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鎌田 正輝*; 吉田 拓真*; 杉田 宰*; 奥村 啓介
日本原子力学会誌ATOMO, 66(2), p.83 - 86, 2024/02
福島第一原子力発電所から取り出された物体の核燃料物質量を計測し、核燃料物質量に基づいて燃料デブリと放射性廃棄物に仕分けることができれば、取り出しから保管までの作業および保管施設の合理化につながる。これまで、廃炉・汚染水対策事業において、2019年度に燃料デブリと放射性廃棄物の仕分けに適用できる可能性がある非破壊計測技術を調査し、20202021年度に候補技術における計測誤差因子の影響を評価した。2022年度以降も引き続き、燃料デブリの取り出し規模の更なる拡大に向けて、燃料デブリと放射性廃棄物の仕分けのための非破壊計測技術の開発を進めているところである。
Chen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.
Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08
被引用回数:1 パーセンタイル:0.02(Astronomy & Astrophysics)Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、CaとCaのガンマ崩壊を観測した。Caでは1456(12)keVの線遷移が、Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的にと割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素であると軌道はほぼ縮退しており、これはCaが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインをCaあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。
Elekes, Z.*; Juhsz, M. M.*; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064321_1 - 064321_10, 2022/12
被引用回数:2 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)VとVの低励起準位構造を初めて探索した。Vについては中性子ノックアウト反応と陽子非弾性散乱が、Vについては中性子ノックアウト反応データが得られた。Vについては4つ、Vについては5つの新たな遷移が確認された。Lenzi-Nowacki-Poves-Sieja (LNPS)相互作用に基づく殻模型計算との比較によって、それぞれの同位体について確認されたガンマ線のうち3つが、first 11/2状態とfirst 9/2状態からの崩壊と決定された。Vについては、(,)非弾性散乱断面積は四重極変形と十六重極変形を想定したチャネル結合法により解析されたが、十六重極変形の影響により、明確に反転の島に属するとは決定できなかった。
小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; et al.
Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04
被引用回数:4 パーセンタイル:52.69(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにてK, Ca, Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、KおよびCaのデータは、それぞれ、陽子のと軌道間のエネルギー差、中性子のと軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。
Browne, F.*; Chen, S.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 緒方 一介*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; Calvet, D.*; et al.
Physical Review Letters, 126(25), p.252501_1 - 252501_7, 2021/06
被引用回数:10 パーセンタイル:69.3(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIビームファクトリーにて、中性子過剰核Scからの1陽子ノックアウト反応によってCaを生成し、そのエネルギー準位と反応断面積をガンマ線分光および不変質量分光によって得た。その結果を歪曲波インパルス近似による核反応計算と大規模殻模型による核構造計算を組み合わせた理論値と比較した。実験の準位と断面積は理論計算によってよく再現された。Caの正パリティ状態については、基底状態の生成断面積が励起状態のものに比べて圧倒的に大きいという結果が得られた。これは、Scでは中性子魔法数34が消滅しCaではその魔法数が存在するというこれまでの知見と一見矛盾するが、対相関による分光学的因子のコヒーレンスから理解することができる。
Juhsz, M. M.*; Elekes, Z.*; Sohler, D.*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; 大塚 孝治*; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physics Letters B, 814, p.136108_1 - 136108_8, 2021/03
被引用回数:5 パーセンタイル:46.8(Astronomy & Astrophysics)(,)反応と線分光を用いてArの束縛状態と非束縛状態の核構造研究を行った。実験結果と殻模型計算を比較することで、2つの束縛状態と6つの非束縛状態を決定した。Arの束縛状態を生成する反応断面積が小さいことから、これは中性子数32, 34の顕著なsub-shell closureが存在している確かな証拠と解釈できる。
Corts, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Menndez, J.*; 緒方 一介*; Schwenk, A.*; 清水 則孝*; Simonis, J.*; et al.
Physical Review C, 102(6), p.064320_1 - 064320_9, 2020/12
被引用回数:11 パーセンタイル:73.66(Physics, Nuclear)理化学研究所RIBFにおいて、=32同位体であるArの低励起構造を陽子・中性子ノックアウト反応,多核子剥離反応,陽子非弾性散乱と線分光によって調査した。すでに知られていた2つに加えて、3状態の候補を含む5つの状態を新たに確認した。 coincidenceによって得られた準位図は模型空間での殻模型計算やカイラル2体・3体力による第一原理計算と比較した。陽子・中性子ノックアウト反応断面積の理論との比較により、新たに発見された2つの状態は2状態であり、また以前に4とされていた状態も2であることが示唆された。
Corts, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Lenzi, S. M.*; Menndez, J.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; et al.
Physics Letters B, 800, p.135071_1 - 135071_7, 2020/01
被引用回数:31 パーセンタイル:96.23(Astronomy & Astrophysics)ガンマ線分光による=40同調体であるTiの分光学研究をV(,)TiをRIBFで行った。今回初めて測定されたとの遷移はTiの基底状態が変形していることを示唆した。これらのエネルギーは近傍核のCrやFeと比較して大きく、したがって四重極集団運動が小さくなっていることが示唆される。今回の結果は大規模殻模型計算によって良く再現される一方、第一原理計算や平均場模型では今回の結果は再現されなかった。
Chen, S.*; Lee, J.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; 茶園 亮樹*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Raimondi, F.*; et al.
Physical Review Letters, 123(14), p.142501_1 - 142501_7, 2019/10
被引用回数:47 パーセンタイル:92.65(Physics, Multidisciplinary)Caでは中性子魔法数34が現れると考えられているが、その直接的な実験的証拠を得るため、Caからの中性子ノックアウト反応Ca()Caによって生成される状態を理化学研究所のRI Beam Factoryによって調べた。基底状態および2.2MeVの励起状態が強く生成され、1.7MeVの励起状態の生成量は小さかった。Caの運動量分布から、基底状態および2.2MeVの励起状態は軌道の中性子を叩き出して得られた状態であることが明らかになった。DWIA計算によって得られた分光学的因子から、Caは軌道がほぼ完全に占有された閉殻構造を持つことが明らかになり、中性子魔法数34の出現が確実なものとなった。
内田 雅大; 天野 健治; 濱 克宏; 竹内 竜史; 吉田 拓真*; 野下 健司*; 二口 克人*; 大江 俊昭*; 長崎 晋也*
no journal, ,
従来課題とされてきたさまざまな物質移動特性の同一システムを用いた評価に向けて開発された地質環境診断用マイクロ化学プローブをもとに、同装置のさらなる機能拡張と瑞浪超深地層研究所で計画されている原位置物質移動試験への活用を検討した。
濱 克宏; 内田 雅大; 天野 健治; 竹内 竜史; 萩原 大樹; 吉田 拓真*; 野下 健司*; 長崎 晋也*; 大江 俊昭*; 二口 克人*
no journal, ,
岩盤中での物質移行特性をボーリング孔内の原位置にて測定可能な装置(マイクロ化学プローブ)の性能確認試験を実施した。その結果、所定の性能を有することを確認することができた。
鎌田 正輝*; 吉田 拓真*; 栗原 賢二*; 奥村 啓介
no journal, ,
福島第一原子力発電所13号機の原子炉格納容器から取り出した物の核燃料物質量を推定することにより、燃料デブリと放射性廃棄物に仕分けることができれば、取り出しから保管までの作業を合理化することが期待できる。本発表では、仕分けのための非破壊計測技術の開発状況を報告する。