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内田 俊介*; 和田 陽一*; 山本 誠二*; 高木 純一*; 久宗 健志*
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(1), p.24 - 36, 2014/01
被引用回数:9 パーセンタイル:57.19(Nuclear Science & Technology)BWR一次冷却系の腐食環境は、腐食電位を指標として評価される。実機では腐食電位は限られた箇所でしか測定できない。一次冷却系のあらゆる点での腐食電位を求めるためには、腐食性放射線分解生成種の濃度を求めるラジオリシスコードと求められた濃度を用いた腐食電位評価コードを結合させて計算する必要がある。日本機械学会の規格では、腐食電位の低減によるSCC亀裂進展速度の緩和が定量的に規定されているが、腐食電位緩和の評価法については認知されるには至っていない。本論文では、VV法に基づく、腐食環境評価算コードの標準化手法について記述するものである。標準コードとして採用されるすべての計算コードは数式の正確さを検証するとともに、実機プラントの評価における精度と適用の妥当性を確認することが必要である。正確さの検証のためのベンチマーク計算を提案するとともに、プラントでの測定値と計算値の比較により妥当性を確認する手法を提示する。
内田 俊介; 佐藤 智徳; 佐藤 義之*; 和田 陽一*
Corrosion Monitoring in Nuclear Systems, Research and Applications (EFC 56), p.239 - 254, 2010/09
高温水中での過酸化水素濃度の直接測定のため、腐食電位センサと周波数依存複素インピーダンスセンサよりなる電気化学センサアレイを開発した。主要な結論は以下の通りである。(1)周波数依存複素インピーダンスの低周波数側のコールコールプロット半径は過酸化水素濃度に比例する。(2)センサアレイの特性は高温高圧過酸化水素水ループで確認した。(3)腐食電位センサと周波数依存複素インピーダンスセンサの結合は、BWR一次冷却系での過酸化水素濃度の定量のための有望な手法である。
佐藤 智徳; 内田 俊介; 塚田 隆; 佐藤 義之*; 和田 陽一*; 石榑 顕吉*
Proceedings of Symposium on Water Chemistry and Corrosion of Nuclear Power Plants in Asia, 2007 (CD-ROM), p.124 - 129, 2007/09
過酸化水素を含む高温水中では、酸素を含む高温水中よりステンレス鋼表面の酸化被膜の溶解が大きい。また、高温水中で形成される酸化被膜は、直接酸化により形成される内層と溶出した鉄イオンの再析出による外層の2層構造を持つ。外層は、酸化物粒子の集合として形成される。本研究では、この酸化物粒子の浸漬時間依存性を評価した。その結果、酸化物粒子の粒子数密度の酸化種濃度依存性を明確にした。また、過酸化水素濃度が高いときにおける被膜の高い電気抵抗は、ヘマタイトの粒子の形成によることを示した。過酸化水素が高濃度の場合、酸化物の溶解が大きいため、溶解度の大きいマグネタイト粒子は小さくなり、溶解しにくいヘマタイトは大きく成長するために大粒径の粒子と小粒径の粒子が混在する表面となることを明らかにした。
内田 俊介; 佐藤 智徳; 塚田 隆; 佐藤 義之*; 和田 陽一*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 15 Pages, 2007/08
実験室系では、実機のような高温水中でのステンレス鋼の腐食を実験的に評価する際には酸素を酸化剤として添加してきたが、実機環境では過酸化水素が存在し、その影響が重要であることが指摘されてきた。そこで、これまで過酸化水素もしくは酸素を含む高温水中でのステンレス鋼の腐食特性に関するその場測定と、浸漬後の多元表面分析を実施した。その結果を比較した結果、以下の点が明らかとなった。(1)過酸化水素を含む高温水中で形成される酸化被膜はヘマタイトリッチで高い電気抵抗を有するが、酸素雰囲気ではマグネタイト主体の酸化被膜が形成される。(2)過酸化水素と酸素を含む高温水中でのステンレス鋼の腐食電位(ECP)応答の差異は表面に形成される被膜の特性と過酸化水素の酸化反応の存在に起因する。(3)過酸化水素は同程度の濃度条件では、酸素より高ECP,低腐食電流条件をもたらす。(4)低い腐食電流密度は応力腐食割れにおける低いき裂進展速度をもたらす。
