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論文

Imidazolium-based anion exchange membranes for alkaline anion fuel cells; Elucidation of the morphology and the interplay between the morphology and properties

Zhao, Y.; 吉村 公男; 猪谷 秀幸*; 山口 進*; 田中 裕久*; 小泉 智*; Szekely, N.*; Radulescu, A.*; Richter, D.*; 前川 康成

Soft Matter, 12(5), p.1567 - 1578, 2016/02

 被引用回数:27 パーセンタイル:79.79(Chemistry, Physical)

We investigated the interplay between morphology and properties of a new graft-type of anion exchange membranes (AEMs) containing 2-methylimidazolium groups by using contrast variation small angle neutron scattering (SANS) technique. These AEMs prepared by radiation-induced grafting of 2-methyl-1-vinylimidazole and styrene into poly(ethylene-co-tetrafluoroethylene) (ETFE) films, possessed both high alkaline durability and high conductivity. The SANS measurement reveals that these membranes are consisted of three phases: crystalline lamellar and crystallite domains originating from the pristine ETFE, which offer good mechanical properties, hydrophobic amorphous domains, which offer a matrix to create conducting regions, and interconnected hydrated domains, which are composed of the entire graft chains and water and play a key role to promote the conductivity.

論文

Ion-track grafting of vinylbenzyl chloride into poly(ethylene-$$co$$-tetrafluoroethylene) films using different media

Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 喜多村 茜; 越川 博; 吉村 公男; 澤田 真一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 晶大*; et al.

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 40(4), p.359 - 362, 2015/12

ナノ構造制御したアニオン交換膜を作製するため、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に塩化ビニルベンジルモノマーのイオン飛跡グラフト重合を行った。低フルエンスの照射の下でグラフト率をできる限り高めるため、グラフト重合における反応媒質の影響を検討した。反応媒質として純水(H$$_{2}$$O)とイソプロピルアルコール($$i$$PrOH)の混合液を用いた場合、560MeV $$^{129}$$Xeビームによるグラフト率は、H$$_{2}$$O/$$i$$PrOH比の増大とともに高くなり、H$$_{2}$$Oのみのとき最大となった。この結果は、いわゆるゲル効果に類似した現象を考えれば理解できる。すなわち、グラフト鎖は貧溶媒の存在下で反応媒質に不溶となって凝集し、他の鎖との再結合(言い換えれば停止反応)が抑制されることに起因すると考えられる。

論文

Imidazolium cation based anion-conducting electrolyte membranes prepared by radiation induced grafting for direct hydrazine hydrate fuel cells

吉村 公男; 越川 博; 八巻 徹也; 猪谷 秀幸*; 山本 和矢*; 山口 進*; 田中 裕久*; 前川 康成

Journal of the Electrochemical Society, 161(9), p.F889 - F893, 2014/06

 被引用回数:21 パーセンタイル:59.69(Electrochemistry)

イミダゾリウムカチオンを有するグラフト型アニオン伝導電解質膜を、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)膜に${it N}$-ビニルイミダゾールとスチレンを放射線グラフト重合により共重合する過程と、それに続く${it N}$-プロピル化およびイオン交換反応により作製した。得られたアニオン膜は、イオン交換容量は1.20mmol/g、導電率は28mS/cmであった。80$$^{circ}$$Cの1M KOH中での耐アルカリ性を評価した結果、浸漬250時間後でも10mS/cm以上の導電率が維持され、高い耐アルカリ性を有することがわかった。本研究のアニオン膜を用いて作製した水加ヒドラジン燃料電池において最高出力75mW/cm$$^{2}$$を確認した。

論文

Hierarchical structure-property relationships in graft-type fluorinated polymer electrolyte membranes using small- and ultrasmall-angle X-ray scattering analysis

Tran Duy, T.*; 澤田 真一; 長谷川 伸; 吉村 公男; 大場 洋次郎*; 大沼 正人*; 勝村 庸介*; 前川 康成

Macromolecules, 47(7), p.2373 - 2383, 2014/04

 被引用回数:30 パーセンタイル:70.08(Polymer Science)

