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谷内 淑恵*; 吉井 勇治*; 松谷 悠佑; 森 諒輔*; 及川 青亮*; 伊達 広行*
Scientific Reports (Internet), 9(1), p.17649_1 - 17649_8, 2019/11
被引用回数:6 パーセンタイル:36.9(Multidisciplinary Sciences)光子線および電子線に対する放射線加重係数はエネルギーに依存せず一意に1.0と定められている。しかしながら、200kVp X線と比較して、29kVpX線で生物学的効果が高くなることを指摘する実験データも公表されている。また、光子線による生体への影響は、相互作用で生成される電子線による影響の評価も重要となる。本研究では、染色体(マイクロメートル)スケールにおける放射線飛跡上のエネルギー付与の密度を表す線量平均線エネルギー(keV/m))をモンテカルロ計算により評価し、診断用X線と治療で使用される6MVのX線エネルギースペクトルに対するDNA二本鎖切断生成率の実測結果と比較した。実測値から、治療用X線(6MV)と比較して診断用X線(60-100kVp)において、多くのDNA二本鎖切断数を検出した。この実測値と線量平均線エネルギー(計算値)の関係から、X線エネルギーが小さいほど低エネルギー電子の作用により生物学的効果が高くなる可能性が示された。本研究の成果は、光子線および電子線に対する放射線加重係数をエネルギーに応じて定義すべきことを示唆するものである。
及川 青亮*; 松谷 悠佑; 浜田 信行*; 伊達 広行*
no journal, ,
低線量被ばくによる放射線白内障のリスクが注目されているが、その発症機序や線量・線量率への応答などには不明な点が多い。近年、ヒトの水晶体上皮細胞(HLEC1)が2Gy以上の被ばくにより過増殖を起こす現象が報告され、白内障の発症機構に関連すると考えられている。本研究ではHLEC1の過増殖応答を明らかにするため、エージェントベースモデル(ABM)開発ソフトウェアNetLogoを使用して細胞コロニーモデルを作成した。本モデルでは、細胞周期、接触阻害、細胞分裂回数の上限などのパラメータをモデルに組み込み、非照射時のHLEC1のコロニー形成を再現した。照射時の過増殖は、細胞周期の短縮や分裂回数上限の上昇により再現されることが分かった。この知見は、ヒト上皮細胞の被ばくによる過増殖と白内障へ発展する頻度を推定する際に有効になると考えられる。
及川 青亮*; 松谷 悠佑; 浜田 信行*; 伊達 広行*
no journal, ,
低線量被ばく時の放射線白内障のリスクを推定することは重要であるが、白内障発症のメカニズムは未だ不明である。一方で、ヒトの水晶体上皮細胞(HLEC1)が2Gy以上の被ばくにより、過増殖を引き起こすという報告もある。そこで、電離放射線被ばく後のHLEC1細胞の過増殖と白内障発症の関係を明らかにする必要がある。本研究では、細胞実験結果に基づき、HLEC1のコロニーモデルを開発した。細胞実験では、HLEC1の細胞周期と増殖曲線を新たに取得し、さらにエージェントベースモデルに細胞周期や分裂回数上限の要素を組み込み、コロニーモデルを開発した。モデルを用いた推定の結果、コロニーサイズの実測値を再現するためには、放射線被ばく後の細胞周期の短縮と増殖能の異なる複数種の細胞集団の考慮が必要であった。細胞実験とモデルを用いた推定により、ヒト水晶体上皮細胞が異なる細胞増殖を持つ不均一な細胞集団であり、白内障誘発(過増殖や生存率)に影響を与えることがわかった。