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論文

重粒子線治療の全身被ばく線量評価システムRT-PHITS for CIRTの開発

古田 琢哉

Isotope News, (787), p.20 - 23, 2023/06

炭素線治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量が集中する優位性を持つが、正常組織での二次的ながんの発生原因となり得る照射を完全に無くすことは困難である。現状の線量評価では治療効果と周辺重要臓器の急性障害の回避を目的に治療部位近傍に限定した評価が行われており、2次発がんなどの副作用に影響する低線量の領域まで評価が行われていない。そこで、重粒子線治療の計画データを基に、重粒子ビーム照射体系を再構築し、PHITSによって、2次粒子の挙動も含めて重粒子線治療を正確に再現するシステムRT-PHITS for CIRTを開発した。このシステムを用いることで、過去に実施された重粒子線治療の患者全身における線量評価が可能で、評価結果を治療後の2次がん発生等の疫学データと組み合わせることで、放射線治療後の副作用と被ばく線量の相関関係を明らかにすることができる。

論文

Photon dose rate distribution inside and outside a brachytherapy room

Sabri, A. H. A.*; Tajudin, S. M.*; Aziz, M. Z. A.*; 古田 琢哉

Radiological Physics and Technology, 16(1), p.109 - 117, 2023/03

イリジウム192線源による密封小線源治療室の空間線量分布を粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて計算した。コンクリート壁と鉛ドアで構成される治療室の体系をマレーシアサインズ大学の高度医療歯科研究所に実在する治療室を模擬する形で再現し、熱ルミネッセンス線量計による実測値と比較することで、シミュレーション結果の精度を確認した。シミュレーション結果によると、3mm厚の鉛板を入口横の壁に追加することで、入口の横側の壁から抜けてくる光子による治療室外の線量を効果的に下げられることがわかった。また、線源をコバルト60に置き換えたシミュレーションも実施し、現状の治療室の設計では、室外の線量値の規制値を満たすことができないことを明らかにした。

論文

Recent improvements of the Particle and Heavy Ion Transport code System; PHITS version 3.33

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松谷 悠佑; 松田 規宏; 平田 悠歩; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 9 Pages, 2023/00

放射線挙動解析コードPHITSは、モンテカルロ法に基づいてほぼ全ての放射線の挙動を解析することができる。その最新版であるPHITS version 3.31を開発し公開した。最新版では、高エネルギー核データに対する親和性や飛跡構造解析アルゴリズムなどが改良されている。また、PHIG-3DやRT-PHITSなど、パッケージに組み込まれた外部ソフトウェアも充実している。本論文では、2017年にリリースされたPHITS3.02以降に導入された新しい機能について説明する。

論文

Development of the DICOM-based Monte Carlo dose reconstruction system for a retrospective study on the secondary cancer risk in carbon ion radiotherapy

古田 琢哉; 古場 裕介*; 橋本 慎太郎; Chang, W.*; 米内 俊祐*; 松本 真之介*; 石川 諒尚*; 佐藤 達彦

Physics in Medicine & Biology, 67(14), p.145002_1 - 145002_15, 2022/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:49.94(Engineering, Biomedical)

炭素線治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量集中性に関する優位性を持つが、二次的ながんの発生原因となり得る正常組織への照射を完全に無くすことは困難である。そのため、発がんリスクを照射炭素ビームの核反応によって生成される二次粒子による線量まで含めて評価するには、計算シミュレーション解析が有効となる。本研究では、PHITSコードを中核とした炭素線治療の線量再構築システムを開発した。このシステムでは、治療計画を記録したDICOMデータから自動でPHITSの入力ファイルを作成し、PHITSシミュレーションの実行によって腫瘍および周辺正常組織での線量分布を計算する。PHITSの様々な機能を利用することで、粒子毎の線量寄与や二次粒子の発生場所の特定など、詳細な解析が実施可能である。開発したシステムの妥当性は、水中での線量分布の実験結果や人体等価ファントムへの治療計画との比較により確認した。今後、本システムは量子科学技術研究開発機構において、過去の治療データを用いたシミュレーション解析による遡及的研究に利用される予定である。