X線小角及び超小角散乱解析を用いて、ポリエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)基材を用いたグラフト型電解質膜(ETFE-PEM)の階層構造を検討した。イオン交換容量(IEC)2.4mmol/g以下のETFE-PEMは、ラメラ結晶の周りに相間距離21.8-29.1nmの導電性のグラフト領域、相間距離218-320nmと903-1124nmの結晶配向領域を有していた。IECが2.7mmol/g以上では、相間距離225-256nmの結晶ネットワーク領域からなる新しい相が形成され、IEC2.4-2.7mmol/gの間で、相転移現象が起こることを見出した。以上の結果により、高IECのETFE-PEMの高いプロトン伝導度は、結晶領域の周り存在する連結したイオンチャンネルに由来し、高い機械強度は残存するラメラ結晶と結晶粒に由来するとの結論を得た。

論文

Counter-anion effect on the properties of anion-conducting polymer electrolyte membranes prepared by radiation-induced graft polymerization

越川 博; 吉村 公男; Sinnananchi, W.; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 山本 和矢*; 山口 進*; 田中 裕久*; 前川 康成

Macromolecular Chemistry and Physics, 214(15), p.1756 - 1762, 2013/08

 被引用回数:15 パーセンタイル:43.24(Polymer Science)

貴金属フリー液体燃料電池用自動車に適用できるアニオン伝導電解質膜(AEM)の開発において、電解質膜の耐熱性や高い含水率に起因する燃料透過が問題になっている。そこで、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合膜(ETFE)にクロロメチルスチレン(CMS)を放射線グラフト重合後、グラフト鎖をトリメチルアミンにより4級化することでAEMを作製し、含水性,安定性に及ぼす電解質膜の対アニオンの効果を調べた。4級化によって得られた塩化物塩の膜(塩化物膜)は、炭酸水素ナトリウム水溶液に浸漬することで重炭酸膜に変換した。また、1M KOH水溶液でアニオン交換後、窒素ガスで飽和させた水で洗浄することで、重炭酸化物塩の生成なしに水酸化物膜に変換できた。塩化物膜及び重炭酸膜に対して、水酸化物膜は4倍の伝導率及び2倍の含水率を示した。また、熱分析測定より、水酸化物膜が他の二つの膜よりも安定であることがわかった。以上の結果から、水酸化物膜の水酸化アルキルアンモニウムが化学的に不安定であること、安定化するために高い含水率を示すことを明らかにした。

論文

Alkaline durable anion exchange membranes based on graft-type fluoropolymer films for hydrazine hydrate fuel cell

吉村 公男; 越川 博; 八巻 徹也; 前川 康成; 山本 和矢*; 猪谷 秀幸*; 朝澤 浩一郎*; 山口 進*; 田中 裕久*

ECS Transactions, 50(2), p.2075 - 2081, 2012/10

水加ヒドラジンなどの液体燃料を蓄電媒体とする白金フリー燃料電池自動車におけるアニオン伝導電解質膜は、強アルカリ中で使用されるため高いアルカリ耐性が要求される。本研究では、アルカリ耐性に優れたイミダゾール構造を直接基材膜にグラフトしたアニオン膜を作製し、アルカリ耐性の向上を図った。放射線グラフト重合により、ETFE膜にビニルイミダゾール-スチレン共重合グラフト鎖を導入した後、Nアルキル化反応、水酸化カリウムによるイオン交換反応を行い水酸化イミダゾリウムをグラフト鎖に含む共重合アニオン膜を得た。スチレンはイオン交換基間の正電荷反発を減少させるために導入した。1M水酸化カリウム中80$$^{circ}$$Cの導電率の変化からアルカリ耐性を評価した結果、作製したアニオン膜は、初期の導電率28mS/cmに対し浸漬250時間後も10mS/cmの導電率を維持しており、数時間の浸漬で導電率が消失した従来型のグラフトアニオン膜と比較して高いアルカリ耐性を有することを実証できた。