内田 俊介*; 森島 祐介*; 廣瀬 達也*; 宮澤 孝裕*; 佐藤 智徳; 佐藤 義之*; 和田 陽一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(5), p.758 - 766, 2007/05
被引用回数:5 パーセンタイル:37.19(Nuclear Science & Technology)過酸化水素及び酸素の腐食電位(ECP)及び周波数依存複素インピーダンス(FDCI)の差異を評価するため、Pt擬似参照電極を用いた分極特性測定系を構築し、高温純水中でのステンレス鋼の分極特性を測定した。その結果、過酸化水素雰囲気では、カソードだけではなく、アノード分極電流も濃度依存性を有し、濃度とともに電流値が増大していくことが確認された。また、ECPの濃度依存性に関して、酸素では、カソード電流の酸素濃度依存性によりECPが変化するが、過酸化水素雰囲気では、アノードの濃度依存性とカソードの濃度依存性の両方が寄与するため、比較的低濃度から、一定値を維持することが確認された。
内田 俊介; 佐藤 智徳; 塚田 隆; 佐藤 義之*; 宮澤 孝裕*; 寺地 巧*; 和田 陽一*; 細川 秀幸*
Proceedings of International Conference on Water Chemistry of Nuclear Reactor Systems 2006 (CD-ROM), 6 Pages, 2006/10
高温水中でのステンレス鋼の腐食特性評価のため、過酸化水素及び酸素を含む高温水中でのステンレス鋼の腐食電位(ECP)及び周波数依存複素インピーダンス(FDCI)を測定した。また、浸漬後の試験片表面の酸化被膜の多元分析を実施した。結果を以下に示す。(1)過酸化水素雰囲気でのステンレス鋼のECPは同程度の酸素雰囲気でのものより高い値であった。また、過酸化水素100ppbでのECP飽和値と10ppbでのECP飽和値はほぼ等しい値を示した。過酸化水素と酸素を共存させた条件でのECP応答は、過酸化水素のみ含む高温水中でのそれとほぼ等しくなった。(2)FDCI測定より、過酸化水素雰囲気での高い被膜電気抵抗値が推定され、それは、被膜電気抵抗の直接測定により確認された。(3)過酸化水素雰囲気では、ヘマタイトを含み、Crは単調減少するような被膜が形成されるのに対し、酸素雰囲気ではCrリッチでマグネタイト主体の被膜が形成されることを確認した。(4)100ppb過酸化水素雰囲気に浸漬させた試験片表面の酸化被膜厚さは、被膜溶解の濃度依存性により、10ppb過酸化水素雰囲気でのものより薄くなることを、表面分析及びFDCI測定により確認した。
宮澤 孝裕*; 寺地 巧*; 内田 俊介*; 佐藤 智徳; 塚田 隆; 佐藤 義之*; 和田 陽一*; 細川 秀幸*
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(8), p.884 - 895, 2006/08
被引用回数:65 パーセンタイル:96.73(Nuclear Science & Technology)BWR水質条件でのステンレス鋼の腐食挙動を理解するために、過酸化水素、及び酸素を含む高温水中に浸漬されたステンレス鋼試験片の表面酸化被膜を多元分析し、評価した。その結果、以下のことが確認された。(1)酸化被膜は2層構造を持ち、100ppb HOに浸漬された試験片の外層被膜は、コランダム型のヘマタイト粒子で、内層はニッケルリッチなスピネル型のマグネタイトで構成されていることが確認された。200ppb Oでは、外層は大きなマグネタイト粒子で、内層はクロムリッチなスピネル型のマグネタイトであった。(2)外層被膜を形成する酸化物粒子の粒子径と数密度は酸化種濃度により変化する。その平均粒径は酸化種濃度が増加するにつれ小さくなる。(3)高い過酸化水素濃度での大きな被膜溶解速度がより薄い被膜とより小さい粒子径の要因である。
池田 直*; 大隅 寛幸*; 大和田 謙二; 石井 賢司; 稲見 俊哉; 加倉井 和久; 村上 洋一*; 吉井 賢資; 森 茂生*; 堀部 陽一*; et al.