論文

Damage evaluations for BWR lower head in severe accident based on multi-physics simulations

勝山 仁哉; 山口 義仁; 根本 義之; 古田 琢哉; 加治 芳行

Proceedings of ASME 2022 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2022) (Internet), 9 Pages, 2022/07

To assess rupture behavior of the lower head of reactor pressure vessel in boiling-water-type nuclear power plants due to severe accident like Fukushima Daiichi, we have been developing an analysis method based on coupled analysis of three-dimensional multi-physics simulations composed of radiation transport, thermal-hydraulics (TH) and thermal-elastic-plastic-creep analyses. In this simulation, Monte Carlo radiation transport calculation is firstly performed by using PHITS code to compute proton dose distribution considering molten conditions of core materials. Then the deposit energies at each location is imported into TH analysis code ANSYS Fluent with the same geometry and temperature distribution is simulated by thermal-fluid dynamics. Finally, temperature distribution obtained from TH analysis is applied to thermal-elastic-plastic-creep analyses using FINAS-STAR and then damage evaluation is carried out based on several criterions such as Kachanov, Larson-Miller-parameter, melting point. To conduct such analyses, we also have continued to obtain experimental data on creep deformation in high temperature range. In this study, to predict time and location of reactor pressure vessel (RPV) lower head rupture of boiling water reactors (BWRs) considering creep damage mechanisms, we performed creep damage evaluations based on developing analysis method by using detailed three-dimensional model of RPV lower head with control rod guide tubes, stub tubes and welds. From the detailed analysis results, it was concluded that failure regions of BWR lower head are only the control rod guide tubes or stub tubes under simulated conditions.

論文

最近のRPT誌レビュー論文から; PHITSの医学物理計算への応用

古田 琢哉

医学物理, 41(4), P. 194, 2021/12

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、近年における放射線の医学利用の高まりを受けて医学分野での利用例が増大しており、当該分野で有効な計算機能も開発されてきた。このような研究に関係する成果を、2021年にRadiological Physics and Technology誌で発表した「PHITSの医学物理計算への応用」と題するレビュー論文にまとめた。その後、日本医学物理学会の編集委員会より、この論文の内容を国内の関係者へ周知する紹介記事の投稿依頼があった。そこで、レビュー論文で報告したPHITSを利用した医学物理分野での応用例や有益なPHITSの機能、そしてユーザー間の情報交換の目的のために解説したPHITSフォーラムの情報等を日本医学物理学会誌で紹介する。

論文

Influence of distant scatterer on air kerma measurement in the evaluation of diagnostic X-rays using Monte Carlo simulation

富永 正英*; 永安 結花里*; 佐々木 幹治*; 古田 琢哉; 林 裕晃*; 笈田 将皇*; 西山 祐一*; 芳賀 昭弘*

Radiological Physics and Technology, 14(4), p.381 - 389, 2021/12

放射線診断技術の発展により、患者の被ばく線量の増大が問題となっており、医療被ばくの最適化を目的として、日本国内で共通の診断参考レベルが策定された。この中で、X線一般撮影については、患者の体表面における線量を各施設の診断線量レベルとして評価することが推奨されている。体表面の線量は、体内部からの後方散乱を表す係数を機器設置やメンテナンス等で測られる空中空気カーマに乗じることで、簡便に導出できる。しかし、障害物からの距離を十分取れない状況では、測定される空中空気カーマへ散乱X線が混入するため、線量評価の誤差の要因となる。そこで、モンテカルロシミュレーション計算により、散乱体の物質や距離が散乱X線へ与える影響を評価した。診断X線のエネルギー領域では、軽元素と重元素で散乱に関する物理現象が異なり、物質毎にX線の照射野やエネルギーへの依存性が変化することがわかった。また、どの物質でも35cm程度の距離を取れば、散乱X線の混入をほぼ無視できることがわかった。

