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川崎 将亜; 中嶌 純也; 吉田 圭佑; 加藤 小織; 西野 翔; 野崎 天生; 中川 雅博; 角田 潤一; 菅谷 雄基; 長谷川 里絵; et al.
JAEA-Data/Code 2017-004, 57 Pages, 2017/03
原子力施設の事故発生時においては、事故による影響及びその範囲を迅速に把握するために、放出された放射性物質による一般公衆への影響や事故による作業者の個人被ばく線量を早期に評価し報告することが求められる。そのため、原子力科学研究所放射線管理部においては、事故発生時の迅速な対応に資するために、一般公衆及び作業者の被ばく線量評価について、評価方法及び必要となる各種パラメータ等を想定される事故事例ごとにまとめ、事例集を整備した。本事例集では、原子力科学研究所で想定される各種事故に加え、過去の原子力事故で放出された放射性物質による被ばく評価について扱っており、これらは緊急時における被ばく評価についての知見・技術の継承にも用いることができる。
山田 克典; 藤井 克年; 神田 浩志; 東 大輔; 小林 稔明; 中川 雅博; 深見 智代; 吉田 圭佑; 上野 有美; 中嶌 純也; et al.
JAEA-Review 2013-033, 51 Pages, 2013/12
平成23年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故以降、放射線防護・放射線管理にかかわるさまざまな基準が策定された。インターネット等を通じて、これらの基準を調査した結果、下記13項目があげられた。(1)ヨウ素剤の服用基準値、(2)避難住民等に対するスクリーニングレベル、(3)避難区域、屋内退避等、(4)食品規制値(暫定規制値、基準値)、(5)放射線業務従事者の緊急時被ばく限度、(6)水浴場開設の判断基準、(7)学校・校庭の利用の判断基準、(8)作付基準、(9)飼料の暫定許容値、(10)堆肥の暫定許容値、(11)船舶、コンテナ等の除染基準、(12)廃棄物の取扱、処分等、(13)除染作業にかかわる基準。これらの基準の根拠を調査・整理し、今後の放射線防護、放射線管理の課題を検討した。
吉田 芳和; 奥山 登; 中村 清宣; 長谷川 圭佑
日本原子力学会誌, 10(12), p.684 - 685, 1968/00
大洗研究所のJMTRでは、原子炉等の2次冷却排水中の漏洩放射能を監視するために、排水モニタが設置されているが、そのサンプリングピットには雨水も集められている。降雨時に冷却水などを放出していない場合でも、このモニタの指示値が上昇することが観測され、その原因は雨水中の自然放射能によるものと推定された。この現象は東海研究所の排水溝の水モニタについても観測されている。またJacobiらは雨水中におけるRn娘核種の濃度が10~10Ci/cmになることを報告している。著者らは、排水モニタを用いて雨水中の放射能について調査し、雨水中の自然放射能が水モニタによる排水監視に及ぼす影響について検討した。
吉田 圭佑*; 井上 睦夫*; 皆川 昌幸*; 中野 佑介*; 小藤 久毅*; 乙坂 重嘉; 清本 容子*; 塩本 明弘*; 浜島 靖典*; 山本 政儀*
no journal, ,
講演者らが最近確立した極低バックグラウンド線測定法及び化学処理法は、比較的少量の海水のTh-228, Ra-228及びRa-226濃度測定を可能とした。その応用例として、本研究では、2005から2009年の初夏(6月から8月)に、日本海,東シナ海,オホーツク海の16観測点で表層海水(各20L)を採取し、上記3核種の濃度を測定した。表層水中のRa-228, Th-228濃度のいずれも、日本海南部海域(対馬海盆,大和海盆,本州沿岸)で低く、北部(大和堆,日本海盆,北海道沿岸)で高かった。Ra-228(半減期5.8年)は溶存性の陸起源成分で、その娘核種のTh-228(半減期1.9年)は高い粒子反応性を持つ。Th-228/Ra-228放射能比が日本海の南北で大きな差異がないことを併せて考慮すると、(1)東シナ海陸棚域からの物質供給は本研究の調査海域には影響を与えなかったこと、(2)海洋表層でのスキャベンジング(粒子による核種除去)効率は日本海の南北で違いがないことがわかった。
