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Katengeza, E. W.*; 越智 康太郎; 眞田 幸尚; 飯本 武志*; 吉永 信治*
Health Physics, 121(1), p.48 - 57, 2021/07
被引用回数:1 パーセンタイル:16.35(Environmental Sciences)特別復興・再生拠点は、福島の返還困難地帯に日本政府により集中的な除染の目標として指定され、空間線量率を大幅に低下させ、住民の帰還を可能にした。これらの基地の1つが住居内にある池を除染の対象とし、この研究は除染係数,空間線量率削減係数、および住民への追加の年間実効線量による除染の効果と有効性を評価することを目的とした。空間線量率は現場でKURAMMA-IIを使用して測定され、土壌コアサンプルは収集され、ガンマ分光分析によって実験室で放射能が測定された。より深く分布した放射性セシウム土壌プロファイルでは、より低い除染係数が観察されたが、砂利で覆われた領域は、空間線量率の最大の減少を示した。除染により、放射性セシウムの在庫と空間線量率はそれぞれ5193%および3791%効果的に低下した。さらに、一般市民への追加の年間実効線量は、除染が29%の嫌悪を表すため、1.70.79mSvから1.20.57mSvに変更された。これらの調査結果は、住宅地の池の除染が外部被ばくのさらなる低減にどのように役立つかを示している。
Nugraha, E. D.*; 細田 正洋*; Kusdiana*; Untara*; Mellawati, J.*; Nurokhim*; 玉熊 佑紀*; Ikram, A.*; Syaifudin, M.*; 山田 椋平; et al.
Scientific Reports (Internet), 11(1), p.14578_1 - 14578_16, 2021/07
被引用回数:19 パーセンタイル:84.25(Multidisciplinary Sciences)マムジュは、インドネシアの中でも自然を保っている地域の一つであるが、自然放射線の被ばく量が比較的高い。本研究の目的は、高自然放射線地域としてのマムジュ地域全体の放射線量の特徴を明らかにし、一般市民や環境の放射線防護のための手段として、現存被ばくを評価することである。外部および内部の放射線被ばくに寄与するすべてのパラメータを測定し、クラスター・サンプリング・エリアによる横断的な調査方法を用いた。その結果、マムジュは年間の実効線量が17115mSv、平均32mSvの特異的な高自然放射線地域であることがわかった。生涯における累積の実効線量を計算すると、マムジュの住民は平均して2.2Svを受けていることになり、これは、がんや非がん性疾患のリスクが実証されている原爆被ばく者の平均線量をはるかに上回るものである。今回の研究結果は、慢性的な低線量率放射線被ばくに関連した健康影響の理解を深めるための新しい科学的データであり、今後の疫学研究の主要な情報として用いることができる。
細田 正洋*; Nugraha, E. D.*; 赤田 尚史*; 山田 椋平; 玉熊 佑紀*; 佐々木 道也*; Kelleher, K.*; 吉永 信治*; 鈴木 崇仁*; Rattanapongs, C. P.*; et al.
Science of the Total Environment, 750, p.142346_1 - 142346_11, 2021/01
被引用回数:23 パーセンタイル:86.19(Environmental Sciences)低線量率の放射線被ばくが人体に及ぼす生物学的影響については、未だに不明な点が多い。実際、日本では福島第一原子力発電所事故後もこの問題に悩まされている。最近、高自然放射線であり慢性的に低線量率の放射線を浴びている特殊な地域をインドネシアにて発見した。そこで本研究では、特に自然放射線量が高い地域での内部被ばくと外部被ばくによる包括的な線量を推定し、ラドンの増強メカニズムを議論することを目的とした。大地からの放射線による外部被ばく線量を推定するために、自動車走行サーベイを実施した。屋内ラドン測定は、47戸の住宅を対象に、典型的な2つの季節をカバーする35ヶ月間で実施し、内部被ばく線量を推定した。また、大気中のラドンガスを複数の高さで同時に採取し、鉛直分布を評価した。調査地域の空気吸収線量率は、50nGy hから1109nGy hの間で大きく異なっていた。屋内ラドン濃度は124Bq mから1015Bq mであった。すなわち、測定された屋内ラドン濃度は、世界保健機関(WHO)が推奨する基準値100Bq mを超えている。さらに、測定された屋外ラドン濃度は、高い屋内ラドン濃度に匹敵するものであった。調査地域の外部及び内部被ばくによる年間実効線量は、中央値を用いて27mSvと推定された。その結果、多くの住民が放射線業務従事者(職業被ばく)の線量限度を超える天然放射性核種による放射線被ばくを受けていることが判明した。このように屋外ラドン濃度が高くなっている原因は、例外的に低い高度で発生する安定した大気条件の結果である可能性がある。このことから、この地域は、慢性的な低線量率放射線被ばくによる健康影響に関する疫学調査を実施するためのユニークな機会を提供していることが示唆される。
米原 英典*; 石森 有; 秋葉 澄伯*; 飯田 孝夫*; 飯本 武志*; 甲斐 倫明*; 下 道國*; 床次 眞司*; 山田 裕司*; 吉永 信治*; et al.
保健物理, 42(3), p.201 - 213, 2007/09
日本保健物理学会では、屋内ラドンの肺がんリスクにかかわる最近の研究論文や国際的な動きに対応するため「屋内ラドンのリスク評価とその対応に関する専門研究会」を設置し、2005年4月から2007年3月まで活動した。近年の屋内ラドンのリスク評価に関する欧州及び北米での疫学調査研究結果の内容を検討し、それを我が国への適用の観点から評価し「屋内ラドンリスクに関する疫学研究とその評価」としてまとめた。
酒井 一夫*; 山田 裕*; 吉田 和生*; 吉永 信治*; 佐藤 薫; 緒方 裕光*; 岩崎 利泰*; 工藤 伸一*; 浅田 恭生*; 川口 勇生*; et al.
no journal, ,
日本保健物理学会では、疫学研究および放射線生物研究に関する文献調査等に基づき、従来の保守的な方法と異なる、低線量に対する新しいリスク推定法を構築するために2016年4月に「低線量・低線量率リスク推定法専門研究会」を発足させ、生物学研究、モデル研究、疫学研究、および線量評価の各分野における現状を整理するとともに、課題についての議論を重ねてきた。本発表は、学会員への情報提供を目的として、本専門研究会の2年間の活動の成果を報告するものである。発表者は、低線量・低線量率放射線のリスク推定法を構築する上で線量評価の視点から課題として抽出された事項として、被検者の解剖学的特性、各種モニタリング測定値、体内線量(率)分布が線量評価の不確かさに及ぼす影響等について紹介・解説する。