論文

Technical Note: Validation of a material assignment method for a retrospective study of carbon-ion radiotherapy using Monte Carlo simulation

Chang, W.*; 古場 裕介*; 古田 琢哉; 米内 俊祐*; 橋本 慎太郎; 松本 真之介*; 佐藤 達彦

Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.846 - 855, 2021/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:27.7(Biology)

炭素線治療の治療計画をモンテカルロシミュレーションによって再評価するためのツール開発の一環として二つの重要な手法を考案した。一つは治療計画装置に含まれる校正済みのCT-水阻止能表を反映しつつ、患者CT画像から物質識別を行う手法である。もう一つの手法は、粒子およびエネルギー毎に生体物質と水との阻止能比を考慮し、水等価線量を導出することを目的としたものである。これらの手法の有効性を確認するため、生体物質および水で構成される均質および不均質ファントムに対し、SOBPサイズ8cmの炭素線を400MeV/uで照射するシミュレーションをPHITSで計算し、得られた線量深さ分布を従来の治療計画装置による結果と比較した。その結果、従来の治療計画装置で採用されている生体物質を全て水に置換する手法では、異なる物質において二次粒子の発生率が一次粒子の阻止能に単純に比例するため、二次粒子による線量寄与を評価する上で不適切であることが分かった。一方、各物質の二次粒子の発生率を適切に考慮した新しい手法は炭素線治療の再評価において、重要な役割を果たすことが期待できることが分かった。

論文

Medical application of Particle and Heavy Ion Transport code System PHITS

古田 琢哉; 佐藤 達彦

Radiological Physics and Technology, 14(3), p.215 - 225, 2021/09

PHITSユーザー数は、集計を開始した2010年以降に順調な増加傾向を示している。その中で、近年は医学物理分野における新規ユーザー数の増加が顕著となっている。そのため、PHITSを利用した数多くの研究が発表されており、その内容も放射線治療応用、施設の遮蔽計算、放射線生物学応用、医療機器研究開発等、多岐に渡っている。本稿では、これら応用研究の具体例を示しつつレビューを行うとともに、医学物理応用研究で有益なPHITSの機能を紹介する。

論文

Individual dosimetry system for targeted alpha therapy based on PHITS coupled with microdosimetric kinetic model

佐藤 達彦; 古田 琢哉; Liu, Y.*; 仲 定宏*; 永森 收志*; 金井 好克*; 渡部 直史*

EJNMMI Physics (Internet), 8, p.4_1 - 4_16, 2021/01

 被引用回数:9 パーセンタイル:84.25(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)

標的$$alpha$$核医学治療は、高い治療効果と低い副作用を兼ね備えた新しいがん治療方法として注目を集めているが、その治療計画に患者の個性(体格や薬剤集積性など)は反映されていなかった。そこで本研究では、患者個人のPET-CT画像から自動で体内の積算放射能分布を推定し、PHITSを用いて吸収線量分布を計算するシステムを構築した。$$alpha$$線の高い細胞殺傷効果や腫瘍内における薬剤不均一性を考慮し、同じ効果を与えるX線治療の線量(等効果線量)を推定する新しいモデルを確立した。構築したシステムは、PET用核種をラベルした新しいプローブ(NKO-035)を健常者に投与した臨床試験結果を用いて検証した。その結果、重要臓器の吸収線量は、従来手法と比べて最大で20%程度の差があることが分かった

論文

Simulation code for estimating external gamma-ray doses from a radioactive plume and contaminated ground using a local-scale atmospheric dispersion model

佐藤 大樹; 中山 浩成; 古田 琢哉; 吉廣 保*; 坂本 健作

PLOS ONE (Internet), 16(1), p.e0245932_1 - e0245932_26, 2021/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:32.89(Multidisciplinary Sciences)

