であることを示していると考えられる。
及川 輝樹*; 笹尾 英嗣; 星野 安治*
第四紀研究, 47(6), p.425 - 431, 2008/12
火山活動や地すべりなどに伴う大規模な地形改変は、地下水流動系を変化させることなどにより、地下深部の地質環境に影響を及ぼす可能性がある。このため、大規模地形改変に関する研究事例を積み重ねることは、さまざまな自然事象が地下深部の地質環境に及ぼす影響に関する理解を深めるとともに、地層処分における地質環境の長期安定性にかかわる不確実性を低減させるうえで有益である。そこで、飛騨山脈を源とする梓川上流部の流路変更時期の推定に重要なデータとなる、焼岳の山麓に分布する段丘礫層の形成年代を、加速器質量分析装置を用いた放射性炭素年代測定によって調査し、礫層中の材化石群から約48ka BPの年代値を得た。この年代は、白谷山火山の活動開始時期とほぼ一致することから、白谷山火山の活動により梓川が堰き止められ、流路が東に変化し、平坦面付近の河川流量が増し急激な下刻が起きた可能性が考えられた。
梅田 浩司; 浅森 浩一; 二ノ宮 淳; 金沢 淳; 及川 輝樹
Journal of Geophysical Research, 112(B5), p.B05207_1 - B05207_9, 2007/05
東北日本の飯豊山地は、非火山地帯にもかかわらず高温の温泉が分布し、温泉放熱量も火山地帯のそれに匹敵する。本研究では、これらの高温の温泉の熱源を明らかにするため、飯豊山地周辺の温泉ガスのヘリウム同位体比の測定を行った。その結果、温泉ガスのヘリウム同位体比は、MORB-typeのヘリウム同位体比と同程度の値を示すことから、温泉ガスのヘリウムはマントルヘリウムを主体としている。この山地の周辺には、中新世の貫入岩が分布する。温泉ガスの高いヘリウム同位体比は、これらの貫入岩を起源とするマントルヘリウムの量からは説明できないことから、飯豊山地の下には、最近になって貫入したマグマが存在することを示唆する。また、この結果は他の地球物理データとも整合的である。
棚瀬 充史*; 及川 輝樹*; 二ノ宮 淳; 林 信太郎*; 梅田 浩司
火山, 52(1), p.39 - 61, 2007/02
中部日本、両白山地の鮮新-更新世火山は、東南東-西北西方向の九頭竜火山列と南北方向の白山火山列をなす。両白山地における鮮新-更新世火山活動の時空分布を石基試料のK-Ar年代に基づいて検討した。初期(3.51.5Ma)には、二つの火山列の交点付近での火山活動が見られる。1.20.7Maには、九頭竜火山列で東南東端の烏帽子・鷲ヶ岳火山から西北西端の法恩寺火山へ火山活動が移動する。その後、白山火山列の活動が0.4Maに始まり、現在まで継続している。
梅田 浩司; 金沢 淳; 角田 地文*; 浅森 浩一; 及川 輝樹
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 7(4), p.Q04009_1 - Q04009_11, 2006/04
西南日本の前弧域における温泉ガスのヘリウム同位体比の分布を明らかにするため、これまでデータが得られていない四国地方を対象に温泉ガスの採取,分析を行った。その結果、東北日本の前弧域の温泉に比べて高いヘリウム同位体比が四国全域で認められた。沈み込み帯の前弧域におけるヘリウム同位体比の異常については、スラブから脱水した流体によって運ばれるマントル起源のHeの影響が指摘されている。しかしながら、四国下の地殻内地震の活動が極めて乏しいこと、震源メカニズムが圧縮応力場を示すこと等を考慮すると、深部流体によるHeの寄与は小さいと考えられ、ヘリウム同位体比の分布は、中新世の火成岩体,地殻及び大気起源のヘリウムの混合によって説明できる。
及川 輝樹; 梅田 浩司; 金沢 淳; 松崎 達二*
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 101(1), p.23 - 28, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:4.3(Mineralogy)南部九州の西南日本外帯に貫入した市房山花崗閃緑岩から黒雲母K-Ar,ジルコンFT,アパタイトFT年代を求めその岩体の冷却史を明らかにした。その結果、市房山花崗閃緑岩は約10-13Maに300-100C冷えた。この花崗岩体の約13Maの急冷は、九州外帯がフィリピン海プレートへオブダクションしたことが原因と考えられる。
梅田 浩司; 小川 康雄*; 浅森 浩一; 及川 輝樹
Journal of Volcanology and Geothermal Research, 149(1-2), p.47 - 61, 2006/01
被引用回数:44 パーセンタイル:70.85(Geosciences, Multidisciplinary)紀伊半島南部の高地殻熱流量、ヘリウム同位体比異常等の原因を解明するため、温泉水・ガスのヘリウム同位体比、酸素・水素同位体比等の測定、MT法による深部比抵抗構造の解析を実施した。
及川 輝樹; 西来 邦章*
火山, 50(2), p.143 - 148, 2005/05