Nature, 436(7054), p.1136 - 1138, 2005/08
被引用回数:826 パーセンタイル:99.77(Multidisciplinary Sciences)SPring-8の放射光を用いた共鳴X線散乱実験,焦電気測定及び誘電分散測定により、混合原子価鉄イオンを含む複合酸化物LuFeOは、全く新しいカテゴリーに属する強誘電体であることがわかった。本系では、三角格子上において、鉄イオン間に電荷相互作用のフラストレーションが存在する。このフラストレーションは、2価と3価の鉄イオンの長周期電荷秩序構造を安定化し、その結果として、電子の密度分布変調による誘電分極を発生する。この強誘電発現機構は、基礎科学的に興味深いだけでなく、電荷・スピン・軌道といった電子の自由度により制御された、次世代の強誘電デバイス開発の可能性をも提供する大きなインパクトを持つものである。
内田 俊介*; 佐藤 智徳; 森島 祐介*; 廣瀬 達也*; 宮澤 孝裕*; 柿沼 永郎*; 佐藤 義之*; 臼井 直志*; 和田 陽一*
Proceedings of 12th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems-Water Reactors (CD-ROM), p.19 - 29, 2005/00
沸騰水型原子炉(BWR)の冷却水には水の放射線分解により生成した過酸化水素と酸素が混在していることが指摘されているが、ステンレス鋼の腐食や応力腐食割れに及ぼす過酸化水素の影響に関するデータは少ない。本研究では、過酸化水素及び酸素を含む、BWRを模擬する高温高圧水に浸漬されたステンレス鋼の静的,動的挙動を周波数依存複素インピーダンス(FDCI)及び腐食電位(ECP)測定により評価した。試験片の表面被膜の多元分析(LRS, SIMS, XPS, 接触電気抵抗測定など)を実施した。その結果、以下が確認された。(1)BWRの通常水質(NWC)が100pp HOにより模擬され、水素注入(HWC)は10ppb HOにより模擬できる。(2)HWC下でのECPはNWCと同様に高いが、酸化被膜の溶解はNWCより大変小さい。(3)NWCとHWCの同レベルのECPは被膜の電気抵抗と溶解の複合効果による。(4)100ppbHOに浸漬された試験片の明らかな質量減少が得られた。これらより、BWRの1次冷却水の腐食環境が過酸化水素により決定され、その評価指標がECPだけでは不十分であることが確認された。
佐藤 智徳; 内田 俊介; 塚田 隆; 佐藤 義之*; 和田 陽一*
no journal, ,
過酸化水素を含む高温水中のステンレス鋼表面におけるアノード分極電流とカソード分極電流は、どちらも過酸化水素濃度に依存する。これは、過酸化水素の酸化反応のアノード分極電流への寄与によるものであると推測される。一方、過酸化水素雰囲気ではステンレス鋼表面にヘマタイトリッチな酸化物が形成されることから、鉄の溶解が被膜形成とともに抑制されることが推測される。本研究では、過酸化水素の酸化反応と酸化被膜による鉄の溶解の抑制効果を取り入れてステンレス鋼の分極特性を計算評価し、実測値と比較した。その結果、計算結果と測定結果が比較的よく一致し、過酸化水素雰囲気では、ステンレス鋼表面での被膜の成長に伴い鉄の溶解が抑制され、被膜が安定した後は、過酸化水素の酸化反応がアノード分極を決定する主反応となることを確認した。
山本 正弘; 中原 由紀夫; 加藤 千明; 塚田 隆; 和田 陽一*; 布施 元正*
no journal, ,
軽水炉などでは、水が放射線により分解され酸化剤が生成する。これらの生成反応は金属表面でバルク水よりも多く生成することが予測される。さらにすき間形状部では拡散が阻害されて濃化することが考えられる。これらの影響を明らかにするために、すき間有無のステンレス鋼試験片を高温水中で線照射を行い、腐食に及ぼす影響を皮膜解析により明らかにした。これらの皮膜の組成と酸化剤の拡散の影響を計算により評価した。
塚田 隆; 堂崎 浩二*; 中村 武彦; 和田 陽一*
no journal, ,
本企画セッションの講演では、まず軽水炉におけるSCC環境緩和技術(水素注入等)と炉内環境評価にかかわる現在の技術的課題を示し、その観点からJMTR照射下インパイルループ試験への期待とニーズを紹介する。その後JMTRで計画されている照射下水化学実験の概要と特徴を紹介し、さらに精度の高いインパイルループ試験の実現に不可欠となる高温水化学センサ技術の現状と照射下水化学実験への期待について報告する。
塚田 隆; 堂崎 浩二*; 中村 武彦; 和田 陽一*
no journal, ,
地震に伴う津波に起因するシビアアクシデントを現実のものとして経験した後、我が国では地震・津波等の外的要因に対する安全性を強化する取り組みが行われているところである。一方、軽水炉の高経年化に伴う各種劣化事象とこれらの外的要因との組合せに留意すべきであるとの指摘があり、また、高経年化事象が安全性に及ぼす影響の重要性も依然として軽視してはならないものである。特に、中性子照射が材料に与える影響の蓄積により生じる照射誘起応力腐食割れ(IASCC)に関しては、高経年化事象の一つとして、照射が応力腐食割れ(SCC)発生進展へ及ぼす影響の評価手法,モニタリング技術,予防保全技術の高度化を進める必要がある。これらを背景として、本セッションでは、平成23年度に再稼動予定である材料試験炉(JMTR)で実施される、新しいインパイルループ(軽水炉内の水環境を模擬する条件で照射試験が可能な高温水循環供給装置)を用いる照射下水化学実験及びIASCC試験への期待とニーズについて議論する。