本研究では、大気および土壌に不均一に分布する放射性核種からのガンマ線による外部被ばく線量評価のための計算モデルSIBYLを開発した。SIBYLは、原子力機構が開発した局所域大気拡散モデルLOHDIM-LESに接続し、LOHDIM-LESが予測した放射性核種の分布に従い地表面での線量率分布を計算できる。原子力緊急時における利用で要求される計算速度と精度を実現するため、汎用放射線輸送計算コードPHITSを用いて膨大な計算資源を要する3次元放射線輸送計算を予め行い、その結果を線量計算に利用するデータベースとして整備した。また、SIBYLは、ビル等の障害物による減衰や地表面の標高変化を考慮した線量評価ができるという特長がある。そこで、排気塔からの$$^{85}$$Krの大気放出および都市部での$$^{137}$$Csの拡散を想定した5ケースに対して、SIBYLで地表面の線量率分布を計算し、その結果をPHITSによる線量率分布の評価結果と比較して、SIBYLの信頼性と性能を検証した。その結果、評価地域の大部分で両者の評価結果は10%以内で一致し、かつSYBILはPHITSに対して約100倍以上高速に線量を評価し、緊急時にも適用可能であることを確認した。

論文

Re-evaluation of radiation-energy transfer to an extraction solvent in a minor-actinide-separation process based on consideration of radiation permeability

樋川 智洋; 津幡 靖宏; 甲斐 健師; 古田 琢哉; 熊谷 友多; 松村 達郎

Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(1), p.74 - 89, 2021/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:10.38(Chemistry, Multidisciplinary)

マイナーアクチノイド分離プロセスの放射線に対する成立性を評価するうえで、抽出溶媒の吸収線量の予測は不可欠である。本論文では、溶媒抽出時に現れるエマルションなどの構造を考慮した吸収線量評価手法を提案する。モンテカルロ法に基づいた放射線輸送コードであるPHITSを活用し、高レベル放射性廃液からのマイナーアクチノイド一括回収するプロセスを対象として、抽出溶媒への放射線エネルギー付与シミュレーションを行った。シミュレーションの結果、アルファ線によるエネルギー付与量はエマルション構造に、ベータ線及びガンマ線については抽出に用いる装置サイズに依存することを示した。さらにこれまでの線量評価では評価されてこなかった透過力の高いガンマ線によるエネルギー付与がマイナーアクチノイドの大量処理を考えるうえで重要になることを示唆した。

論文

Modernization of the DCHAIN-PHITS activation code with new features and updated data libraries

Ratliff, H.; 松田 規宏; 安部 晋一郎; 三浦 孝充*; 古田 琢哉; 岩元 洋介; 佐藤 達彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 484, p.29 - 41, 2020/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:82.73(Instruments & Instrumentation)

This paper details the recent improvements made to the DCHAIN-PHITS code, the activation, buildup, burnup, and decay code coupled to and distributed with PHITS. The recent improvements include the addition of numerous new decay and cross section nuclear data libraries, statistical uncertainty propagation implementation, support for 3-D grid mesh and tetrahedral geometries, reaction tracking, performance improvements, and more. The paper covers the DCHAIN's history, theory, usage, and improvements made to it and also includes example calculations showcasing these improvements. This is the first publication covering DCHAIN since the PHITS group obtained the code and will become the new reference journal paper for DCHAIN-PHITS. (The current reference document for DCHAIN is a JAERI document in Japanese only from 2001.)

論文

PARaDIM; A PHITS-based Monte Carlo tool for internal dosimetry with tetrahedral mesh computational phantoms

Carter, L. M.*; Crawford, T. M.*; 佐藤 達彦; 古田 琢哉; Choi, C.*; Kim, C. H.*; Brown, J. L.*; Bolch, W. E.*; Zanzonico, P. B.*; Lewis, J. S.*

Journal of Nuclear Medicine, 60(12), p.1802 - 1811, 2019/12

 被引用回数:18 パーセンタイル:80.86(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)