論文

Optical detection of organic hydrides with platinum-loaded tungsten trioxide

吉村 公男; 箱田 照幸; 山本 春也; 吉川 正人

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 73(5), p.696 - 698, 2012/05

 被引用回数:4 パーセンタイル:19.69(Chemistry, Multidisciplinary)

水素の輸送・貯蔵媒体として期待されているシクロヘキサン等の有機ハイドライドの光学検知材料の開発を目的として、水素に対して着色する三酸化タングステン(WO$$_{3}$$)粉末に、含浸焼成法を用いて脱水能を有する白金(Pt)を0.1wt%担持させた粉末試料を作製した。200$$^{circ}$$Cまで加熱した粉末試料を1-13%のシクロヘキサンガスに接触させた結果、13%のシクロヘキサンに対して100$$^{circ}$$C以上、爆発下限濃度以下の1%のシクロヘキサンに対して、200$$^{circ}$$C以上で着色することがわかった。また、着色に伴うWO$$_{3}$$粉末の構造変化をX線構造解析により調べた結果、着色が水素化酸化タングスンに由来することを突き止めた。さらに、担持されたPt上ではシクロヘキサンが水素とベンゼンに解離する反応のみが生じており、着色過程で触媒劣化の主原因となる炭素析出等が生じていないことが示唆された。以上の結果から、100$$^{circ}$$C以上に加熱した白金担持WO$$_{3}$$粉末は有機ハイドライドの検知材料になり得ることがわかった。

論文

Synthesis of palladium nanoparticles in a ceramic matrix using radiation grafting method

吉村 公男; 箱田 照幸; 杉本 雅樹; 山本 春也; 吉川 正人

Radiation Physics and Chemistry, 80(4), p.587 - 590, 2011/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.29(Chemistry, Physical)

耐熱性で高温用の触媒基材として有望な炭化ケイ素(SiC)セラミックスに触媒能を付与するため、その前駆体高分子であるポリカルボシラン(PCS)高分子にパラジウム(Pd)イオンを配位する放射線グラフト処理を行った試料を高温の不活性ガス中で焼成転換し、Pdナノ粒子を含有する炭化ケイ素(SiC)セラミック粉末を作製した。この粉末のTEM観察、並びにXRD分析から、焼成温度が900$$^{circ}$$Cでは2$$sim$$5nmのPd粒子がその粉末微粒子表面に分散するが、1100$$^{circ}$$Cでの焼成ではPd粒子は凝集して粗大化し、一部がシリサイドとなることがわかった。900$$^{circ}$$Cで焼成したSiCセラミック粉末に分散したPdの触媒能を調べるため、250$$^{circ}$$Cに加熱してシクロヘキサンに接触させたところ920$$sim$$1140ppmvの二酸化炭素が発生し、燃焼触媒として機能することがわかった。以上の結果から、放射線グラフト重合により作製したPdイオン配位PCS高分子を900$$^{circ}$$Cで焼成転換することで、燃焼触媒として機能するPdナノ粒子を分散・析出させたSiCセラミック粉末が作製できることがわかった。

論文

Dehydrogenation catalyst for optical organic-hydride detection

吉村 公男; 箱田 照幸; 山本 春也; 吉川 正人

Applied Surface Science, 257(9), p.4428 - 4431, 2011/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:25.35(Chemistry, Physical)

有機ハイドライドに接触すると着色する(光学的検知)材料は、150$$^{circ}$$C以下の低温で動作する水素の脱離反応を促進する脱水素触媒を、脱離した水素との反応により変色する着色材表面に着床させて作製する。低温で動作する脱水素触媒の選定では、300$$^{circ}$$C以上の高温で動作する脱水素触媒であるPt, Pd, Rh, Ir, Ni, Cuを選び、それぞれ、アルミナ粒子に重量比で1%担持した試料を作製し、5%シクロヘキサンに対する脱水素能を評価した。その結果、脱水素能発現温度が100$$^{circ}$$Cで水素発生量が多い触媒はPt及びPdであった。これらを着色材である三酸化タングステン(WO$$_{3}$$)膜表面にRFスパッタ法により堆積させ、150$$^{circ}$$Cの加熱条件下で13%シクロヘキサン-N$$_{2}$$ガスに接触させたところ、WO$$_{3}$$膜を着色させることに成功した。Pt及びPdとWO$$_{3}$$膜を組合せにより、光学的に有機ハイドライドを検知可能な材料を開発できる見通しが得られた。

