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中島 裕治*; 吉澤 明展*; 吉田 冬樹*
PNC TJ9606 96-002, 41 Pages, 1996/03
YOによって分散強化されたODSフェライト鋼再結晶材の高温変形挙動と分散強化機構を明らかにするために、温度範囲600700C、ひずみ速度範囲210210Sで圧縮試験、応力瞬間負荷試験した。さらに、ODSフェライト鋼の集合組織を解析し、粒界構造分布を明らかにして、粒界すべりの素因子を明らかにした。得られた結論を以下に示す。(1)ODSフェライト鋼再結晶材のひずみ速度の応力指数は27から28であった。また、変形の活性化エネルギーは479527KJ/molであった。これら2つの値は通常の金属材料の値とは極めて異なっている。(2)ODSフェライト鋼再結晶材のしきい応力は変形の進行とともに169MPaから140MPaに遷移した。この応力の遷移はオローワン応力からボイド強化応力の変化に対応しており、このことから高温における分散強化機構は転位と粒子の引力型相互作用にもとづく、スロロビッツ機構であると結論される。(3)ODSフェライト鋼一方向圧延材と被覆管の集合組織には9や5対応粒界が存在することが知られた。これらの粒界は高い粒界エネルギーを有しており、この粒界で高温変形中の粒界すべりは生じたものと考えられる。
吉田 冬樹*; 藤田 剛志*; 吉澤 明展*; 中島 英治*; 吉永 日出男*
PNC TJ9606 95-002, 62 Pages, 1995/04
YO粒子を有するODSフェライト鋼の高温強度の異方性の原因を明らかにするために、応力瞬間負荷法によって測定されたしきい応カと分散パラメータより算出したオローワン応力とポイド強化応力との比較を行うとともに、600C700Cの温度範囲、110110 Sのひずみ速度範囲で高温圧縮試験を行い,高温強度に及ぼす粒界すべりの影響を検村した。以下に得られた結果をまとめて示す。(1)分散バラメータにより算出したオローワン応力とボイド強化応力は応力瞬間負荷試験法より求めたしきい応力に一致した。さらに、応力瞬間負荷試験で求めたしきい応力に負荷時間の経過に伴った遷移が認められたことから、ODSフェライト鋼の分散強化機構はスロロピッツ機構であると考えられる。(2)粒界が応力軸に対して45傾いた場合、変形によって明瞭な粒界すべりが親察された。この場合の変形応は結晶粒のアスベクト比によって大きく変化した。したがって、ODSフェライト鋼の高温強度の昇方性は粒界すべり挙動と関連していることが知られた。
中島 英治*; 吉澤 明展*; 藤田 剛志*; 吉田 冬樹*; 吉永 日出男*
PNC TJ9606 94-001, 59 Pages, 1994/03
Y2O3粒子を有するODSフェライト鋼の高温強度の異方性の原因を明らかにするために、650度Cで応力瞬間負荷試験によってしきい応力を測定するとともに、高温強度におよぼす粒界すべりの影響を検討した。以下に得られた結論をまとめて示す。1)応力瞬間負荷法で求めたしきい応力は、負荷時間の増加とともにオローワン応力からボイド強化応力に変化した。この現象は転位と粒子の引力型相互作用で良く説明できる。2)粒界が応力軸に対して45度傾いた場合、変形によって明瞭な粒界すべりが観察された。この場合、しきい応力が存在し、その値は応力瞬間負荷試験で得られたしきい応力とほぼ一致した。したがって、ODSフェライト鋼の粒界すべりは粒内変形と関連していることが知られた。