塩嶺層最上部を構成する霧ヶ峰火山の火山岩から2つのK-Ar年代を測定した。既知の層序・年代値と新たに得られた年代値をまとめると霧ヶ峰火山の活動期間はおよそ1.30.75Maで、追分火山性地溝帯は約0.85Maに急速に形成された可能性が高いことが明らかになった。既知の研究と今回の結果より塩嶺層の主な形成時期は約1.50.75Maである。
及川 輝樹; 和田 肇*
地質学雑誌, 110(9), p.528 - 535, 2004/09
飛騨山脈東方の居谷里層中から鮮新世花崗岩の黒部川花崗岩の礫を発見した。この礫層の堆積年代と黒部川花崗岩の貫入年代の検討から、黒部川花崗岩は貫入定置後(1.5-1.0Ma以降)急速に上昇し地表に露出したと考えられる。よって、黒部川花崗岩の分布する飛騨山脈はおよそ1.0Ma以降急激に隆起したと考えられる。
梅田 浩司; 浅森 浩一; 及川 輝樹; 角田 地文; Zhao, N.*; 鎌谷 紀子*
月刊地球, 26(6), p.407 - 413, 2004/06
非火山地帯における高温異常域の分布や温泉の性状、熱源等の解明は、地質環境の長期安定性における重要な課題の一つである。地震波速度構造、深部比抵抗構造、温泉ガスのヘリウム同位体比測定等によると、紀伊半島中南部の高温異常域や温泉ガスの高いHe/He比は、マグマや高温岩体等による影響ではなく、スラブから脱水した流体の上昇によるものと考えられる。
及川 輝樹; 梅田 浩司; 松崎 達二*
no journal, ,
四国西部の四万十帯付加体堆積物に貫入する沖ノ島-柏島地域の花崗岩類について、黒雲母K-Ar年代,ジルコンFT年代,アパタイトFT年代測定を行い、その冷却史を明らかにした結果、これら花崗岩類は約14Maに貫入し14-13Ma間に100C以下まで冷却したことが明らかになった。
村上 亮*; 川村 淳; 佐々木 寿*; 牧野 仁史; 瀬尾 俊弘; 西村 卓也*; 梅田 浩司; 大井 貴夫; 下司 信夫*; 及川 輝樹*
no journal, ,
火山噴火シナリオは、従来、主として火山活動の物理・科学的な機構の理解に基づき、経験論的に噴火の推移について検討されてきた。しかしながら、火山噴火シナリオをある火山の経験論だけに基づいて検討した場合、過去にその火山が経験したことのない事象は、シナリオから抜け落ちる恐れがある。そのため、いろいろな火山を対象として情報を収集し、抜け落ちをフォローする手法を整備する必要がある。それに対応するために、本研究では地層処分で検討されてきたシナリオ解析手法(FEP解析手法)を火山噴火に応用し、火山活動の進展の予測に資する火山噴火シナリオ解析手法の開発を目的とした。その結果、FEP解析手法を適用することにより、火山噴火シナリオが構築可能である見通しを得た。また、地層処分で開発されたFEP解析手法の他の分野への適用可能性についての見通しも得られた。今後は、情報の充実を図るとともに、他の火山への適用も検討する。また、本作業を通して、FEP解析手法の改良を行う。
村上 亮*; 川村 淳; 牧野 仁史; 下司 信夫*; 及川 輝樹*; 佐々木 寿*; 瀬尾 俊弘; 西村 卓也*; 梅田 浩司; 大井 貴夫
no journal, ,
本研究では、高レベル放射性廃棄物処分で開発したFEP解析手法を応用し、既存の火山噴火の事例に関する情報を用いた火山噴火シナリオの検討を試みた。火山噴火では地殻変動をはじめ地震、重力など多くの観測項目が地表で観測される。火山噴火の専門家は観測される事象の変化から地下のマグマの活動状況を推定し、さらに次にどのような状況に至るかを推定する。例えば、「静穏な状態」から「火山体周辺の広域膨張」が観測された場合「マグマ溜まりの膨張」という状況が推定され、さらにそれを引き起こすための「マグマ溜まりへのマグマの供給」というプロセスが推定される。一方、地下でどのような現象が発生すれば地表でどのようなことが観測されるかという逆解析的な推定もなされる。例えば、マグマの供給によるマグマ溜まりの膨張には「地殻変動」のほか、「深部の地震の発生」などが観測される可能性がある。そこで、この上記のことをもとに、マグマ活動に伴う地下の状況変化とそれにかかわるプロセスを関数的な観点で演繹的に推定し、その際の観測情報の整理を試みた。これらのことをFEP解析を応用して展開することにより、火山噴火シナリオを構築できる見通しを得た。
村上 亮*; 川村 淳*; 牧野 仁史; 下司 信夫*; 及川 輝樹*; 西村 卓也*; 梅田 浩司; 佐々木 寿*; 瀬尾 俊弘; 大井 貴夫*
no journal, ,
火山噴火活動の全期間を通じた時系列的な予測に関しては、火山噴火シナリオの適用による予測手法が注目されてきている。本研究では、地層処分の研究分野でのFEP解析の方法論を火山噴火活動に発展的に応用することにより、火山活動の進展の予測に資する火山噴火シナリオ構築手法の開発を目的とした。本研究は、既存火山の事例を参照し、そこでの噴火活動を構成すると考えられる現象を素過程に分割し、素過程を論理関数論的に整理し、活動の展開を関数の連鎖として表現することを基本コンセプトとした。このコンセプトに基づき検討した結果、想定される活動推移を可能な限り列挙した火山噴火シナリオをシステマティックに構築できる見通しを得た。また、本研究成果を観測にフィードバックすることにより、火山噴火の前兆現象の検出や進展の可能性の効率的な絞り込みに有効な観測項目の選択にも資するものと考えられる。