吉田 圭佑; 山田 克典; 依田 朋之; 角田 潤一; 武藤 康志; 小林 誠; 菊地 正光
no journal, ,
原子力科学研究所では、排気及び管理区域内作業環境中の放射性物質濃度の測定・監視を行うために、空気サンプリングを実施している。この空気サンプリングは、放射線管理用空気集中捕集装置(ルーツブロワ)によって行われている。本装置が故障した場合、法令等に基づく空気中の放射性物質の濃度評価ができなくなり、場合によっては施設の運転に支障をきたすこととなる。そこで、故障を未然に防ぐため、故障の予兆となる現象を日常点検で早期に発見できる方法を検討した。今回は、これまでの点検結果を分析・評価し、問題点を抽出した。また、抽出した問題点を解決するためにルーツブロワ軸受温度と室温の連続測定を行い、その結果からルーツブロワの異常を早期発見する点検方法を提案した。
吉田 圭佑; 加藤 慎吾; 井上 睦夫*; 石塚 晃弘; 奥山 慎一
no journal, ,
もんじゅ周辺地域の環境モニタリングでは高速増殖原型炉もんじゅの冷却材に含まれるNaを監視対象核種が、Naは宇宙線でも生成されるため、降下物の年間集合試料からNaが検出されている。もんじゅの環境モニタリングの精度をより高めるには、Naが多く生成する高緯度地方の大気上空からの輸送・供給プロセスを理解する必要がある。そこで、敦賀市においてNaとBeの測定、福井と石川県内の地点でBeの測定を行った。NaとBeの降下量は相関関係を示したため、降下物中のBeを調べることで同時にNaの挙動を知ることができることが分かった。北陸地方の他地点の測定結果との比較の結果、Be降下量は金沢市,石川県能美市,福井市,敦賀市,石川県志賀町の順で多くなっていた。しかし、いずれの地点でもBe降下量は冬季に高くなる傾向があり、また、冬季の降水量と7Be降下量が比例していることが分かった。よって、敦賀市においても冬季の季節風と降水によりBeと同じ挙動を示すNaの降下量が共に多くなるという輸送・供給プロセスが存在することが分かった。また、冬季のBe降下量の違いが生じた要因は、各採取地点の距離が離れており、後背の山脈の高さや山脈までの距離が異なっているため、地域差と地形の違いにより、月間の降水量に違いが生じたことが考えられる。
加藤 慎吾; 吉田 圭佑; 井上 睦夫*; 山下 雅広; 奥山 慎一; 石森 有
no journal, ,
冬季の日本海側地域では西高東低の気圧配置と降水により、Be-7とNa-22の降下量が多くなる。Na-22は宇宙線由来であるが、高速増殖原型炉もんじゅの冷却材にも含まれているため、環境モニタリングで監視対象としており、Be-7との放射能比を用いて宇宙線由来であることを確認している。環境モニタリングの精度向上のため、Be-7とNa-22の降下量が多くなる冬季の変動傾向を把握することが必要である。当グループの研究[1]により、北陸地方内において降下量に違いが生じておりメソスケールの気象現象が影響していると考えられる。そこで、本研究では冬季のBe-7とNa-22の降下量とメソスケールの気象現象との関連性を調べた。試料採取と測定 試料採取は、敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅ内において、2021年11月から2022年3月にかけて10日間隔で行った。降下物は水盤(0.5m)で採取し、Powdex樹脂による処理(攪拌及びろ過)を行った。樹脂乾燥後、速やかに原子力機構のGe半導体検出器でBe-7を測定し、その後、金沢大学尾小屋地下測定室の極低バックグラウンドのGe半導体検出器によりNa-22を測定した。降水量は降下物採取地点に設置している降雨計のデータを用いた。結果と考察Be-7とNa-22の降下量と降水量に相関関係が見られるため、Be-7とNa-22は主に降水により地表へもたらされている。降水が生じた時間の天気図と雨雲レーダーより、北西の季節風による降水と低気圧の前線による降水の2パターンがあり、北西の季節風による降水時にBe-7とNa-22の降下量が多くなる傾向が確認された。さらに、後方流跡線解析を行ったところ、北西の季節風による降水時は北西方向に流跡線が存在し、低気圧の前線による降水時はさまざまな方向に流跡線が存在していた。以上より、冬季の日本海側のBe-7とNa-22の降下量の上昇の原因は、主に北西の季節風による降水によるものと考えられる。これら解析結果に加え、メソスケールの気象現象(日本海寒帯気団収束体(JPCZ))の発生状況を調査し、メソスケールの気象現象がBe-7とNa-22の降下量に与える影響を調べる。[1]吉田ほか、第3回日本保健物理学会・日本放射線安全管理学会合同大会(2021)