口頭

イオン照射による前駆体高分子からの金属担持セラミックナノファイバーの形成

杉本 雅樹; 吉村 公男; 出崎 亮; 吉川 正人; 関 修平*

no journal, , 

高分子薄膜に入射するイオンの飛跡に沿って生じる高濃度活性種により直径ナノオーダーの高分子架橋体を形成し、これを溶媒抽出してナノファイバー化する単一粒子ナノ加工法(SPNT)は、その長さ,太さ,形成数を任意かつ同時に制御できる唯一の方法である。このナノファイバーに触媒や吸着機能を付与できれば、大きな比表面積の効果を活かした高効率触媒やナノフィルター等への応用が期待できる。本発表では、SiCセラミックスの前駆体高分子であるポリカルボシラン(PCS)に酢酸パラジウム(II)を混合し、パラジウム担持セラミックナノファイバーの形成を試みた。PCSの架橋助剤として作用する酢酸パラジウム(II)の効果により、ナノファイバー径が増大したことから、架橋剤の混合量でナノファイバー径の制御が可能であることが明らかになった。次いで酢酸パラジウム(II)の混合比あるいは長さの異なるナノファイバーを形成し、これをセラミックスに焼成転換後、ラザフォード後方散乱法による組成分析を実施したところ、長さあるいは混合比の増大に伴ってパラジウム検出量が増大したことから、パラジウムがナノファイバーに均一に担持していることが確かめられた。

口頭

放射線グラフト重合を用いた金属配位ポリカルボシランの合成と性質

吉村 公男; 杉本 雅樹; 吉川 正人

no journal, , 

金属としてニッケルやパラジウムを配位させた金属配位ポリカルボシランを放射線グラフト重合により合成し、性質を調べた。ポリカルボシランとメタクリル酸グリシジルとのグラフト重合反応において、ポリカルボシランラジカルは反応点として機能することが明らかになり、グラフト率は照射線量にほぼ比例して増加した。グラフト化ポリカルボシランに官能基変換によって金属配位部位を導入した後、対応する金属酢酸塩溶液に含浸させることで金属配位ポリカルボシランを得た。この金属配位ポリカルボシランを700$$^circ$$C, 1100$$^circ$$Cで焼成転換して金属含有炭化ケイ素セラミックスとし、物性をXRD, SEM, EDS測定から明らかにした。その結果、含有されている金属は単体であることが確認され、各金属含有炭化ケイ素セラミックスにおいてニッケルは表面に炭素とともに分散しており、また、パラジウムは凝集が一部見られる微粒子として表面に存在することがわかった。

口頭

イオン照射によるSiO$$_{2}$$基板上のAgナノ粒子の形態変化

川口 和弘; 吉村 公男; 山本 春也; 吉川 正人; 高廣 克己*

no journal, , 

金属ナノ粒子は、その量子効果によりバルクとは異なる物理的特性を示すが、その一つに局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)がある。本研究は、金属ナノ粒子表面への水素化物の吸着によりLSPR吸収ピークが変化する現象を利用し、光学的に水素化物を検知するナノ材料の創製を目指している。今回は、金属ナノ粒子サイズや形に強く依存するLSPRの効率的発生を目指し、MeV領域のイオンビーム照射によるAgナノ粒子の形態制御の可能性を追求した。RFマグネトロンスパッタリング法により200$$^{circ}$$CのSiO$$_{2}$$基板上にAgナノ粒子を蒸着形成した後、16MeV酸素イオンを照射し、原子間力顕微鏡(AFM)による表面観察を行った。その結果、照射量1.0$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$でAgナノ粒子の粒径の増大(約20nm$$rightarrow$$30nm)と、サイズ,形状の均一化が確認できた。また照射量が増えるとともにLSPR吸収ピークの低波長側へのシフトやピーク幅の減少も観測され、Agナノ粒子の形態及びその光学特性の制御がMeV領域のイオン照射によって可能であることがわかった。

