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山口 高志*; 堅田 元喜; 野口 泉*; 酒井 茂克*; 渡邊 陽子*; 植松 光夫*; 古谷 浩志*
Atmospheric Research, 151, p.82 - 92, 2015/01
被引用回数:18 パーセンタイル:48.9(Meteorology & Atmospheric Sciences)霧沈着による森林地帯への水・窒素供給を定量化するため、2006年から2012年までの植物成長期の日本北部の摩周湖の外輪山における霧化学性および沈着量を調べた。霧水とその粒径分布を自動霧捕集装置と粒径分光計を用いて測定した。過去に行われた酸性霧の暴露実験の結果に基づくと、本研究で観測された霧の酸性度が植物葉の損傷を引き起こすレベルには達していなかった。視程(VIS)と大気中霧水量(LWC)の関係は、夏季と秋季で異なっていた。この関係から経験的にフィッティングしたLWCの予測式と風速および植物パラメータから算出した沈着速度を用いて、この地域の霧沈着量を推定した。植物成長期間の霧による水および窒素沈着量は、それぞれ107-161mmおよび20-41meq mと推定された。
細田 昌宏*; 古谷 浩志*; 福村 裕史*; 増原 宏*; 西井 正信; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一
レーザー研究, 25(4), p.306 - 311, 1997/04
銅フタロシアニン誘導体凝集フィルムにおけるレーザーアブレーションの動的挙動をナノ秒干渉、ナノ秒画像観察、AFM観察などで調べた。アブレーションしきい値(20mJ/cm)以上のレーザー強度(140mJ/cm)の照射で、フィルム表面から気体成分はパルス巾内に飛散した。一方、固体成分はミリ秒領域で飛び出した。こられの飛散成分はいずれも銅フタロシアニン誘導体の基底状態であった。このことから、レーザーアブレーションの機構として光熱反応の寄与が大きいことがわかった。また、飛散成分を高分子上に吸着させAFMで観測したところ120nmの大きさを持っていることがわかった。アブレーションした表面も同様の構造を観測したことから、飛散物は一分子で起こるのではなく、サブミクロンの大きさの粒子として起こっているものと結論した。
古谷 浩志*; 福村 裕史*; 増原 宏*
レーザー研究, 25(4), p.288 - 295, 1997/04
エキシマレーザー照射による高分子フィルムのナノメートルオーダーの微小な形態変化をナノ秒の時間分解能で測定するために開発したナノ秒干渉画像計測について述べ、3種類の物理的・化学的に異なる高分子フィルムのレーザー誘起形態変化のダイナミクスに関する研究結果をまとめた。その結果から、エキシマレーザー照射によって誘起される高分子の微小な形態変化が、高分子の性質及び集合状態・構造を反映していることがわかった。この手法は、高分子のレーザーアブレーション過程、レーザー誘起状態変化を観測し、その機構を解明する有効な手法であることを示した。
山口 高志*; 堅田 元喜; 野口 泉*; 渡邊 陽子*; 古谷 浩志*; 植松 光夫*
no journal, ,
北海道摩周湖の外輪山周縁でダケカンバの衰退が観察されており、大気から衰退林への窒素沈着が懸念されている。本研究では、摩周湖における霧の粒径分布と霧中窒素濃度を測定し、簡易霧沈着式を用いて窒素沈着量を推定した。2009年から2013年の開葉期に摩周湖外輪山で霧の化学分析や粒径分布の測定を実施し、これらと連続的かつ高時間分解能でモニタリングされている視程データと植生への霧水沈着速度の推定式を組み合わせて、ダケカンバ林への霧による窒素沈着量を算出した。霧の粒径分布は二山型の分布を示し、夏に比べ秋には粗大な霧粒が減少傾向にあった。開葉期の積算霧水沈着量は107-140mmと推定され、同期間の降水量の20%程度であった。また、窒素沈着量は26-30mmol mであり、その大部分がアンモニア態であることがわかった。降水量と比較した結果、夏から秋にかけての霧による窒素供給量は無視できない可能性が明らかになった。