従来の内部被ばく研究では、CT画像などに基づき構築したボクセル人体ファントムを適用し、線量評価データを解析することが一般的であった。しかし、皮膚や膜状組織などをより精密に表現できるポリゴンメッシュ人体ファントムの開発が進められており、内部被ばく研究でもこのファントムを用いた評価が要求されている。しかし、モンテカルロ放射線輸送計算コードにこのファントムを取り込んで計算を行うことは、コードに精通していない場合は難しい現状となっている。そこで、PHITSの使い方に関する詳しい知識を持たないユーザーでも、このファントムを用いた内部被ばく線量計算が簡単にできるツールPARaDIMを開発した。このツールでは、グラフィカルインターフェースにより、使用する四面体メッシュファントムの選択や臓器毎の放射性核種の設定、そしてPHITSの実行が操作できる。このツールを用いた実行例をいくつか示し、先行研究との比較を行うことで、本ツールの有用性を確認した。

論文

Dosimetric dependence of ocular structures on eye size and shape for external radiation fields of electrons, photons, and neutrons

古田 琢哉; El Basha, D.*; Iyer, S. S. R.*; Correa Alfonso, C. M.*; Bolch, W. E.*

Journal of Radiological Protection, 39(3), p.825 - 837, 2019/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.95(Environmental Sciences)

人の眼球には多様性があるにもかかわらず、これまでの眼球に対する線量計算シミュレーションでは、ほぼ全ての研究で標準的な一つのモデルが採用されてきた。そこで、本研究では新たに開発した大きさ及び変形が可能な数値眼球モデルを利用し、モンテカルロ放射線輸送計算コードPHITSを用いて、標準的な照射場(AP, PA, RLAT, ROT等)での電子線,光子線および中性子線による眼球内組織の線量を計算した。ここでは、5種類(標準,大型,小型,近視形状型および遠視形状型)の極端な眼球モデルの計算結果の比較に基づき、組織の吸収線量への眼球の大きさや変形が与える影響を解析した。電子線では線量の集中性が高く、吸収線量は眼球表面からの組織の深さに大きく依存して変化する。このため、眼球の大きさや変形に伴い、組織全体の深さ位置が変化することによる吸収線量への顕著な影響が見られた。これに対し、光子線や中性子線では電子線に比べて線量の集中性が弱いため、眼球の大きさや変形による影響が小さいことがわかった。

論文

Computation speeds and memory requirements of mesh-type ICRP reference computational phantoms in Geant4, MCNP6, and PHITS

Yeom, Y. S.*; Han, M. C.*; Choi, C.*; Han, H.*; Shin, B.*; 古田 琢哉; Kim, C. H.*

Health Physics, 116(5), p.664 - 676, 2019/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:62.49(Environmental Sciences)

国際放射線防護委員会(ICRP)のタスクグループ103により、メッシュ形状の線量評価用人体ファントム(MRCPs)の開発が進められている。この人体ファントムは、将来的には線量評価で用いる標準人体モデルとして採用される予定である。そこで、このMRCPファントムに対するベンチマーク計算を主なモンテカルロ粒子輸送計算コード(Geant4, MCNP6およびPHITS)で行った。様々な粒子およびエネルギーで外部および内部被ばくの計算を実施し、計算時間やメモリ使用量をコード間で比較した。また、ボクセルファントムに対する計算も行い、コード毎の異なるメッシュ表現による性能の違いについて調べた。MRCPのメモリ使用量はGeant4およびMCNP6で10GB程度であったのに対し、PHITSでは1.2GBと顕著に少なかった。また、計算時間に関してもGeant4およびMCNP6ではボクセルファントムに比べてMRCPの計算時間は長くなる傾向を示したが、PHITSでは同程度もしくは短縮する傾向を示した。

論文

Three-dimensional analysis using polygons in Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS)

古田 琢哉

ANS RPSD 2018; 20th Topical Meeting of the Radiation Protection and Shielding Division of ANS (CD-ROM), 5 Pages, 2018/08