口頭

量子ビームを駆使したポリカルボシランへの機能性付与

吉村 公男; 杉本 雅樹; 吉川 正人

no journal, , 

イオンビームを用いた単一粒子ナノ加工技術によるナノファイバー作製工程に放射線グラフト重合法を応用し、得られるポリカルボシラン(PCS)ナノファイバーあるいはSiCナノファイバー表面に、金属元素の持つ触媒能等の機能性を付与する技術開発を試みた。従来実施してきたスピンコート法によりシリコン基板上に形成した0.2$$sim$$1.0$$mu$$mのPCS薄膜に、450MeVの$$^{129}$$Xe$$^{23+}$$イオンビームを照射した後、その薄膜中に直径約7nmの円筒状架橋部を形成した。これまでのナノファイバー作製工程では、これを溶媒に浸漬してPCSナノファイバーを作製してきたが、溶媒として液状グラフトモノマーとして使用されるメタクリル酸グリシジルを用いたところ、溶媒に可溶な未架橋部が除去されると同時に円筒状架橋部へのグラフト重合反応が進行し、直径約20nmのグラフト化PCSナノファイバーを得ることに初めて成功した。グラフトさせたメタクリル酸グリシジルは、官能基変換により金属配位部位を導入できるため、これまで困難であった触媒金属等をPCSナノファイバー表面に付与することが可能となる。今回の発表ではグラフト重合を行いながら溶媒抽出する工程について発表を行う。今後、高分子ナノファイバーとしての性質、並びに焼成転換後のSiCナノファイバーとしての性質を調べる予定である。

口頭

イオン照射によるSiO$$_{2}$$基板上のAgナノ粒子の形態変化

川口 和弘; 高廣 克己*; 吉村 公男; 山本 春也; 吉川 正人

no journal, , 

金属ナノ粒子は、その量子効果によりバルクとは異なる物理的特性を示すが、その一つに局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)がある。本研究は、金属ナノ粒子表面への水素化物の吸着により、LSPR吸収ピークが変化する現象を利用し、光学的に水素化物を検知するナノ材料の創製を目指している。そこで、金属ナノ粒子サイズや形に強く依存するLSPRの効率的発生を目指し、MeV領域のイオンビーム照射によるAgナノ粒子の形態制御の可能性を調べた。実験では、マグネトロンスパッタリング法により石英基板上にAgナノ粒子を蒸着形成した後、16MeV酸素イオンを照射し、原子間力顕微鏡による表面観察を行った。その結果、照射量: 1$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$でAgナノ粒子径が約20nmから30nmへと増大するとともに、サイズ,形状の均一化が確認できた。また照射量が増えるとともにLSPR吸収ピークの低波長側へのシフトやピーク幅の減少も観測され、Agナノ粒子の形態及びその光学特性の制御がMeV領域のイオン照射によって可能であることがわかった。