吉田 圭佑; 加藤 慎吾; 内田 賢吾*; 山下 雅広; 奥山 慎一; 井上 睦夫*
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冬季の北陸地方ではBe降下量は地域により違いが見られる。30年間(1991年4月から2021年3月)のBe降下量の時間的変化及び地域的分布を分析し、北極から北陸地方への物質輸送メカニズムを調べた。冬季特有の気圧配置と北陸地方内の不均一な降水により、特徴的な季節変動と金沢市の山間部でBe降下量が最大となることが観測された。さらに、冬季のBe降下量の年変動は、太陽黒点数と降水量とおおよそ一致していたため、太陽黒点数と降水量がBe降下量の年変動に影響を与えている。
萩原 大樹; 石森 有; 吉田 圭佑; 中野 政尚; 角川 章二; 山下 雅広
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2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故により、環境中に放射性物質が飛散した。福島第一原子力発電所から遠隔の九州地方の福岡県では、2011年4月6日にIの値が最大値を記録した。一方、北陸地方の石川県および福井県において2011年4月7日に採取したダストフィルターにおいて、Cs、Cs、Iが検出された。しかしながら、福島第一原子力発電所から福岡県に向かう放射性プルームは、4月6日から7日において北陸地方を経由しない輸送モデルが提案されており、北陸地方への詳細な大気輸送経路に関わる報告はこれまでにない。本研究では、福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の北陸地方への移動経路の解明を目的として、石川県で採取したダストフィルターに捕集された粒子の放射能量を測定した。また、福井県で採取した鉱物中の放射能量測定手法について検討した。
吉田 圭佑; 角川 章二; 梅田 昌幸; 山下 雅広; 中野 政尚; 石森 有; 井上 睦夫*
no journal, ,
北陸地方では冬季のBe降下量の増加が観測される。これは、冬季の季節風と降水により、高緯度の空気塊が供給されることが原因である。Beは空気塊のトレーサーとして広く用いられているが、Beは成層圏と対流圏で生成するため、空気塊の起源が成層圏か対流圏か判別できない。Naは約90%が成層圏で生成するため、Na/Be放射能比は成層圏由来の空気が混入すると高くなる。本研究ではBeとNaをトレーサーとして用いて、空気塊の起源(成層圏か対流圏か)の知見を得ることを目指した。試料採取は高速増殖原型炉もんじゅ内で水盤(0.5m)を2つ設置して行い、1つは2019年11月から2023年3月の1ケ月間隔、もう1つは2021年11月から2022年3月の10日間隔で採取を行った。試料採取後Powdex樹脂にてBeとNaを回収し、原子力機構でBe、金沢大学尾小屋地下測定室でNaを測定した。秋季から冬季にかけてBeがNaと比べて顕著に増加する傾向(Na/Be放射能比が低下)があり、BeとNaは降水量と相関関係が見られた。そのため、Beのピークが見られる11月下旬の降水時の気象現象と後方流跡線の解析を行った。その結果、西高東低の気圧配置と筋状の雲が観測され、空気塊の起源は北西(北極付近起源、シベリア経由)であった。Beのピークが見られた時のNa/Be放射能比が低下していることから、冬季の高緯度地域の大気は成層化しており、北西の季節風によりもたらされる空気塊の起源は、対流圏上部の空気塊が多くを占めていると考えられる。