PHITSの最新バージョンには四面体メッシュ体系を取り扱う機能が導入されている。この体系は四面体を構成ユニットとし、三角形の面を繋ぎ合わせることで複雑体系を構築するポリゴン体系の一種である。四面体メッシュ体系はTetGen等のメッシュ生成ソフトウェアで、ポリゴン体系データを変換することで作成できる。これに加えて、線量分布等の計算結果を三次元可視化ソフトウェアのParaViewで読み込むため、必要な形式に出力する機能をPHITSに導入した。また、上述のTetGenは体系データをParaView形式に変換する機能も有している。以上の機能を組み合わせて使用することで、ポリゴンデータからTetGenで四面体メッシュに変換し、PHITSによる輸送計算を行い、結果をParaViewで体系と共に表示して三次元解析を行うという一連の動作が可能になった。

論文

Features of particle and heavy ion transport code system (PHITS) version 3.02

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; Tsai, P.-E.; 松田 規宏; 岩瀬 広*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(6), p.684 - 690, 2018/06

 被引用回数:652 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

粒子・重イオン輸送計算コードPHITS Version 3.02を開発して公開した。核反応モデルや原子反応モデルを改良することにより、適応エネルギー範囲や精度を向上させた。また、計算効率を向上させる新しいタリーや、放射性同位元素を線源とする機能、医学物理分野にPHITSを応用する際に有用となるソフトウェアなど、様々なユーザーサポート機能を開発して、その利便性を大幅に向上させた。これらの改良により、PHITSは、加速器設計、放射線遮へい及び防護、医学物理、宇宙線研究など、幅広い分野で3000名以上のユーザーに利用されている。本論文では、2013年に公開したPHITS2.52以降に追加された新機能を中心に紹介する。

論文

日本原子力学会「2018年春の年会」部会・連絡会セッション,核データ部会「シグマ」特別専門委員会共催; 我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン,4; PHITSコードにおける核反応モデルの役割と高度化

橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 岩元 洋介; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 仁井田 浩二*

核データニュース(インターネット), (120), p.26 - 34, 2018/06

放射線の挙動を模擬できる粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、加速器の遮へい設計や宇宙線・地球科学、放射線防護研究等の広範な分野で利用されている。PHITSでは、放射線が引き起こす物理現象を輸送過程と衝突過程の2つに分けて記述しており、さらに核反応が含まれる衝突過程を「核反応の発生」、「前平衡過程」、「複合核過程」の3段階的に分けて計算することで模擬している。これらの計算では断面積モデルKurotamaや核反応モデルINCL4.6やJQMDといった数多くの物理モデルが使用されており、PHITSの信頼性を高めるために、我々は各モデルの高度化を行ってきた。本稿は、日本原子力学会2018年春の年会の企画セッション「我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン」における報告を踏まえ、PHITSにおける核反応モデルの役割を解説するとともに、近年我々が行ってきた様々なモデルの高度化や今後の展開についてまとめたものである。

論文

A Scalable and deformable stylized model of the adult human eye for radiation dose assessment

El Basha, D.*; 古田 琢哉; Iyer, S. S. R.*; Bolch, W. E.*

Physics in Medicine & Biology, 63(10), p.105017_1 - 105017_13, 2018/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:52.21(Engineering, Biomedical)

眼の水晶体に対する年間線量限度の推奨値の引き下げが国際放射線防護委員会より発表されて以降、眼の詳細構造に対する線量予測システムの構築に関心が高まっている。これを受けて線量評価に用いる詳細な数値眼球モデルがいくつか開発されたが、いずれのモデルも典型的な球形・通常サイズの正常視眼球モデルであった。そこで、サイズおよび形状の変更が可能で放射線被ばく及び眼疾患の放射線治療のシミュレーションに使用できる解析関数眼球モデルを開発した。この眼球モデルを利用したシミュレーションの一例として、前方照射条件での電子および光子の放射線輸送計算を実行し、入射エネルギーを変化させた場合の眼球内詳細構造に対する線量応答を調べた。前方照射条件のため、各構造の深さ位置が重要で、眼球サイズが大きい場合や近視のために眼球が扁長変形を持つ場合は、通常サイズの正視の場合に比べて各構造が深い位置にずれるため、エネルギー応答が少し高エネルギー側にシフトする傾向があることがわかった。

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