口頭

イオン照射による金属内包セラミック・ナノファイバーの合成,2

杉本 雅樹; 吉村 公男; 出崎 亮; 吉川 正人; 麻野 敦資*; 関 修平*

no journal, , 

炭化ケイ素(SiC)セラミックスの前駆体であるポリカルボシラン(PCS)の薄膜にイオンビーム照射すると、個々のイオンの飛跡に添って架橋体が形成される。これを溶媒抽出して得られるPCSナノファイバーの表面に官能基を付与し、PtやPd等の金属を配位してから焼成することで、触媒能を有するSiCナノファイバーを作製する研究開発を行った。当初、PCS薄膜に照射したイオン(Xe, 450MeV)の飛跡に添って発生するラジカルのうち、架橋体の形成に寄与しない残存ラジカルの反応性を利用して官能基をPCSナノファイバーに付与しようとしたが、溶媒抽出の工程でPCSナノファイバーは膨潤し残存ラジカルは消滅していた。そこで、液状グラフトモノマーとして利用されているメタクリル酸グリシジル(GMA)を抽出溶媒として用いたところ、抽出と同時にPCSナノファイバー内の残存ラジカルを反応点としてGMAがグラフト重合することが明らかとなった。得られたグラフト化PCSナノファイバーのグラフト鎖を、PtあるいはPd配位官能基に変換した後、アルゴン中で焼成してSiCセラミックナノファイバーを作製した結果、焼成後であってもGMAの付与量と配位金属量に相関が認められた。今後、SiCナノファイバー中の金属の分散状況、その触媒能の有無を調べる予定である。

口頭

イオンビーム誘起ラジカル重合による機能性ポリカルボシランナノファイバーの合成

吉村 公男; 杉本 雅樹; 出崎 亮; 吉川 正人; 佃 諭志*; 関 修平*

no journal, , 

焼成転換により高耐熱の金属含有SiCナノファイバーが形成できる可能性を調べるため、スピンコート法によりシリコン基板上にPCS薄膜を形成した後、450MeVの$$^{129}$$Xe$$^{23+}$$イオンビームを照射して、薄膜中に直径約7nmの円筒状架橋部を形成した。これをグラフトモノマーのメタクリル酸グリシジルと溶媒を混合した溶液に浸漬して、溶媒に可溶な未架橋部の除去と同時に円筒状架橋部へのグラフト重合反応を進行させ、直径約20nmのグラフト化PCSナノファイバーを作製した。グラフト鎖部分にPdイオンを配位させたPCSナノファイバーを1000$$^{circ}$$Cで焼成し、SiCナノファイバーへと転換した。得られた試料をFE-SEM観察した結果、ナノファイバー上に二次電子を多く放出する、Pd微粒子と考えられるコントラストの強い直径約5nmの粒子状物質の存在が確認された。SiCナノファイバー上に金属を分散,担持させる手法が確立できた。

口頭

放射線グラフト重合を用いた、触媒金属配位ポリカルボシランの合成

吉村 公男; 箱田 照幸; 杉本 雅樹; 山本 春也; 吉川 正人

no journal, , 

高温焼成により触媒金属を含有するSiCセラミックスへと転換可能な新しい前駆体高分子材の開発を目指し、放射線グラフト重合によりパラジウム(Pd)やニッケル(Ni)を配位させたポリカルボシラン(PCS)を作製し、焼成転換したときの金属の挙動、並びに焼成後のPdの触媒能を調べた。原料のPCSに電子線を照射して主鎖上にラジカルを発生させた後、メタクリル酸グリシジル(GMA)と反応させてGMAグラフトPCSを合成した。これにジエチレントリアミン(DETA)を反応させてキレート部位を導入した後、Pdイオン、あるいはNiイオンを配位させた。得られたPd及びNi配位PCSを、700$$^{circ}$$Cで焼成してSiCセラミックスへと転換し、含有される金属の様子をTEM及びXRD測定により調べた結果、Pdでは2-5nm、Niでは10-25nmの金属ナノ粒子が単体としてSiCセラミックス中に均一に分散していた。Pdの触媒能はシクロヘキサンの酸化分解反応により評価し、分解生成物であるCO$$_{2}$$が発生したことから、Pdは一部表面に存在し、触媒能を有することが確かめられた。以上から、作製した触媒金属配位PCSは焼成により触媒金属含有SiCセラミックスに転換できることがわかった。

口頭

パルスレーザー蒸着により作製した遷移金属-窒素添加炭素膜の酸素還元活性

山本 春也; 箱田 照幸; 川口 和弘; 吉村 公男; 八巻 徹也; 小林 知洋*; 吉川 正人

no journal, , 

固体高分子形燃料電池の実用化にあたって克服しなければならない問題の一つに白金触媒の使用量の低減があり、特にカソード正極 における酸素還元反応を促進する白金代替触媒の開発が重要課題の一つとなっている。本研究は、三機関連携(原子力機構,理化学研究所,物質・材料研究機構)による燃料電池システム用キーマテリアル開発研究の一環として、次世代のカソード用の白金代替触媒として期待される炭素系触媒の開発を目指し、パルスレーザ蒸着法による遷移金属(コバルト,鉄,ニッケル,銅)と窒素を添加した炭素薄膜の作製を行った。窒素雰囲気中で等方性黒鉛と遷移金属を基板温度600$$^{circ}$$Cに保持したガラス状炭素基板に交互に蒸着し、電気化学測定により酸素還元活性を評価したところ、鉄、コバルトを添加した試料で、それぞれ0.71, 0.66V(vs. NHE)の酸素還元電位を示し、酸素還元活性を示す炭素系薄膜の形成に成功した。発表では、作製した炭素薄膜の組成及び構造と酸素還元活性の関係について詳細に報告する。

口頭

照射による基板上のAg及びAuナノ粒子の光吸収スペクトルの変化

川口 和弘; 高廣 克己*; 山本 春也; 箱田 照幸; 吉村 公男; 吉川 正人

no journal, , 

銀や金のナノ粒子は、局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)を発現し可視光領域に吸収を持つことが知られている。この吸収は、ナノ粒子表面へ有機物が吸着すると吸収スペクトルのピーク位置と幅が変化するため、透明基板上に形成した銀や金ナノ粒子は揮発性有機物を光学的に検知する材料として期待されている。この材料を用いて高感度に有機物を検知するには、LSPRの吸収スペクトルの幅を狭くする必要があるが、報告されている基板上の銀,金ナノ粒子は幅の広いものが多い。本研究では、イオン照射により銀、金ナノ粒子の形状,サイズ,凝集密度,周囲の誘電率を変化させ、幅の狭いLSPRの吸収スペクトルを得ることを目的とする。SiO$$_{2}$$基板上に形成した銀及び金ナノ粒子(粒径:20$$sim$$50nm)に350keVに加速したN$$^{+}$$イオンの照射を行い、光吸収スペクトル,ナノ粒子の形状及び表面吸着物の状態について調べた。イオン照射後、吸収スペクトルのピーク位置のシフトと幅の減少が観測された。この変化は、試料表面の非晶質炭素の減少とナノ粒子の粗大化に伴う粒子間距離の拡大に起因することがわかった。

口頭

有機ハイドライドの光学的検知のための脱水素触媒

吉村 公男; 箱田 照幸; 山本 春也; 吉川 正人

no journal, , 

次世代の水素貯蔵,輸送媒体として期待されている有機ハイドライドと、水素の漏洩を同時に検知可能な材料の開発を目的として、水素により着色する三酸化タングステン(WO$$_{3}$$)と脱水素触媒を組合せた検知材料を作製し、評価を行った。まず、有機ハイドライドの自己着火温度よりも低い温度で活性を示す脱水素触媒金属を選定するため、Pt, Pd, Rh, Ir, Ni, Cuを1重量%含有するアルミナ触媒の50$$sim$$250$$^{circ}$$Cにおける脱水素能を、有機ハイドライドであるシクロヘキサンの脱水素反応から評価した。その結果、PtとPdでは100$$^{circ}$$C以上で水素が発生し、Rhでは160$$^{circ}$$C以上、そしてその他の金属ではほとんど水素が発生しないことがわかった。以上より、PtとPdを触媒金属として選定した。次いで、PtあるいはPdをWO$$_{3}$$膜表面に堆積させた検知材料をRFスパッタ法により作製し、加熱条件下13%シクロヘキサン-N$$_{2}$$ガスに暴露した際の着色性能を調べた。その結果、検知材料を150$$^{circ}$$Cに加熱すると、検知材料表面で脱水素反応が進行し、発生した水素によってWO$$_{3}$$膜が着色することが明らかになった。表面にPtやPdを堆積させたWO$$_{3}$$膜を加熱条件で用いることで、有機ハイドライドを検知できることがわかった。

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